(C)2017 映画「22年目の告白 私が殺人犯です」製作委員会

映画「22年目の告白」徹底ネタバレ解説!時系列で真犯人に迫る【高評価話題作が金ローで地上波初放送】

2018年6月8日更新

2018年6月8日、金ローで地上波初放送される映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』。高評価が並ぶ本作で描かれた複雑な連続殺人事件の真相を、真犯人も含め徹底ネタバレします!

映画『22年目の告白 私が殺人犯です』を徹底ネタバレ&時系列解説!

2017年6月10日に公開された映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』。2012年に韓国で公開され観客動員数270万人を突破したヒット作を、入江悠監督が約2年かけてリメイクしました。 本作は原作映画をベースにしつつ、日本の社会情勢や時代の雰囲気を上手く盛り込み、日本版オリジナルの結末を描くサスペンス大作です。美しき殺人犯を演じた藤原竜也と、事件に迫る刑事を演じた伊藤英明のW主演や、細かい伏線が張られた緻密な脚本が大きな話題となりました。 公開時は7週連続1位の『美女と野獣』を抑え、週末動員、興行収入ともに1位という好スタートを切り、SNSや映画レビューサイトに高評価が並びました。 そんな「22年目の告白」が、2018年6月8日に金曜ロードSHOW!で地上波初放送!今回は本作の一連の事件について、真犯人も含め詳しくネタバレしていきます。

映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』のあらすじ

『22年目の告白-私が殺人犯です-』
©2017 映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」製作委員会

1995年1月。足立区で殺人事件が起こり、新米刑事の牧村航(伊藤英明)は上司の滝(平田満)と捜査に加わりますが、捜査中の1月17日に阪神淡路大震災が発生します。 牧村の妹・里香(石橋杏奈)は、恋人の小野寺(野村周平)を連れて兄のアパートに避難しました。世間が混乱する中、第2、第3の殺人と3月20日に地下鉄サリン事件が発生。牧村の熱心な捜査の甲斐あって犯人を追い詰めるも、あと一歩のところで取り逃がしてしまったのです。 この出来事に恨みを抱いた犯人から牧村に殺害予告が届き、里香に危険がおよぶと考えた牧村は妹のもとに急ぎますが、犯人の残虐な罠によって滝が殉職します。その後、犯人は姿をくらませ、里香まで行方不明になってしまいました。 そして2010年4月27日。東京で発生した連続殺人事件、すべての時効が成立――。 小野寺は絶望し、牧村の目の前で投身自殺してしまったのでした。事件発生から22年後の2017年、衝撃のニュースが日本を震撼させます。突如、事件の犯人を名乗る男・曾根崎雅人(藤原竜也)が現れ、告白本『私が殺人犯です』を出版すると言うのです。 会見場には報道陣が詰めかけ、自ら殺人を告白する曾根崎の姿にネットは騒然!彼は会見の最後に、「はじめまして。私が殺人犯です」と、こう締めくくるのでした。 美しい殺人犯は時効の盾に守られ、異様な熱気と批判の中で祭上げられていきました。

