2018年10月23日更新

傑作多し?「夢オチ」の名作映画6選【ネタバレ注意】

©️Photofest/Warner Bros. Pictures

結末で、これまでのストーリーはすべて夢の中の出来事だったとわかる「夢オチ」。有名映画の中にも「夢オチ」で終わる作品は数多くあります。衝撃的なストーリー展開と意外な「夢オチ」が印象的な映画6選をネタバレを含めご紹介します。

「夢オチ」とは?

物語の結末にはさまざまなパターンが存在しますが、その中でも最後にこれまでの展開が全て夢の中の出来事であったことがわかるものを「夢オチ」といいます。古典にはこのパターンが数多く存在し、小説だけでなく漫画・アニメ・映画などにも効果的に使われています。 「夢オチ」映画は、サスペンスやホラー、コメディーやファンタジーなどさまざまなジャンルの作品が存在します。この記事では「夢オチ」に至るまでのストーリーが特に奇想天外な映画6選をご紹介。ネタバレを含みますので未視聴の方はご注意ください。

「夢オチ」映画の始まりは?元祖はこの作品!

映画の中で初めて「夢オチ」が使われたのはいつの事なのでしょう。「夢オチ」の元祖として認知されている作品はどの作品なのでしょうか。 映画史の中で「夢オチ」の元祖として広く知られているのは、1920年『カリガリ博士』です。ドイツのサイレント映画であり、ドイツ映画史の記念碑的作品でもあります。 夢遊病患者を使って連続殺人を繰り返す医師の狂気を描くこの作品では、「夢オチ」がどんでん返しとして効果的に使われています。 また、『カリガリ博士』より前にチャップリンの主演作の数々でも「夢オチ」が使われています。今となってはとてもポピュラーなストーリーパターンである「夢オチ」の元祖には諸説あるようですね。

自殺願望のある患者に翻弄される精神科医!『ステイ』【2005年】

自殺願望のある不思議な青年・ヘンリー(ライアン・ゴズリング)を担当することになった精神科医のサム(ユアン・マクレガー)。サムの恋人・ライラもまた精神の病を患っており、以前はサムの患者でもありました。 ヘンリーはある画家に憧れていて、彼と同じように若くして死を選ぶことを望み、自殺予告を繰り返します。不可解な言動ばかり起こしていたヘンリーでしたが、ある日突然行方が分からなくなってしまいました。 ヘンリーの身を案じ、彼の家族や恋人を訪ねたサムは、彼らの奇妙な言動に惑わされ混乱します。 ヘンリーを必死で探す中で、徐々にサムの精神状態も危うくなり、恋人のライラも以前のような不安定な様子に戻ってしまいました。

『ステイ』の結末【ネタバレあり】

ヘンリーと橋の上で再会したサムでしたが、彼は拳銃で自殺をしてしまいます。実は、その橋では事故があり、事故の被害者の中でヘンリーだけが生存していた人物だったのです。 精神科医・サムとヘンリーのストーリーは、ヘンリーが事故後、息を引き取るまでに見た走馬燈のような幻影だったのでした。

顔を失った男の奇妙な体験とは『バニラ・スカイ』【2001年】

映画『バニラ・スカイ』は1997年に公開された『オープン・ユア・アイズ』をリメイクしたもので、こちらの作品でも大胆な「夢オチ」が展開されます。 恋人・ジュリーと新しい女性・ソフィアの間で悩まされるデイヴィット(トム・クルーズ)は、嫉妬心から徐々に精神のバランスを崩していくジュリーの事を危ぶんでいました。 ある日ジュリー(キャメロン・ディアス)はデイヴィットと心中を図ろうとし、彼女は死亡、デイヴィットは助かりましたが顔に大きな傷を負ってしまいます。その傷はデイヴィットの美しい顔を恐ろしいものに変えてしまうほどでした。 しかし、ソフィア(ペネロペ・クルス)は彼の傷を見ても変わらず彼を愛し続けてくれることを誓います。 困難を乗り越えて二人の関係は深まっていくかに見えましたが、デイヴィットは徐々に混乱し、現実か幻影かわからない経験を繰り返していき……。

『バニラ・スカイ』の結末【ネタバレあり】

事故のショックで自暴自棄になるデイヴィットを愛想を尽かし離れていってしまったソフィア。悲観したデイヴィットは自殺を図ります。彼は死の前に思い通りの夢を見せてくれるという組織「エリー」と契約していたので、彼が見た奇妙な幻影は、「エリー」が見せた夢だったのでした。 デイヴィットを苦しめていた幻影は、ソフィアとジュリーが入れ替わるというもの。それは「エリー」の機能の不具合から生じたもので、職員からその真実を告げられます。 デイヴィットは、夢の世界に留まるのか現実世界に戻るのか選択を迫られることになりました。

家族よりも仕事を優先した男の末路『もしも昨日が選べたら』【2006】

仕事に燃える優秀な建築士のマイケル(アダム・サンドラー)は、家族サービスを要求してくる妻や親、子供のことを内心では疎ましく思っていました。自宅に仕事を持ち帰ることも多いマイケルにとっては飼い犬の吠え声だって悩みの種です。 そんな毎日を送るマイケルは、ある日息子からすごい機能を持つリモコンの存在を聞かされます。早速そのリモコンを購入したマイケル。 そのリモコンはマイケルの身に起こっていることすべてを操作することができるリモコンでした。連日のように聞かされる妻・ドナ(ケイト・ベッキンセイル)の小言や愚痴は早送り、うるさい飼い犬の鳴き声はボリュームダウン、というふうに。 出世までの時間を耐え切れないマイケルは度々人生を早送りします。彼はドンドン出世していきましたが、家族の心は彼の元から徐々に離れていき……。

