『ハッピーフライト』はパニック映画になる予定だった!?あらすじ・キャストを紹介【ネタバレ】

2018年2月1日更新

2008年に公開され綾瀬はるか、田辺誠一らが出演したコメディ映画『ハッピーフライト』。『ウォーターボーイズ』『スウィング・ガールズ』の矢口史靖監督が描く、空の物語の魅力を紹介します。

矢口史靖監督が描く航空業界のコメディ映画『ハッピーフライト』

『ハッピーフライト』は、2008年11月15に公開された日本映画です。監督・脚本は『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』の矢口史靖。制作には実写邦画歴代興行収入第1位の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』をプロデュースした亀山千広も参加しました。 興行収入は13.3億円を記録しています。 今回はそんな本作のあらすじ、出演キャスト、制作秘話などをご紹介します。読めば映画がもっと面白くなること間違いなしです!

『ハッピーフライト』のあらすじ【ネタバレあり】

小さなトラブルの連続にスタッフが奮闘

舞台は、空港とホノルル行きのチャーター便NH1980(以下1980)。新人CAの斎藤悦子(綾瀬はるか)は、初めての国際線フライトであるにもかかわらず遅刻してしまいます。彼女はこの後も小さなトラブルに巻き込まれるのです……。 離陸前、手始めと言わんばかりに1980便の座席予約が被ってしまうオーバーブッキングが。グランドスタッフの吉田(平岩紙)がなんとか座席を調整し、無事離陸にこぎつけます。しかし座席を調整する際、乗客から機内に持ち込めないサイズの荷物を持ち込みたいという条件を提示されてしまったため、鬼チーフパーサーの山崎(寺島しのぶ)とトラブルになります。 なんとか離陸!と思った矢先に、1980便が鳥の群れに突っ込むアクシデントが。さらには、乗り物酔いした乗客がキャビンアテンダントに嘔吐物をぶちまけてしまいます。 その後、デザートが人数分ないことに気付いた山崎は、新人CAの悦子に機内にあるものでデザートを作るよう指示。悦子はこの要求に見事応えることができ、ドタバタしながらも空の旅は続いていました。

対気速度計に異常が!

トラブルは多く起こるものの、なんとかやり過ごしてきたスタッフたち。しかし一転して、コックピットでは笑いごとでは済まされない事態が……。 対気速度計が突如動かなくなってしまったのです。機長・原田典嘉(時任三郎)と副操縦士・鈴木和博(田辺誠一)は、1980便の羽田帰還を決断します。 機長が離陸前のトラブルで手首を負傷していたため、帰還の操縦は副機長に全てゆだねられました。さらには、OCC(オペレーションコントロールセンター)では雷による停電が起こってしまいます。 機内はパニックに陥りましたが山崎たちが乗客をなだめ、鈴木も原田の指示のもと正確に機体を操縦します。副操縦士・鈴木のおかげで3時間かけて無事に羽田に戻ってきた1980便。無事に着陸した機内では拍手が起こりました。

『ハッピーフライト』の登場人物・キャストを紹介

『ハッピーフライト』では、パイロット、キャビンアテンダント、グランドスタッフなど航空会社で働くスタッフたちを豪華俳優陣が演じています。 メインとなる役柄以外の、OCC(オペレーションコントロールセンター)、整備士、管制官、乗客にも有名俳優が起用されていました。 今回は、パイロット、キャビンアテンダント、グランドスタッフを演じたキャストにスポットを当てて紹介します。

パイロットを演じたキャスト

鈴木和博/田辺誠一

副操縦士。ホノルル行き1980便が機長昇格OJTの最終試験でした。 OJTの最中、ピンチに出くわすと感情的になるなど、性格は単純。キャビンアテンダントたちから、笑いのネタにされるほどのおっちょこちょいです。ベテランキャビンアテンダントには「根性なし」とまで思われています。 しかし彼の活躍によって1980便は無事羽田に戻ってくることができました。エンドロールでは、機長に昇格した姿が描かれていました。

原田由嘉/時任三郎

機長。鈴木の機長昇格の最終試験となるフライトで、訓練教官を担当しました。 ときに笑えない冗談を不吉な笑みをうかべながら言うことがあり、そのことが鈴木にいっそう強い威圧感と不安を与えています。キャビンアテンダントにとっても恐れ多い存在。 トラブルが発生した際には、鈴木に的確な指示・助言を与え、不安定な飛行に不安を感じる鈴木を最後まで励まし続けました。

