2021年7月29日更新

映画『孤狼の血』のあらすじ&キャスト相関図を徹底ネタバレ解説!警察とヤクザそれぞれの覚悟が光る

このページにはプロモーションが含まれています
孤狼の血
©2018「孤狼の血」製作委員会

AD

ヤクザ映画『孤狼の血』あらすじ&キャスト相関図を徹底ネタバレ解説!

伝説のヤクザ映画『仁義なき戦い』を製作した東映が新たに放つ、凶暴で凶悪な極上バイオレンスエンタメ映画『孤狼の血』。 2018年に公開された本作は、昭和63年の広島県にある架空の都市・呉原を舞台に、血で血を洗うヤクザ同士の抗争に身を投じていく刑事2人を描き、圧倒的バイオレンスエンターテインメントとして高い評価獲得しました。 その徹底的に追求された暴力・ゴア表現で、日本映画業界全体に単独でケンカを挑む姿勢は、それだけで過去の東映ヤクザ映画を思わせてくれます。 今回はそんな映画『孤狼の血』について、あらすじや複雑な相関図、監督の徹底的なこだわりを丸ごと解説していきます。 ※この記事には『孤狼の血』結末までのネタバレが含まれます。本編未鑑賞の場合は注意して読み進めてください。

【あらすじ】映画『孤狼の血』ではそれぞれの思惑が混じり合う!

孤狼の血
©2018「孤狼の血」製作委員会

物語は呉原東署二課暴力団係(通称・マル暴)に赴任してきた新米刑事・日岡(松坂桃李)が、数え切れないほどの表彰と処罰を受けてきた敏腕かつ横暴な巡査部長・大上(役所広司)の下につくことから始まります。 大上の暴力的な捜査や暴力団からの金銭の授受を目撃した日岡は、彼のやり方に疑問を抱き異議を唱えました。 しかし14年前の大規模な抗争をきっかけに、真っ向から対立することとなった五十子会と尾谷組の長らく続く冷戦状態をなんとか維持し、大きな衝突を防ぐべく奮闘する大上の姿を見るうちに、日岡は自身の考えを改めはじめました。

孤狼の血
©2018「孤狼の血」製作委員会

失踪した五十子会のフロント企業に勤める男・上早稲の捜索や、尾谷組構成員・柳田が殺された事件の捜査を通して、次第に絆を深めていく2人でしたが、ある日大上に関する重要な疑惑が浮上します。 なんとそれは、14年前の抗争を終結させるきっかけとなったある男の殺人事件に、大上が関わっているというものでした。

実は日岡は、監察官から大上の内偵を言い渡されていました。 大上の持つ手帳を入手するため彼が裏で動き始めたころ、尾谷組の若手構成員が加古村組の手によって命を落とします。 その報復をきっかけに、尾谷組と加古村組の抗争は本格化。大上は尾谷組若頭・一ノ瀬(江口洋介)に思い留まるよう言いますが、逆に3日間の猶予を突きつけられてしまいました。 刑務所に収監中の尾谷組組長の説得が難航するなか、大上は里佳子(真木よう子)を使って加古村組の組員から情報を聞き出し、税理士・上早稲の遺体を発見。これにより加古村組に捜査が入ります。 一方で東署に、マスコミから大上の裏工作疑惑について問合せが入り、彼は自宅謹慎処分になってしまいました。 日岡は1人で一ノ瀬に会いに行きますが、大上が来なければ約束は果たされたことにならないと追い返されてしまいます。そして尾谷組が加古村組幹部を襲撃したことで、尾谷組にも捜査の手が。 大上は自宅謹慎を破り、五十子・加古村と尾谷の手打ちを画策しますが失敗。後日、彼は水死体となって発見されました。 長年ストッパーの役割を果たしていた刑事・大上の死亡によって、頭不在の尾谷組とそれを良い事に大胆にシマを荒らし続ける五十子会の衝突は、もはや止められないものとなりました。 無残にも大上を殺され復讐の炎を燃やす日岡はその抗争の裏で暗躍し、五十子会会長・五十子(石橋蓮司)と一ノ瀬をわざとぶつけます。トイレという無防備な状況で襲われた五十子は、あえなく一ノ瀬の手にかかり、斬首されたその首を小便器に放置されるという非業の死を遂げるのでした。 警察官である日岡と協力関係だと信じていた一ノ瀬は、自分の身代わりに舎弟を犯人として差し出します。 しかし日岡はそれを無視。一ノ瀬を現行犯として見事逮捕する事に成功し、大上の死に関わった人間をすべて排除する事に成功するのでした。

