『賭博黙示録カイジ』が中国で実写映画化!その名も『動物世界』?
中国で製作された『動物世界』が斬新な映像と内容で話題になり、大ヒットを記録しています。本作は日本の福本伸行の人気漫画『賭博黙示録カイジ』を原案とした実写映画化作品。しかしなぜタイトルが『動物世界』なのか? アメリカをはじめヨーロッパ諸国、シンガポールなど東南アジア圏でも同時公開されており、すでに多くのレビューも書き込まれています。特に中国の映画情報サイトではかなりの高評価! しかし公開されている予告編を見る限りでは、奇妙なピエロがバケモノを倒すスリラー・アクション映画にしか見えない謎の内容。日本のカイジが、中国ではいったいどんな映画になっているのか、気になりませんか!?
公開初日にスタローン主演作を降し、2日目には1億元突破!気になるあらすじは?
6月29日にはシルベスター・スタローン主演のアメリカ映画『大脱出2』も公開されましたが、興行収入・評価ともに『動物世界』が大きく引き離し、2日目には1億元(約17億円)を突破しました。 原案となっているのはシリーズ第1作目『賭博黙示録カイジ』で、主人公の伊藤開司(カイジ)が友人の連帯保証人となって背負った多額の借金を帳消しにするためギャンブル船に乗りこむという物語。カイジの名前は中国版では「鄭開司(郑开司)」となっています。 『動物世界』のあらすじも原作同様で、開司が友達から借りた数百万の借金を返すため謎のギャンブル船「デスティニー」号に乗り込みます。原作にも登場した「限定ジャンケン」や様々なトラップをクリアしていく開司ですが、その中で人間の残酷な性質を反映した社会の縮図を目の当たりにすることになります。
リー・イーフォンとチョウ・ドンユィが主演!監督は新進気鋭のハン・イエン
リー・イーフォン/鄭開司
主人公の開司を演じたのは、1987年生まれ中国四川省出身の俳優リー・イーフォン(李易峰)です。元々はオーディション番組でトップ10入りを果たし歌手としてデビュー、2009年にファーストアルバムをリリースしています。 同年にテレビドラマで俳優デビューし、それ以降は主にドラマ俳優として活動。2014年に主演した『古剣奇譚』で大ブレイクを果たしました。2015年からは本格的に映画にも出演し始め、2017年にはミステリー映画『心理罪』で犯罪心理学専攻の天才を演じています。
チョウ・ドンユィ/劉青
開司の幼なじみで看護師の劉青を演じたのは、1992年生まれ中国河北省出身のチョウ・ドンユィ(周冬雨)です。2010年にチャン・イーモウ監督の『サンザシの樹の下で』でヒロインを演じ人気を博しました。
監督:ハン・イエン(韓延)
『動物世界』の監督を務めたのは、1983年生まれ山東省出身のハン・イエン(韓延)です。中央戯劇学院を卒業し、2002年には多くの短編映画を監督。2006年には短編映画『套子』がカンヌ国際映画祭に招待上映されました。 2015年に監督した『滾蛋吧!腫瘤君』(Go away Mr. Tumor)は高評価を得て、期待の若手監督として大きな注目を集めています。
迈克尔・道格拉斯が中国名!あのマイケル・ダグラスが特別主演!
ハリウッドからは『ウォール街』で有名なマイケル・ダグラスが特別出演しています。1944年生まれアメリカ・ニュージャージー州出身のダグラスは、初めは助監督として映画界に入り、後に俳優に転向。 1975年には『カッコーの巣の上で』でプロデューサーとしても手腕を発揮し、1987年に『ウォール街』でアカデミー主演男優賞を受賞しています。父親は俳優のカーク・ダグラス、妻は女優のキャサリン・ゼタ=ジョーンズです。 『動物世界』では原作漫画でカイジの最大の敵となる利根川の役どころとして出演しています。役名はアンダーソン(安德森)で、ギャンブル船を取り仕切る謎の人物として登場。開司たちを生死をかけたギャンブル勝負に誘います。
中国映画サイト「豆瓣電影」で高評価を獲得!その内容は?
中国の著名な映画情報サイト「豆瓣電影」では、レビュー平均7.3点の高評価を獲得!レビュー数は5万8千件を超え、4・5星が全体の6割を占めています。 中国版では開司の心象風景を「開司=ピエロがバケモノたちと戦う」といったファンタジックな演出で表しています。その分日本版よりもハリウッド並みにド派手なアクションシーンが割増になっているようです。予告編に登場しているバケモノは『寄生獣』を彷彿とさせる造形ですね。 そういったエモーショナルで幻想的な映像表現や、ハリウッド的アクションを高く評価しているレビューも!タイトルの『動物世界』とは、ギャンブル船に乗り込んだ人々との戦いを「動物界の弱肉強食」に見立てていることに由来しているようです。
日本の実写版『カイジ 人生逆転ゲーム』との違いは?日本での公開は?
漫画『賭博黙示録カイジ』は、日本でも『カイジ 人生逆転ゲーム』として2009年に実写映画化されています。監督は『ごくせん』で知られる佐藤東弥、主人公の伊藤開司を藤原竜也、利根川幸雄を香川照之が演じました。 日本版は『動物世界』と同じく『賭博黙示録カイジ』を原作にしていますが、続編の『賭博破戒録カイジ』も一部取り入れられています。船名こそ違えど、どちらもギャンブル船に乗り込んで借金帳消しのために命をかけたギャンブルに挑む展開。限定ジャンケンや利根川との最後の勝負「Eカード」も登場します。 日本での劇場公開情報は2018年7月時点ではありませんが、Netflixが本作の世界配信の権利を獲得したというニュースもあり、日本でも観る機会があるかもしれません!また3部作として製作されるようで、すでに続編『動物世界2』が再びリー・イーフォン主演で2020年公開予定となっています。