2020年12月31日更新

映画「鬼滅の刃」だけじゃない!個性豊かなciatr編集部員が選ぶ2020年のベストムービー11選

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ciatr編集部員が選ぶ!2020年のベストムービーはコレだ!

激動の2020年もいよいよ終わり!思えばこの年、映画界では『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞主要部門を受賞し、アジア映画の可能性に大いに沸いた冬から始まりました。 しかしコロナ禍で前代未聞の事態が次々起こり、エンタメ業界はかつてない冬の時代に到来。そんな中でも、数々の良作が公開延期を乗り越えて劇場公開を迎えることもできました。 10月に公開された劇場版により「鬼滅の刃」フィーバーが起こったのも、2020年の重要トピックですが、その影に良作が埋もれてしまってはもったいない!そこで、ciatr編集部員11人が選んだ2020年の「激アツ」作品をここで紹介したいと思います。 個性豊かな編集部員たちが、作品の感想を交えながらベストムービーをレコメンド!トレンド要素によっては、今年公開の作品でないものも選出しています。年末年始のおうち時間に、ぜひご一読ください。

中国アニメの無限の可能性に圧倒される『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』

明るいぼっち気質 編集者M選出

『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』無限 ムゲン
(C) Beijing HMCH Anime Co.,Ltd 

土地開発により故郷を奪われてしまった妖精のシャオヘイ。“居場所”を求めた彼が出会ったのは人間嫌いのフーシーとその仲間達だった。平穏を手に入れたと思った矢先、彼らの前に最強の執行人・ムゲンが現れ……。 正直、観る前の期待値はそこまで高くはなかったです。宮野真守や花澤香菜などの人気声優が出ているというモチベーションと、主人公の小黒(シャオヘイ)が可愛いから、と言う単純な理由から映画館へ足を運んだのですか……。やられましたね。久しぶりに映画館で号泣しました。 映像の美しさはもちろん、綿密に設計されたストーリーは圧巻の一言。私は伏線を探す為につい2回目も観に行ってしまいました!

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京都アニメーションの繊細で美しい映像が圧巻『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

よく食べ、よく呑み、よく眠る!編集者A選出

ヴァイオレット・エヴァーガーデン
©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

代筆師の「ドール」として働く女性、ヴァイオレット・エヴァーガーデン。幼少期を少女兵として過ごしてきた彼女は、最後の戦争で上官が遺した「愛してる」の意味がわからず、人生をかけて「愛してる」の意味を模索する作品です。 鑑賞中に3回泣きました。泣きすぎて、最後は涙が枯れ果てていました。そのくらい泣けます。とにかく泣けます。2020年の映画で最もハートフルな感動する映画だと言っても過言ではありません。 開始早々、作品の世界にすっと引き込まれ、2時間の上映時間があっという間に感じました。登場人物の細かな心境の変化や愛溢れるストーリー、そして繊細で美しい映像。圧巻でした。 劇場版はアニメのエピソードと繋がっており、アニメを見てから映画を見るとより楽しめると思います。誰かを想いたい時、思い切り泣きたい時、心洗われたい時にピッタリの作品です!

アリ・アスター監督の“映える”恋愛ホラー『ミッドサマー』

冷静と情熱のあいだ 編集者K選出

『ミッドサマー』
© 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

90年に1度、ホルガで行われる9日間の夏至祭。気分転換にと田舎の祝祭に参加したカップルの行く末は……。 ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかわからない、後味の悪い作品が好きな人におすすめの1作です。ポスターに惹かれて軽い気持ちで観たあなた、鑑賞後には消化しきれないもやもやが脳内をうずめいているでしょう。ホラー映画と謳っていますが、恋愛映画としてみたときに作品の本当の面白さがわかる気がします。 ホルガの人たちの優しさと陽気な音楽の裏に、確実にある「怪しさ」。観る者の好奇心を掻き立てます。

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本当の「バリアフリー」とは?一歩前へ踏み出す大切さを教えてくれる『37セカンズ』

「自分、不器用ですから」 編集者M選出

誕生時に呼吸が37秒止まったことで障害を抱えたエマは、漫画家のゴーストライターとして鬱々とした日々を過ごしていた。自立のため自作の漫画を出版社に持ち込んだことで、彼女の人生が大きく動き出すことに。 2020年鑑賞した中で最も心を動かされた1本。一歩前へ踏み出す大切さを、改めて気づかせてくれる傑作です。エマに度々訪れる苦難が実在感たっぷりに描かれ目を背けたくなる場面もたくさんありますが、彼女が決意を固め未来へと歩き出す姿に心震えます。 クライマックス、エマが発した何気ない一言が心に直撃!ありきたりな言葉に、積み重ねで唯一無二の意味を持たせる作品は名作だと思う!本作が監督HIKARIさんの長編デビュー作ということにも驚きです。

1990年代の韓国社会を思春期の少女の視点で描く『はちどり』

陽キャなひきこもり 編集者G選出

『はちどり』ポスター
(C) 2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.