AD

【ネタバレ】大上と14年前の事件との関係は?

孤狼の血
©2018「孤狼の血」製作委員会

大上は14年前に起こったある男の殺人事件への関与が疑われていました。映画後半では、その事件の真相が明らかになります。

しかしこの事件のキーパーソンは、スナックのママ・里佳子だったのです。 14年前の広島第三次抗争の際、彼女は婚約者だった尾谷組の構成員を、五十子会の幹部・金本に卑劣な方法で殺害されてしまいました。そして彼女は復讐を決意します。金本をホテルに呼び出し、油断したところをナイフでめった刺しにしたのです。この現場に居合わせたのが大上でした。 妊娠中だった里佳子の境遇に同情した彼は、死体の処分や事件処理をすべて担当し、殺人事件をもみ消したのです。 それ以来、里佳子は大上に情報を提供したり、おとり捜査に協力したりするようになります。大上もまた、極秘情報が書かれたノートを彼女に預けるなど、深い信頼関係で結ばれていました。

【相関図】入り混じった抗争の全貌を把握しよう!

警察・暴力団・右翼団体・養豚所など、さまざま組織が絡み、複雑な様相を持つこの抗争。すでに鑑賞済みの人も「どれがどの組織なのか」わからなくなってしまったのでは? 予習・復習のためにも、ここでは組織関係をおさらいしていきましょう。

呉原東署 刑事二課(マル暴)

孤狼の血 キャスト相関図改2
©︎ciatr

暴力団を取り締まる監視組織のような役割を果たす、刑事第二課暴力団係(通称マル暴)。この広島県警・呉原東署のマル暴メンバーは、曲者だらけです。 役所広司演じる傍若無人の主任・大上を筆頭に、加古村組に肩入れする大上のライバル主任・土井。中立の立場で全体を見守る友竹係長、比較的温厚で情に熱い菊池など、一枚岩ではまとまらない個性的な面々となっています。

孤狼の血
©2018「孤狼の血」製作委員会

そんな東署マル暴へとやってきた松坂桃李演じる新人刑事・日岡は、正義感が強くあらゆる不正を見逃せない性格で、なかなか馴染む事ができません。 また、所要所で不気味にうごめく県警監察官である嵯峨の存在が、物語をあらぬ方向へ推し進めることに。

地元「呉原」の尾谷組 VS 「広島」の五十子会

孤狼の血 キャスト相関図改2
©️ciatr

組長である尾谷が鳥取刑務所に服役中であることから、尾谷組の事実上の実権を握るのは若頭・一ノ瀬という男。 狸親父・五十子を会長とする五十子会、その傘下に入る新興組織・加古村組の若頭野崎とは犬猿の仲で、組織ごと対立しています。

孤狼の血
©2018「孤狼の血」製作委員会

この対立が、五十子会のフロント企業で働く上早稲の失踪をきっかけに、五十子会傘下でありながら大上の親友である瀧井、尾谷組が経営するクラブ梨子のママ・里佳子を巻き込みながら、激しい抗争へと発展していきます。

