2022年9月17日更新

映画『翔んで埼玉』キャスト一覧とネタバレ名(迷)シーン8選【出身地&相関図解説】

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『翔んで埼玉』麻実麗 GACKT
GIFMAGAZINE【ステッカー】麻実麗(GACKT)

魔夜峰央(まや みねお)の埼玉ディスり漫画を、「テルマエ・ロマエ」シリーズなどの武内英樹がメガホンを取り、驚くほどシュールに映画化した『翔んで埼玉』。この記事では、映画『翔んで埼玉』がヒットしたのはなぜか?その理由に迫ります。

名(迷)シーンに関するネタバレを含みますので、まだ観ていない人はご注意ください!

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『翔んで埼玉』作品情報

タイトル 『翔んで埼玉』
公開日 2019年2月22日
上映時間 107分
監督 武内英樹
キャスト 二階堂ふみ , GACKT , 伊勢谷友介 , ブラザートム , 麻生久美子

映画『翔んで埼玉』の内容は?

物語の舞台は、埼玉県民が差別される架空の日本。埼玉出身であることを隠し、カースト最上位の東京都の名門校に転入した麻実麗が、埼玉解放運動に身を投じる異色のコメディです。

『翔んで埼玉』はどれくらいヒットした?

関東の人々が“不快”と感じても不思議ではない描写が多いのですが、興行収入37億円超えの大ヒットを記録し、2019年に一大ブームを起こしたのです。ディスられたはずの埼玉県民からも、何故か好意的な反応が見られました。

【ネタバレなし】『翔んで埼玉』のあらすじ

埼玉の熊谷市に暮らす菅原家一家は、娘の愛海の婚約者と共に車を走らせていました。結婚したら東京に住みたいと愛海が期待を膨らませていると、カーラジオからとある都市伝説を基にしたラジオドラマが流れ始めます。 それは「埼玉解放の伝説の人物・麻実麗」の物語でした。 19XX年、東京では埼玉に対する激しい迫害が続いていました。そんな折、超名門校・白鵬堂学院に海外から麻実麗という美少年が転校してきます。差別対象のZ組を庇う彼の姿を見て、埼玉県民を虐げる生徒会長の壇ノ浦百美は不快に思うのでした。 しかし、麗にはある秘密があり――。

『翔んで埼玉』キャスト相関図

『翔んで埼玉』相関図

『翔んで埼玉』キャスト一覧と出身地

伝説パート

麻実麗(あさみ れい)役/GACKT(沖縄県出身)

翔んで埼玉/Gackt
(C)魔夜峰央『このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉』/宝島社

本作の主人公の一人・麻実麗を演じたのは、シンガーソングライター、俳優などマルチに活躍し、セレブ芸能人としてもお馴染みのGACKT。GACKT自身は沖縄県出身です。 麗は3年A組の転入生。丸の内の大手証券会社の御曹司で、東京都港区に籍があります。美貌と都会的なセンスが憧れの的になっている、アメリカの帰国子女です。 しかし彼の正体は埼玉県の大地主・西園寺家の子息で、「埼玉解放戦線」の主要メンバーでした。彼は埼玉県に課された通行手形制度を撤廃すべく、東京都知事を目指していたのでした。

壇ノ浦百美(だんのうら ももみ)役/二階堂ふみ(沖縄県出身)

『翔んで埼玉』GACKT、二階堂ふみ
『翔んで埼玉』(C)2019映画「翔んで埼玉」製作委員会

主人公の一人・壇ノ浦百美を演じたのは、2020年度前期放送予定の『エール』にてヒロインに抜擢され、躍進が続く実力派女優・二階堂ふみ。二階堂自身は沖縄県出身です。 百美は東京屈指の名門校「白鵬堂学院」の生徒会長で、東京都知事・壇ノ浦建造の息子の肩書きから、埼玉県人に横暴な態度をとります。

当初はZ組の生徒を庇う麗を目の敵にしますが、次第に彼に心惹かれ始め、自身の埼玉への拒絶反応と戦うことになるのです。

阿久津翔役/伊勢谷友介(東京都出身)

