2020年4月22日更新

心躍る!日本版映画「サニー」ネタバレ解説と感想・評価を最速レポ!

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サニー 強い気持ち・強い愛
(C)2018「SUNNY」製作委員会

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韓国観客動員数740万人の大ヒット映画をリメイク

2011年に韓国で公開し、観客動員数740万人、年間2位を記録した大ヒット映画『サニー 永遠の仲間たち』(以下、「サニー」)。日本でも口コミで拡がり今なお、多くの人々に愛されている作品です。 そんな「サニー」を90年代コギャル世代の川村元気プロデューサーと大人の視点からブームを俯瞰していた大根仁監督が、日本版映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』としてリメイク。 舞台を、韓国版の80年代民主化運動の時代から日本の90年代コギャルブーム真っ只中に移し、当時のファッション、文化、音楽を鮮やかに甦らせた映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の見どころや感想・評価などを【ネタバレあり】でご紹介します。

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』あらすじ【ネタバレなし】

夫と子ども(松本穂香)に恵まれ、忙しさに埋もれながら生きていた専業主婦の奈美(篠原涼子)。ある日、母の介護で訪れた病院で高校時代の親友・芹香(板谷由夏)と再会します。 芹香は末期ガンで入院しており、余命はわずか一ヶ月。芹香の「高校時代の仲良しグループ「サニー」のメンバーにもう一度会いたい。」という願いを叶えるため、奈美は「サニー」を再結集することに。 90年代コギャルブーム真っ只中だった高校時代に想いを馳せながら、仲間探しに奔走しますが、あるメンバーだけがどうしても見つからず......。刻一刻と芹香の余命が迫る中、奈美は無事に「サニー」を再集結できるのでしょうか? 失われた絆探しの先には、切なくも温かなサプライズが待っていました。監督・大根仁×音楽・小室哲哉で贈る珠玉の90年代J-POPナンバーと笑いあり涙ありの青春音楽映画の誕生です!

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「サニー」キャスト情報などはこちら

奈美、淡路島から東京へ【注!以下ネタバレあり】

サニー 強い気持ち・強い愛
(C)2018「SUNNY」製作委員会

「サニー」の仲間探しを始めた奈美は、自身が阪神・淡路大震災の影響で東京へ転校してきた頃を思い出していました。ダサかった奈美(広瀬すず)をグループに入れてくれた芹香(山本舞香)、心(田辺桃子)、裕子(野田美桜)、梅(富田望生)、奈々(池田エライザ)の「サニー」のメンバーたち。 オシャレや友情など初めて経験することだらけの高揚感、DJの渉(三浦春馬)への初恋。日本経済や世の中的には決して明るい時代ではなかったはずなのに、ただ友だちと一緒にいてわけもなく笑い合うだけで最高に楽しかった学生時代が、奈美たちを通して私たちの心にも蘇ります。 当時の音楽やブームだけでなく、奈美が阪神・淡路大震災の影響で東京に転校してくるという設定など、きちんと当時の暗い部分も描いており、楽しいだけじゃない、きちんと時代を描くという大根監督の覚悟を感じることができます。

芹香とミレイの確執

サニー 強い気持ち・強い愛
(C)2018「SUNNY」製作委員会

奈美の転校初日から事あるごとに奈美にちょっかいを出してくるミレイ(小野花梨)。実は、芹香とミレイの中学時代から続く確執にあり、過去にミレイがクスリに手を出し、芹香は必死でやめるように説得しましたが上手くいかず、二人はその後険悪になっていました。 ミレイは芹香と仲直りしたいと思っていますが、上手くいかないところに、突然転校してきた奈美が芹香のグループに入ったことが面白くなく、そのことが原因で、奈美はミレイに目を付けられてしまいます。 この芹香とミレイの確執が、後に「サニー」の運命を大きく変えてしまう事件へと繋がっていきます。

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「サニー」探し残りは心と奈々のみ

サニー 強い気持ち・強い愛
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梅(渡辺直美)、裕子(小池栄子)はすぐに見つかったものの、それぞれ事情を抱えており、残りのメンバーである心(ともさかりえ)と奈々探しは、探偵(リリー・フランキー)いわく「あえて見つからないようにしているとしか思えない。」と言われるほど難航を極めていました。 心は見つかったものの、元夫のDVと自身のアルコール依存症で離婚し、子どもとは会えず、ヤクザまがいが経営するスナックの雇われママとしてこき使われ、とても芹香に会える状態ではありません。 一方、芹香のもとに集まることができた奈美たちは、夫の不倫、DV、アルコール中毒など、それぞれに思い描いていた未来とはかけ離れてしまっていたけれど、少女時代のように仲間と笑い語り合い、バカ騒ぎをするうちに、今の自分の輝きを取り戻していきます。 しかし、芹香の容体は刻一刻と悪化していき......。

「サニー」がバラバラになってしまった事件とは?