AD

【見どころ1】背筋も凍る!グロいけど目が離せない衝撃シーンの数々

孤狼の血
©2018「孤狼の血」製作委員会

「コンプライアンス」という言葉が世間に浸透して数年。現在ではテレビも映画も視聴者からのクレームを恐れて、その表現をグッと抑えざるを得ない状況にあります。 そんな日本の映像業界に警鐘を鳴らすべく、「日本で一番元気な映画」を目指し製作されたこの『孤狼の血』は、衝撃的なバイオレンスシーンで満ち溢れています。 ここでは監督の白石和彌が『凶悪』(2013年)や『日本で一番悪い奴ら』(2016年)で魅せた圧倒的な暴力描写を軽々と超える、最強で最凶なヤバいシーンの数々を紹介していきましょう。

この映画は豚のケツから始まる!

東映のロゴから明けてすぐ、画面いっぱいに豚のケツが映し出される本作。カットが変わると豚小屋に拘束された、すでに血だらけの上早稲が現れます。 数人のヤクザに囲まれてなにやら拷問を受けている様子を、小屋の外から加古村組若頭の野崎が覗いています。次のカットで豚のケツからリアルな糞が放出され、それを口いっぱいに押し込まれる上早稲。 豚のクソを食わされるという強烈なシーンで幕を開けることによって、まるで観客を「こういう映画だぞ?ついてこれるか?」と試しているようでした。

男性器に埋められた真珠を取り出す!

孤狼の血
©2018「孤狼の血」製作委員会

尾谷組構成員の柳田が殺され、その恋人であったクラブ梨子のママ・里佳子の依頼を受け、犯人の加古村組構成員・吉田を拷問する大上。 里佳子の美人局によって全裸でラブホテルのベッドに縛り付けられた吉田は、成す術もなく虚勢を張ることしかできません。大上が調べてみると、「俺の真珠を触ってみるか?」と里佳子に握らせた男性器には、なんと本物の真珠が埋まっていました。 柳田を殺した犯人を、そして上早稲を拷問した人物を探るため、大上はその真珠入りの男性器にメスを入れていきます。最後には「ぎゃあっ!」と大声をあげる吉田の口に、取り出した真珠をブチ込むのでした。

AD

【ネタバレ注意】見事なまでの完成度に涙する水死体

養豚業兼五十子会の手下・善田を取り調べる際に、部屋の机をひっくり返し、その足に口を突っ込ませるなど、数々の恐ろしい脅しをかけてきた大上。 そんな彼が警察署内の思惑に翻弄されて、重大なミスを犯してしまいます。

結果的に五十子の恨みを買った大上は、彼らの策略によって殺害されてしまうのでした。 次に彼が見つかったのは、川から上げられた水死体となった姿で、その手足や顔はパンパンに膨れ上がり、全身に青筋が走っていました。 昨今の刑事ドラマで見つかる水死体は、あまりにも綺麗な状態で“寝ているだけ”に見えるものも少なくないのですが、これと比べると今作の作り込みは異常です。 あまりにもエグい死体を直視したくないと思わせることで、観客の感情を発見した日岡と同じステージまで引き上げ、深い悲しみと静かな怒りを抱かせる事に成功しています。

【見どころ2】監督・白石和彌によって描かれた“強烈な”昭和の男たち

孤狼の血
©2018「孤狼の血」製作委員会

本作の監督を務めたのは、『凶悪』(2013年)や『日本で一番悪い奴ら』(2016年)など、暴力団や警察を描いた犯罪映画でよく知られる白石和彌(しらいし かずや)監督です。 『孤狼の血』では、カルピスの原液を2リットル飲まされたような圧倒的な“濃度”で、胸焼けしそうなほどの衝撃を与えてくれました。 昭和63年というバブル全盛期のギラギラした世界を、韓国ノワール調のライティングで味付け。輝く男たちの脂汗と、カロリーたっぷりのゴア表現の数々で見事に描ききっており、「本気」で日本映画界にケンカを売る姿勢がハッキリと見えます。 しかし怒号飛び交う男たちの狂乱のなかにも、消え入りそうなマッチの火のように儚げで繊細な一面を覗かせる白石和彌監督ならでは演出が光る本作。これこそが、2018年最高のバイオレンスエンターテインメントとなった所以なのではないでしょうか。

なぜ今さらこんなにも男臭いヤクザ映画をやるのか?