望月貞男/小日向文世

機長。温厚な性格で、どんな副操縦士にも機長昇格の通知を出す寛容さで知られています。原田とは正反対の性格。 鈴木の機長昇格の最終審査を務める予定でしたが、当日に風邪を引いたために原田が代役を務めることになりました。 望月から原田への急な変更は、「根性なし」と思われる性格の持ち主である鈴木の心を乱します。

キャビンアテンダント(CA)を演じたキャスト

斎藤悦子/綾瀬はるか

ホノルル行きの便が国際線初乗務の広島出身の新人キャビンアテンダント。物語の冒頭から、国際線の初乗務にもかかわらず、遅刻をしてしまいます。機内でもミスを繰り返し、怒られてばかり……。 食いしん坊で、おっちょこちょいな性格。料理が得意で、機内食のデザートが提供できなくなった際には、機内に残っていた食材で代わりのデザートを作り周囲からの信頼を得ました。

田中真里/吹石一恵

悦子のインストラクター。中堅客室乗務員として、サービスはそれなりにこなすことができるものの、不条理な態度をとる客に対しての対処はまだまだ慣れていないという印象です。 悦子のマイペースさを危惧し注意を繰り返しますが、彼女自身にもまだ未熟なところが垣間見えます。

山崎麗子/寺島しのぶ

悦子の国際線初乗務の便でのチーフパーサー。「泣かされすぎるので水をたくさん飲む必要がある」という恐ろしい噂まである厳しい性格です。その厳しさから、「鬼チーパー」と称されていました。 厳しい性格ですが、悦子が失態を犯したときにはフォローをしてくれる頼れる存在でもあります。

グランドスタッフを演じたキャスト

木村菜採(なつみ)/田畑智子

臨機応変に業務をこなすことができるグランドスタッフ。 現在の職場には出会いも少なく、体力的にも限界を感じており、思い切って辞めようと退職願を提出します。しかし、辞められては困ると却下されてしまいました。 荷物を取り違えた男性客がいたときには、転倒しながらも、荷物を乗せたバスを追いかける行動力の持ち主です。

吉田美樹/平岩紙

菜採の後輩スタッフ。お気楽でおっとりした楽天家ですが、ときどき毒舌家に変身します。 自分が難しいと思った判断を迫られると、他人に面倒な対応を押し付けるように、すぐに菜採に頼ろうとしていました。菜採が退職を考えている原因の一つにもなっているようです。

森田亮二/田山涼成

グランドマネージャー。部下である菜採たちに対して、厳格な態度を貫き、菜採の退職願もすぐに却下しました。 「定刻通りの運行」を第一に考えていて、運行を遅らせる可能性のある乗客に対しては、快く思っていないことを吐露していました。 仕事をそつなくこなすことのできる菜採のことを信頼しており、辞めないように釘をさしています。

映画『ハッピーフライト』はパニック映画になる予定だった?

企画当初、矢口監督は航空パニック映画を作ることを考えていたそうです。 ところがパニック映画を制作するために約2年間、航空業界をリサーチした結果、航空機が墜落する可能性がとても低いことと、同時に航空業界の裏で働く人々の面白さを知り、脚本の内容を変更したと言います。 また監督が航空業界をリサーチした際に知った、鳥被害の深刻さや、副操縦士がなかなか昇進できない現実、管制官の多くは制服で仕事をしていない点などを映画に盛り込み、航空業界のリアルをコミカルに描き出しました。

ボーイング747の開発者から絶賛!『ハッピーフライト』の評価

2008年にアメリカのボーイング社でプレミア上映が行われた際には、300人の航空関係者が来場。ボーイング747を開発したジョセフ・F・サターも鑑賞し、絶賛されました。 実際に『ハッピーフライト』を観た人からも「飛行機に乗るとに観たくなる」「笑いあり、涙あり、緊張感あり」など、ポジティブな感想が多いようです。 「ただ飛行機が墜落しそうになって、帰ってくるだけ」という地味な設定にもかかわらず、コメディ要素をうまく取り入れた監督の技量はさすがです。

『ハッピーフライト』を観て後悔はない!

『ハッピーフライト』はキャストが豪華というだけではなく、航空業界のリアルをコミカルに描いた傑作邦画だったのです。矢口監督の脚本裏話を知っていると、より楽しく観れるのではないでしょうか? 『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』が好きという言う人はもちろん、そうでない人も一度観てみてはいかがでしょうか?