出所したら豆腐食べる?韓国のあの文化を映画のシーンから解説!【映画から学ぶ】

2018年4月28日更新

韓国映画好き必見!「映画から学ぶ韓国文化」として、韓国独特の習慣や文化がわかるシーンを掘り下げて解説していきます。

韓国映画のワンシーンから紐解く韓国文化

好きな韓国映画を観ていて、ふと文化の違いに「?」となったことはありませんか?好きだからこそ、もっと詳しく韓国文化を知りたいと思うこともあるかもしれません。 今回は新旧の韓国映画から、独特な韓国文化が垣間見えるシーンを紹介していきます。知ってるようで知らなかった異文化を覗いてみませんか?

『親切なクムジャさん』で気になった「出所したら豆腐を食べるの」はなぜ?

パク・チャヌク監督による「復讐三部作」の3作目『親切なクムジャさん』は、『宮廷女官チャングムの誓い』のイ・ヨンエが主演し、日韓ともに2005年に公開された作品です。 幼児誘拐の罪を着せられて13年間も服役していたクムジャ。刑務所では「親切なクムジャさん」と呼ばれる模範囚でしたが、心密かに罪を着せた真犯人への復讐を誓っていました。

出所した受刑者に豆腐を食べさせる風習

豆腐

クムジャが刑期を終えて出所した際、伝道師が彼女を迎えて豆腐を差し出すシーンがあります。この作品に限らず、韓国ドラマでも多々出所した人に豆腐を食べさせるシーンが登場しますね。 これは豆腐のように白い心に戻ってやり直せるようにという意味があるようです。諸説あり、他にも刑務所のご飯は昔はあまり栄養もなく、出所後栄養を補うために家族が食べさせたというものもあります。 しかし、クムジャは真犯人への復讐を誓って出所したため、その豆腐を「余計なお世話です」と言って手で払い落としてしまいます。クムジャの固い復讐心を表す冒頭の象徴的なシーンです。

『コクソン』で知る「実はキリスト教信仰が厚い国」

『チェイサー』のナ・ホンジン監督クァク・ドウォン主演による『哭声/コクソン』は、韓国では2016年、日本では2017年に公開されました。謎の男を演じた唯一の日本人キャストである國村隼は、外国人で初めて青龍映画賞の男優助演賞を受賞しています。 田舎の村・谷城(コクソン)で連続して起こる村人惨殺事件。なぜか容疑者はその家族たちであり、動機すらなく、不可解な点ばかり。そのうち村人たちは、山の中で暮らしている謎めいた日本人が関わっているのではないかと疑い始めます。

韓国に浸透しているキリスト教

キリスト教

儒教のイメージが強い韓国ですが、国民の約3割がキリスト教徒。仏教徒よりも多く、歴史的には日韓併合下の抗日運動を担ったのがキリスト教徒だったため、より強く根付いたようです。 クリスチャンであるナ・ホンジン監督は聖書からテーマのヒントを得たといいます。エルサレムのユダヤ人にとっては「よそ者」であったイエス・キリストの存在を、國村隼演じる謎の男に投影して「混沌」を描いたそうです。 冒頭には新約聖書ルカ伝の一節を引用し、本作がキリストをモチーフにし「信じること」がテーマであることを明示。実は謎の男=キリストとわかるシーンが終盤にあります。謎の男の手のひらには、キリストと同じ「聖痕」があるのです!

『JSA』で描かれた韓国の徴兵制と南北38度線

パク・チャヌク監督のサスペンス映画『JSA』は、韓国では2000年の公開当時入場者記録を塗り替えるほどの社会現象を起こしました。主演はソン・ガンホ、イ・ヨンエ、イ・ビョンホンで、日本でも2001年に公開され話題を呼びました。 韓国と北朝鮮の軍事境界線上にある共同警備区域(JSA)で、韓国軍兵士による北朝鮮将校と兵士の射殺事件が発生。中立国監視委員会は法務科の将校を派遣し、真相究明のため調査を始めます。

南北統一は朝鮮半島の悲願!チョコパイとタバコがつなぐ南北の友情?

韓国

南北を分けている軍事境界線=38度線は1953年に朝鮮戦争停戦時に決められたラインで、その周辺をJSAと呼び、南北会談に使われる板門閣があります。今も両軍隊がにらみ合いを続けていますが、南北統一の夢も潰えてはいません。 徴兵制がない現在の日本ではなかなか理解しがたい韓国と北朝鮮の軍隊生活。徴兵された兵士たちは「あと何日で除隊になるか」を数えるほど、除隊を楽しみにしています。韓国の兵役は2年、しかし北朝鮮は10年!劇中北朝鮮の兵士が「13年ある」と言っていましたが、『JSA』が製作された2000年当時はまだ13年の兵役で、2003年に10年に短縮されました。 そして、軍隊生活で唯一の楽しみがタバコ!南北の兵士たちがタバコを交換する描写もあります。また、軍隊の中に教会があり、週に一回チョコパイとヤクルトが配られているとのこと。韓国側の兵士がその大事なおやつを北朝鮮の兵士と分け合って「南に来ないか?」と誘うシーンからは、敵味方関係なく友情を感じている兵士たちの心情が読み取れます。

