池井戸潤原作おすすめドラマ6選【半沢直樹から民王まで】

2017年7月6日更新

これまで数々のベストセラーを生んできた人気作家の池井戸潤。社会現象を巻き起こした『半沢直樹』はじめ、数多くの著作が映像化されてきました。ここでは、その中でも特におすすめの6作品を厳選して紹介します。

ベストセラー作家・池井戸潤のプロフィール

池井戸潤

池井戸潤(いけいどじゅん)は1963年6月16日生まれ、岐阜県出身です。慶應義塾大学卒業後、三菱銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)に入行。10年弱銀行員を務めたあと退職し、コンサルタントやビジネス書の執筆などを行っていました。

1998年、銀行を舞台にしたミステリー『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家デビューします。その後はコンスタントに著作を発表して名を上げ、2010年には 『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞受賞、2011年には『下町ロケット』で第145回直木賞受賞に至りました。

銀行ミステリーや企業物を得意としており、社会で懸命に働いている人たちにスポットを当てたエンターテイメント作品はミステリー・ファンのみならず、幅広い読者に人気があります。デビュー作の『果つる底なき』は、2000年に渡辺謙主演でテレビドラマ化。以後、多数の作品が映像化され、どの作品も大きな話題をよんでいます。ここではおすすめの6作品を紹介します。

1.『半沢直樹』【2013年】

『半沢直樹』

2013年7月7日から9月22日まで、TBS系列「日曜劇場」枠で放送された連続ドラマ『半沢直樹』は社会現象を巻き起こし、テレビドラマ史に残る国民的作品になりました。瞬間最高視聴率は46.7%を記録。「やられたらやり返す! 倍返しだ! ! 」など数々の名セリフを生んだことも記憶に新しいでしょう。

主人公はもちろん、東京中央銀行大阪西支店融資課長の半沢直樹。バブル経済末期の時期に大手銀行に入行した「バブル入行組」の半沢が、社内の熾烈な権力争いや不正に巻き込まれ、型破りな戦いを繰り広げる姿を描きます。

半沢を演じたのは堺雅人。妻の花を上戸彩、同期の渡真利忍を及川光博、中野渡頭取を北大路欣也、金融庁検査官の黒崎駿一を片岡愛之助ら、豪華で個性的なキャストも話題になりました。とりわけ、大和田常務を演じた香川照之のすさまじい怪演ぶりと半沢との対立は、緊迫感のある見どころの一つでした。

原作紹介

池井戸潤『オレたちバブル入行組』

2004年刊行の『オレたちバブル入行組』が第一部となる大阪西支店編、2008年刊行の『オレたち花のバブル組』が第二部となる東京本店編の原作となっています。

両作ともドラマ放映に合わせてベストセラーにランキング。半沢を主人公にしたシリーズとしては、2012年に『ロスジェネの逆襲』、2014年に『銀翼のイカロス』が刊行されており、それらを原作としてドラマの続編を期待する声も多く聞かれます。

2.『下町ロケット』【2015年】

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2015年10月18日から12月20日まで、『半沢直樹』と同じTBS系列「日曜劇場」にて放送されたのが『下町ロケット』です。これより先の2011年、三上博史主演によりWOWOWにて一度全5話の連続ドラマ化がされていますが、半沢の余波もあって、注目されたのはなんと言っても2015年版です。同年の民放ドラマ視聴率第1位を記録しています。

主人公は、父の死で家業の工場を継いだ元宇宙科学開発機構研究員の佃航平。取引先との突然の契約中止、メインバンクから融資を受けられず、競合会社からは特許侵害で訴えられるなど、絶体絶命の倒産の危機が迫る中、下町の小さな工場維持のため懸命に奮闘する姿を描きます。

佃航平に扮したのは阿部寛。元妻でJAXS研究員の沙耶を真矢みき、娘を土屋太鳳、母を倍賞美津子が演じたほか、恵俊彰や吉川晃司、立川談春ら大胆な異色キャストもドラマを盛り立てました。物語の鍵を握ることになるロケット開発に関わる帝国重工の社長役で杉良太郎が出演しました。

原作紹介

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原作は、2010年に刊行され、翌年に第145回直木賞を受賞した同名小説です。文庫版を含めると累計発行部数130万部を超える大ベストセラーを記録し、池井戸潤の代表作に挙げる人も少なくありません。

連続ドラマ放映にタイミングを合わせ、2015年10月3日から続編となる『下町ロケット2 ガウディ計画』が新聞紙上で連載され、ドラマ第6話以降の展開に連動しています。続編は同年11月に単行本として刊行されました。

3.『民王』【2015年】

『民王』

2015年7月24日から9月18日までテレビ朝日系列「金曜ナイトドラマ」にて放送され、深夜枠にも関わらず大きな反響をよんだ作品が『民王』です。第1回コンフィデンスアワード・ドラマ賞で作品賞含む4部門独占、第86回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞で最優秀作品賞など4部門独占など数々の栄誉に輝き、続編を描いたスペシャル版や前日譚を描いたスピンオフ版も製作されました。

ひょんなきっかけで人格が突然入れ替わってしまった内閣総理大臣の武藤泰山と大学生の息子・翔。その事実を周囲に隠したまま、それぞれ国会答弁や就活に直面し、苦闘する様子をコミカルに描きます。

