『シティーハンター』冴羽獠のハードボイルドな魅力を完全解説！気になる槇村香との関係は？

『シティーハンター』は1985年から週刊少年ジャンプで連載された、コミックス発行部数5000万部以上の北条司による人気漫画です。 凄腕のスイーパーである主人公・冴羽獠(さえばりょう)が数々の依頼を解決するストーリー。本記事ではそんな彼についてプロフィールや魅力、香との関係まで解説します。さらに2019年の新作アニメや実写映画についても紹介！ ※本記事では『シティーハンター』のネタバレを含んでいます。ご注意ください。

ここからは“ほぼ”完璧超人な冴羽獠について解説します。 冴羽獠は身長186センチに体重72キロ。足も長く顔立ちも整っており、鍛え抜かれた肉体を誇ります。ハードボイルドな性格で、黙っていればニヒルな雰囲気さえ漂わせます。しかし、それら全ての魅力を台無しにするほどにスケベ。依頼人の美女と会う度に「もっこり」してしまいます。 彼のトレードマークは、Tシャツの上から羽織っている腕まくりしたジャケットで、愛車は赤のミニクーパー。1959年3月26日生まれの30歳としていますが、幼い頃に事故に遭っているために本来のものは不明。名前も「リョウ」と呼ばれていただけで国籍も不明です。しかし、肌や髪、瞳の色から本人は日本人として振る舞っています。 コミックス28巻〜29巻では、彼の祖父かも知れない人物が登場しました。27年前に孫が行方不明になったという、スケベで女好きの神宮司道彦。その孫の名前は神宮司諒一で、名前に「りょう」が入っているため、可能性は高いと考えられました。しかし、結局のところ諒一にあったはずのヤケド跡が獠にはなく、別人物であったことが判明。彼の身元は不明なままでした。

獠は冴羽商事という会社の代表取締役を務めており、表向きにはマンションの管理人をしています。裏の顔は「シティーハンター」と呼ばれる、世界中の闇社会でNo.1とも噂されるほど凄腕のスイーパー(掃除屋)。 新宿を拠点としており、新宿東口の掲示板にXYZの暗号と自分の連絡先を残すことで、「シティーハンター」に依頼をすることができます。ちなみにXYZはアルファベットの最後、つまり「もう後がない」ことを意味しています。基本的に獠はスケベ心から美女絡みの依頼しか受けませんが、稀に「心が動かされる事情」があった際には男性からの依頼を受けることも。

闇社会でNo.1と言われるほど多才な獠ですが、中でも銃の腕前は相当のもの。どんな状況でもまず狙いを外すことはなく、相手の銃の銃身に弾丸を撃ち込んだり、放たれた弾丸に弾丸をぶつける離れ技すら難なくこなします。 また情報屋から得た情報含め、あらゆることを記憶している獠。小中高と学校にも通っていなかったのに古典に精通していたりと、その範囲は多岐にわたります。変装や声真似も得意で、度々披露しています。また様々な乗り物を乗りこなしますが、過去の経験から飛行機だけは大の苦手。

普段おちゃらけている獠ですが、彼には秘められた過去があります。 物心もついていない幼い頃、飛行機事故に遭い獠以外の乗客全員が死亡。かろうじて生き残るも、両親を失い天涯孤独の身となっていました。しかも墜落したのは中米のジャングル。そこで、彼は反政府ゲリラに拾われ、戦い方を教えられます。 ゲリラ組織で1.2を争う実力を持つ海原神(かいばらしん)に育てられた獠は、一個師団を30分で壊滅させられるほどの戦士へと成長しました。ちなみに「冴羽獠」という名前は、「リョウ」と呼ばれていたことをかろうじて覚えていた彼に海原が名付けたもの。獠もまた海原を父のように慕っていました。 しかし長く続いた内戦の影響で次第に狂気に飲まれていく海原。非人道的と却下されたにも関わらず、違法薬物エンジェルダストを用いた作戦を決行します。エンジェルダストを投与されたのは獠。薬の効果で銃弾が効かないほどの肉体強化を施され、敵部隊を壊滅させます。この時、唯一の生き残りとなったのが、海坊主こと伊集院隼人です。ゲリラ組織は海原を追放、獠は禁断症状で生死の境をさまようこととなりました。 その後政府軍に負けたゲリラ組織は離散、回復した獠はアメリカでスイーパーの仕事を始めます。やがて身に危険が迫ったことで、母国と思われる日本に帰国。「シティーハンター」として活動するようになるのです。

