2020年11月14日更新

ハリス副大統領誕生記念!黒人女性が立ちあがる映画6選【11月14日はウーマンリブの日】

 『ドリーム』
© 20TH CENTURY FOX/zetaimage

2020年のアメリカ大統領選挙で勝利が確定したジョー・バイデン。彼が副大統領に指名したカマラ・ハリスは、アメリカ史上初の女性・黒人・アジア系の副大統領となります!今回は彼女のように、自分たちの権利や尊厳のためにたたかってきた黒人女性を描いた映画を紹介しましょう。

目次

女性初・黒人初・アジア系初!ハリス米副大統領が誕生

カマラ・ハリス
©︎ PAT BENIC/UPI/Newscom/Zeta Image

2020年のアメリカ大統領選挙で、民主党のジョー・バイデンの当選が確実に。これにともない、カマラ・ハリスが次期副大統領になることも確定しました。 11月7日に行われたバイデンの勝利宣言集会で、彼女は「私は初の女性副大統領になるかもしれませんが、私が最後の女性ではありません」とスピーチし、喝采を浴びました。 ハリスはインド出身の母とジャマイカ出身の父を持つ移民2世。カリフォルニア大学のロースクールを卒業後、検事としてキャリアを積みました。彼女はサンフランシスコ地方検事を経て黒人女性初のカリフォルニア州司法長官に。 2016年からは黒人女性として史上2人目、南アジア系アメリカ人としては史上初の上院議員を務めたという、輝かしいキャリアの持ち主です。 女性や移民、セクシャルマイノリティなど、さまざまな社会的弱者に寄りそう活動や発言で、特に若年層から高い人気を獲得しているカマラ・ハリス。彼女ほどアメリカの多様性を象徴する人物はいないと言ってもいいでしょう。

パワフルな黒人女性たちが奮闘する映画を6作紹介!

今回ciatr[シアター]編集部では、カマラ・ハリスが次期アメリカ副大統領となったこと、そして11月14日「ウーマンリブの日」を記念して、自分たちの権利や尊厳のために立ち上がった黒人女性たちを描いた映画を紹介! 実話をもとにした作品も多くありますので、これまで彼女たちがいかにして黒人や女性の地位向上に貢献してきたかを知ることができるでしょう。 それでは当時の時代背景と照らし合わせながら、映画の中で描かれた年代順に紹介していきます。

『ハリエット』(2020年):40年代、奴隷解放運動に命をかけた黒人女性

 『ハリエット』シンシア・エリボ
©︎ FOCUS FEATURES/zetaimage

アメリカ、メリーランド州。幼いころから過酷な労働を強いられてきた農場の奴隷ミンティは、あるとき農場主が借金を返済するため売りに出されることになってしまいました。 遠く離れた南部に売り飛ばされてしまえば2度と家族に会えないと悟った彼女は、たった1人で奴隷制度が撤廃されたペンシルベニア州を目指して旅立ちます。 アメリカでは誰もが知る奴隷解放活動家、ハリエット・ダブマンの激動の生涯を描いた映画『ハリエット』。奴隷として生まれた彼女は、いつしか南北戦争で黒人兵士を率いて戦う「英雄」になっていきます。 主演のシンシア・エリヴォは、本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネート。彼女が自ら歌った主題歌「スタンド・アップ」も、歌曲賞にノミネートされました。

『ロング・ウォーク・ホーム』 (1994年):50年代、黒人女性と白人女性がともに立ち上がった

『ロング・ウォーク・ホーム』シシー・スペイセク、ウーピー・ゴールドバーグ
©︎ Cineplex-Odeon Films/Photofest/zetaimage

1955年。アラバマ州のバスは、白人専用席と黒人用の席が分けられていました。あるとき黒人女性のローザ・パークスが、白人専用の席に座ったことから逮捕されるという事件が起こります。 この事件を発端に、黒人たちはバス・ボイコット運動をはじめました。 ボイコットに賛同する黒人女性オデッサは、メイドとして働いている白人のトンプソン家まで、毎日長い道のりを歩いて通います。 見かねた雇い主の主婦ミリアムは、車で彼女の送り迎えをすることにしました。しかし夫をはじめとする周囲の白人から猛反対を受け……。 ローザ・パークス事件、モンゴメリー・バス・ボイコット事件という実際の出来ごとを背景に、差別とたたかう黒人女性と白人女性の連帯が描かれます。

『ドリーム』(2016年):60年代、NASAの黒人女性科学者たちが掴みとった成功

『ドリーム』タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ
©︎Twentieth Century Fox Film Corporation/Photofest/zetaimage

