2021年3月19日更新

『アクタージュ』のあらすじネタバレを徹底解説!天才役者が人生をかけて舞台に挑む

アクタージュ

今回は『週刊少年ジャンプ』漫画『アクタージュ act-age』という作品のあらすじとキャラクターを紹介します。あらすじの解説から主要キャラの詳細まで基礎知識を解説するので是非チェックしてください。ジャンプ漫画としては斬新なテーマを扱ったおすすめの1作です!

『アクタージュ』ファンに惜しまれつつ打ち切りになった人気作

少年ジャンプにおいて「役者の成長」に焦点を当てて描いた『アクタージュ act-age』はとても新鮮な作品でした。ジャンプ漫画といえば、基本はバトル漫画やスポーツ漫画など、男の子向けの「戦う」作品が多いからです。 全12巻で原作・原作をマツキタツ、作画が宇佐崎しろが担当しています。人気も非常に高く2022年には舞台化の予定もあったのですが、原作者の不祥事により図らずも打ち切りのまま未完の大作となってしまいました。 今回はそんな「アクタージュ」のストーリーを巻数別に解説し、主要キャラクターの魅力も併せて紹介します。 ※この記事は2021年3月現在までのネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

【第1巻あらすじネタバレ】天才少女・夜凪景現る

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まず1巻目では主人公である夜凪景の天才役者ぶりが存分に描かれます。そんな夜凪が映画監督・黒山に才能を見出されたところから物語が開始するという、やや捻りの効いた導入です。 面白いのは天才ながらもその才能がなかなか認められないところでしょう。その理由は彼女の演技が自らの過去の体験と役柄の感情を結びつけるものだったからです。芸能界の人たちは夜凪の方法論を危険視していました。 天才という才能を決して安直に肯定せず、それ故の孤独・悲哀が表現されています。その事実が本作独自の作風を形成するに至りました。 そんな彼女が映画「デスアイランド」のオーディションで黒山監督に発掘され、無人島に向かうまでの導入編です。

【第2巻あらすじネタバレ】映画「デスアイランド」への最終審査と百城千世子の怒り

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映画「デスアイランド」の最終オーディションで無人島へと向かった夜凪。無人島に漂流したクラスメイト同士の殺し合い、という設定でオーディションが始まります。メンバーは烏山武光、源真咲、湯島茜の3人ですが、その演技はもはや演技ではなく本気のサバイバルでした。 過去の経験がない夜凪は最初こそ戸惑ったものの、役のことなど忘れて本当にサバイバルにのめり込んでいました。あくまでも「演技」をしている3人に対して夜凪は本気で殺しにかかります。 夜凪の才能は伸びていきますが、そのことが共演者となる百城千世子の役者魂に火をつけました。完璧に仕事をこなす職人肌の千世子は千世子の天才的素質に嫉妬したのです。 ジャンプ漫画でいうところの「ライバルキャラ」がここで設定されて、話は終わります。

【第3巻あらすじネタバレ】強行撮影からの涙のクランクアップ

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映画の撮影は過酷を極め、嵐という悪天候の中強行されました。夜凪は自分を犠牲にして、ライバルであったはずの千世子を助けたことで2人の間に絆が芽生えます。仕事を通して、初めて夜凪が友達を作ることができた瞬間と言えるでしょう。 撮影は無事に終了し、2人はデートという名の反省会をする程に仲良くなりました。役者としても大きく成長し、これまでの彼女の苦労や不安が報われるというカタルシスが生まれます。 しかし、それは同時に夜凪と千世子のライバル関係の始まりでもありました。天才・夜凪景と秀才・百城千世子という2人のキャラクターの物語が発展していくのです。 その後黒山監督は夜凪に「舞台」の仕事を持ってきて、新しい物語の始まりを予感させて終わりです。

