2018年9月12日更新

ナタリー・ポートマン史上最も議論を呼ぶ映画『Vox Lux』が話題に

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ナタリー・ポートマン
Cinzia Camela/WENN.com

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乱射事件を生き延びたポップ・シンガーの物語『Vox Lux (原題)』

ナタリー・ポートマンが新作映画『Vox Lux (原題)』を、「私が出演した中で最も政治的な映画です」と形容しました。同作品はヴェネチア映画祭でプレミア上映されたばかりであり、直近にトロント映画祭での公開も控えています。 『Vox Lux (原題)』は、弱冠30歳ながら、俳優だけでなく監督としても活躍しているブラディ・コーベットがメガホンを取ります。 本作は、学校での乱射事件に巻き込まれた過去を持つポップ・シンガーの主人公が、心に傷を抱えながらも音楽業界で活躍していく様を描く作品。評価はおおむね肯定的ですが、ブーイングの声も聞こえる賛否両論の状態です。ナタリー・ポートマンは本作について以下のようにコメントしています。 「この映画を二人組で見たとして、二人がまったく同じ感想を抱いて劇場を後にすることはありえません。つまり、それほど議論を呼ぶ映画なんです」 「予算的には崩壊寸前と言っていい状態でした。私がちょうどニューヨークへ発とうしているときに電話がかかってきて、制作は無理だよ、資金繰りがつかないのだからと告げられました。でも結果的にすべてが上手く回って、ブラディ監督の撮影も迅速で素晴らしく、わずか10日で終えることができました。彼は役者に必要な自由裁量が効く”余白”の部分もよく理解されている方でした。」 『Vox Lux (原題)』は日本での公開日などはまだ未定ですが、各映画祭を回った暁には徐々に各国で公開されていくかもしれません。

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若手の女優たちにより多くのチャンスを

ナタリー・ポートマン
Cinzia Camela/WENN.com

主演を努めたナタリー・ポートマンは、これまでハリウッドでの賃金格差、性差別、ドナルド・トランプへの批判、自身の生まれ故郷であるイスラエルに対する疑念など、政治的な立ち位置を明確にして活動してきました。 近年、『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』のような敬遠されがちな社会派映画や、『アナイアレイション -全滅領域-』のように作家性が強く予算がつきにくい作品に積極的に出演していることからも、彼女のそうした姿勢が伺えます。 先日も主演映画『Pale Blue Dot (原題)』の撮影を終えたばかりで多忙な毎日を送る彼女ですが、今日の女優たちが配役を得る機会が少ないことについて「以前よりはマシですがまだまだ難しいところがあります」と述べています。 というのも、昨今はネット配信が主体となったことで業界全体の制作本数が増えてきています。それはキャリアの浅い役者・非白人の役者たちがチャンスを得る機会が増えたことにはなるのですが、いい配役に巡り合うことはより一層難しくなっている傾向があるのだとか。 そのため、2016年の初監督作品『A Tale of Love and Darkness (原題)』以降、監督業へも携わり始めている彼女は、自ら作る映画によって、困難な役者たちへのキャリア形成を助けることも手段として考えているようです。 社会だけでなく業界の中にある問題についても取り組もうとする彼女の姿勢には、頭が下がりますね。今後の活躍が楽しみです。