人種差別・女性差別が横行する1960年代初頭、NASAで人類初の有人宇宙飛行を影で支えた、実在の女性たちを描く映画『ドリーム』。 計算室を取り仕切るドロシー、エンジニア志望のメアリー、そして幼いころから天才的な数学の才能を認められ、宇宙開発においてもっとも重要な部署であるスペース・タスク・グループに転属を命じられたメアリー。 彼女たちは自らの信念や夢のため、周囲にその資質を認めさせていきます。 「有色人種」であり「女性」であるという2重の差別を受ける彼女たちですが、その辛さよりも堂々と夢に向かって突き進んでいく姿に、誰もが勇気をもらえることでしょう。

『ドリームガールズ』(2006年):60年代の伝説的黒人女性シンガーをビヨンセが演じる

ドリームガールズ
©︎DreamWorks SKG/Photofest/zetaimage

60年代を代表する黒人女性ポップ・ソウル・グループ「ザ・スプリームス」をモデルにしたミュージカルを映画化。自身もアフリカ系の血を引く歌手のビヨンセが主演を務めました。 ディーナ、エフィ、ローレルの3人からなる「ザ・ドリーメッツ」は、男性シンガーのバックコーラスとしてデビュー。 その後、彼女たちは「ザ・ドリームズ」として単独デビューしますが、歌唱力よりも外見を重視され、エフィではなくディーナがリードボーカルになります。メンバー間には亀裂が生まれ、エフィは脱退させられてしまいました。 黒人と白人でラジオ局も分かれていた時代に、全米で知名度を上げるため知恵をしぼるプロデューサー陣、男性の支配から解放されようと奮闘する女性たちなど、当時のさまざまな差別と抵抗が描かれています。 本作にはキャスト陣の素晴らしい歌やきらびやかな舞台のシーンなどがあり、エンターテイメント性を保ちながらも、差別に抗するメッセージを投げかけてくれる作品です。

『ビール・ストリートの恋人たち』(2018年):70年代、恋人が無実の罪で警官に捕まった

『ビールストリートの恋人たち』ステファン・ジェームズ、キキ・レイン
©︎ ANNAPURNA PICTURES/zetaimage

1970年代のニューヨークに住むティッシュは、幼いころからともに育ってきたファニーと愛し合い、彼の子どもを妊娠します。 しあわせな日々を送っていた矢先、ファニーが身に覚えのない罪で逮捕されてしまいました。ティッシュとその家族は彼を救うため、無実を立証しようと奔走することに。 “黒人は犯罪を起こす”という偏見から、冤罪を招くことがいまだに少なくありません。2020年はアメリカの白人警官による黒人に対する暴力事件が大きな波紋を呼び、世界中の人々がBlack Lives Matter運動に応じました。 本作は『ムーンライト』(2016年)でアカデミー賞作品賞を獲得したバリー・ジェンキンス監督が、ジェームズ・ボールドウィンの同名小説を映画化。 黒人カップルの純愛を中心に、犯罪者のレッテルを貼られる黒人の苦悩や、恋人を助けるため法廷でたたかう様子を描きます。

『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ』:2009年、目の前で幼なじみを射殺されたティーン

『ヘイト・ユー・ギブ』
©︎ Twentieth Century Fox/Photofest/zetaimage

アメリカで大きな話題となったヤングアダルト小説「ヘイト・ユー・ギブ あなたがくれた憎しみ」を原作に、現代社会に生きるティーンの視点で黒人差別を見つめる本作。 ヘイトや差別は自分には無関係と思っている人に、ぜひ見てほしい作品です。 幼いころから白人と共存する方法を教え込まれてきた女子高生のスター。白人社会に生きる彼女は、自分が黒人であることを意識せずに毎日を送っていました。 しかしあるとき、幼なじみが目の前で白人警官に射殺されてしまいます。警察はこの事件を正当化し、自分が目撃したこととは違う報道に彼女はショックを受けた彼女は、亡き親友のために立ち上がることを決意するのでした。

11月14日はウーマンリブの日!人種や性別による差別のない社会へ

11月14日は「ウーマンリブの日」。「ウーマン・リブ(Women's Liberation)」とは、1960年代後半にアメリカから広まった女性解放運動のことです。 ウーマン・リブ運動は「男女は社会的には対等・平等であって、生まれつきの肌の色や性別による差別や区別の壁を取り払うべきだ」という考えに基づいています。 日本でも、1970年11月14日に第1回ウーマンリブ大会が東京都渋谷区で開催され、そこから国内でも女性の労働や女性の大学進学の機会が広がっていくことになります。 11月14日は「ウーマンリブの日」というのは、この出来事を記念して設けられたのです。 今回ciatr[シアター]では、カマラ・ハリス次期アメリカ副大統領の誕生にちなんで、人種差別や女性差別に立ち向かった女性たちの映画を紹介しました。気になる作品はあったでしょうか? 「ウーマンリブの日」には、人種や性別を超えた平等のためたたかった彼女たちに、思いを馳せてみませんか。