仁義なき戦い 広島死闘編
©東映

広島県呉市という街ヤクザというキーワードが示す方程式の解は、これまで長きにわたって語り継がれてきた深作欣二の歴史的名作『仁義なき戦い』(1973年)でした。 高倉健の「昭和残侠伝」シリーズや藤純子の「緋牡丹博徒」シリーズのような任侠世界を、過剰なまでに美化した東映ヤクザ映画が主流であった60年代を経て、それに対抗するべく彗星の如く現れた『仁義なき戦い』。 実際に起こった抗争事件をベースとし、これまでの様式美を一切無視した泥臭いリアルな描写で、「東映実録モノ」というジャンルを切り開きました。 しかし公開から35年の時が流れ、当時新しかったこの路線ももはや「古き良き時代」と揶揄されるようになってしまいました。 いまやVシネマメインで停滞中の「ヤクザ映画」に一石を投じるべく、東映が『仁義なき戦い』と同じく広島を舞台として作り上げた、強烈で凶悪なまったく新しいヤクザ映画、それが『孤狼の血』なのです。

AD

【見どころ3】広島の呉市でオールロケ!『仁義なき戦い』へのリスペクトか

孤狼の血
©2018「孤狼の血」製作委員会

飛び散る汗と唾がギトギトに光る男たちの顔面クローズアップや、街のロングショットに乗せてナレーションが入る印象的なカットは、『仁義なき戦い』にはまる実録路線のオマージュとして本編中に幾度にもわたり登場。 東映の実録ヤクザ映画の歴史に対するリスペクトが随所に見られる作品となっていました。 さらに特殊メイクなどの技術向上により、当時はできなかったゴア表現を実現「進化した実録モノ」として、抜群の破壊力を獲得しました。 また広島の呉市でのオールロケで撮影された点も、『仁義なき戦い』との共通点です。 しかし主人公に新人刑事を据えることで、観客の感情移入をスムーズに行える構成となっており、客を選ぶ「ヤクザ映画」から一歩踏み出した“誰が見ても楽しめる”エンタメ・ムービーへと昇華しています。

【原作】人気作家・柚月裕子が執筆した人気警察小説シリーズ

柚月裕子(ゆづき ゆうこ)は1968年5月12日 生まれで岩手県出身。現在は山形県に在住しています。もともと読書好きで、たまたま受講した「小説家(ライター)になろう講座」がきっかけで、自身も小説執筆を手掛けるようになりました。 2007年、『待ち人』で山形新聞主催の「山新文学賞」入選。翌年『臨床真理』で「第7回このミステリーがすごい!」の大賞を見事受賞し、堂々たる作家デビューを果たしました。 2012年に発表した『検事の本懐』は、「第25回山本周五郎賞」候補及び「第15回大藪春彦賞」受賞。緻密な筆力で、人間が否応なく背負うサガや複雑な心理を描き切る作風は高く評価され、読者からも抜群の人気を誇っています。 本作の原作は、雑誌『小説 野生時代』に連載された長編警察小説シリーズです。第1作である『孤狼の血』のあと、その2年後を舞台にした『狂犬の眼』『暴虎の牙』全3作で完結しました。

AD

【キャスト】役所広司を筆頭に集った実力派俳優たちが大暴れ!