雨が微妙な恋愛感情を表現!『私の頭の中の消しゴム』

イ・ジェハン監督による純愛映画『私の頭の中の消しゴム』は、日本のテレビドラマ『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜』のリメイク作です。主演はチョン・ウソンとソン・イェジンで、韓国で2004年、日本では2005年に公開され大ヒットを記録しました。 社長令嬢のスジンと恋に落ちた現場監督のチョルスは、育った環境も違う中でも相思相愛で結婚。しかし幸せな日々は、スジンが発症した若年性アルツハイマー病によって壊されていきます。

韓国の恋愛表現は雨に彩られる

雨

韓国のドラマや映画には、度々印象的な雨のシーンが登場しますね。特にラブストーリーには必ずといっていいほど、恋愛感情が動く重要なシーンに雨が降っています。 なぜ韓国の人たちが雨で恋愛を連想するかというと、韓国では教科書にも載っているほど有名な『소나기(ソナギ)』という短編小説からきているようです。ソナギとは夕立のことで、雨宿りから始まる少年少女の切ない初恋を描いた物語。 結婚に対して否定的だったチョルスがスジンの両親と会う場面で、ストレスのあまりスジンは倒れてしまいます。しかし雨の中スジンを抱えていち早く病院に連れて行ったチョルスの様子を見て、その場の全員が2人の強い愛を目の当たりにし、結ばれる運命にあると感じます。

『祝祭』から、韓国のお葬式は3日間もある!?

韓国映画界の巨匠イム・グォンテク監督の『祝祭』は、韓国の古式ゆかしい葬儀を丁寧に描いています。主演は韓国を代表する名優アン・ソンギで、田舎に住む老母の葬儀を喪主として執り行うことになった作家を演じています。 人気作家のジュンソプは、母危篤との知らせを受け田舎へ戻ります。昔ながらの葬儀が執り行われる中、親戚や村人たちが集まり、出奔した姪やジュンソプの編集者が取材にやってきて度々葬儀をかき乱します。

韓国の伝統的な3日葬(サミルチャン)

葬式

日本では2日で通夜と葬儀を行いますが、韓国では3日間かけて葬儀が行われることが主流だそうです。1日目は準備と連絡、2日目は通夜、そして3日目に告別式。喪服を着るのは2日目からで、8親等までの親族が正装する習慣があります。 『祝祭』で行われる葬儀は昔ながらの伝統的な3日葬。日本と違って土葬の風習が広く根付いているのも特徴です。韓国の喪服が黒ではなく白装束なのも、大きな違いですね。 『祝祭』では2日目に亡くなったジュンソプの母の体を隅々まで綺麗にし、白い死装束「寿衣(スイ)」を着せてしっかりと結んでいます。そして「반함(バンハム)」という口の中に3匙の飯を含ませる儀式をします。 飲んで歌って踊っての宴が繰り広げられた後、3日目には歌いながら棺を人力で埋葬地まで運んでいきます。棺を墓穴に入れ、喪主のジュンソプがその上に土を3回盛っています。土を盛り上げて作られるのが伝統的な韓国のお墓です。

『ベテラン』から学ぶ「財閥批判は最大のタブー」

2015年に日韓ともに公開されたクライム・アクション映画『ベテラン』は、財閥御曹司とベテラン刑事の戦いを描いています。監督は『ベルリンファイル』のリュ・スンワンで、主人公のソ・ドチョル刑事をファン・ジョンミン、御曹司チョ・テオをユ・アインが演じました。 広域捜査隊のベテラン刑事ドチョルは、シンジン財閥の御曹司テオが絡んでいると思われる系列企業社員の自殺未遂事件を捜査します。警察上層部にも圧力をかけられるほどの強大な力を前にしても怯まず、権力と対決していきます。

韓国の財閥子息問題に迫る!

ナッツ

韓国経済の中枢を担っている財閥は、やはり韓国社会にはなくてはならない存在。いかに財閥一族たちが傍若無人であろうとも。ナッツ・リターン事件に象徴される財閥3世たち苦労知らずの世代の暴言暴挙が社会問題になっています。 『ベテラン』の中でも、テオが自殺未遂をした社員に暴行を加えるシーンがありますが、これは実際の暴行事件がモデルになっているようです。韓国の財閥トップ10に入るSKグループの創業者の甥が、系列企業に勤めるトラック運転手を金属バットで十数回も殴った事件です。 ドラマや映画の中で描かれてきた財閥2世・3世の横暴が、現実の事件として公になったことで韓国の世論は大きく反応。『ベテラン』が公開時大ヒットして韓国歴代動員数3位にまでなった要因は、こうした世相を反映したものだったようです。 以上、映画から学ぶ韓国文化を紹介しました!本記事で韓国に興味が湧いた方は、ぜひ自分の足で韓国を訪れて感じて見てはいかがでしょうか?