1994年、ソウル。中学2年生のウニは家族と集合住宅に住んでいる。絶対的な父、無関心な母、遊び呆ける姉、ウニに暴力をふるう兄。誰もウニを気にかけてくれる人はいない。そんな中彼女は塾講師・ヨンジに出会う。上からもの言ったり子どもだと軽視するのではなく、ただ一人の人間として向き合ってくれるヨンジに、ウニは心を開いていく……。 舞台となる1994年は、韓国経済発展真っ只中、『82年生まれ、キム・ジヨン』の少女時代とも重なる時代です。男性中心社会で暴力や理不尽にさらされる少女や女性たちだけでなく、家父長制の中で脆さを持つ男性たちも描かれています。誰もが抑圧される中で、ウニはどうやって自分を愛せるようになるのか、ユンジに、そして私たちに問いかけます。 「パラサイト」に劣らず世界的評価の高い本作は、韓国映画としてもフェミニズム映画としても間違いなく2020年の傑作。ストーリーだけでなく、その映像の美しさや、「後ろ姿」をメインにした演出、ウニとヨンジの演技にもひき込まれる1作です。

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グレタ・ガーウィグ監督渾身のフェミニズム映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

ティモシー・シャラメと幼なじみになりたい 編集長S選出

『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』ティモシー・シャラメ、シアーシャ・ローナン

愛する人との結婚を望む長女メグ、小説家を目指し我が道をゆく次女ジョー、音楽の才能を持ちながらも病と闘う三女ベス、お金持ちになって家族を幸せにしたい四女エイミー。考え方も将来の夢もバラバラな四姉妹が、それぞれの「自分らしさ」を求め人生を駆け抜けてゆく。 四姉妹のテンポの良い会話や、時にはクッションが飛び交うほどの喧嘩、景色や衣装の鮮やかさ、どれをとっても愛おしくて美しい。しかし、普段は心の奥底にしまってある感情が、登場人物の台詞や気持ちとリンクして苦しくなるようなリアルな痛さも持ち合わせている。 ジョーの決断が『若草物語』を現代ならではのラストに仕上げていく展開も素晴らしいです。(話は変わりますが、ティモシー・シャラメが向かいの家に住んでる世界線どこですか?)

オリヴィア・ワイルド初監督作!爆走青春コメディ『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』

ノイキャンヘッドホン信者 編集インターンK選出

『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』ケイトリン・ディーヴァー、ビーニー・フェルドスタイン
©︎United Artists Releasing/Photofest/zetaimage

高校生活全てを受験勉強に費やし、エリート街道を突き進むエイミーとモリー。念願叶って一流大学合格を果たしたはいいものの、パーティー三昧だった同級生たちも名門大への入学を決めていて愕然!失われた4年分の青春を埋め合わせるため、2人は卒業前夜のパーティーへ繰り出しますが……。 この作品の推しポイントは、悪者が一切出てこないところ。一見パリピな同級生もエリートガリ勉主人公も、皆それぞれに等身大の悩みを抱えています。誰もがその悩みに共感し、また懐かしさを感じるはず……! しかも登場人物の個性が爆発しまくりで、コメディ映画としても楽しめるのが最強。個性のぶつかり合いで映画のテンポ感もよく、また所々に爆笑必至のシーンが散りばめられています。 『レディ・バード』や『シング・ストリート 未来へのうた』のような青春感と、「ハングオーバー」シリーズ、ジム・キャリー映画のようなコメディ要素もふんだんにあしらわれた本作。青春の輝きをテンポ良く味わえる、笑いあり涙ありの傑作青春映画です!

