2018年7月26日更新

【この漫画、実写化するかも?】「G戦場ヘブンズドア」を徹底紹介

日本橋ヨヲコ原作の漫画『G戦場ヘヴンズドア』。商業漫画の世界を舞台に、その中で自信のトラウマと向き合い成長していく青年の姿を描いた本作品。実写化するなら?という想定を交え、作品をご紹介していきます。

漫画業界の中で葛藤する青年を描く『G戦場ヘヴンズドア』とは

『G戦場ヘヴンズドア』とは日本橋ヨヲコ原作の漫画作品です。物語は全18話、漫画という世界に魅入られながら人生の壁にぶつかり苦悩する青年の姿を描いています。 主人公は堺田町蔵と長谷川鉄男の高校生の2人。町蔵は小説家志望の高校生なのですが、人気漫画家である父親に対して大きなコンプレックスを抱えています。一方の鉄男も漫画雑誌の敏腕編集長である父親にコンプレックスを抱いているという設定。 2人の心が交差し、時に離れ、もがき苦しみ自分と向き合い成長していく姿が丁寧に、そして非常に奥深く描かれた作品となっています。

原作情報や漫画の世界観について

本作品を描いたのは日本橋ヨヲコ。1996年に『爆弾とワタシ』という漫画でちばてつや賞で佳作を受賞した女性です。今回ご紹介の『G戦場ヘヴンズドア』は雑誌「月刊IKKI」に2000年の11月から2003年6月まで連載された作品で、全18話、コミックでは全3巻で完結しています。 物語の舞台は商業漫画の世界。本作品は主人公が漫画家を目指すという物語ではありますが、専門的な知識を並べるではなく「漫画を描くということは、どういうことなのか」という精神論に焦点を当てています。 そのため、時に漫画業界そのものを「恐ろしいもの」に見立て、漫画に人生を狂わされた話なども登場。漫画の世界に生きる大変さ、というのを痛感させられます。

人気漫画家を父に持つ堺田町蔵と、敏腕編集長を父に持つ長谷川鉄男

冒頭のご紹介の通り、主人公は堺田町蔵と長谷川鉄男、という2人の男子高校生です。町蔵は少し大人びていてどこか冷めたことのある人物。対して鉄男は大人しく静かな人物。全く違う性格の2人ですが、心の奥にはは非常に似た性質を持っています。 彼らは2人とも漫画業界で仕事をする父を持ち、仕事優先の父のせいで母に受け入れられなかった過去があります。町蔵は人気漫画家、坂井大蔵の息子。過去に父が漫画を優先し、出ていく母を止めなかったことがあり、彼を恨む気持ちから父の漫画を素直に読むことができません。 一方の鉄男は漫画かとしては天才的な腕を持つ人物。しかし、父に宛てて描いた漫画を母に否定されたことで、自分を封じ込め漫画を描くことをやめてしまいました。 彼らは共に漫画を描こうと親友となりますが、父へのコンプレックスが故に反目しあうことも。この2人の葛藤、成長は一番の注目ポイントです。

漫画業界で活躍する坂井大蔵と阿久田鉄人

坂井大蔵は数々のヒット作を持つ人気漫画家。本名は堺田大蔵で町蔵の父親です。小学生の頃の鉄男と出会い、彼の天才的な才能と漫画に対する苦悩を知り、いつか彼に届けばと漫画を描き続けています。また、町蔵が自分に反発していることを知りながら、いつか自分の漫画が息子にも伝わればいいと心ひそかに息子を想っています。 そして、鉄男の父・阿久田鉄人。大蔵が連載している雑誌で編集長をしている人物です。鉄男と同じく漫画家としても天才的な腕前を持っていましたが、天才故の苦悩に苦しみ漫画の世界で心を壊した過去があります。非常に偏屈でひねくれた性格をしています。

彼らを見守る女性・久美子と裕美子

親子の姿が目立ちがちですが、物語に欠かせない2人の女性がいます。 その1人が久美子。鉄男に惚れている彼の幼馴染で、彼を守るためならば、手段を問わないというぶっ飛んだ部分がありますが、心の奥は非常に繊細な人物。鉄男に惚れる一方で町蔵から好意を抱かれ、町蔵の言葉で見失っていた自分を取り戻していきます。 もう1人が大蔵の秘書を務める裕美子。町蔵と阿久田の才能を愛し、人としても慕っています。漫画の世界にいた過去があり、町蔵のコンプレックスを刺激して彼を漫画家として成長させる役割を担います。町蔵からは大蔵と愛人関係にあると思われており、町蔵と肉体関係を持っています。