サニー 強い気持ち・強い愛
(C)2018「SUNNY」製作委員会

学園祭でのダンスコンテストの優勝を目指し日々、レッスンに励む奈美たち。コンテストにエントリーするグループ名を「サニー」と名付け、「皆はTRFなどのダンスナンバーでくるだろうから、意表をついて小沢健二の『強い気持ち・強い愛』で踊ろう!」と一致団結します。 そして迎えた学園祭当日。奈美は渉と奈々のキスシーンを見て以来、渉に告白する間もなくフラれた形となり、奈々と顔を合わせることができません。 奈々を避けて、一人きりになったところで奈美は再びミレイに絡まれてしまいます。どうやら、ミレイはクスリをやっているらしく、話すことは支離滅裂、奈美が身の危険を感じたところに芹香が助けに入ります。 ミレイにクスリを辞めて欲しい芹香と芹香と親友だった頃に戻りたいミレイ。二人は怒りをぶつけ合い、錯乱したミレイはガラスの破片を手に取り、芹香に......。 とっさに、奈々が芹香をかばい目の前に飛び出しますが、奈々はガラスの破片で頬を大きく切られてしまい、血まみれに。ショックのあまり泣きじゃくる「サニー」のメンバーたち。 この事件をきっかけに、奈々は退学し行方知れずとなり、「サニー」のメンバーたちが集まることもなくなってしまいました。時は現代―奈美はあの時、伝えられなかった渉への想いを伝えるために、海辺でカフェを営む大人になった渉に会いに行き、自分の初恋にやっと終止符を打ちます。

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芹香との別れ、そしてサプライズ【結末ネタバレ】

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「最後に「サニー」の皆に会いたい。」と願った芹香ですが、心と奈々には会えずについに寿命を迎えてしまいます。しかし、芹香の葬儀についに心が姿を現します。 そして、奈美たちは、探偵が芹香から預かった驚くべき遺言を聞くことに。 遺言によると独り身でバリキャリだった芹香の膨大な財産で「梅の営業担当区域のビルを1棟買うこと」「心親子の生活費とアルコール依存症の治療費をすべてバックアップすること」などが書かれており、「サニー」の次期リーダーには奈美が指名されていました。 また、芹香が亡くなるまでに奈々が見つからなかった場合、新聞広告に奈々にあてたメッセージを打つように手配されていました。最後まで「サニー」のメンバーたちが、再び仲良く幸せであることを願った芹香の想いに涙が止まらなくなる奈美たち。 しかし、遺言を受け取るにはある条件が書かれており、それは一言「(あの日踊れなかったダンスを)踊れ」と。芹香らしい無鉄砲な要求に泣き笑いになる奈美たち。 そして、数年越しに『強い気持ち・強い愛』を芹香の祭壇の前で踊った「サニー」のメンバーたちの前に、当時と変わらぬ美しいままの奈々(池田エライザ)が微笑み現れるのでした。 韓国版では賛否両論があった芹香の遺言シーンも、女子高生時代の芹香を演じた山本舞香の演技に説得力があるので、「責任感と行動力のある芹香だったらそれくらいやりそう!」と思え、すんなり受け入れられるラストとなっています。

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大根監督が韓国版で観たかったあのシーンが!

本作のメガホンをとった大根監督は韓国版「サニー」の大ファンで、公開当時、劇場に3回も足を運んだことをインタビューで明かしています。しかし、韓国版で「サニー」の大人メンバーたちが最後に皆揃ってダンスできなかったのが、唯一のがっかりポイントだったそうです。 本作では、そんな大根の願いを叶えるべく、韓国版と同じ、女子高生メンバー、大人メンバー、それぞれのダンスシーンに加えて、大人版芹香、奈々を加えた全メンバーによる、時を越えたダンスシーンが実現! 女子高生だった奈美たちと大人になった彼らがともに手を取り合い踊るシーンは、幼かった「サニー」たちが、大人になった「サニー」たちの未来を明るく照らし、再び友情を強固なものにする感動的なエンディングに仕上がっています。

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の評判は?

サニー 強い気持ち・強い愛
(C)2018「SUNNY」製作委員会

韓国版映画「サニー」はコアな映画ファンの間では名作として知られていますが、一般層では「観たことがない」という人も多い作品です。 しかし、古いものが逆に新しくカッコイイと捉えられる時流と、映画『君の名は。』のヒットの時のように、映画も音楽を入り口にして楽しむスマホ世代のニーズにダイレクトにハマるのが、映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』なのです。 本作も『君の名は。』と同じく時代を創るトップクリエイターの川村元気がプロデュースしており、その手腕が発揮されています。実際、評判を見てみると、「思わず楽曲を一緒に口ずさんでしまう」という感想が多く寄せられています。 また、かなり原作を忠実に再現している部分も多く、笑ったり泣いたり大忙しで大根監督の代表作映画『モテキ』と双璧という意見も! 広瀬すずが広瀬史上最強の変顔を披露しており、彼女のコメディエンヌぶりを評価する声の他、山本舞香、池田エライザ、三浦春馬、ともさかりえの演技も絶賛されており、役が見事にハマっていた結果なのだと思います。 韓国版と違い、キャストも文化も日本なので、ストレートに日本人の心に刺さり、自身の学生時代にフィードバックできる作品に仕上がっています。

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BACK TO THE 90’S!!

サニー 強い気持ち・強い愛
(C)2018「SUNNY」製作委員会

“日本経済は女子高生が動かしている”とまで言われていた90年代。引退を発表した小室哲哉が手掛ける完全オリジナルの映画音楽に乗せて、現在も未来もキラキラと輝き、女子高生たちが全能感に満ちていたあの時代がプレイバック! この時代を知らない世代には、何もかもがヘンテコで狂瀾に満ちていた90年代にタイムスリップしたように感じ、映画が終わる頃にはコギャル魂に共感しハマっちゃうかも!? 90年代を象徴する小室哲哉と安室奈美恵の引退、広瀬すずの台頭、コギャルブームど真ん中世代の川村元気と韓国版「サニー」世代の大根仁のタッグ。ヒットする映画とは、本作のようにいくつかの奇跡が重なって起こるものだと思います。 映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』は2018年8月31日劇場公開です。新しく生まれ変わった「サニー」たちに会いに行こう!