阿久津翔を演じたのは、「ジョジョの奇妙な冒険」や「るろうに剣心」シリーズなど、実写化作品での役の再現度に定評がある伊勢谷友介。伊勢谷自身は東京都出身です。 阿久津は、百美の家の執事を務めていますが、彼には裏の顔があり――。 阿久津は壇ノ浦家に仕える都会人と見せかけて、実は千葉県の出身。「千葉解放戦線」というレジスタンスを率い、千葉に対する差別に抗うべく尽力します。 麗と同じ通行手形制度の撤廃を目指していますが、都知事にすり寄るという違った手段をとっていました。

埼玉デューク役/京本政樹(大阪府出身)

『翔んで埼玉』 埼玉デューク
GIFMAGAZINE【ステッカー】埼玉デューク_OK

埼玉デュークを演じたのは、ドラマ「必殺」シリーズなどの代表作を持ち、時代劇から現代劇まで幅広い役柄をこなす俳優・京本政樹。京本自身は大阪府出身です。 埼玉デュークは埼玉県民でありながら山の手の上流階級民のオーラを放ち、「伝説の埼玉県人」と呼ばれていた人物。かつての「埼玉解放戦線」のリーダーで、埼玉県民によるクーデターを画策するもSAT(埼玉急襲部隊)に正体を知られ、身を潜めていました。

下川信男役/加藤諒(静岡県出身)

下川信男を演じたのは、映画『パタリロ』で主演を務めるなど強いインパクトを持った俳優・加藤諒。加藤自身は静岡県出身です。 埼玉出身者を隔離するためのクラス「Z組」に所属する下川。学園中から迫害を受けています。

隠れ埼玉県人役/間宮祥太朗(神奈川県出身)

隠れ埼玉県人の青年を演じたのは、映画『殺さない彼と死なない彼女』に桜井日奈子とダブル主演した間宮祥太朗。間宮自身は神奈川県の出身です。 埼玉県人は通行手形なしで都内に入ることはできません。にも関わらず手形なしで東京見物をしていたため、隠れ埼玉県人の彼はSATの埼玉県人狩りに遭い、連行されてしまいます。

おかよ役/益若つばさ(埼玉県出身)

おかよを演じたのは、女性向けファッション誌『Popteen』出身のカリスマモデル・益若つばさ。益若自身も埼玉県出身です。 おかよは麗の家に住み込み、家政婦として働いています。麗と彼の父との連絡も彼女を通して行われていました。

壇ノ浦建造役/中尾彬(千葉県出身)

壇ノ浦建造を演じたのは、数多くの作品に出演してきた名優・中尾彬。中尾自身は千葉県出身です。 建造は百美の父で、東京都知事を務めています。神奈川県本社を置く、シウマイで有名な「崎陽軒」のマスコットキャラクター、「ひょうちゃん」を集めることが趣味。

壇ノ浦恵子役/武田久美子(東京都出身)

壇ノ浦恵子を演じたのは、アイドルとして人気を博した武田久美子。武田自身は東京都出身です。 夫の建造との関係は良くない様子で、実は阿久津と不倫関係にあります。

西園寺宗十郎役/麿赤兒(奈良県出身)

西園寺宗十郎を演じたのは、舞踏家・俳優として活躍する麿赤兒(まろ あかじ)。麿自身は奈良県出身です。 西園寺は麗の父で、見終わると爆発するメッセージを麗に送っています。

神奈川県知事役/竹中直人(神奈川県出身)

『翔んで埼玉』神奈川県知事 竹中直人
GIFMAGAZINE【ステッカー】神奈川県知事_ですよねー!

神奈川県知事を演じたのは、俳優のほかにタレントやコメディアンとしても活躍する、竹中直人。竹中自身は神奈川県出身です。 神奈川県ならではのある物を送ることで、東京都知事の建造との関係を築いているらしく……?