物語のあらすじ

堺田町蔵は大人気漫画家、坂井大蔵を父に持つ高校生。しかし、父への強いコンプレックスから父に対しても彼の描く漫画に対しても素直になれず、廃れた日々を送っていました。一方、もう1人の主人公である鉄男は母の入院費を稼ごうと漫画を描く日々。 2人は町蔵が鉄男が通う高校に転校してきたことで出会いを果たします。しかし、町蔵は鉄男の好きな漫画家が自分の父、坂井大蔵だと聞いて鉄男の描いていた漫画を彼の目の前で破り捨ててしまいます。それに怒りを露わにしたのが鉄男の幼馴染、久美子。 町蔵は久美子の脅しに負け、「一番大事なものを出せ」という久美子の一言に、密かに書き溜めておいた小説を出します。すると、それを読んだ鉄男は「坂井大蔵の匂いがする。でももっと優しい。こんなものを破くことはできない」と彼の小説を褒めたのです。 この出来事をきっかけに、2人は漫画の世界へと足を踏み入れることとなりました。

心のトラウマが漫画への情熱へ変化していく、物語の魅力とは

この物語の魅力とはなんといってもキャラクターたちの心の成長。この一言に尽きるのですが、その内容は一言では語り尽くせないほどに重みがあります。 キャラ紹介でも触れましたが、自身の内側に抱える強烈なトラウマ、コンプレックスを持つ大蔵と鉄男。町蔵は鉄男との出会いで漫画への情熱を持つようになりましたが、鉄男は漫画を描くために自分を抑えて名作を生みだしていたのです。 冒頭で町蔵の小説を読んだ鉄男は町蔵の描く原作で漫画を描きたいと望みます。鉄男も自分の才能を封じなければ、きっと良い作品が描けたのでしょう。しかし、漫画を描くほどに自分と向かっていく町蔵とは対照的に漫画を描くほど自分を苦しめてしまう鉄男。 台詞1つ1つにも非常に重みのある作品で、彼らが心の傷から脱却していく姿は読む者の心を揺さぶります。

映画向きか、ドラマ向きかの考察

もし、本作品を実写にするなら映画なのかドラマなのか。元の作品が短めなので、濃厚な部分を広げた映画が向いていそうです。 主要キャラたちの心の部分を浮き彫りにした群像劇のようなテイストでもいいかもしれませんね。原作の雰囲気を壊してしまうと、せっかくの味を損なってしまうのでぎゅっとまとめてしまうよりは、ここぞという部分に焦点を当てた物語を見たいところです。 さて、では映画化するとしたらどんなキャストがいいでしょうか。次の記事で触れていきます。

もし実写化するなら、キャストはこの人

メイク部屋のお友達。 残りあと2公演。 #boat #東京芸術劇場プレイハウス #東京芸術劇場

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物語が奥深いだけに、実写化するならどのキャストがいいかというのはファンの間でも意見が割れそうな本作品。 主人公の町蔵には荒んだ部分もありますが、若手俳優の宮沢氷魚や間宮祥太朗などはいかがでしょうか。男らしさがある実力派に担って欲しいところですね。鉄男は繊細さと情熱を秘めていますので、ミステリアスな役の似合う窪田正孝や山崎賢人、若手で注目されている北村匠海なども似合いそうです。 厳しい一面もありますが優しい大蔵には、NHKの『半分青い』で漫画家先生を演じた豊川悦治、とても合いそうです。ほかにも遠藤憲一や松重豊など優しいお父さんが似合う俳優も気になるところ。阿久津は渡部篤郎などハードボイルドな雰囲気の漂う俳優をキャスティングしたいところですね。 女性陣は裕美子はセクシーで影のある女優として菜々緒や道端アンジェリカ、存在感のある門脇麦など、見てみたいですね。久美子はこちらも謎めいた雰囲気を持つ美女、橋本愛や水原希子などが似合うのではないでしょうか。 主要人物は是非演技派たちにお願いしたいところです。

ちなみに原作者はこんなコメントも…

さすが原作者と言うべきか、完璧なキャスティングですね……!

監督や脚本はどんな人に手掛けて欲しいか

作品を手掛ける監督や脚本家も重要ですよね。是非、こちらも奥深い作品を手掛ける監督などで見たいところですね。映画『そこのみにて光輝く』を担当した呉美保など、心に刺さる作品を作ってくれそうです。人の内面を深く描く作品を手掛ける熊切和嘉もいいかもしれません。 脚本家は有名どころでは『世界の中心で、愛をさけぶ』を手掛けた坂元裕二や、アニメ映画『サマーウォーズ』や、アカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞した『八日目の蝉』を手掛けた奥寺佐渡子なども浮かぶでしょうか。 いずれにせよ、原作者本人には是非参加して欲しいですね!

心揺さぶる漫画『G戦場ヘヴンズドア』

『G戦場ヘヴンズドア』いかがだったでしょうか。この作品を読んだ読者からの評価はかなり高い作品です。 奥深い物語、台詞1つ1つから感じる言葉の重み、キャラクターたちの生き様。たった3冊の中に日本橋ヨヲコの世界観が深く深く広がっています。もし実写化したら大きな話題作品になるかもしれません。 原作はまだ読んだことがないという方、興味を持ちましたら是非読んでみてください。