2018年5月28日更新

『七つの会議』が映画化!あらすじ・キャストをご紹介【野村萬斎×香川照之】

経済小説を得意とする直木賞作家、池井戸潤。『半沢直樹』で一躍有名になりましたが、その池井戸作品がついに映画化です。企業の闇と経済活動のモラルとは何か?を描いた、『七つの会議』どのように映画化されるのでしょうか?

池井戸潤原作の『七つの会議』が2019年に映画化!

テレビドラマ『半沢直樹』で一躍、一般にも知られるようになった池井戸潤原作の映画『七つの会議』が2019年に公開予定です。 企業の裏で不正を働く者を明るみに出すという、まさに『半沢直樹』にも一脈通じるような内容。テーマはずばり経済における「モラル」です。 池井戸潤原作の映画化作品としては、『空飛ぶタイヤ』(2018)に続く2作目。次々にテレビドラマ化されていく池井戸作品ですが、意外にもまだまだ映画化されていません。 本作のあらすじ、キャスト、監督、みどころを探り、池井戸潤作品の魅力に迫ります。

映画『七つの会議』あらすじ

舞台は中堅電機メーカー、東京建電。「居眠り八角」と呼ばれる万年係長、八角民夫が、年下のエリート上司、坂戸宣彦から厳しい叱責。八角は坂戸をパワハラで訴えることで、物語が展開します。 坂戸はパワハラ委員会にかけられ、課長から降格になるのです。一見、厳しすぎる裁定のように見えました。 ところが、新たに課長に就任した原島万二の求めにより、八角は坂戸の処分の真実に関して告白します。その裏には、坂戸の不正があったのです。 そして、一連の騒動で社員たちの人生に隠されていた謎や、企業の負の部分が次第に明るみに出されてゆくのでした......

キャスト

八角民夫/野村萬斎

「居眠り八角」というぐうたら社員、八角民夫を演じるのは、能楽師・俳優の野村萬斎。能楽狂言方和泉流野村万蔵家の長男として、1966年に生まれます。 幼少時より狂言という伝統芸能の世界にいましたが、1985年に黒澤明の『乱』に鶴丸役で出演。その後もNHK大河ドラマ『花の乱』、朝の連続テレビ小説『あぐり』など、俳優としての活動にいそしみます。 その上品な物腰と、独特の発声法で存在感が突出した役者として、舞台、スクリーン、テレビなどで幅広く活躍しています。

北川誠/香川照之

八角たちの上司、営業部長・北川誠役を演じるのは香川照之です。父は歌舞伎役者の市川猿翁、母は女優の浜木綿子というサラブレッド。 1989年、23歳の時に、NHK大河ドラマ『春日局』で俳優としてデビューします。以来、独特の存在感を放つ俳優としてドラマや映画に欠かせません。 出演作品は枚挙にいとまがありませんが代表作に、カンヌ映画祭に出品された中国映画『鬼が来た!』(2000)、西川美和監督の『ゆれる』(2006)、ドラマ『半沢直樹』(2013)、『MOZU』(2014)などがあります。

坂戸宣彦/片岡愛之助

トップの売上をたたき出す営業課長・坂戸宣彦を演じるのは、歌舞伎役者、俳優の片岡愛之助です。 元々は歌舞伎とは無縁の家庭に育ったのですが、子役として活動するうちに、十三代目片岡仁左衛門に見出され、片岡一門に弟子入り。歌舞伎役者としての道を進みます。 現代劇で注目されたのは、2013年のテレビドラマ『半沢直樹』でのエリート官僚役。仮面ライダーまで演じる幅広さを見せています。

原島万二/及川光博

坂戸に代わって課長に就任する原島万二役に及川光博。ミッチーの愛称で知られる、ミュージシャン、俳優です。 1996年に歌手としてデビュー。「王子」を自称し、独特の世界観を発揮していました。1998年頃から俳優としての活動を開始し、お茶の間では「相棒」シリーズの二代目相棒として親しまれています。

