2023年3月22日更新

『ハッピーフライト』あらすじネタバレと感想まとめ パニック映画になる予定だった?

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『ハッピーフライト』は、2008年11月15に公開された日本映画です。監督・脚本は『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』の矢口史靖。 制作には実写邦画歴代興行収入第1位の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』をプロデュースした亀山千広も参加し、興行収入は13.3億円を記録しています。 今回はそんな本作のあらすじをネタバレありで解説し、出演キャストや制作秘話も紹介します。読めば映画がもっと面白くなること間違いなし!

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『ハッピーフライト』ネタバレあらすじ

【起】トラブルありつつもなんとか離陸

舞台は、空港とホノルル行きのチャーター便NH1980。機長昇格訓練中の副操縦士・鈴木(田辺誠一)は、この便が試験最終日でしたが、厳しい指導教官・原田(時任三郎)に当たってしまい緊張気味です。 新人CAの斎藤悦子(綾瀬はるか)は、初めての国際線フライトであるにもかかわらず遅刻してしまい、鬼チーフパーサーの山崎(寺島しのぶ)に早速叱られるはめに。 一方地上では離陸前、1980便の座席予約のオーバーブッキングが発生。グランドスタッフの木村(田畑智子)と吉田(平岩紙)が座席を調整しますが、その代わりに規定外の荷物の持ち込みを許可したためにCAとトラブルに。その間にも飛ぶのが怖くて新婚カップルが逃げだし大忙しです。 機体を整備する整備士、管制塔スタッフ、オペレーション・コントロール・センター(OCC)も1980便を無事に飛ばすために準備を整えていました。この日は台風が関東地方に直撃する予報でしたが、それは1980便の離陸後のため、離陸にGOサインが出されます。

【承】アクシデント続出!それでも続く空の旅

なんとか離陸!と思った矢先に、1980便に鳥の群れが突っ込む「バードストライク」のアクシデントが。そんなトラブルもよそに、離陸後早々にCAたちは客室サービスにすぐ対応しなければなりません。要領がわからない悦子は何人もの要求を覚えきれず、サービスを取り違えてしまいます。 乗客のワインとゲロを同時に被ってしまい散々な悦子を見かねた山崎は、「今日はもう乗客サービスはしなくていい」と厳しく叱りつけました。 そんな中、機内食の配布後にあるCAがデザートを台無しにしてしまい大ピンチに!山崎は悦子がチョコレートに詳しいのを知っていたため、機内にあるものでデザートを作るよう指示。 悦子はこの要求に見事応え、ドタバタしながらも空の旅は続いていました。

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【転】速度計に異常が!羽田へと航路を変更

トラブルは多く起こるものの、なんとかやり過ごしてきたスタッフたち。しかし一転して、コックピットでは笑いごとでは済まされない事態が……!対気速度計が突如動かなくなってしまったのです。 原田機長と鈴木副操縦士は、1980便の羽田帰還を決断します。 実は離陸前の点検で計測器のピトー管の1つに不調が見られていましたが、左2つのピトー管で運行可能と判断していました。しかし離陸後すぐのバードストライクで、左のピトー管が折れてしまっていたことが、航空マニアのブログから判明します。 羽田空港のスタッフたちは総出で、1980便を迎え入れる準備を整え始めていました。

【結末】羽田に無事着陸できるのか?

原田機長が機内対応の際に手首を負傷していたため、帰還の操縦は鈴木に全て委ねられていました。さらには台風による落雷でOCCでは停電が起こってコンピューターが使えず、空港の模型を使ってアナログで着陸計画を立てることに! 機内はパニックに陥りますが、CAたちが乗客を落ち着かせ、鈴木もOCCとの連携と原田の指示のもと、的確に機体を操縦します。3時間かけて何とか羽田に戻ってきた1980便は、強烈な暴風雨の中で無事に着陸!機内では安堵の声と拍手が沸き起こりました。 イレギュラーなこの帰還も試験の採点対象となっていたことと知って慌てる鈴木でしたが、エンディングでは無事に機長に昇格したことも描かれています。

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『ハッピーフライト』は面白い?感想まとめ

吹き出し アイコン

CAのドタバタコメディと思っていたら、断然面白いお仕事映画だった!いかにたくさんの人たちが結集して1機の飛行機を飛ばしているのか、安全に利用することができるのは当たり前ではないということに気付きました。

(30代女性)

吹き出し アイコン

有名なキャスト陣が織りなす空港群像劇。ANAの全面協力もあり、かなりリアリティある航空業界の裏側が描かれていたと思う。華やかさだけでなく、いい部分も大変な部分も両方ちゃんと描かれ、かつコメディタッチで軽く観られる作品。

(40代男性)

ボーイング747の開発者からも絶賛!

2008年にアメリカのボーイング社でプレミア上映が行われた際には、300人の航空関係者が来場。ボーイング747を開発したジョセフ・F・サターも鑑賞し、絶賛されました。 ただ飛行機が離陸して帰ってくるだけという地味な設定にもかかわらず、コメディ要素をうまく取り入れた監督の技量はさすがです。作品に華を添えた豪華キャストたちも高く評価されています。

『ハッピーフライト』制作裏話

映画『ハッピーフライト』はパニック映画になる予定だった?

