2019年2月14日更新

『相棒』19年の歴史と人気の秘密4選 視聴者に愛され続ける理由とは?

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『相棒 シーズン14』オリジナルサウンドトラック

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「相棒」シリーズはなぜ19年続くご長寿ドラマになり得たのか?

2000年に「土曜ワイド劇場」の枠で、単発ドラマ『相棒・警視庁ふたりだけの特命係』として始まった「相棒」シリーズ。3回にわたり放送された単発ドラマは好評を博し、その後2002年には満を持して連続ドラマのシーズン1が放送されました。 シーズン2以降からは、毎年10月〜3月の2クールドラマとして開始。2018年にはシーズン17を迎え、これまでに主人公・杉下右京の相棒も4回交代してきました。 2006年からは元旦放送の『相棒〜元旦スペシャル』が恒例となり、4度の劇場版公開やスピンオフ作品などメディアミックスも盛ん。ここまで長く広く愛され続けている刑事ドラマとなったのは、一体なぜなのでしょうか。今回はその理由を探ってみたいと思います。

本記事では『相棒』のネタバレとなる記述が含まれます。未鑑賞の方はご注意ください。

『相棒』とはどんなドラマ?シリーズのあらすじ

主人公の杉下右京は、優秀なキャリアとずば抜けた推理力を持つ警部。しかしその変人ぶりとある事件から、警視庁の窓際部署といわれる「特命係」への異動を命じられます。 右京の下には代々いわくつきの“相棒”が配属され、二人で様々な事件を解決していくバディ刑事ドラマとしてのスタイルが特徴です。基本的には1話完結であり、右京の友人や理解者たちが捜査に協力する様子も描かれます。 またミステリードラマでありつつ、周囲の人々との人間模様や、警察・官僚・政治家の組織的陰謀など、社会派ドラマとしての側面も。 『相棒』が制作されたきっかけは、水谷豊主演の土曜ワイド劇場「探偵事務所」シリーズ終了前に立ち上がった新企画から。名探偵ものと刑事ものという要素が両方取り入れられ、初代相棒の寺脇康文が水谷豊に憧れていたこともあって、バディものの企画として進められたのです。

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高視聴率をキープし続け、スピンオフを含めると6度の映画化も

土曜ワイド劇場の単発ドラマとして、2000年6月3日に初回放送が行われた『相棒』。2001年1月27日と11月10日には第2話と第3話も放送され、第2話は22.0%の視聴率を獲得しました。 2002年10月9日から始まったシーズン1では、第1話の視聴率が16.3%を記録。それ以降のシーズンでも平均視聴率は常に12%以上をキープし続けています。特にシーズン9では平均視聴率20.4%をマークし、第16話では最高の23.7%を記録しました。 連続ドラマでのヒットから、劇場版やスピンオフ作品などのメディアミックスも生まれています。劇場版は2008年、2010年、2014年、2017年と4度にわたり公開。

スピンオフ映画は、『相棒シリーズ 鑑識 米沢守の事件簿』が2009年に、『相棒シリーズ X DAY』が2013年に劇場公開されました。また、“トリオ・ザ・捜一”の面々や米沢守をメインとしたショートドラマ『裏相棒』も制作されています。 数々のメディアミックス作品が次々と制作され、ヒットを続ける「相棒」シリーズ。こんなにも愛され続けている魅力とは、何なのでしょうか?

人気の秘密1. 主人公・杉下右京とその歴代相棒

『相棒』の第一の魅力は、もちろん主人公の杉下右京にあることは間違いありません。 名探偵と刑事をかけ合わせ、そこに疎まれるほど切れ者という設定も加わり、さらに誰に対しても敬語なのに嫌味にならないキャラクターという特異な人物像は、ホームズやポワロ、コロンボなどの名探偵や刑事からインスパイアされたそうです。 第二の魅力は、右京の歴代の相棒たち。設定としては初代相棒・亀山薫の前に、なんと6人もの特命係が存在していたよう。しかし長期間、右京と捜査をともにした相棒は4人。それでは歴代の相棒たちを紹介していきます。

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初代相棒・亀山薫(寺脇康文)

単発ドラマからシーズン7の第9話まで右京の相棒を務めたのが、寺脇康文演じる亀山薫です。 捜査一課の刑事だった亀山ですが、失態を犯した事件によって特命係へ異動。9年間もの長期間在籍しましたが、親友を亡くした事件から刑事を辞めて外国へ旅立ちました。

2代目相棒・神戸尊(及川光博)

右京の2番目の相棒となったのは、及川光博演じる警視・神戸尊です。シーズン7最終話に初登場し、シーズン10までの3年間在籍。それ以後のシーズンにも度々顔を出しています。 特命係に配属されたのは、実はスパイとして右京の監視をするため。しかし特命係を去った後も右京とは交流を続け、捜査に協力しています。

3代目相棒・甲斐享(成宮寛貴)

右京から“カイトくん”と呼ばれて親しまれていた3代目相棒・甲斐享。演じたのは成宮寛貴で、シーズン11からシーズン13まで在籍しました。 右京から直々に引き抜かれて特命係に来た甲斐でしたが、“ダークナイト”と名乗って法で裁けない人物に制裁を加えていたため、懲戒免職となりました。

4代目相棒・冠城亘(反町隆史)

4代目相棒は、反町隆史演じる冠城亘が務めています。法務省のキャリア官僚として警察庁に出向し、特命係に巡査として配属されました。シーズン14から在籍中。 ある事件をきっかけに法務省を辞して警察学校へ入学し、一時特命係から去りますが、警察官となって再び特命係へ戻ってきました。

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人気の秘密2. 1話完結ドラマの中で変化していく人間関係が面白い!