怒涛の展開が待ち受けるラストまでを徹底ネタバレ

警察やマスコミ報道の甘さを指摘し、世の中をあざ笑う曾根崎。第2の事件の遺族で書店員の美晴(夏帆)にとって、告白本が飛ぶように売れていく様は耐えがたいものでした。 曾根崎は怒りに震える当事者たちをよそに、帝談社の女性編集者をマネージャーにしてイベントや記者会見を行い、状況を見守っていました。一方、牧村は第4の事件の被害者遺族・山縣(岩松了)が院長を務める、都内の共立中央病院を訪れます。 そこへ、曾根崎がマスコミを連れて現れ、対応した山縣に土下座をして謝罪しました。同時に山縣の傍にいた牧村を挑発し、ロビーは大混乱に陥ります。その後、曾根崎は出版を記念したサイン会に向かいますが、会場には第3の事件の被害者遺族・橘組組長(岩城滉一)の姿が。 サイン会の開始直後、橘組構成員が至近距離から曾根崎に発砲します。そんな中、美晴が曾根崎の周囲に誰もいなくなったのを見計らい、ナイフで彼に切りつけます。牧村は間一髪でそれを防ぎ、泣き叫ぶ美晴が傷害で捕まらないよう、裏口からそっと逃がすのでした。 その日の夜、仙堂(仲村トオル)は自身がキャスターを務める、ニュース番組「NEWS EYES」のゲストに曾根崎を迎えて厳しく斬り込みました。 仙堂は本に第6の事件、里香の行方不明事件が記載されていない事実を指摘したのです。証拠に提示したのは、動画投稿サイトにアップされた里香を拘束、殺害する直前の映像。しかし、"事件は5件で全て"とする曾根崎の主張は変わらずに番組は終了しました。 牧村は里香の事件を警察に届け出なかった責任を取って、警察署へ辞表を提出しますが、温情措置で一旦保留とされることに。牧村を外で待っていた橘は、サイン会で発砲したのは殺された愛人の一人息子・戸田(早乙女太一)だと打ち明けました。 「NEWS EYES」では、動画投稿者から仙堂に「自分が真犯人だ」と連絡が入り、曾根崎雅人、牧村航との3者対談という条件で、真犯人の特番出演が実現。真犯人は覆面姿で撮影に現れ、真犯人である証拠として里香殺害の瞬間を収めたDVDを持参したのです。 動画を見た瞬間、曾根崎は激昂して仙堂の万年筆を奪い取り、真犯人に襲い掛かりました。そして、「私は犯人でありません。本は牧村さんが書きました」と告白します。 この曾根崎の正体は、里香の恋人だった小野寺拓巳。7年前、時効当日に自殺を図った小野寺ですが、一命を取り留め顔を変えて生きていました。事件に詳しい牧村に本を書かせ、自らを犯人に仕立てて世間を騒がせ、真犯人のあぶり出しを企てたのでした。 しかし、当の真犯人は「自分も真犯人ではなく、ネット代行業の人間だ」と叫びます! 牧村が真犯人の服をめくると、事件当時に彼が犯人の肩を撃った際に残ったはずの銃創がなく、覆面の男はそのまま走り去って行きました。

【ネタバレ注意】まさかのどんでん返し!真犯人は一体だれ!?

仙堂はカメラに向かい、「事件の真犯人は再び闇に消えていきました」と告げ、牧村と小野寺の大茶番劇が世間を騒がせただけだと続けます。番組が終わり捜査の継続を誓った牧村と小野寺は、入手した動画をそれぞれ観返すうちに真犯人の正体に気付きました。 2人が真犯人を追って向かったのは、「NEWS EYES」のキャスター、仙堂の別荘。 その時、仙堂は密着ドキュメンタリーのインタビューを受けていましたが、何者かが別荘に侵入したことに気付き、地下室に潜んでいた小野寺を見つけます。 仙堂が真犯人だと指摘し、番組内で「里香が小野寺と婚約していた」と発言したのはおかしい、それは里香本人と小野寺、兄の牧村、真犯人しか知らないと言う小野寺。犯人は里香を殺害後、彼女の指から婚約指輪を抜き取っており、動画にその一部始終が映っていました。 つまり、殺害動画の内容が公開される前に、婚約について口にした仙堂こそが真犯人だったのです。仙堂は犯行を認めると、震災で祖母を亡くし、生きる気力を亡くしていた人間を殺すのはつまらなかったと里香を貶め、小野寺を挑発し始めました。 煽られた小野寺は、ナイフで仙堂の脇腹を刺し首をロープで締め上げますが、駆け付けた牧村が「里香の事件は、法律で裁くことができるから殺すな!」と言います。 里香の殺害は4月27日ではなく28日だったと判明し、時効が撤廃された改正刑事訴訟法の適用により、仙堂俊雄は逮捕・収監されることに。別荘から証拠となる大量のビデオテープなどが押収され、近くの森で白骨化した里香の死体が見つかりました。

海外へと旅立つ小野寺、そしてエンドロール後……

事件が無事に解決した後、小野寺は里香の命日には戻るという約束を残して、空港で牧村に見送られながら海外へ旅立って行きました。 22年越しに事件から解放された小野寺は、若いころの姿を思い出させたのでした。ゲートに消えていく彼の向こうには、仙堂の告白本の広告が見えていました。仙堂は逮捕された後、精神病院で公判を待つ間に手記を書き上げており、近日中に出版予定だったのです。 エンドロール後、病院の廊下で拘束着姿の仙堂が護送される様子が映し出されます。清掃員に扮した戸田が近くの扉から現れ、ナイフを握ったまま仙堂目がけて走り出しました。

真犯人・仙堂俊雄が連続殺人事件を犯した動機は?

