2020年9月21日更新

名作映画『E.T.』友情のウラに隠れたテーマを解説!37年ぶりに感動の続編も公開

E.T.
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不朽の名作映画『E.T』には、隠された真のテーマがあることをご存知ですか?この記事では、スピルバーグが本作を通して伝えたかったことをはじめ、驚きの制作秘話や感動の続編についてまとめて紹介していきます。

目次

愛され続ける名作映画『E.T.』を解説!2019年には感動の続編も公開

『E.T.』
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1982年の公開以降、今もなお愛され続けている名作映画『E.T』。2019年には、E.T.とエリオットが再会するショートムービー『A Holiday Reunion』も公開され話題となりました。 そこでこの記事では、『E.T』のあらすじや制作秘話、本作でスピルバーグが描きたかった本当のテーマなどについて解説していきます。

『E.T.』のあらすじを振り返ろう【ネタバレ注意】

とある森に宇宙船で降り立った異星人たち。彼らは地球上の植物を調べていましたが、人間に追跡されていたことをきっかけに調査を中断します。しかし宇宙船が慌てて去っていく一方で、たった1人取り残されてしまった異星人がいたのです。 森にほど近い郊外で暮らしていた少年・エリオットは、取り残された異星人であるE.T.と出会います。彼らは次第に心を通わせていきますが、研究の貴重なサンプルとしてE.T.を狙う魔の手が忍び寄っていました。

エリオットが暮らす地域を監視していたNASAの職員たちは、E.Tを無理やり連れて行こうとします。その最中に、E.T.は突然命を落としてしまうのです。 E.T.の死を悲しむエリオットでしたが、彼の胸にあるランプが赤く光ったのを見て、まだ生きていることに気づきます。E.T.を宇宙に帰してあげるため、エリオットは逃げ回ることに。 そんな時、突如2人の乗った自転車が宙に浮かび、E.T.が乗っていた宇宙船と出くわします。エリオットは別れを惜しみながらも、宇宙船が空の彼方へ消えていく様子を見守るのでした。

最大の見どころ!心を通わせるE.T.とエリオット

E.T.
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『E.T.』の最大の見どころとも言えるのが、E.T.とエリオットが心を通わせていく姿です。彼らは交流を深めていくだけでなく、次第に行動までリンクしていきます。 例えば家にいるE.T.がビールを飲んでいる頃、学校にいるエリオットも酔っ払いに。それだけでなく、E.T.がテレビでキスシーンを観ていれば、エリオットも好きな女の子にキスをしてしまうのです。 2人の行動がシンクロしていく様子は非常にユーモアに富んでおり、映画においても印象的なシーンの1つ。これにより『E.T.』は、人間と異星人との友情の物語というイメージを持たれることが多いようです。

『E.T.』誕生の背景にはスピルバーグの生い立ちが関係していた

スティーブン・スピルバーグ
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一見、異星人であるE.T.と少年エリオットとの友情譚にも思える本作ですが、実はそれだけではありません。この作品が誕生する背景には、監督であるスピルバーグの生い立ちが関係しているのです。 『E.T.』を観て、父親の存在感がまったく無いことに気付いた人もいるでしょう。作中では父親が登場せず、話題として上がるのもたった1度だけです。 この状況には、スピルバーグ自身の経験が関係しています。彼の両親は離婚しており、彼自身が父親のいない喪失感、孤独感を味わっているのです。 父親が不在である家で育つエリオットと、仲間と離れたった1人になってしまったE.T。彼らが出会い、心を通わせていくということは、喪失感や孤独感をともに乗り越えていくことでもあります。

『E.T.』真のテーマを解説!スピルバーグが描きたかったもの

E.T.
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『E.T.』でスピルバーグが描きたかったのは、両親の離婚、そして親の不在によって傷付いた子どもが、心の傷を乗り越えていく姿です。 互いに理解を深めていくE.T.とエリオットの姿は、保護者がいない事実によって傷付いた彼らが、徐々に傷を癒していく様子でもあります。 親が不在であるエリオット自身が、同じく喪失感を抱えたE.T.と出会い、彼を助けてあげる姿は、まるで親の役割を演じているかのよう。自らが親を演じることにより、喪失感や孤独感を乗り越えていくのです。 ラストに訪れるE.T.との別れは、エリオットが両親の離婚を受け入れたことを表すワンシーンと言えます。

4分間の続編も!E.T.とエリオットが37年の時を経て感動の再会

冒頭でも述べたように、2019年には『E.T.』の続編が公開に。ストリーミングサービスなどを提供しているXfinity社のプロモーション用として、4分間のショートムービーが作られたのです。 37年ぶりの再会を果たすE.T.とエリオットの姿に、思わず涙がこぼれてしまう続編。雪だるまに隠れるE.T.とそれに驚く子供たち、E.T.の力によって枯れた花が蘇るシーンなど、前作のオマージュが楽しめるのも魅力のひとつです。 エリオット役を演じているのは、前作でもエリオット役を務めたヘンリー・トーマス。大人になったエリオット一家とともに過ごすE.T.の姿と、そして再び訪れる別れは『E.T.』ファンであれば見逃せません。

『E.T.』にまつわる制作秘話を紹介

E.T.を演じていたのは足のない男の子だった

『E.T.』では3人のキャストがE.T.役を演じていますが、その中の1人であるマシュー・ド・メリットは両足のない男の子でした。E.T.がビールを飲んで酔っ払うシーンなどを演じたのは彼だったと言います。 加えて、E.T.の細かな動きは12人のオペレーターたちによって操作されていたとのことです。

あの名シーンに登場する自転車は日本製!

『E.T.』と言えば、自転車のカゴにE.T.を乗せて空へと飛んでいく名シーンが有名です。ポスターにも使用されているため、多くの人が目にしたことがあるでしょう。実はあの名シーンでエリオットが乗っている自転車は、日本のメーカー「KUWAHARA(クワハラ)」のもの。 採用されたきっかけは諸説あります。パーツのクオリティの高さに惹かれ、制作会社であるユニバーサルが自転車の制作をオファーしたというものや、監督のスピルバーグが子ども達に欲しい自転車を尋ねた際、多くの子が「KUWAHARA」と答えたから、ともいわれているようです。

テーマ曲を手がけた作曲家は、グラミー賞を6年連続受賞

『E.T.』は、キャッチーなテーマ曲も人気の理由の1つ。誰もが聞いたことのある楽曲を手がけたのは、映画音楽に欠かせない名作曲家ジョン・ウィリアムズです。 彼はE.T.のテーマを手がけるまでに『スター・ウォーズ』(1978年)や『未知との遭遇』(1979年)、『スーパーマン』(1980年)、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(1981年)、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1982年)でグラミー賞 映画・テレビサウンドトラック部門に輝いています。 そして1983年にE.T.のテーマでも同賞を獲得。1978年の『スター・ウォーズ』での獲得から、6年連続で受賞していることになります。

不朽の名作『E.T.』の解説を読んでもう1度観返そう!

E.T.
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この記事では『E.T.』のあらすじをはじめ、スピルバーグが描きたかった真のテーマや続編について紹介してきました。 「両親の離婚という視点で『E.T.』を観たことがない」という人もきっと多いでしょう。真のテーマに注目して名作を観返してみることで、また新たな学びがあるのではないでしょうか。