『もしも昨日が選べたら』の結末【ネタバレあり】

親は亡くなり、妻と離婚し、一人ぼっちになってしまったマイケルは、妻が引き取った子どもの結婚式でいきなり倒れてしまいました。そこで目が覚めると、何と彼はリモコンを購入したホームセンターの商品のベッドの上で寝ていました。 夢のように寂しく悲しい思いはしたくないと強く感じた彼は、家に帰って家族との時間をもっと大切にするようにしよう、と心を改めるのでした。

人生を意のままに操る悪女!『ファム・ファタール』【2002年】

窃盗団に所属している妖艶な女性・ロール(レベッカ・ローミン=スティモス)は、ある日映画祭の会場からダイヤのアクセサリーを盗み出すことに成功しました。彼女は同じ窃盗団の男たちを裏切り、盗んだダイヤを自分だけのものにしました。 海外へ逃亡しようとしたロールでしたが、窃盗団のラシーン(エドゥアルド・モンシーン)につかまり、襲われます。 気を失っていたロールが目を覚ますと、見覚えのない家の中でした。彼女は見知らぬ夫婦にこの家の住人・リリーと勘違いされ、二人によって部屋の中へと運ばれたのです。 夫と息子を亡くしたリリーは悲観して自殺し、うり二つの容姿を持つロールは、彼女に成りすまして逃亡することを心に決めました。 リリーに成りすましたロールは、機内で素敵な男性・ワッツと出会い、やがて結婚、後にアメリカ大使夫人とまでになります。しかしかつての窃盗団たちから逃れるため、ロールは写真を撮られることを慎重に避けていました。

『ファム・ファタール』の結末【ネタバレあり】

目覚めるとリリーの部屋にいたロール。これまでの出来事は夢だと悟り、ロールは改心したのか、リリーの命を救おうとします。自殺を図ろうとするリリーに、将来の幸せを匂わせ、無事アメリカへと向かわせることができました。 夢の世界と同じように、かつての窃盗団に追われ続けていたロール。しかし、追跡中の事故で男たちは死亡し、彼女は晴れて自由の身となったのです。

夢の中で活躍する産業スパイ!『インセプション』【2010年】

他人の夢の中に入り込むことができる技術を習得したコブ(レオナルド・ディカプリオ)は、産業スパイとして 活躍しています。彼は、夢の中でターゲットに意識を植え付けたり、機密情報を盗み出したりしていました。 そんなコブの元にサイトウ(渡辺謙)という日本人男性が現れ、ライバル会社を倒産させるミッションを依頼しました。 この作品の中で描かれる夢の世界にはいくつかの階層があり、視聴者もコブも今いる世界がどの階層なのか、はたまた現実世界であるのかわからなくなってしまいます。 自分のいる場所が現実であるかどうかを確認するために、コブはいつもコマを回していました。コマが回り続けていれば夢であり、倒れたらそれは現実世界であるしるしなのです。

『インセプション』の結末【ネタバレあり】

自殺した妻・モル(マリオン・コティヤール)が度々夢の中に現れ、苦しめられ続けていたコブ。彼が受けたサイトーからのミッションの途中にもモルは現れてターゲットを殺してしまいます。それでもコブとサイトーはあきらめず、最終的にはミッションを成功に導きました。 目覚めたコブは我が家へ帰り、子供たちに再開します。コブは自分の今いる世界が現実なのか夢なのかわからなくなり、いつものようにコマを回しました。しかし、彼はコマがどうなるのかを見届けることなく、子どもたちのそばへと向かうのでした。

回収する側からされる側に回った男の恐怖『レポゼッション・メン』【2010年】

映画『レポゼッション・メン』は人工臓器が一般に普及した近未来のアメリカが舞台。主人公のレミー(ジュード・ロウ)は、人工臓器の代金を全額支払えなかった者の取り立てとして体内の人工臓器を回収する仕事に就いていました。 事故に遭い、レミーもまた人工臓器を必要とする身となってしまいます。しかし、人工臓器は恐ろしく高額なため、たちまちレミーも滞納者となり、取り立てに追われることになってしまいました。 かつての相棒であったジェイク(フォレスト・ウィテカー)に追われるレミーは必死で逃げ、徐々に二人の関係も悪化していきます。レミーは自分の身体を守るため人工臓器を開発しているユニオン社を潰すことを計画し始めました。

『レポゼッション・メン』の結末【ネタバレあり】

レミーが人工臓器を取り付けることになったきっかけはジェイクが仕組んだことでした。現実には事故ではなくジェイクに殴られ意識不明のままのレミー。レミーの滞納もジェイクによる取り立ても、ユニオン社爆破計画も全てはレミーの見ている幻影なのです。 ジェイクは人工臓器回収業をやめたいと言い出したレミーを失いたくない一心で、彼を永久に自分だけのものにするため、この恐ろしい計画を実行に移したのです。

「夢オチ」は禁じ手?他にはない魅力を楽しもう

奇想天外なストーリーが高じて収集が付かなくなってもオチが夢で終わるなら都合よくまとまってしまうため、夢オチは禁じ手とも言われています。 確かに、先が読めないストーリーにハラハラしながら結末を楽しみに観てきたのに、最後にこれは夢でした、妄想でしたと言われてしまうと、がっかりしてしまう鑑賞者がいることは納得できます。 しかし、夢の中の出来事ならではの奇想天外なストーリー展開やそれを再現する不思議で斬新な映像表現は、「夢オチ」映画にしかないもの。ラストに至るまでの映像や世界観に浸り、思いきり楽しみましょう。