【第4巻あらすじネタバレ】降板がかかった初の舞台出演

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黒山監督が夜凪に用意した初舞台は有名な「銀河鉄道の夜」でした。そこで彼女は憑依型の怪物俳優・明神阿良也と共演することになります。この舞台で夜凪が克服すべき課題は「感情表現」でした。 最初は幾分苦労したものの、子役から舞台慣れしている星アキラや共演者達から演技を学びます。そして同時に人間関係のノウハウもまた覚えていきました。 稽古も非常に厳しく降板の可能性がある舞台ですが、見所は夜凪の家庭事情が初めて描かれたことです。弟妹のことを阿良也との会話の中で漏らして涙を流すシーンにこの巻の魅力が凝縮されています。 浮世離れして見えた夜凪の人間性が見え、阿良也の優しさと役へのこだわりが垣間見えました。夜凪が舞台への決意を固めてこの巻は終わりです。

【第5巻あらすじネタバレ】舞台初日と演出家の死

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「銀河鉄道の夜」の舞台初日を迎える夜凪達に突然の不幸が訪れます。それは巌監督が病に伏してしまい、舞台に来られなくなったことです。頑固一徹な監督だった彼の人間性もまたここで描かれています。 結果的に監督は死亡してしまいますが、夜凪達は最後まで舞台を続けるべきだと初日に臨みました。役者達の演技が非常にうまくかみ合い、正に「銀河鉄道の夜」の世界がそこにあったのです。 しかし順風満帆ではなく、共演者の星アキラは周囲の演技を見て自分の演技に疑問を感じます。彼はどこか役者業を「仕事」と割り切って取り組んでいました。卆なくこなすものの、そんな自分に不満も感じていたのです。 そんな彼に夜凪がアドリブをぶつけ始めて物語は終わります。

【第6巻あらすじネタバレ】バイプレイヤーとしての才能が開花した星アキラ

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物語前半のクライマックスである6巻の見所は名脇役としての才能を開花する星アキラです。夜凪の天才的な演技によって、アキラの演技がどんどん才能を開花していきます。 彼女はアキラを試したのではなく、カンパネルラの役に入り込んだ結果の演技でした。それにより、アキラは頭ではなく「心」で観客に向かって演技するようになっていくのです。 表面上は器用に見えたアキラの泥臭さや努力家な一面が表面化します。ここで彼は「不器用な努力家」という本質を役として表現し、初めて自分の演技を確立するのです。 そんな2人に突き動かされるように、明神阿良也もジョバンニと一体化して見事な神演技を見せます。舞台は成功裡に終わりました。

【第7巻あらすじネタバレ】友達を作って自分の定義を増やせ!

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巌監督の死という代償と引き換えに役者として大きく成長した夜凪達。7巻では小休止・息抜きという意味合いもあって学園祭が舞台になります。テーマは普通の友達を作って自分の定義を増やすことです。 芸能界という特殊な世界に生きてきた夜凪にとって、普通の学校生活は逆に大変でした。友達作りはおろか日常会話すらも困難なので、学園祭の自主制作映画は別の意味で難航します。 貧乏な家庭で育ってきた夜凪は初めて「普通」の良さを実感するようになります。当たり前の生活がどれだけ尊いものかを実感し、彼女の感性が豊かになるのです。 初めて「役者」ではなく「高校生」という等身大の一面が描かれ、吉岡君と映画制作を通して仲良くなりました。演技の幅も価値観も広がりましたが、映画自体は成功を収めて終わります。

【第8巻あらすじネタバレ】百城千世子のメソッド演技法とは

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8巻では映画で共演した百城千世子と舞台『羅刹女』で再共演することになります。同時に黒山監督が撮ったMVによって、夜凪の知名度自体も飛躍的に上がっていくのです。 ダブルキャストとして出ることになり、サイド「甲」の羅刹女を夜凪が、サイド「乙」の羅刹女を千代子が演じます。その中で改めて千世子のメソッドが明らかになりました。 またそれは初期で提示された千世子の夜凪に対するライバル心の再燃でもあったのです。同じ役を演じたことで、改めて「天才」という才能に対する嫉妬が表面化します。 千世子は孫悟空を飲み込むシーンで卵を飲みこみ吐き出した経験を転用しました。また夜凪も人間以外の役を演じたことで、主演2人が大きく成長して話は終わりです。