『相棒』は基本1話完結のドラマですが、4回交代している相棒をはじめ、周囲の人々の変化も大きな魅力の一つ。19年かけて、様々な人間関係が構築されてきました。 警察庁次長だった甲斐峰秋(石坂浩二)と副総監の衣笠藤治(大杉漣→杉本哲太)との対立や、特命係創設に関わった官房室長・小野田公顕(岸部一徳)との因縁などは大筋に関わるもの。その一方、“トリオ・ザ・捜一”や米沢守と角田六郎といったサブキャラとの関係性の変化も見逃せません。 ゲスト出演したキャストが、後々メインキャストとして再登場するのも特徴的。右京たちが常連の小料理屋「花の里」の2代目女将・月本幸子(鈴木杏樹)は、ゲストからメインキャストになった初めて人物。また、シーズン17で特命係となった青木年男(浅利陽介)も、シーズン14でゲスト出演し、シーズン15からメインキャストとなっています。

人気の秘密3. 未だ解決していない謎や伏線がある

そういったゲストキャストがシーズンをまたいで様々な伏線を張りめぐらせていくのも、『相棒』の画期的な面白さ。しかし未だ解決していない謎も多々あります。その中から今後重要になると思われるキャラクターの謎と伏線を抜粋して、紹介していきます。

社美彌子と甲斐峯秋の関係性は?

シーズン13からゲスト出演し、シーズン15で再登場した社美彌子(仲間由紀恵)。総務部広報課の課長で、冠城亘の元上司です。亡命ロシア人スパイのヤロポロク・アレンスキーとの関係性についてシーズン15で少し明らかになり、シーズン16の300回記念スペシャルで、ヤロポロクとは愛し合って娘のマリアが生まれたことがわかりました。 しかし、シーズン15で社を虚偽の証言でかばい、その後も親しさを匂わせている甲斐峯秋との関係性は未だ謎のまま。その後も社は2017年の劇場版、そしてシーズン17の元旦スペシャルから再登場しています。

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甲斐峰秋が狙うのは権力復活?

右京の3代目相棒だった甲斐享の父・甲斐峰秋(石坂浩二)。 亨の不祥事で次長職から追われ、閑職の長官官房付に降格された甲斐ですが、まだ権力を座を狙っている節が。警視庁副総監・衣笠との対立関係も今後新たな展開を見せるかもしれません。

青木年男はなぜ警察嫌いになった?

シーズン17で新たに特命係に配属された青木年男(浅利陽介)。警視庁サイバーセキュリティ対策本部の特別捜査官で、ゲスト出演したシーズン14では特命係と大きく関わることに。 警察官の父を持ちながら警察嫌いという青木ですが、特別捜査官になる際はその父のコネも使っています。なぜ警察嫌いになったのか、父はどんな警察官だったのかが明かされることはあるのでしょうか?

人気の秘密4. 最新シーズン「相棒17」は異例づくし?

初代の亀山薫が最長の9年間相棒を務めたとはいえ、2代目の神戸と3代目の甲斐は3年と比較的短いスパンで交代しています。シーズン17ではいよいよ冠城が4年目を迎え、右京とのコンビもかなり板についてきました。 冠城が官僚から警察官になるという変わった経歴を持っていることも、歴代の相棒の中でも異例。加えて、シーズン17では青木年男が特命係に左遷され、初の3人体制になったのも意外な展開!しかしなんと、元旦スペシャルでは衣笠の手回しによってサイバーセキュリティ対策本部へ返り咲いています。 シーズン17初回には、新たなキャラクターとなる国家公安委員長・鑓鞍兵衛(柄本明)が登場。特命係に興味を持っている飄々とした人物で、今後また特命係と関わりを持つ可能性もありそうです。 お馴染みの設定をベースにしつつ、意外な展開を盛り込むことが、視聴者を飽きさせない人気の秘密なのかもしれません。

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今後の展開も見逃せない!「相棒」シリーズ

これまでと変わらず、熱い支持を受け続けている人気長寿ドラマ『相棒』。その魅力が独特なキャラクターのみならず、予測できないストーリー展開や、シリーズ全体に散りばめられた伏線や謎などにもあることがわかりました。 17回目のシーズンも好調で、この先にもまた劇場版やスピンオフなどの制作が楽しみなシリーズです。数々の伏線が回収されることも願いながら、今後の展開に期待していきましょう!