2018年10月6日更新

『ジャックと天空の巨人』はどこまで『進撃の巨人』なのか!?【名作都市伝説検証】

2013年、日本で公開されたファンタジー大作『ジャックと天空の巨人』。地上波で本作が放送された直後から、『進撃の巨人』との相似性がSNSなどで話題になりました。果たしてその真偽は?あらためて、ふたつの作品のシンクロ率を調べてみると……。

『ジャックと天空の巨人』と『進撃の巨人』のシンクロ率がスゴイ!

『ジャックと天空の巨人』が初めて地上波で放送されたのは2016年のこと。誰でも一度は聞いたことがある英国の童話「ジャックと豆の木」と「巨人退治のジャック」と呼ばれる民話を題材に、壮大なスケールと大迫力の映像で実写化した作品だけに、注目度は非常に高かったようです。 監督は「X-men」シリーズなど、大作を手がけてきたブライアン・シンガー。本作ではニコラス・ホルトやエレノア・トムリンソンといった有望な若手俳優を主役級に起用。一方で、名優ユアン・マクレガーがメインキャラのひとりとして脇を固めるなど、キャスティング的にも期待大でした。 そんな中、テレビ放送の視聴後にSNSで話題の中心となったのが「まるで『進撃の巨人』ではないか!」という指摘。以来、「あるある」と「ないない」のご意見ご鞭撻が入り乱れて、見事に都市伝説化していった感があります。 いったいどんなところが、『進撃の巨人』にシンクロしているのか。改めて作品をチェックしてみると、なるほどはは〜ん、をそこかしこに見つけてしまいました。

イントロダクションから早くも『進撃の巨人』とシンクロ

物語は、まだ幼い頃の主人公ジャックとヒロイン、イザベルが、それぞれにベッドで父母からお話を聞かされているシーンから始まります。それは、空の国「ガンチュア」から突然現れた、巨人たちの物語。街を蹂躙し人々を食らう様子が、おどろおどろしいアニメーションで描かれます。 そのアニメ、まるで「進撃」のダイジェストを観ているような錯覚が。それも「進撃」の前日談的な雰囲気すら漂わせています。巨人たちを退けてから長い時間が経ち、その恐怖が伝説化しつつあるところも、ウォール・マリアに大穴が開けられる以前の人々の生活に似ているように思えます。 「巨人が戻ってきたらどうなるの?」と不安げに尋ねるジャック。「王様の騎士団が切り刻んでくれるさ」と答える父親。シガンシナ区に住む親子がいかにも交わしていそうな、やりとりでした。

巨人と人の比率が、まさに「進撃」。奇行種が大挙して登場

ジャックが偶然手にした魔法の豆が巨大な樹木に急成長。まるで「調査兵団」のような「先遣隊」が、天空に浮かぶ巨人の国に乗り込んで行きます。そこで巨人に初遭遇するのですが、人とのサイズ感のバランスが、まさに「進撃」! 「超大型巨人」を中心にさまざな身長や体型の巨人が登場。しかもそれなりに高い知性と感情を持つ「奇行種」揃いです。さらに有無を言わさず獲物に食らいつく獰猛ぶり。「進撃」的観点から見ても明らかに、彼らは人類にとって脅威です。

関西弁をしゃべったり、水中を泳いだり。多芸ぶりをアピール

巨人たちはふたたび地上に降りて、人類を蹂躙しようと考えていました。そのリーダーが、双頭の「FALLOW」。水中を泳ぐこともできる水陸両用の奇行種です。 それにしても巨人たちは個性派揃い。見た目もそうとうバラバラですが、関西弁をしゃべる奇行種「FUMM」まで登場。もっとも、吹き替えを担当したのが千原せいじだからということであって、本当に「しゃーなかったんや」とか言わないし。

「ジャック」も「進撃」も、巨人は頭から丸かじりがお好き

『ジャックと天空の巨人』に登場する奇行種たちは、緻密なCGを駆使して描かれています。表情豊かなところはともかく、薄汚れた顔の表面の毛穴まで細かく描写されていたりするので、圧倒的な生々しさ……というより、生臭さがツン!と来そう。その存在感は、2015年に公開された日本の実写版『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』すら凌ぐものがあります。 だからこそ、人間を食らうときの「痛み」もまた、よりリアルに伝わってくるような気が。しかも「進撃」同様に「ジャック」の巨人たちも、まずは頭から丸かじりにするのがお気に入りな様子。漫画やアニメでも十分ショッキングな場面だけに、子供には刺激が強すぎる、といった趣旨のコメントもSNSで語られていました。 もうひとつ「進撃」を彷彿とさせるのが、巨人に捕まって料理されそうになっているイザベルをジャックが助けようとする場面。巨人の首筋に飛びつき、背後からひと突き!……なんとなくデジャブー、感じます。

壁の内側で繰り広げられる人類vs巨人軍団の死闘の行方は?

豆の木を切ってしまったことで、一度は危機が去ったかと思われました。しかし、ついに巨人軍団が地上に侵攻。中世の騎士たちが城郭の内側で攻防を繰り広げるクライマックスは、そのまま「進撃」にも出てきそうなエピソードです。 一方でいろいろと決定的に違っていることも、また確か。巨人たちがしっかり衣服や鎧をまとっていること自体、「進撃」としては違和感が漂う部分。道具を使っているところは、奇行種だと考えてもそうとう違った種族に見えます。 「ジャック」の巨人たちはどちらかと言えば、ファンタジーの定番的キャラクターのひとつ「トロール」により近い印象です。もちろん、登場人物たちの一部が突然、巨人になってしまうケースは確認できていません。

シンプルでホッとできるエンディングを、お楽しみに

いかがでょうか?天空に伸びて地上と巨人の世界を繋いでしまう豆の木が、ウォール・マリアに開けられた巨大な穴と、なんとなくシンクロしてしまったりしていませんか? 制作された時間差で言えば、2009年から漫画が始まった『進撃の巨人』を、2013年公開の『ジャックと天空の巨人』が参考にすることは、確かに可能です。 とはいえ狂暴で恐ろしい巨人との人類の命運を賭けた戦い、という物語の主軸は確かに共通しているものの、それすらも大もとをたどれば民話に由来するもの。なにより『ジャックと天空の巨人』には、『進撃の巨人』のように幾重にも重なっていく奥深い謎は存在しません。 シンプルにドキドキワクワクできるピュアな冒険物語にふさわしく、とてもハッピーなエンディングが待っています。ぜひ一度、「進撃」抜きで楽しんでみてください。