【第9巻あらすじネタバレ】王賀美陸降板騒動

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準備万端で行くかと思われた「羅刹女」の稽古ですが、ここでまた一悶着あります。何と黒山監督ではないからという理由で王賀美陸が降板しようとしました。この降板騒動は物語に大きな波乱をもたらしたのです。 夜凪は陸に残ってもらうよう説得し、千世子は黒山に夜凪への嫉妬を打ち明けました。天才肌ではない千世子のコンプレックスが明らかになります。監督はそんな彼女の気持ちを利用し、憎しみを夜凪に向けさせるのです。 「完璧な天使」であった千世子が初めて「完璧ではない悪魔」の面を見せ始めます。いよいよ夜凪と千世子のライバル関係が本格化するのです。 そんな千世子の激しい感情を見て、夜凪もまた過去の絶望から憎しみを呼び起こし物語は終わります。

【第10巻あらすじネタバレ】「羅刹女・サイド甲」の舞台全てを支配した夜凪景

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憎しみの感情を極限まで高めさせた夜凪はとうとう「羅刹女・サイド甲」の舞台全てを支配します。天才役者である夜凪の真の実力が前面に発揮されたのがこの10巻といえるでしょう。この鬼気迫る演技は未だかつて見たことがありません。 そのきっかけは花子がメンバーと相談し、夜凪の傷口に塩を擦り込んだことでした。何と夜凪の父との不倫を暴露して、彼女の怒りを引き出したのです。途端に舞台は恐怖に支配されます。 観客はそんな夜凪を怖がっていましたが、陸の機転によって上手く羅刹女に感情移入できるようにしました。必要とあらば、流れの中で役柄を崩していく陸の器用さも際立っています。 それまで孤高の天才であった夜凪がかつてない程の感情を露わにするのです。「天才」の頭角を表したところで物語は終わります。

【第11巻あらすじネタバレ】最後まで羅刹女を演じきれるのか?

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怒りの演技に拍車がかかった夜凪の演技は止まる所を知らず、もはや周囲が見えていません。彼女のメソッド演技法の暗黒面がいよいよ表面化します。共演者達はもはや夜凪の演技に畏怖すら感じるのです。 夜凪が怒りに支配された状態だと、ラストシーンの「全てを許し自ら火焔山の炎を鎮める」という芝居ができません。何とか冷静さを取り戻したものの、夜凪の演技の持ち味も消えました。 千世子は「完璧なあなたに勝たなきゃ意味がない」と叱咤し、とうとう最後には演技でミステイクを犯します。これまで「天才役者」と持て囃された夜凪が初めて挫折・敗北を味わいました。 最後に共演者達に救われた夜凪は皮肉にも仲間の大切さに気づいて「羅刹女」になったのです。

【第12巻あらすじネタバレ】負けるなサイド甲!舞台を完走せよ

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この回はサイド「乙」の芝居がメインとなり、千世子達が初めて演技や舞台の完成度で夜凪に勝ちます。同時に夜凪は初めて千世子の演技に「負けた」と感じるのです。 見所はラストシーンで阿良也が千世子の手を止めるアドリブを入れるところ。一見夜凪と陸と同じことをしていると思わせといて、完全に物語の解釈を変えました。ラストシーンで羅刹女を「救う」物語にしたのです。 夜凪が優勢だった力学関係が逆転し、千世子が努力で瞬間的に夜凪を抜きました。ジャンプ漫画の王道を逆の方式で再現するというのがとても凝った展開です。 初日は甲チームが後塵を拝したものの、まだ終わりではありません。今後への期待も含ませてこの巻は終わります。

