映画『ダンスウィズミー』に期待大!『ラ・ラ・ランド』に触発された矢口監督の最新作が8月公開
矢口史靖監督の新境地!初のミュージカル映画『ダンスウィズミー』とは?
2001年の『ウォーターボーイズ』ではシンクロに挑む高校男子たちを、2004年の『スウィングガールズ』では吹奏楽に打ち込む高校女子たちを主人公にして、大ヒット映画を生み出した矢口史靖(やぐちしのぶ)監督。2019年はなんと、初の本格ミュージカル映画に挑戦します! 新作映画『ダンスウィズミー』は、矢口監督曰く「“ミュージカルだったら観ない”という人が楽しめる」ミュージカル映画。ミュージカルが苦手なのに、催眠術で音楽を聴くと歌い踊りだしてしまうようになった女性が主人公です。 これまで新人の出演者たちにシンクロやビッグバンドなどの特訓を課し、彼らの成長を映して作品にリアリティを生んできた矢口監督。一方2008年の『ハッピーフライト』では、新人CAを中心に航空業界をコミカルに描きました。最新作では一体どんな“成長コメディ”を見せてくれるのでしょうか?
映画『ダンスウィズミー』のあらすじ
主人公の鈴木静香はミュージカルが何よりも苦手。しかしある日、音楽を聴くとどこであろうと突然歌って踊り出してしまうという、催眠術をかけられてしまいます。 街中にあふれるどんな音楽にも反応してしまい、踊りたくもないのに体が勝手に動き出す静香。そのため仕事すら失い、自分に催眠術をかけた催眠術師を探して日本中を回ることに。 その道々出会うのは怪しい探偵や笑顔が胡散臭い先輩社員、サクラで金に汚い女と変人ばかり。静香は果たして無事催眠術を解いて、元の体と生活を手にすることができるのでしょうか。
主演キャストはモデル出身の若手女優・三吉彩花!
主人公の鈴木静香を演じるのは、モデル・女優として活動する三吉彩花(みよしあやか)。2010年から7年間「Seventeen」専属モデルを務め、東京ガールズコレクションなど数々のショーにも出演しています。 女優として本格的に活動を始めた2008年には映画『うた魂♪』や『死にぞこないの青』に出演し、以降テレビドラマ・映画を中心に活躍中です。映画に主演するのは2013年の『旅立ちの島唄〜十五の春〜』以来、6年ぶりとなります。 矢口監督はこれまでも主演に『ウォーターボーイズ』の妻夫木聡や『スウィングガールズ』の上野樹里など新人俳優をオーディションで選び、いずれも大ヒットに導いて俳優としても飛躍させています。 三吉彩花も歌とダンスのオーディションで選ばれており、ミュージカルシーンはすべて吹き替えなしで撮影されたとのこと。その仕上がりはもちろん、過去作同様のヒットと主演の三吉彩花のブレイクにも期待が寄せられています。
個性的なサブキャスト一覧
斎藤千絵/やしろ優
催眠術師・マーチン上田の“サクラ”として、舞台の上では催眠術にかかったフリをしている斎藤千絵。静香とともにマーチン上田を探して日本中を駆け回ります。 演じるのはお笑い芸人で、倖田來未や芦田愛菜のものまねで有名なやしろ優です。
山本洋子/chay
マーチン上田を探す途中、静香と千絵が新潟で出会った謎のストリートミュージシャンの山本洋子。 演じるのは本作が女優デビューとなるシンガーソングライターのchay。『テラスハウス』の元メンバーで、「CanCam」の専属モデルも務めています。
村上涼介/三浦貴大
静香が務める総合商社の先輩で、女子社員たちの憧れでもあるエリートサラリーマンの村上涼介。 演じるのは、映画・テレビで活躍する俳優の三浦貴大。父に三浦友和、母に山口百恵を持つ芸能界のサラブレッドです。
渡辺義雄/ムロツヨシ
マーチン上田の捜索を担当する興信所の調査員・渡辺義雄は、見るからに何かやらかしそうな怪しげな探偵。 演じるのは、幅広いジャンルで個性派俳優としての存在感を誇っている俳優のムロツヨシです。2018年放送のドラマ『大恋愛』では、自身初となるラブストーリーに挑戦しました。
監督は『ウォーターボーイズ』の矢口史靖 ヒットなるか?
(写真右が矢口監督) 矢口監督が手がけてきた作品は、一つのことに打ち込んで輝く青春を描いた『ウォーターボーイズ』と『スウィングガールズ』、そして航空会社の裏側をコミカルに描いた『ハッピーフライト』など。どれも一生懸命さとコミカルさの表裏一体をテーマにし、独自の笑いと感動を生み出してきました。 『ダンスウィズミー』も過去一連の作品同様、自分の意思とは裏腹に歌い踊ってしまう静香を主人公に据え、ミュージカルならではの「突然歌い踊り出す」という面白味をスパイスにしたコメディ映画。どんなコミカルな笑いが飛び出すのか楽しみなところ! 実は、本作の鈴木静香のように、矢口作品の主人公には「鈴木」という名前が多く付いています(『ウォーターボーイズ』鈴木智、『スウィングガールズ』鈴木友子など)。これは「そこらへんにいそうな人」を表現する手段で、ごく普通の人物が巻き込まれる普通じゃない出来事とのギャップが、矢口作品の魅力を増しているのです。 新作が過去作と同じようにヒットするかは、このギャップが上手く描かれているかによるかもしれませんね。
ミュージカル映画製作のきっかけは『ラ・ラ・ランド』から
元々、矢口監督自身がミュージカルに抵抗があり、なぜ突然歌って踊り出すのか?という疑問を持っていたんだとか。しかし2017年に公開されたミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』を観たことで触発され、その疑問に答える映画を作りたいと思ったことが、『ダンスウィズミー』を製作するきっかけだったようです。 つまり、そのミュージカルへの“違和感”自体がテーマとなっており、音楽が身の周りにあふれている日々を送る私たちにとっても、身近で共感できる内容なのです。ミュージカル好きにはもちろん、苦手な人にこそ観てほしいとのこと! 劇中では山本リンダの「狙いうち」やサディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにおねがい」など、昔の流行歌や大ヒットした曲をチョイスしており、耳馴染みのある楽曲に合わせて歌い踊るのも見どころであり聴きどころです。
2019年の夏をミュージカルで彩る『ダンスウィズミー』に期待!
ミュージカルの違和感をテーマにしながらも、実際には本格的なミュージカル映画として真剣に取り組んで製作された『ダンスウィズミー』。決してミュージカルっぽくないわけでもなく、かといってミュージカルを否定しているわけでもない、不思議な立ち位置の作品です。 しかし矢口監督が目指したのは、『ラ・ラ・ランド』のように「変に構えず自然体で映画と音楽を楽しむ」というミュージカル本来の面白さ。映画館を出た後も、体が自然と揺れるようなハッピーな作品になっているのではないでしょうか。