ダメ恋愛映画の旗手・今泉力哉を徹底解説!【愛がなんだ】
タップできる目次
- ダメ恋愛映画と言えばこの人・今泉力哉
- 今泉力哉監督はどんな人?
- 今泉力哉監督の妻・今泉かおりとは?
- リアルな呟きが話題のTwitter
- 今泉力哉監督のデビュー作!映画『たまの映画』
- 長編2作目は青春Hシリーズ 映画『終わってる』
- 映画祭等で高い評価を得た 映画『こっぴどい猫』
- 監督が講師を務めるENBUゼミナールの映画『サッドティー』
- 漫画原作の映画化に挑戦!映画『鬼灯さん家のアネキ』
- 韓国アーティストNU'ESTの演出にも挑戦!映画『知らない、ふたり』
- 故郷・福島だからこその死生観 映画『退屈な日々にさようならを』
- 今泉監督縁がある乃木坂46元メンバー深川麻衣主演 映画『パンとバスと2度目のハツコイ』
- 今泉力哉監督の今後の予定は?
- 今後、ますます期待が高まる今泉力哉監督!
ダメ恋愛映画と言えばこの人・今泉力哉
昨今、自主制作した映画が認められ、商業監督デビューを果たす若手監督が多くみられます。今回紹介する今泉力哉監督もその一人です。 自身の自主映画作品が水戸短編映画祭など各映画祭で注目され、商業映画デビューに至りました。彼の映画の特徴は、リアルに恋愛を描いているところです。 登場人物のセリフが絶妙で恋愛の滑稽さやカッコ悪さも包み隠さず描いているため、よりリアルに感じられるのが今泉作品なのです。今回は、そんな今泉監督の長編作品を紹介しながら、どんな監督なのか紹介していきます。
今泉力哉監督はどんな人?
????????新宿武蔵野の舞台挨拶お越しいただいた皆様、ありがとうございました✨✨引き続きパンバスよろしくお願いします〜???? pic.twitter.com/o38fhkzVOp
— 映画『パンとバスと2度目のハツコイ』公式 (@pan_bus) June 3, 2018
今泉力哉監督は1981年、福島県で生まれました。名古屋市立大学芸術工学部在学中から自主映画制作に取り組み、2010年の音楽ドキュメンタリー『たまの映画』にて商業映画デビューを果たしました。 2012年、モト冬樹主演映画『こっぴどい猫』がトランシルヴァニア国際映画祭最優秀監督賞受賞するなど高い評価を得たことで、映画のみならず乃木坂46の個人PVやテレビ東京系深夜ドラマ『オー・マイ・ジャンプ! 〜少年ジャンプが地球を救う〜』などの演出を手掛け活動の場を広げています。
今泉力哉監督の妻・今泉かおりとは?
2018年現在、今泉力哉監督は結婚しており、3児の父親でもあります。彼の妻は映画監督の今泉かおりです。 彼女は看護師として働いていましたが監督を志し上京。働きながら映画制作の専門学校であるENBUゼミナールに通います。 夫婦はこのENBUゼミナールで知り合いました。今泉かおり監督はその時の卒業制作で京都国際学生映画祭準グランプリを獲得。 その後制作された映画『聴こえてる、ふりをしただけ』が、2012年ベルリン国際映画祭のジェネレーションKプラス部門で子ども審査員特別賞を受賞し、夫婦ともに注目の監督です。
リアルな呟きが話題のTwitter
今泉監督と言えば自身のTwitterの呟きが面白いというのも魅力のひとつです。単に映画の告知などもありますがそれとは別に、弱音を吐いたり、普段から思っていることをそのまま呟いたりしています。
今泉力哉監督のデビュー作!映画『たまの映画』
1990年代に一大バンドブームを起こし数々の有名バンドを発掘したテレビ番組、通称「イカ天」。そこから掘り起こされてその才能を誰もが認めた天才バンドが「たま」です。 たまをリアルタイムで見たことのない世代の今泉監督が、伝説のバンド・たまを追った音楽ドキュメンタリー映画が『たまの映画』。映画監督が監督するだけあって音楽をただ聞かせるドキュメンタりーというよりも、「たま」というバンドのメンバーそれぞれの人間性を垣間見ることのできる作品に仕上がっています。 誰よりも監督自身が、たまのメンバーに魅力を感じたのではないでしょうか?