仙堂俊雄は22年前、国際フリージャーナリストとして海外で活動していました。 その時、親しくなったドイツ人ジャーナリストとともに反政府組織に拘束されますが、友人は仙堂の目の前で無残に絞殺されてしまいます。その後、仙堂はこの出来事を証言する「目撃者」として無傷で釈放され、大きな衝撃と心の傷を負いました。 同時に、「なぜ自分だけが生き残ったのか?」と疑問を抱くことに……。パニックに陥った仙堂はこの謎を解き明かそうと、全く同じ経験をした人間を作り始めます。 いくつも殺人を犯し、殺害の一部始終を映像やノートに記録、遺族に取材を行ってもうひとりの自分と言える存在を観察していました。そして、真犯人を語る曾根崎(小野寺)がどこまで真相を知り、何が目的か探るためすぐに番組への出演を依頼したのです。 小野寺に陶酔型、自己顕示欲が強いと分析された仙堂が、自らの「作品」を横取りする人間を放っておくはずはなく、小野寺と牧村の策に見事に引っかかったわけですね。

【解説】1995年に起きた「東京連続殺人事件」の時系列まとめ

『22年目の告白-私が殺人犯です-』
©2017 映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」製作委員会

本作は非常に情報量が多く、特に前半は「東京連続殺人事件」の概要が当事者の回想と併せて一気に提示されるので、全容を掴むのは難しいかもしれません。 そこで、一連の事件の流れを解説とネタバレも入れつつ、時系列にまとめてみました!

殺害時に共通する3つのルール

仙堂は犯行におよぶ際、3つのルールを課して連続殺人を行っていきました。 1つ目は、殺害方法が背後から縄で首を絞める絞殺であること。2つ目は、家族など被害者に近しい人間に殺害の様子を目撃させること。3つ目は、目撃者は決して殺さずに生かしておくこと。警察やマスコミに対する貴重な伝達者として、生かしておく必要がありました。 この3つのルールは、仙堂が反政府組織に拘束された時の状況を再現し、自らと同じ経験をした被害者(目撃者)たちを作るためのものでした。

第1の事件:足立区飲食店店主殺害事件(1995年1月4日)

とある雨の日の夜、住宅地の飲食店の店主が縛られ、妻の目の前で絞殺されました。新米刑事だった牧村が、先輩の滝と組んで捜査に当たった事件です。 事件後に一旦閉店するも、店主の親せきが受け継ぎ、後に牧村の行きつけになっています。

第2の事件:世田谷区会社員殺害事件(1995年2月14日)

団地の一室で、会社員の岸幸生が妻の目の前で絞殺された事件。事件当時、5歳だった娘の美晴は別室に閉じ込められていました。 後に美晴は書店員となり、目の前で告白本が爆発的に売れていくことに怒りを覚えます。

第3の事件:銀座ホステス殺人事件(1995年3月15日)

銀座の高級クラブにて、橘組組長・橘大祐の目の前で愛人のホステスが絞殺されました。 その愛人の一人息子・戸田丈は成人後、橘組の下部組織の構成員として飲食店から「みかじめ料」を取るなどして生計を立てていました。映画冒頭の2017年時点で、牧村が路地裏に追い詰めていたチンピラがこの戸田で、警察の取り調べから逃げていたのです。 戸田は橘から命令を受け、告白本のサイン会会場で曾根崎に向けて発砲します。

第4の事件:練馬区病院長夫人殺害事件(1995年3月31日)

事件当時、個人病院の院長だった山縣明寛の妻が彼の目の前で絞殺された事件。警察の作戦で一時事件の発表が伏せられ、牧村が現場に戻って来た仙堂と対峙します。 牧村はこの時、仙堂に左頬を傷付けられ、逆に仙堂の肩に銃弾を放ちました。仙堂を取り逃してしまい、恨みを買った牧村が次の犯行のターゲットに!その後、山縣は共立中央病院の院長に就任し、牧村たちに協力して小野寺の整形手術を引き受けたのでした。

第5の事件:大田区警察官殺害事件(1995年4月27日)