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現代パート

菅原好美役/ブラザートム(埼玉県出身)

菅原好海を演じたのは、タレント・歌手・俳優と多方面で活動してきたブラザートム。ブラザートム自身は埼玉県出身です。 愛海の父で、埼玉生まれ埼玉育ち。埼玉県に誇りを持っています。

菅原真紀役/麻生久美子(千葉県出身)

菅原真紀を演じたのは、「時効警察」シリーズの三日月しずか役として知られる麻生久美子。麻生自身も千葉県の出身です。 夫に合わせて埼玉愛も持っていますが、地元である千葉を馬鹿にされると性格が一変します。

菅原愛海役/島崎遥香(埼玉県出身)

菅原愛海を演じたのは、元AKB48のメンバーで現在は女優として活躍している島崎遥香。島崎自身も埼玉県の出身です。 愛海は埼玉出身であることをよく思っておらず、父の埼玉愛にも呆れた様子。結婚を控えており、それを機に東京へ移り住もうと考えています。

五十嵐春翔役/成田凌(埼玉県出身)

五十嵐春翔を演じたのは、映画『カツベン!』で主演を務めた成田凌。成田自身も埼玉県の出身です。 埼玉出身の春翔は愛海の婚約者。新居を構える場所を検討しています。

高評価集まる!みんなの感想・レビュー

総合評価
3.5

吹き出し アイコン

20代男性

原作を読んでいたので、百美を女性が演じると聞いて少し残念だった。それでも見てるうちに二階堂ふみが段々少年に見えてきた!阿久津は漫画にはないキャラで、映画オリジナルな展開や設定も良かった。伝説パートと現代パートでまとめたのが功を奏した?

吹き出し アイコン

30代女性

最初から最後までしょーもなすぎるけど、それを逆手にとってるところが最高!軽い気持ちで笑いながら見るのにちょうどいいかも。サイタマラリアとか、数々のぶっ飛び設定にも笑った。でも濃いキスシーンがあるのでBL苦手な人は要注意!

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【ネタバレあり】『翔んで埼玉』から8つの名(迷)シーンをピックアップ!

1.白鵬堂学院3年Z組の様子に絶句

白鵬堂学院の生徒は、それぞれの“都会指数”によってA組からZ組までのクラスに分けられており、Z組は埼玉県民を隔離するためのクラスです。 Z組の生徒は校舎はオンボロ小屋でトイレはボットン便所制服はボロボロで保健室も利用できない、劣悪な環境下で生活していました。さらに、女子の制服は上部が肘宛て付きのセーラー服で下部はもんぺに地下足袋と、意味のわからない組合せでした。 他のクラスから迫害を受け、衛生面にも問題があるという、酷い扱いに言葉が出ません!

2.東京テイスティングって何……?

東京テイスティングとは、百美が麗を陥れるために全校生徒の前で行ったゲーム。瓶の中に入れられた空気を嗅いで、東京のどこのものか当てる設定でした。 都会指数が高ければ空気の香りで地名がわかる、というとんでもない理論によって、都会人らしさを見せつける謎すぎる内容です。百美はこれまで、何人もの都知事志望の男子生徒を敗北させてきましたが、新記録を打ち出した麗に敗北します。 テイスティングの様子が、GACKTが超人っぷりを発揮している番組「芸能人格付けチェック」に似ていると大きな話題になりました。

3.踏み絵ならぬ「踏み草加せんべい」

東京都民の中に紛れ込んだ埼玉県民をあぶり出すため、臭いだけで判別できない時に踏み絵ならぬ、「踏み草加せんべい」が行われました。 埼玉のシンボルこと、しらこばとの焼き印が入った名産品「草加せんべい」を踏むことができるかどうかで、埼玉県民を判別するのです。麗が埼玉出身の家政婦(益若つばさ)をかばい、踏み草加せんべいを煽られるシーンはヒドい茶番で、かなりの迷シーンです。 ちなみに、原作では踏む対象が「埼玉県知事の写真」になっています。県民は知事がいかに偉いか徹底的に教育されており、写真を踏むことができないんだとか!

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4.サイタマラリアって何?