魅力たっぷりな登場人物たち

作品を彩る個性派ぞろいの登場人物を紹介します。

スタジオ大黒天

主人公/夜凪景

「努力・友情・勝利」をモットーとするジャンプ漫画らしからぬ天才主人公です。容姿端麗で身体能力も抜群、演技も天才的です。性格も基本的にクールで人目を気にしません。5月15日生の16歳で身長168センチメートル、2年5組の40番です。 孤高の天才役者ですが、その天才的な演技力には理由がありました。彼女は父が蒸発した関係で生活苦に陥り、弟妹と身を寄せ合って暮らしています。そういう面を見せまいと序盤では幾分気を張っているようでした。 役者の仕事を通じて演技はもちろん人間的にも大きく成長します。映画や舞台を重ねて垢抜けていく姿が魅力的です。

監督/黒山墨字

世界で大活躍する35歳の若手映画監督です。夜凪の演技を見てその才能を見出し、彼女の人生を救った大恩人といえます。8月14日生で血液型B型、身長175センチメートルとなかなかの長身です。 従来のメソッド演技だけでは対応できない映画の撮影で夜凪の才能を引き出します。またそれだけではなく、舞台「羅刹女」では千世子がライバル心を燃やす夜凪に勝つ演出を考えます。 型破りな発想や演出手法を考えますが、役者の育成と演出家の双方において完璧な人ではないでしょうか。

芸能事務所スターズ

星アキラ

従来のジャンプ漫画でいえば、主人公として選ばれているでしょう。それくらい分かりやすく掴みやすいキャラクターです。突出した才能はないものの、ヒーローものが好きで努力を怠りません。夜凪とは対照的に芸能活動をどこか嫌々こなしました。 大きく変化したのは「銀河鉄道の夜」で夜凪達の天才役者ぶりを見てからです。無難な演技しかしていなかった彼はこの回で自身の本質である「ひたむきさ」を開花させます。これによって名脇役となりました。 個性的で癖の強いメンバーが多い中で「清涼剤」として機能しており、従来のジャンプ漫画なら主人公になれるキャラクターでしょう。

百城千世子

「天使」の異名を持つ4月1日生17歳の若手トップ女優です。夜凪とは対照的に仕事は完璧にできるものの、それは天性のものではなく血の滲む努力で勝ち取ったものでした。要は秀才タイプのキャラです。 映画「デスアイランド」での共演をきっかけに夜凪と仲良くなりますが、内心では彼女の天才役者ぶりに嫉妬すらしています。決して埋まることのない才能の壁を感じているのではないでしょうか。 舞台「羅刹女」での再共演をきっかけに夜凪にライバルとして認定され、今後益々の活躍が楽しみです。

作者逮捕で打ち切り連載再開の可能性は?

本作はこのようにとても魅力的で深い設定とキャラ、物語を展開しています。しかし、残念なことに原作者の松木達哉が2020年8月8日に強制わいせつ罪で逮捕されました。これにより作品は止むを得ず打ち切りとなり、予定されていた舞台化も中止です。 連載再開の可能性はまだ分かりませんが、これだけの人気作なら復活はあるのではないでしょうか。過去には「世紀末リーダー伝たけし」や「るろうに剣心」の原作者も不祥事で逮捕されています。それでも連載再開されたので、可能性は無きにしも非ずでしょう。 連載再開となると週刊では難しいので、もしかすると月刊「SQ(スクエア)」の方に移動になるかもしれません。 事情がどうあれ魅力的な作品であることに変わりはありません。是非とも復活してほしいものです。

夜凪景の女優人生がまだまだ見たい!漫画『アクタージュ』

今回は未完の打ち切り漫画『アクタージュ act-age』について、各巻のあらすじとキャラクターの魅力まで細かく解説してきました。不祥事による打ち切りは惜しまれますが、とても魅力的な設定と物語です。 夜凪景をはじめ魅力的なキャラクターの役者人生の続きが見たくなることでしょう。打ち切りなのが勿体無い位とても洗練された名作です。 連載再開を待ち望む声も大きいので、今後の動向を見守っていきましょう。