仙堂は牧村に殺害予告を出し、自室へ戻った牧村を爆殺するシーンを、牧村の自宅アパートが遠目に見えるビルの屋上から里香に目撃させる予定でした。 しかし、牧村と一緒に里香の無事を確かめに来た滝が仕掛けにハマってしまいます。滝はロープで首を締められ、仙堂が部屋に充満させていたガスが爆発して殉職。当初の計画から、被害者が牧村から滝に、目撃者が里香から牧村に入れ替わってしまいました。

第6の事件:牧村里香拉致殺害事件(1995年4月27~28日)

仙堂は里香に第5の事件の目撃させるため、牧村のアパートから拉致したのですが、計画が崩れてしまい目撃者として生かす必要が無くなりました。 そして、4月27日から28日に日付が変わるころに、牧村里香は絞殺されていたのでした。 牧村は捜査から外されないよう、里香が行方不明になった事実を警察に届け出ないと決め、妹の婚約者だった小野寺と組んで独自に事件の犯人を追っていたのです。

なぜ里香の事件だけは時効が成立しないとわかったのか

真犯人逮捕のカギとなった改正刑事訴訟法

一般的な刑事法の時効とは「公訴時効」のことで、事件発生から一定期間(15年)、犯人が逮捕されなかった場合は罪に問われないというもの。 しかし、2010年4月27日に「人を死亡させた罪であって死刑に相当する罪(殺人罪など)の時効の廃止を盛り込む」改正刑事訴訟法が成立し、異例の即日施行。よって15年前、1995年4月27日までの殺人事件にのみ時効が発生し、4月28日以降は時効が適用されません。

里香が殺害されたのは1995年4月27日ではなく4月28日

第6の事件、牧村里香拉致殺害事件の動画から、仙堂が犯行におよんだのは1995年4月27日の11時50分過ぎだと判明します。映像の背景には東京タワーが映っており、最初はライトアップされているのですが、里香が絞殺された時は真っ暗でした。 東京タワーは午前0時に消灯されるため、日付が4月28日に変わったことを意味します。 これにより、第5の事件が時効のある最後の事件となると同時に、第6の事件は新法が適用され時効廃止後最初の事件として扱われることになりました。

SNSや映画レビューサイトの感想には高評価が並んだ「22年目の告白」

映画「22年目の告白」の特徴は、SNSや映画レビューサイトに徹底的に批判する感想がほぼなく、多くの高評価が寄せられたことでした。 公開前から話題だった、「藤原竜也が今回はどんなクズを演じるのか?」という点は、さすがの演技だったと誰もが認めていました。警察を煽りながら、世間を異様な空気に染めていく前半から、感情を爆発させる後半への流れが見事だと評されています。 伊藤英明についても、粗野な中に情熱や妹を亡くした哀しみ、年齢を重ねた円熟味などが感じられたと主演2人が注目の的に。仲村トオルを始め、脇を固める俳優陣にも評価が集まる一方で、脚本に特に厳しい目を向けたのが原作ファンでした。 原作映画の視聴、未視聴に関わらず前半のテンポの良さは評価されているものの、日本版オリジナルの"捻り"が一部で賛否両論を呼びました。未視聴者の多くがこの捻りによる驚きを評価したのに対し、独自の要素を入れた点は良いとしつつ、逆に後半の展開がグダグダしていびつになったという原作ファンの感想も。 こうした比較による意見は、よく原作ものの宿命とも言われていますが、その中でも本作は全体的に高い評価を得た作品ではないでしょうか。

「22年目の告白」は結末が原作と違う?地上波放送と合わせて要チェック!

日本リメイク版「22年目の告白」は、カーチェイスやアクションがド派手な原作『殺人の告白』とはまた違い、重厚なサスペンス映画に仕上がっていました。 話の大筋は同じですが、役柄や細かい設定に違いがある上に真犯人の正体が違っており、日本版は中盤から異なる結末へ向かいます。また、日本版の内容に忠実なノベライズ版もあり、帝談社の女性編集者・川北美南子の視点からストーリーが語られました。 小説は本編で描かれなかったキャラクターたちの心理描写、ストーリーの背景や後日談なども補完されているので、こちらも要チェックです! 地上波初放送されるこの機会に、関連作品と一緒に「22年目の告白」を楽しんでみませんか?