2017年8月14日更新

どこかで見かけたあの少女。イラストレーター・中村佑介に迫る

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中村佑介ぬりえブック「COLOR ME」

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あなたは中村佑介を知っていますか?

「中村佑介」という名前にピンとこない方でも、肌の白い少女が動物や様々なモチーフと戯れるイラストをどこかで見たことがあるのではないでしょうか。 ふと立ち寄ったCDショップ、いつも通る道にある書店、夜中にテレビをつけたときに映っていたアニメ、朝の通勤電車。自発的に展覧会に行ったり、作品集を買ったりすることがなくても、人気イラストレーターである彼の作品を目にする機会は、私たちの日々の生活の意外とすぐ側にあります。 本記事ではそんな中村佑介の作品と、彼自身についてご紹介したいと思います。

中村佑介ってどんな人?【プロフィール】

中村佑介は、1978年に兵庫県宝塚市で生まれました。大阪芸術大学デザイン学科卒業後の2002年、仕事の傍らで描いていたイラストを公にしたことがきっかけで注目され、イラストレーターとしての道を歩むことになります。 同年に発売されたロックバンドASIAN KUNG-FU GENERATIONの1stミニアルバム『崩壊アンプリファー』を皮切りに、同バンドのほぼ全ての作品のジャケットを手がけ、彼らのヒットとともに知名度を上げました。 中村は他のミュージシャンのCDジャケットのほか、雑誌や小説等の書籍の装丁やキャラクターデザインなど、次々と活躍の幅を広げています。

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数々のミュージシャンからオファーを受けたCDジャケット

「中村と音楽」といえば、まずASIAN KUNG-FU GENERATIONとのコラボレーション抜きには語ることはできません。長年のキャリアの中で同バンドは50枚以上のCDをリリースしていますが、中村が手がけていないCDはその中でわずか3枚だけ。バンドでは他にもゲントウキやモーモールルギャバンのいくつかの作品のCDジャケットを手がけています。 また、つじあやの『COVER GIRL2』や、坂本冬美のシングル『秋まつり、お月さま』、さだまさしの『天晴(あっぱれ)~オールタイム・ベスト~』、『御乱心~オールタイム・ワースト~』など、幅広いミュージシャンのCDジャケットを手がけたことが、話題になりました。

作品の世界観とマッチするイラストたち

中村は音楽CDだけではなく、書籍の表紙なども手がけています。そのキャリアのスタートは、2004年に出版されたチェ・ユリのヤングアダルト小説『Tokyo Love Story』。 その後、池上永一の『夏化粧』の文庫版、北條俊正の『ヒナの魂』などいくつかの表紙を担当するように。また、日日日(あきら)や森見登美彦、赤川次郎といった人気作家の作品や、ドラマ化もされた『謎解きはディナーのあとで』、江戸川乱歩の名作『D坂の殺人事件』の期間限定カバーなど、次々と話題作の表紙イラストを描きました。 自身の作品としては、作品集を3冊出版しているほか、塗り絵本やイラストのハウツー本、秦基博ら11人の人気アーティストとの共作イラストブックなどを発表しています。

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話題のあのアニメのキャラクターデザインも!

文庫版から表紙イラストを担当している『四畳半神話大系』は、2010年4月から7月にかけて、フジテレビ系列の「ノイタミナ」枠でアニメ化されました。同作は森見作品初の映像化作品であり、中村が初めてアニメのキャラクター原案を手がけた作品でもあります。 同じく森見登美彦原作の『夜は短し歩けよ乙女』の劇場用アニメーションでも同様に、単行本から表紙イラストを手がけた中村がキャラクターのデザインを務めました。 どちらの作品でも森見作品の世界観と中村のイラストのマッチングで原作ファンをも満足させたようです。

CDジャケットや本の表紙に限らず幅広く活動中!

イラストレーターとしては他にも、ロッテ「チョコパイ」の期間限定商品や、明治製菓の「果汁グミ」などのパッケージ用イラストを手がけており、「果汁グミ」では中村のイラストを元にしたTVCMも放映されました。 神戸三宮駅と梅田駅を結ぶ阪急電車神戸線のラッピング列車用のイラストも描いており、2018年3月17日から2019年3月31日までの間、見ることができます。また、教育芸術社から発行されている高校向けの音楽の教科書でも、表紙と挿絵を担当しており、その活動の範囲はとどまることを知りません。 2005年からは、イラストの仕事と並行してバンド「S▲ILS」のメンバーとして関西を中心に音楽活動もしており、ミニアルバム『Pink』と『YOU』の2作品を発表し、両作品のCDジャケットイラストも手がけています。

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初めての大規模展示会も話題に

2015年7月、中村の活動拠点である大阪で、活動15周年を記念した「中村佑介展 15 THE VERY BEST OF YUSUKE NAKAMURA」が、母校・大阪芸術大学のあべのハルカスキャンバスで2ヶ月にわたって開催されました。15年の活動を15のテーマに分けて展示した展覧会は好評を集め、述べ2万7千人以上が訪れました。 中村自身はこの展覧会が、最初で最後の大規模な展覧会とみていましたが、最新作などを追加してパワーアップした「中村佑介展 ALL AROUND YUSUKE NAKAMURA」が2018年4月から5月にかけて開催され、好評のうちに終了しました。

記憶に残る「少女」はいましたか?

日本国内だけでなく、外国からも画集や塗り絵ブック出版のオファーが届いている中村佑介。 数多くの少女のイラストを手がけてきた彼の作品は、これからも音楽作品や小説の表紙だけではなく、より多くの場所でより多くの人に見られていくことになるでしょう。今後の活躍もぜひチェックしてみてください。