長編2作目は青春Hシリーズ 映画『終わってる』
映画『終わってる』は、青春とHをテーマに各監督のオリジナル作品にこだわった青春Hシリーズの第5弾。最低最悪な5人の「終わってる」男女の恋愛群像劇です。 登場する男女がそれぞれ見事なまでに身勝手かつ滑稽で、それが返って妙なリアリティを与えています。今泉監督の得意とする男女の群像劇に加え、リアルなセリフ回しが男女の身勝手さを浮き彫りに……。 最終的には元の鞘に戻っていきますが、終盤のキーパーソンとなる「たけちゃん」は監督自身が演じています。独特の雰囲気を持つ人ですね。
映画祭等で高い評価を得た 映画『こっぴどい猫』
映画『こっぴどい猫』は、モト冬樹演じる60歳を目前に控えた中年作家・高田と彼の家族や周りの人々の恋愛事情を綴った群像劇。なんと今回は、総勢15名の男女の究極のダメ恋愛映画です。 本作も今泉監督のオリジナル脚本ですが、特に登場人物のそれぞれの想いがすれ違っていく様がおもしろくおかしく描かれています。それは監督があるインタビューの中で、「気まずいシチュエーションとか、真剣にやっているけどおかしいとかのほうが笑えると思っているので、そういったものにこだって撮り続けていきたいです」と答えていることからも伺えますね。 今回もまた今泉監督自身が出演しています。どの役を演じているのかは本編でチェックしてみてください!
監督が講師を務めるENBUゼミナールの映画『サッドティー』
映画『サッドティー』はENBUゼミナールによるワークショップであるシネマプロジェクトの第2弾作品です。男女12人のいろいろな恋愛から「ちゃんと好き」ということを考えさせれる恋愛群像劇になっています。 今回のタイトルは「寂茶」という意味だそう。それは監督が「家に誰かが遊びにきて、だらだら話したりする時に、今泉映画って必ずお茶をだすよね」と言われたことから思いつきました。 その空気感が作品に合っていたので、「寂茶」=「SAD TEA」(サッドティー)となったようです。 本作は第26回東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門に正式出品され、ENBUゼミナールの上映イベントでは連日満席の大ヒットとなり、著名人など各方面から話題となり公開規模を徐々に広げていきました。
漫画原作の映画化に挑戦!映画『鬼灯さん家のアネキ』
映画『鬼灯さん家のアネキ』は『ヤングエース』にて連載されていた五十嵐藍原作の4コマ漫画の実写映画化。コミックスは全4巻で、累計60万部発行の人気漫画です。 本作は、童貞高校生・鬼灯吾朗と彼の義姉・鬼灯ハルを取り巻くおかしな人たちのドタバタコメディ。その中で人を愛することの葛藤や苦悩を描いた恋愛映画に仕上がっています。 これまではオリジナルの脚本で制作してきた今泉監督ですが、本作では原作ものにチャレンジしました。人を愛することの機微を絶妙に表現しているところなど、いつもの今泉節も健在です。
韓国アーティストNU'ESTの演出にも挑戦!映画『知らない、ふたり』
映画『知らない、ふたり』は、それぞれの知らない男女の一方通行の想いを描く恋愛群像劇。韓国アーティストNU'ESTのメンバーが出演することを前提に書き上げた今泉監督オリジナル脚本です。 今泉作品初の外国人キャストですがその演出はどうだったのか、監督は次のように語っています。「ドラマやPVでアイドルを撮った経験もあり、大きな違和感はありませんでした。アイドルの人たちは変な演技クセがなく振る舞いが自然なので役者さんより逆にやり易い部分もあります」 これまでの映画同様にキャストの自然なお芝居が印象的な本作。監督の求める演出と韓国キャストがうまくはまったようですね。 本作は今までの監督の作品と大きく違う点があります。それは幸せな終わり方だということ。監督曰く、幸せの予感というか、幸せを感じさせる終わり方をしようとねらったそうです。
故郷・福島だからこその死生観 映画『退屈な日々にさようならを』