サイタマラリアとは、小型春日部蚊が媒介して発症する埼玉県特有の伝染病です。体に「さ」の形の炎症、発熱・発疹・下痢・嘔吐の症状が出て、最悪の場合は死に至る恐ろしい病気! 埼玉には医者がおらず祈祷師しかいないため、手遅れになる可能性が高いです。また、埼玉以外の県で患者が発見されると、埼玉県民が紛れ込んでいる証拠に!作中では百美も感染しており、笑って良いのか困惑するこの病が、ストーリーの中で重要な要素になります。

5.東京都知事のお気に入りは〇〇県のアレ

百美の父・壇ノ浦建造(中尾彬)は、大都会の知事としての厳格なイメージとは裏腹に、「ひょうちゃん」というキャラクターが好きな可愛い一面も。 ひょうちゃんとは、神奈川県を拠点とする「崎陽軒」のマスコットキャラクター。都知事の部屋には、神奈川県知事からの贈り物として、様々な柄のひょうちゃんが飾ってありました。実は演じた中尾も、役と同じくひょうちゃんをコレクションしているそうです。 神奈川県は関東各県の中でも、東京都に並ぶ高い都会指数を有する県と設定されており、この描写から蜜月関係を伺うことができますね。

6.衝撃。GACKTと伊勢谷友介のキスシーン

映画『翔んで埼玉』は原作の要素を忠実に再現しているため、男子である百美が麗に恋心を抱くなど、耽美なBL描写もそのまま描かれています。 百美は妄想癖が激しく、麗と阿久津のキスを“悪夢として”見るシーンがあり、演じたGACKTと伊勢谷友介の色っぽいキスに衝撃が走りました。元々は存在しないシーンで、「魔夜先生の世界観を再現するためには必要」という、GACKTの提案で追加されたとのこと。 GACKTは公開初日舞台挨拶でキスについて聞かれ、「公私混同っていうんですよ。どうしても伊勢谷くんとチューしたいという」と、お茶目に返していました。

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7.埼玉県VS千葉県の芸能人対決が豪華すぎる

映画のオリジナルシーンにして、最大の見せ場とも言える「流山の戦い」。江戸川を挟んだ埼玉解放戦線と千葉解放戦線が、激しくぶつかり合う!と思いきや……。 千葉県が館山市出身の「X JAPAN」YOSHIKIの顔がプリントされた旗を掲げれば、埼玉県は蕨市出身の「THE ALFEE」高見沢俊彦の凧を揚げ、有名人出身地対決が展開しました。他にも埼玉からは反町隆史と竹野内豊、千葉からは桐谷美玲や真木よう子など(一部は阿久津に「弱い!」と言われたものの)豪華すぎる有名人が登場します。 千葉県が名女優・市原悦子を出し、麗が彼女の代表作ドラマ『家政婦は見た』から、「家政婦は見た……」と呟くシーンもありました。

8.埼玉以上にディスられたのは……

埼玉が特にディスられまくっていますが、東京を頂点としたヒエラルキーが存在しているため、その他の県も割とディスられていました。 一応の理由があるとは言え、群馬は未確認生物がいる「未開の地」「秘境」などと表現され、栃木や千葉もディスりネタの標的に!?そんな中、茨城県民は埼玉県民ですら見下す存在で、茨城は「埼玉のさらに奥地にあるといわれるあの日本の僻地」とまで言われていました。 映画の描写はまだマシな方で、原作でも「気の弱い女性はその地名を聞いただけで卒倒する」など、凄まじいディスられっぷり!一番の被害者は茨城県民かもしれません。

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『翔んで埼玉』のキャストが豪華すぎた!続編にも期待

翔んで埼玉
(C)魔夜峰央『このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉』/宝島社

映画『翔んで埼玉』はぶっ飛んだ世界観を、個性も何もかも濃ゆすぎるキャストが大真面目に、全力で演じた壮大な茶番劇でした!原作が未完のため、原作通りの「都市伝説パート」と、未来の埼玉県に住む一家を描く「現代パート」の二部構成として映画化されています。 伝説パートではGACKT、二階堂ふみ、伊勢谷友介をメインに展開し、現代パートではブラザートム、麻生久美子、島崎遥香が埼玉の菅原一家を演じました。何気に豪華なキャスト陣! 菅原一家が都市伝説にツッコんでくれることで、ディスりがある程度昇華され、観客がカタルシスを得られたのではないでしょうか。その埼玉や関東圏への“ディスり”も、裏側には「貶し愛」とも呼ぶべき愛があり、地元民納得の「県あるある」が観客の心を掴んだのでしょう。 これらの根底には、ディスられまくった関東圏の人びとの器の大きさがあり、自虐ネタを好みがちな日本人の気質も関係するかもしれません。