2018年3月19日更新

ロシアが産んだ7人の監督とその代表作を紹介!【独特の世界観が魅力】

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ロシア(フリー画像)

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ロシア映画は世界中から注目されている!

日本ではロシア映画が劇場で一般公開される機会はまだ多くはないため、なんとなく「ロシア映画は難しそう」「敷居が高そう」と感じている人も多いのではないでしょうか? しかし、ロシア映画はハリウッド映画などに影響を多く与えるなど、世界的にはとても注目を集めています。 またロシア映画は暗くて長いとイメージする人もいるかもしれませんが、実はコメディからSFやアクション、恋愛映画など様々なジャンルがあるのです。 そこで、この記事ではロシア映画初心者でも楽しめるような作品と、ロシアの代表的な監督を紹介していきます。(また、『惑星ソラリス』で知られるロシアを代表する巨匠・アンドレイ・タルコフスキーは、今回はあえて除外しております)

ロシア映画を代表する映画『戦艦ポチョムキン』を生み出したのセルゲイ・エイゼンシュテイン

各国の映画監督に多大な影響を与え、ロシア映画界の天才ともうたわれるセルゲイ・エイゼンシュタイン。 1898年に現在のラトビアに生まれ、50歳で心臓発作で亡くなるまでに、多くの作品を作り出しました。また日本語を習っていた経験もあり、これがのちの彼の映画作りに大きな影響を与えることになります。 彼の代表作である『戦艦ポチョムキン』は、1905年に実際に起きた黒海艦隊の戦艦ポチョムキンで起きた水兵の反乱を描いた作品です。 この作品は世界中の多くの映画に影響を与え、ハリウッドの人気映画『アンタッチャブル』や『裸の銃を持つ男PART33 1/3』などでも『戦艦ポチョムキン』を参考にしたシーンがあります。いかにセルゲイ・エイゼンシュタインがハリウッド映画に影響を与えてきたかを垣間見ることができるでしょう。

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『父、帰る』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞のアンドレイ・ズヴァギンツェフ

1964年生まれのアンドレイ・ズヴァギンツェフはもともとは舞台俳優であり、映画出演のために多くのオーディションを受けた経験もある監督です。 しかし映画俳優としては成功することができず、友人の紹介でテレビシリーズの演出を手掛けたことをきっかけに映画製作の道を歩み始めます。 そして、2003年の初の長編映画であり、音信不通だった父の突然の帰郷に戸惑う兄弟の姿を描いた『父、帰る』は、アンドレし・ズヴァギンツェフの代表作です。同作はヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、一気に世界中から注目を集めることになりました。 その後の作品でも常にカンヌ国際映画祭やゴールデングローブ賞を受賞するなどクオリティの高い作品を世に送り出し続けています。

米ソ首脳対談に影響を与えた映画『モスクワは涙を信じない』のウラジミール・メニショフ

ウラジミール・メニショフは1939年生まれの映画監督であり、俳優としても活動しています。 ロシア人の心理を巧みに描き出した1979年公開のウラジミール・メニショフの代表作『モスクワは涙を信じない』はアカデミー賞で外国語映画賞を受賞を果たしました。 そして1985年のソビエト(当時)の指導者であるミハイル・ゴルバチョフとアメリカの大統領ロナルド・レーガン大統領とのいわゆる米ソ会談前に、ロシア人の心理を理解するためロナルド・レーガン大統領が本作を何度も見たという逸話があります。

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カンヌ映画祭グランプリを受賞した『太陽に灼かれて』のニキータ・ミハルコフ

ニキータ・ミハルコフは父はロシア国歌の作詞者であり、母も詩人、兄も映画監督という芸術一家に育ちました。 学生のころから兄の映画を始めとしていくつかの映画に俳優として出演していましたが、その後大学で映画製作を学び、映画監督の道を歩み始めます。 1930年代のロシアを描いたニキータ・ミハルコフの代表作とも言える『太陽に灼かれて』はカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞、またアカデミー賞でも外国語映画賞を受賞するなど、一気に世界中の注目を集めることになりました。 その後も次々と話題作を世に送り出しており、東京国際映画祭で黒澤明賞なども受賞しています。

『ルサルカ〜水の精の恋』を生み出した今注目の女性監督アンナ・メリキャン

現在のロシア映画界で最もエキサイティングな存在と言われるアンナ・メリキャン。ベルリン国際映画祭を始め、海外の映画祭で数多くの賞を受賞しており、アメリカの雑誌でも必見の映画監督トップ10にも選ばれました。 アンナ・メリキャンの代表作とも言える2008年公開の『ルサルカ〜水の精の恋』。有名な作曲家ドヴォルザークのオペラが原作となっており、人間の王子に恋をした水の妖精ルサルカを描いたファンタジー・ラブストーリーです。 アンナ・メリキャンは本作でサンダス映画祭で外国人監督賞、ベルリン国際映画祭でベルリン国際映画祭国際映画批評家連盟賞などを受賞し、その後も注目作を続々と世に送り出しています。

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ロシアの新年のお祝いに欠かせない映画『運命の皮肉、あるいはいい湯を』のエリダール・リャザーノフ

1927年生まれのエリダール・リャザーノフは2015年に亡くなるまで、数多くの作品を撮り続け、特に監督初の『カーニバルの夜』は当時のロシアで最高の観客動員数を誇り、ロシア映画を代表とする作品となりました。 そんな数多くの話題作を撮りづつけてきたエリダールリャザーノフの代表作は今でもロシアの新年のお祝いには欠かせないと言われる映画『運命の皮肉、あるいはいい湯』と言えるでしょう。 公開は1976年でしたが、その後も毎年大晦日の夜にはテレビで放映される、ロシア人にとって、本作を見ずに新年を迎えることはできない、まさに国民的映画です。

世界の映画監督100人にも選ばれた『ファウスト』のアレクサンドル・ソクーロフ

アレクサンドル・ソクーロフは1951年生まれで、数多くの映画を世に送り出しながら、ドキュメンタリーも多く手がけており、ヨーロッパ映画アカデミーにより世界の映画監督100人に選ばれるほど、ロシア国内外で最も有名な映画監督の一人です。 2011年に公開されたゲーテのファウストをもとにした映画『ファウスト』はアレクサンドル・ソクールフの代表作とも言える作品であり、ヴェネチア国際映画祭やカンヌ国際映画祭で賞を受賞しました。 また日本人俳優イッセー尾形が主演した大日本帝国時代の昭和天皇を描いた『太陽』を発表するなど、日本にも強い関心を持っていることでも知られています。

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ロシア映画は映画ファンならずとも必見!

ロシア映画はアメリカを始め各国の映画に影響を与えており、また日本に造詣の深い監督が多いのも特徴と言えるでしょう。 またロシア映画はジャンルも幅広く、ハリウッドに多大な影響を与えるアクション映画からSF映画、フランス映画に通じる独特な描写が美しいラブストーリーなど、様々です。 まだ日本では劇場公開されるロシア映画は多いとは言えませんが、ロシア映画にも注目していきましょう!