その他のキャスト

徳山郁夫/北大路欣也

東京建電の親会社ソニックの社長である徳山郁夫を演じるのは、北大路欣也です。名優、市川右太衛門を父にもつ大ベテラン俳優。 1956年、『親子鷹』の子ども時代の勝海舟役で俳優デビューを果たします。この頃は同じ二世スターである松方弘樹とライバル関係にあったようです。 時代劇だけでなく、「仁義なき戦い」シリーズなどの現代劇でも幅広く活躍しました。

江木恒雄/立川談春

東京建電と取引があり、物語の鍵を握るトーメイテック社の江木社長を演じるのは、落語家・立川談春です。1984年、17歳で立川談志に入門し、以来、前座、二つ目、真打ちと立川談春を名乗り続けます。 「最もチケットが取れない落語家」と呼ばれるほど、人気の落語家ですが、2013年頃から俳優としても活動。池井戸潤ものとしては、『ルーズヴェルト・ゲーム』や『下町ロケット』などのドラマにも出演しています。

監督は福澤克雄(写真・右)

本作のメガホンを取るのは、TBSドラマのディレクター、映画監督、福澤克雄。福沢諭吉の玄孫に当たり、1964年東京出身です。 TBSドラマの演出家として、『半沢直樹』、『ルーズヴェルト・ゲーム』、『下町ロケット』、『陸王』などの池井戸潤ものを多数手がけました。特に『半沢直樹』のブレイクは目覚ましく、この作品で東京ドラマアウォード監督賞を受賞しています。 映画監督としては中居正広主演の『私は貝になりたい』(2008)、「新参者」シリーズの『祈りの幕が下りる時』を演出。 その風貌から、『ドラえもん』のジャイアンにちなんだ「ジャイさん」と呼ばれます。

テレビドラマ版『七つの会議』

2013年に、NHK土曜ドラマ全4回でテレビドラマ化されています。こちらは原島万二を主人公に据え、会社組織の闇の部分を描いているのです。 原島万二を演じたのは東山紀之、八角民夫役に吉田鋼太郎、坂戸宣彦役に眞島秀和など。脚本は『アシガール』などの宮村優子です。 演出は、土曜ドラマ枠で『外事警察』や『ロング・グッバイ』などを手がけた、堀切園健太郎。堀切園はかなりエキセントリックな作風で知られています。 主人公の視点が変わっているので、映画版と比較しながら観ても面白いかもしれません。

池井戸潤原作の関連作品

2018年に公開予定の『空飛ぶタイヤ』は、2000年に発覚した「三菱自動車リコール隠し事件」を基にした池井戸潤原作の映画です。やはり企業の闇を描いており、『七つの会議』とも共通点が多いと言えるでしょう。 主人公の赤松徳郎は父の運送会社を継いだ二代目社長。自社のトラックがタイヤ脱落事故を起こし、倒産寸前に追い込まれてしまいます。赤松は、車両そのものに欠陥があったのではないかと考え、独自に調査を開始。果たして真相は? 赤松徳郎役に長瀬智也、自動車会社重役をディーン・フジオカが演じます。池井戸潤作品の映画化は意外にもこれが初なのです。

『七つの会議』のみどころは?

映画『七つの会議』のみどころは何と言っても、豪華なキャストに尽きるでしょう。しかも、狂言師、歌舞伎役者、落語家と、伝統芸能出身の俳優が多いことも特徴です。 そのことがこの現代の企業の闇を扱った物語にどのような影響があるのでしょうか? 資本主義経済ではとかくモラルを欠くことが多いです。 そんな経済界に、「居眠り八角」のような普段はさえない万年係長でも、いざというときは正義の味方ばりの活躍をする存在が必要でしょう。これは勧善懲悪の時代劇の世界です。 だからこそ時代劇にも出演できる濃厚なキャストが揃えられているのでは? 俳優たちの演技に注目してください。