大上章吾役/役所広司

役所広司『孤狼の血』
©2018「孤狼の血」製作委員会

暴力団捜査のためには手段を厭わないベテラン刑事・大上章吾を演じるのは、日本を代表する大御所俳優の役所広司。 原作を読んだ役所は「このストーリーを映画化できる監督は白石監督しかいない」とコメントし、映画化されるにあたって舞台となる広島の呉市の雰囲気もしっかり伝えていきたいと意気込みを語っていました。

日岡秀一役/松坂桃李

松坂桃李『孤狼の血』
©2018「孤狼の血」製作委員会

大上章吾と同じ課に属する新人刑事・日岡秀一を演じたのは、松坂桃李です。 同じCMに出演して以来これまでに何度か共演経験はありますが、相棒としてがっつり役所広司とコンビを組むのは本作が初。 ベテラン俳優とのタッグに「必死に食らいついていく」と語りました。

一之瀬守孝役/江口洋介

江口洋介『孤狼の血』
©2018「孤狼の血」製作委員会

尾谷組の若頭で、石橋蓮司演じる仁正会と対立する一之瀬守孝を演じるのは江口洋介。一之瀬は50人程度の組員をまとめる若頭ですが、大組織の仁正会に堂々と立ち向かっていきます。

高木里佳子役/真木よう子

真木よう子『孤狼の血』
©2018「孤狼の血」製作委員会

クラブ「リコ」のママを演じるのは、女優の真木よう子。 作品の中でキーパーソンになる高木里佳子を演じるにあたって「ヤクザに負けないくらいかっこいい女性を演じたい」と意気込んだ様子で語っていました。

五十子正平役/石橋蓮司

石橋蓮司『孤狼の血』
©2018「孤狼の血」製作委員会

暴力組織団の組長であり、役所広司演じる大上章吾と対立することになる五十子正平を演じるのは北野武監督の「アウトレイジ」シリーズにも出演していた石橋蓮司。 ヤクザを演じるのは同シリーズへの出演でお墨付きですが、本作でも安定感抜群の演技を見せています。

AD

嵯峨大輔役/滝藤賢一

広島県警の監察官・嵯峨大輔は、大上を目の敵にしている人物です。 演じるのは2013年のドラマ『半沢直樹』で一躍有名になった滝藤賢一。バイプレイヤーとして数多くの作品に出演している彼は、コミカルなものからシリアスなものまで、幅広い演技で評価されています。 本作では、ある意味でヤクザよりも恐い警察幹部をねっとりと演じています。

高坂隆文役/中村獅童

安芸新聞の記者である高坂は、大上の周囲をしつこく嗅ぎ回る粘着質な男。 高坂を演じた歌舞伎役者の中村獅童は多くの映像作品でも活躍しており、2003年の映画『いま、会いにゆきます』や『硫黄島からの手紙』(2006年)、『キャラクター』(2021年)など、幅広いジャンルの作品に出演しています。

瀧井銀次役/ピエール瀧

瀧井銀次は、全日本祖国救済同盟という右翼団体の代表で、大上の高校時代からの友人です。同じ広島仁正会傘下の五十子会とは表面的には穏便な付き合いをしていますが、尾谷組に肩入れする大上に協力していました。 恐妻家でコミックリリーフ的な役柄ですが、大上に事件解決への重要な情報を提供したり、覚醒した日岡に協力したりと、重要な役回りを担っています。 演じるのは、音楽ユニット「電気グルーヴ」のメンバーであり、俳優としても数々の作品で活躍しているピエール瀧です。

AD

吉田滋役/音尾琢真

加古村組の構成員・吉田滋。大上は、加古村組が経営するサラ金「呉原金融」の経理担当が行方不明になった事件の情報を探るため、里佳子を使って彼をおびき出し、拷問して情報を引き出します。 吉田を演じるのは演劇ユニットTEAM NACSの音尾琢真です。舞台で活躍するほか、ドラマや映画にも多数出演しており、映画『カツベン!』や朝ドラ『なつぞら』(ともに2019年)などで知られています。

【評価】国内の映画賞を総なめ!映画『孤狼の血』を観た人の感想は?