「シティーハンター」は元々、冴羽獠と槇村秀幸の2人組でした。秀幸は、獠が日本にきた際に選んだ相棒であり、親友でした。しかし彼は、物語序盤で不運にも命を落としてしまいます。それを知った秀幸の妹、槇村香が獠のもとに現れ、兄の代役として活動。こうして、シティーハンターは獠と香の2人組になるのでした。 香は美人でスタイルも良い女性ですが、獠は彼女を唯一「もっこり」しない女性としており、いつも香そっちのけで依頼人の美女に襲い掛かろうとします。その度に彼女から100tハンマーなどで「天誅」を下されるのがお約束。いい加減な彼を彼女がサポートするのがいつもの姿です。 しかし獠は意識して香に「もっこり」しないようにしており、変装していたりすると稀に「もっこり」することも。お互いに仕事上の関係として接しており、その中は友達以上恋人未満といったところでした。しかし、二人の関係は物語が進むに連れて縮まっていき、最終的にお互い良きパートナーであることは認め合っている様子です。 作者の北条司によって『シティーハンター』のパラレルワールドが展開された『エンジェルハート』では、獠の香へのプロポーズも描かれました。 ちなみに個人情報を失っていた獠に、2人が出会った日付を誕生日として決めたのも彼女でした。香は、獠の相棒でありパートナーであることがよくわかるエピソードです。

アニメ『シティーハンター』で冴羽獠を演じたのは声優の神谷明。彼は『シティーハンター』のアニメが放送された時点で、『キン肉マン』のキン肉マン(キン肉スグル)や『北斗の拳』のケンシロウなどのジャンプ作品の主人公を複数務めていました。 そのため集英社側は最初、彼の起用に難色を示していましたが、神谷が冴羽獠役を熱望したために実現。今では冴羽獠は、彼を代表する役となっており、自身も一番好きな役だと随所で語っています。獠のクールな面とふざけた面を見事に演じ分けていて、まさにぴったりです。 そんな神谷を初めとする当時と同じキャストが集結した新作映画、『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』が2019年に公開。同じく北条司原作の『キャッツ・アイ』の来生3姉妹が出演するサービスや、当時と同じTM NETWORKの「Get Wild」がエンディングテーマとなっているなどのこだわりもあり、『シティーハンター』20年越しの新作アニメは往年のファンから大絶賛となりました。

そんな『シティーハンター』が2019年にフランスで実写映画化。日本では公開前からビジュアルの完成度の高さが話題となりました。 監督・脚本かつ、主演の冴羽獠役を務めたのがフィリップ・ラショー。『シティーハンター』の大ファンである彼は、自ら企画書とプロットを書き、脚本を携えて作者の北条司の元を訪れるほどの熱烈っぷり。ビジュアルも、まさに冴羽獠の男前さがしっかりと再現されています。 また本作の吹き替えで冴羽獠を演じるのは山寺宏一。キャスティングは実写化に当たって神谷が辞退し、山寺がオファーされたことによるものです。最初は迷っていた山寺でしたが、神谷の後押しにより演じる決心をしたという裏話も。香もアニメで香役を務めた伊倉一恵ではなく、沢城みゆきが演じています。しかし神谷も伊倉も別の役で本作に参加しており、そういった点でもファンは必見です。『シティーハンターTHE MOVIE 史上最香のミッション』は2019年11月29日に日本公開。 実は1993年にもジャッキー・チェン主演で実写映画化されたことのある『シティーハンター』。こちらの作品は原作よりもさらにコメディータッチの多いものとなっています。斬新な解釈をした別物として楽しみたい方は是非ご覧ください。

本記事では『シティーハンター』の主人公・冴羽獠について、プロフィールや実力をおさらいしつつ紹介しました。強さの理由や香との関係がおさらいできたでしょうか。 スケベなところが目立つ獠ですが、ハードボイルドな一面も忘れてはいけません。そんなギャップの持ち主だからこそ、獠は万人に愛される魅力的なキャラクターとなっているのです。