中身が入れ替わるという奇想天外なシチュエーションをW主演で演じたのが遠藤憲一と菅田将暉。泰山の公設第一秘書・貝原茂平を演じた高橋一生、内閣官房長官の狩屋孝司を演じた金田明夫、政治評論家の小中寿太郎を演じた六角精児ら、達者な脇役陣の名演技と絶妙な会話劇も人気を博しました。

原作紹介

池井戸潤『民王』

2010年に刊行された同名小説が原作です。池井戸作品の中では、銀行ものや企業ものではない、エンタメ要素の強い異色の作品となっています。

ドラマ版では原作にない、実在の政治家のエピソード、池井戸のその他作品の引用、キャストの出演作品ネタなど、さまざまなパロディや小ネタが盛り込まれて新たな面白さが加わり、その点も話題となりました。

4.『ルーズヴェルト・ゲーム』【2014年】

『ルーズヴェルトゲーム』

2014年4月27日から6月22日まで、『半沢直樹』に続く第2弾としてTBS系列「日曜劇場」枠で放送されたドラマが『ルーズヴェルト・ゲーム』です。タイトルは、アメリカのルーズヴェルト大統領の言葉「野球で最も面白いスコアは8対7」に由来し、奇跡の逆転劇がドラマの主テーマでした。

舞台となるのは中堅精密機器メーカーの青島製作所。不況と競合による業績不振と倒産危機に直面し、お荷物の野球部廃部問題に取り組みながら、会社存続のために苦闘する若き社長の姿を描きます。

主人公となる、中途採用で社長に抜擢された細川充を演じたのは唐沢寿明。野球部を創設した青島会長を山崎努、専務の笹井を江口洋介、社内唯一の味方となる秘書の仲本を檀れいが演じました。また、取引先であるジャパニクス社長の諸田役で香川照之が登場し、『半沢直樹』を彷彿とさせる存在感を放ちました。

原作紹介

池井戸潤『ルーズヴェルトゲーム』

2009年から翌年かけて連載された新聞小説で、2012年に単行本として刊行された同名小説が原作です。ドラマの放映もあって、2014年にはYahoo!検索大賞の小説部門を受賞しています。

リーマンショックによる不況に襲われていた日本を元気にするため、社会人野球にスポットをあてた作品を書こうというのが執筆のきっかけだったようです。ドラマでは細川社長が主人公になっていますが、原作は、様々な人物の複数の視点から物語が描かれています。

5.『ようこそ、わが家へ』【2015年】

『ようこそ、わが家へ』

2015年4月13日から6月15日まで、フジテレビ系列「月9」枠で放送されたドラマが『ようこそ、わが家へ』です。数々の名作恋愛ドラマを生んできた「月9」としては、初の池井戸作品であるばかりか、サスペンス・ホームドラマも初めての試みでした。

家族と4人で暮らす商業デザイナーの倉田健太が主人公。ある日、ホームで女性を突き飛ばして強引に乗車しようとしていた男を注意したことから、ストーカーじみた嫌がらせを受けることになります。犯人が特定できない、謎の人物による執拗な恐怖に立ち向かう家族の絆を描きました。

主人公を演じたのは初の月9主演となった「嵐」の相葉雅紀。同居する父親の太一を寺尾聰、妹の七菜を有村架純、母親の珪子を南果歩が演じました。

原作紹介

池井戸潤『ようこそ、わが家へ』

文芸誌に連載されたのち、2013年に刊行された同名小説が原作です。テレビドラマ化に先立って、2014年に西田敏行と竹下景子出演で一度ラジオドラマ化されています。

原作においては、父親の倉田太一が主人公。そのため、ドラマ化にあたり様々な設定が変更されています。沢尻エリカが演じた神取明日香やタウン誌編集長の蟹江秀太郎などは、原作に登場しません。

6.『空飛ぶタイヤ』【2009年】

『空飛ぶタイヤ』

2009年3月29日から4月26日まで、WOWOWの「連続ドラマW」枠で放送されたのが『空飛ぶタイヤ』です。WOWOWが創設した同ドラマ枠の3作目の作品であり、2009年日本民間放送連盟賞の番組部門テレビドラマ番組最優秀賞や、第26回ATP賞テレビグランプリのグランプリ受賞など、数々の高い評価を受けました。同枠で後に、三上博史主演で『下町ロケット』(2011年)と織田裕二主演で『株価暴落』(2014年)が放送されることになります。

主人公は、運送会社社長の赤松徳郎。ある日、自社保有のトラックが事故を起こして死傷者を出してしまいます。警察による捜査で整備不良が原因とされ、倒産の危機に追い込まれた赤松は、独自に事故を調べ、原因が車両本体の欠陥であることを突きとめます。トラックを製造した巨大なホープ自動車との戦いが描かれます。

赤松を演じたのは仲村トオル。妻の史絵を戸田菜穂、赤松運送の宮代専務を大杉漣、門田整備士を柄本佑、そしてホープ自動車側の人間を 田辺誠一、國村隼、尾野真千子ら豪華キャストが演じました。

原作紹介

池井戸潤『空飛ぶタイヤ』

原作は、文芸誌に連載されたあと、2006年に単行本が刊行された同名小説です。第28回吉川英治文学新人賞を受賞したほか、第136回直木賞の候補作にもなっています。

2002年に実際に起きた三菱自動車工業製大型トラックの死傷事故と、三菱自動車によるリコール隠しをベースにしています。そのため、大手自動車メーカーがスポンサーとなっている民放ではドラマ化が難しく、WOWOWでようやく実現したという経緯があります。