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ルル・ワン監督の実体験から生まれた家族劇『フェアウェル』

飯テロ爆弾職人 ライターT選出

『フェアウェル』
© 2019 BIG BEACH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

愛する人の死期が近いとわかったら、あなたはどうするでしょうか?ルル・ワン監督の実体験から生まれた本作では、余命いくばくもない祖母にその事実を知らせるかどうかをめぐって、家族の思いが交錯します。 東洋と西洋の価値観の違い、その板挟みになる中国系アメリカ人の主人公ビリー。彼女のアイデンティティの揺れを描きながら、「本当の愛、やさしさとは?」を観客に問いかけてきます。『クレイジーリッチ!』でも知られるオークワフィナの演技も秀逸。 ビリーが最後の決断にいたるまでのすべてのエピソードが、コミカルながらも愛しい。あたたかな余韻を残す、最後の最後まで目が離せない作品です。

“生きづらい”と感じている人へ向けた普遍的な物語『82年生まれ、キム・ジヨン』

ヒロシマアラフィフシュフ ライターA選出

『82年生まれ、キム・ジヨン』
© 2020 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

結婚を機に退職し、家事と育児に専念してきたキム・ジヨン。理解ある夫や実母など環境にも恵まれていたジヨンですが、ふいに閉じ込められた感覚に陥り、時々別人が憑依しているような言動を起こすようになります。 チョ・ナムジュによる韓国の同名ベストセラー小説を、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2017年)のチョン・ユミとコン・ユの共演で映画化した作品です。1982年生まれのジヨンと同年代の女性は、特に共感できる要素がたくさんあるかもしれません。 「産後うつ」という言葉もよく聞くようになりましたが、ジヨンを取り巻く環境は、10年の差がある私にとってもほぼ同じで、いかに社会構造が変化していないかがわかります。何より、違う文化背景を持つ韓国も日本と同じ家父長制であり、男女平等にはほど遠い社会であることを知った衝撃! 第4のフェミニズムの波が到来しつつあった2020年。女性だけでなく男性も“生きづらい”と感じていることが描かれた本作は、その波に乗った普遍的な物語であると感じました。

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Netflixオリジナルのポップで異色な新感覚アニメ『ミッドナイト・ゴスペル』

乱視入りの近眼 編集者O選出

『ミッドナイト・ゴスペル』
©Netflix

主人公クランシーは様々な平行世界にダイブし、出会った住人にインタビューを実施、その様子を配信するのがライフワーク。その様子をポップな絵柄で描いたアニメーション作品です。   サブカルオタクの友達に勧められて観た本作ですが、「全く意味がわからない……」と言うのが正直な第一印象でした。第一話はゾンビ回。ゾンビが歩き回る世界で大統領にインタビューを行います。インタビューの内容は「大麻の合法化とマインドフルネス、そして東洋哲学」……。 ゾンビと闘いながら、淡々と続くインタビュー。映像と音声の噛み合わなさ、そして異常な情報量についていけなくなること間違いありません。 しかしここで投げ出さないでください。頑張って8話(最終回)まで見ると、何故このような演出になっているのか、この作品が何の話なのか、ぼんやりとわかるはずです。そしてその頃には大号泣。8話にはここまで頑張った人だけがわかる感動が待ち受けています。 我こそは、と言う強い忍耐と好奇心を持つ人に是非観てもらいたい作品です!

コロナ禍を予期!?2020年激アツの再評価作『コンテイジョン』

ねこちゃん大好き 編集者W選出

『コンテイジョン』マット・デイモン、アナ・ジャコービー=ヘロン
©Warner Bros. Pictures/Photofest/zetaimage

香港で突如発生した謎のウイルス。感染は瞬く間に世界中へと広がり、人々は恐怖と混乱に陥っていく……。 『コンテイジョン』はウイルス感染による世界規模のパンデミックを描いた映画です。2011年に公開された本作は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で再び注目を集めました。まさに2020年激アツの作品。 医療従事者の闘いや食料の買い占めなど、まるでコロナ禍を予期していたかのような場面の数々。身に覚えのあるシーンが多すぎて、もはやフィクションか現実か分からなくなる感覚をぜひ味わってください!

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2020年の締めくくりにciatr編集部おすすめの1作を!

コロナ禍による洋画の公開延期によるせいか、「パラサイト」の勢いか、2020年は中国や韓国といったアジア勢の良作が目立った年になりました。映画だけでなく配信ドラマでも『愛の不時着』や『梨泰院クラス』といった大ヒット作が生まれています。 また、近年のトレンドであるフェミニズムや多様性のテーマも多く取り入れられ、ここで紹介したような数々の傑作を残しています。ぜひ2020年の締めくくりに、ciatr編集部おすすめの作品に触れてみてください!