企画当初、矢口監督は航空パニック映画を作ることを考えていたそうです。 ところがパニック映画を制作するために約2年間、航空業界をリサーチした結果、航空機が墜落する可能性がとても低いことと、同時に航空業界の裏で働く人々の面白さを知り、脚本の内容を変更したと言います。 また監督が航空業界をリサーチした際に知った、鳥被害の深刻さや、副操縦士がなかなか昇進できない現実、管制官の多くは制服で仕事をしていない点などを映画に盛り込み、航空業界のリアルをコミカルに描き出しました。

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撮影場所はANAの全面協力で提供された!

本作の撮影は全日空(ANA)の全面協力のもとで行われました。実際に運航しているボーイング社製のジャンボ機を借りています。実機を運行ラインから外して映画撮影のために貸し出す、ということは異例の事!航空業界初の試みです。 機内の撮影には10日間をかけ、実際に機体を関西国際空港へ飛ばした後、搭乗ゲートに付けて撮影も行われました。

『ハッピーフライト』の登場人物・キャストを紹介

『ハッピーフライト』では、パイロット、キャビンアテンダント、グランドスタッフなど航空会社で働くスタッフたちを豪華俳優陣が演じています。メインとなる役柄以外のOCC、整備士、管制官、乗客にも有名俳優が起用されていました。 今回は、パイロット、キャビンアテンダント、グランドスタッフを演じたキャストにスポットを当てて紹介します。

パイロットを演じたキャスト

鈴木和博/田辺誠一

副操縦士。ホノルル行き1980便が機長昇格OJTの最終試験でした。 OJTの最中、ピンチに出くわすと感情的になるなど、性格は単純。キャビンアテンダントたちから、笑いのネタにされるほどのおっちょこちょいです。ベテランキャビンアテンダントには「根性なし」とまで思われています。 しかし彼の活躍によって1980便は無事羽田に戻ってくることができました。エンドロールでは、機長に昇格した姿が描かれていました。

原田由嘉/時任三郎

機長。鈴木の機長昇格の最終試験となるフライトで、訓練教官を担当しました。 ときに笑えない冗談を不吉な笑みをうかべながら言うことがあり、そのことが鈴木にいっそう強い威圧感と不安を与えています。キャビンアテンダントにとっても恐れ多い存在。 トラブルが発生した際には、鈴木に的確な指示・助言を与え、不安定な飛行に不安を感じる鈴木を最後まで励まし続けました。

望月貞男/小日向文世

機長。温厚な性格で、どんな副操縦士にも機長昇格の通知を出す寛容さで知られています。原田とは正反対の性格。 鈴木の機長昇格の最終審査を務める予定でしたが、当日に風邪を引いたために原田が代役を務めることになりました。 望月から原田への急な変更は、「根性なし」と思われる性格の持ち主である鈴木の心を乱します。

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キャビンアテンダント(CA)を演じたキャスト

斎藤悦子/綾瀬はるか

ホノルル行きの便が国際線初乗務の広島出身の新人キャビンアテンダント。物語の冒頭から、国際線の初乗務にもかかわらず、遅刻をしてしまいます。機内でもミスを繰り返し、怒られてばかり……。 食いしん坊で、おっちょこちょいな性格。料理が得意で、機内食のデザートが提供できなくなった際には、機内に残っていた食材で代わりのデザートを作り周囲からの信頼を得ました。

田中真里/吹石一恵

悦子のインストラクター。中堅客室乗務員として、サービスはそれなりにこなすことができるものの、不条理な態度をとる客に対しての対処はまだまだ慣れていないという印象です。 悦子のマイペースさを危惧し注意を繰り返しますが、彼女自身にもまだ未熟なところが垣間見えます。

山崎麗子/寺島しのぶ

悦子の国際線初乗務の便でのチーフパーサー。「泣かされすぎるので水をたくさん飲む必要がある」という恐ろしい噂まである厳しい性格です。その厳しさから、「鬼チーパー」と称されていました。 厳しい性格ですが、悦子が失態を犯したときにはフォローをしてくれる頼れる存在でもあります。

グランドスタッフを演じたキャスト

木村菜採(なつみ)/田畑智子

臨機応変に業務をこなすことができるグランドスタッフ。 現在の職場には出会いも少なく、体力的にも限界を感じており、思い切って辞めようと退職願を提出します。しかし、辞められては困ると却下されてしまいました。 荷物を取り違えた男性客がいたときには、転倒しながらも、荷物を乗せたバスを追いかける行動力の持ち主です。

吉田美樹/平岩紙

菜採の後輩スタッフ。お気楽でおっとりした楽天家ですが、ときどき毒舌家に変身します。 自分が難しいと思った判断を迫られると、他人に面倒な対応を押し付けるように、すぐに菜採に頼ろうとしていました。菜採が退職を考えている原因の一つにもなっているようです。

森田亮二/田山涼成

グランドマネージャー。部下である菜採たちに対して、厳格な態度を貫き、菜採の退職願もすぐに却下しました。 「定刻通りの運行」を第一に考えていて、運行を遅らせる可能性のある乗客に対しては、快く思っていないことを吐露していました。 仕事をそつなくこなすことのできる菜採のことを信頼しており、辞めないように釘をさしています。

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『ハッピーフライト』を観て後悔はない!

『ハッピーフライト』はキャストが豪華というだけではなく、航空業界のリアルをコミカルに描いた傑作邦画だったのです。矢口監督の脚本裏話を知っていると、より楽しく観れるのではないでしょうか? 『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』が好きという言う人はもちろん、そうでない人も一度観てみてはいかがでしょうか?