第42回
日本アカデミー賞
優秀作品賞
優秀監督賞(白石和彌)
優秀脚本賞(池上純哉)
最優秀主演男優賞(役所広司)
最優秀助演男優賞(松坂桃李)
優秀助演女優賞(真木よう子)
優秀音楽賞(安川午朗)
優秀撮影賞(灰原隆裕)
優秀照明賞(川井稔)
最優秀美術賞(今村力)
最優秀録音賞(浦田和治)
優秀編集賞(加藤ひとみ)
第61回
ブルーリボン賞
監督賞(白石和彌)
助演男優賞(松坂桃李)
第92回
キネマ旬報
ベストテン
助演男優賞(松坂桃李)
第13回
アジアフィルム
アワード
主演男優賞(役所広司)

『孤狼の血』は、国内で高い評価を受け、数々の映画賞を受賞しました。 第42回日本アカデミー賞で、役所広司の最優秀主演男優賞、松坂桃李の最優秀助演男優賞をはじめ、最優秀賞を4部門で獲得。そのほか、作品賞、監督賞、脚本賞など、12部門で優秀賞を受賞しています。 また第43回報知映画賞では、邦画作品賞と主演男優賞に輝き、第40回ヨコハマ映画祭でも日本映画ベストテン2位に入賞。やはり役所広司と松坂桃李がそれぞれ主演男優賞と助演男優賞を獲得しました。 そのほか、ブルーリボン賞でも白石和彌が同年の『止められるか、俺たちを』『サニー/32』とあわせて監督賞を受賞。松坂桃李が助演男優賞を手にしたほか、邦画ベストテン10にもランクインしています。

吹き出し アイコン

リアルでグロテスクな目を覆いたくなるシーンの連続。これぞヤクザ映画の醍醐味!こんな作品が今観られるとは。そのなかで自身の正義を貫く大上の姿は、決して褒められたものじゃないけど、かっこいいと思ってしまう。だんだんと彼に影響されていく日岡の変化も胸アツ!

吹き出し アイコン

キャスト全員の演技の熱量がすごくて、一秒たりとも目が離せない!後半の怒涛の展開にはぐいぐい引き込まれる。凶暴で凶悪、警察官とは思えない、むしろヤクザよりヤバいんじゃ?なガミさんが胸に秘めた強い覚悟に涙……。

AD

【続編】ド派手なレベルアップを遂げた「孤狼の血2」の公開を控える!

映画「孤狼の血 LEVEL2」
©2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

2021年8月20日、本作の続編『孤狼の血 LEVEL2』が公開されます! あの衝撃の結末から3年、大上の後を継ぎ、広島の裏社会を治めるようになった日岡。しかし五十子会の構成員・上林が刑務所から出所したことで、ギリギリで保たれていた秩序は崩壊していきます。 再び勃発したヤクザの抗争、マスコミによるリーク、そして警察組織の闇が、日岡の身内にまで迫りくるなか絶体絶命のピンチに陥った彼は、いったいどうなってしまうのでしょうか。 前作とはまったく違う日岡を演じる松坂桃李や、圧倒的な“悪魔”・上林役の鈴木亮平などの熱演で、さらにレベルアップ!ド派手なバイオレンスとアクションを、エンターテインメントに昇華させた続編の公開が待ちきれません。

解説を読んでもっと楽しむ!『孤狼の血』はヤクザ映画の歴史を塗り替える傑作

ぬるま湯に浸かりきった日本映画業界に一石を投じるべく東映が再び火をつけ、新しいヤクザ映画へのアプローチを白石和彌の手腕によって実現させた『孤狼の血』。 かつての名作に対する愛情と畏敬の念を忘れず、それでいてエモーショナルな演出と過激なバイオレンス表現がバランスよく調合されており、「現代のヤクザ映画」としての確かな活路を見出していました。 制約と誓約によって締め付けられた今だからこそ観たい、「映画」ならではの楽しみを提供してくれるこの作品。続編公開に合わせてぜひ観てみてはいかがでしょうか。