映画『退屈な日々にさようならを』は『サッドティー』同様、ENBUゼミナールのワークショップシネマプロジェクトの第6弾作品として製作されました。ゲスト俳優として松本まりかが呼ばれましたが、それ以外はワークショップ参加者たちです。 今泉監督の出身地・福島と東京を舞台に、映画を作るということ、人が死ぬということについて描いた群像劇。第29回東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門で公式上映されました。 今泉監督は本作についての想いを次のように語っています。「自分の恋愛観をさらすだけじゃく、制作の現場を描いたり、自分の実家で撮ったり。エゴもあるけど、みんなが一緒になって作ってくれました。お金じゃない部分で豊かさに恵まれた作品だと思います」と。 故郷の福島を舞台にしたことから、監督自身もいろいろと考えて作った映画なのでしょう。
今泉監督縁がある乃木坂46元メンバー深川麻衣主演 映画『パンとバスと2度目のハツコイ』
映画『パンとバスと2度目のハツコイ』は、元乃木坂46の深川麻衣が主演で決まっていたため、今泉監督が深川本人に直接会って脚本を仕上げていった作品です。乃木坂46と言えば、今泉監督がメンバーの個人PVをいくつも手掛けています。 パン屋で働くふみが、中学時代の初恋の相手・たもつと偶然再会するところから物語が始まります。そんな二人が織りなすラブストーリーです。たもつ役は三代目 J Soul Brothers のパフォーマー・山下健二郎が演じました。 監督のねらいとして、劇中いろいろな意味で明確な答えを敢えて示していません。今後二人がどうなっていくのかなど各シーンで多くを語らないことで、観客に答えを委ねたいのだそう。 それこそが、今泉監督の考える映画の在り方なのかもしれませんね。
今泉力哉監督の今後の予定は?
伊坂幸太郎原作唯一の恋愛ものの映画化!映画『アイネクライネナハトムジーク』
映画『アイネクライネナハトムジーク』は、伊坂幸太郎による自身初となる恋愛小説が原作。伊坂から映画化するのであれば今泉力哉監督にお願いしたいとの意向から、今泉監督に白羽の矢が立ったそう。 原作は6章の短編なので、どんな風に今泉流の恋愛群像劇になるか今から楽しみですね!出演は、三浦春馬、多部未華子、原田泰造ほか。2019年秋、公開予定。
角田光代原作の完璧な片思い 映画『愛がなんだ』
映画『愛がなんだ』は直木賞作家・角田光代が2003年に発表した同名小説の映画化。映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』に次ぐ2度目の主演に岸井ゆきの、共演に『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』の公開が控えている成田凌が決定しています。 原作は、完全に片思いであるにも関わらず諦めることをしないOL・テルコが、仕事がなくなっても親友に冷たい目で見られても、大好きなマモちゃんのことをまっすぐに思い続ける様を描く究極のラブストーリーです。この原作をどう料理していくのか、今泉監督の力量に期待大です!
今後、ますます期待が高まる今泉力哉監督!
映画『ギャングース』には、あるロクでもない男の役で今泉力哉監督に出演してもらったんですが、今泉さん芝居巧いすね。なんであんなに雰囲気あるの。
— 入江悠 Irie Yu (@U_irie) May 28, 2018
『パンとバスと2度目のハツコイ』は都内での上映が延期されるなど、これまでのファンに加えて新たなファンが確実に増えている今泉監督。着々とステップアップしている今泉力哉監督の今後の活躍にぜひ期待したいものです。 そんな今泉監督は自身の作品の評価だけでなく、役者としても注目されています。元々の知り合いだという入江悠監督からも出演依頼があったようです。こちらも合わせて楽しみですね。