2023年6月9日更新

『タイタニック』吹き替え声優はどれが好き?5つのバージョンごとに特徴を比較

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映画『タイタニック』の吹き替え声優をタイプ別に解説

『タイタニック』は1997年に劇場公開された後、何度も地上波で放映されています。吹き替えも劇場版、フジテレビ版、機内上映版など全部で5種類もあるのです!それぞれどんな特徴があり、どのバージョンが好評なのでしょうか? 各バージョンの日本語吹き替え声優をそれぞれ一覧にし、比較していきたいと思います。

『タイタニック』吹き替え声優タイプ別一覧
  1. 1997年公開版松田洋治がレオナルド・ディカプリオを演じる
  2. 2001年地上波版(フジテレビ)妻夫木聡×竹内結子が主演キャストを演じる
  3. 2003年地上波版(日本テレビ)渚カヲルで知られる石田彰がジャックを演じる
  4. 2004年地上波版(フジテレビ)唯一の全編一挙放送回
  5. 機内上映版アニメ『スラムダンク』の桜木を演じた草尾毅がジャックを演じる

①1997年公開版の日本語吹き替え声優一覧

松田洋治ジャック・ドーソン/レオナルド・ディカプリオ
日野由利加ローズ・デウィット・ブケイター/ケイト・ウィンスレット
山寺宏一キャルドン・ホックリー/ビリー・ゼイン
小野沢寿美恵ルース・デウィット・ブケイター/フランシス・フィッシャー
大木民夫E・J・スミス船長/バーナード・ヒル
土師孝也ブルース・イスメイ/ジョナサン・ハイド

まずは1997年に日本で初公開された際の吹き替えキャストを紹介します。 本家『タイタニック』には、宮崎駿監督からも好評価の松田洋治をはじめ、安定した実力をもつ声優・俳優が起用されました。公開当時、英語版『もののけ姫』のアシタカ役にレオ様が浮上しており、逆の配役にしては?という経緯で松田が起用されたそうです。

松田洋治(ジャック・ドーソン/レオナルド・ディカプリオ)

松田洋治は自然な演技を求める宮崎駿監督に重宝され、『風の谷のナウシカ』(1984年)ではアスベル役、『もののけ姫』(1997年)ではアシタカ役の声優を務めました。近年は舞台を中心に活動しており、2時間ドラマなどの映像作品にも出演しています。

日野由利加(ローズ・デウィット・ブケイター/ケイト・ウィンスレット)

※画像左 日野由利加は舞台や吹き替えで活躍していましたが、2011年に劇団昴を退団。2021年現在は俳優業を継続しつつ、後進の育成に力を入れているようです。吹き替えではウィノナ・ライダー、キャリー=アン・モスなどを持ち役にしてきました。

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山寺宏一(キャルドン・ホックリー/ビリー・ゼイン)

“七色の声を持つ声優”こと山寺宏一は、「新世紀エヴァンゲリオン」の加治リョウジ役、「アンパンマン」のチーズやカバオ役など、代表作が数えきれない超人気声優です。 朝の情報番組「おはスタ」で元MCを務め、ものまね番組にも出演するなど幅広い活動を行い、声優の知名度を上昇させてきました。

小沢寿美恵(ルース・デウィット・ブケイター/フランシス・フィッシャー)

1976年から2021年現在まで、劇団昴の中心的な女優として活躍する小沢寿美恵。吹き替えでは『ロビン・フッド』のバンダイ版などのディズニー作品の他に、フェイ・ダナウェイやカトリーヌ・ドヌーヴらの吹き替えを担当しています。

大木民夫(E・J・スミス船長/バーナード・ヒル)

大木民夫はアテレコ草創期から亡くなる2017年まで、第一線で活動した偉大な声優の1人です。 アニメでは「攻殻機動隊」シリーズの荒巻大輔役、吹き替えでは『マイノリティ・リポート』(2002年)のラマー・バージェス局長役などのほか、多数のディズニー作品にも携わりました。

土師孝也(ブルース・イズメイ/ジョナサン・ハイド)

土師孝也は劇団青年座などの舞台のほか、実写作品、アニメに吹き替えと幅広く活躍。「ハリー・ポッター」シリーズのセブルス・スネイプをはじめ、故アラン・リックマンをほぼ専任で吹き替えていた他、ジェフ・ブリッジスらも担当しています。

②2001年地上波版の日本語吹き替え声優一覧

妻夫木聡ジャック・ドーソン/レオナルド・ディカプリオ
竹内結子ローズ・デウィット・ブケイター/ケイト・ウィンスレット
江原正士キャルドン・ホックリー/ビリー・ゼイン
鈴木弘子ルース・デウィット・ブケイター/フランシス・フィッシャー
久米明E・J・スミス船長/バーナード・ヒル
羽佐間道夫ブルース・イスメイ/ジョナサン・ハイド

初の地上波が決定した2001年、いち早く放映権を獲得したのはフジテレビでした。浮足立ったであろう同局は様々な番宣を行い、主役の吹き替えに売れっ子俳優を起用。前編・後編ともに平均視聴率30%を超え、話題作りとしては成功でしたが……。 一流の吹き替え声優が脇を固めたことで、主演2人の不慣れっぷりが強調される形に。評判は芳しいものではなく、「本職の声優を起用してほしい」との声も上がりました。

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妻夫木聡(ジャック・ドーソン)

当時は旬の新人俳優だった妻夫木聡も、映画『怒り』(2016年)で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞するなど、誰もが認める実力派に成長しました。「STAND BY ME ドラえもん」シリーズでは大人のびた役の声優に抜擢され、こちらは好評を博しているようです。

竹内結子(ローズ・デウィット・ブケイター)

故・竹内結子は『いま、会いにゆきます』(2004年)や「ストロベリーナイト」シリーズといった、数々の代表作を持つ人気女優でした。2010年以降、番組ナレーションなどの声の仕事も増え、『インサイド・ヘッド』(2015年)でヨロコビ役の声優も務めています。

江原正士(キャルドン・ホックリー)

江原正士は劇団四季の出身で、劇団時代に『若草物語』のローリー役で声優デビューしました。 90年以降は声優業が中心となり、トム・ハンクスやロビン・ウィリアムズ、ビル・マーレイといった名だたる俳優の吹き替えを担当しています。

鈴木弘子(ルース・デウィット・ブケイター)

鈴木弘子は子役出身であり、大学卒業後に声優業へ転向。洋画の地上波放送版で吹き替えを担当することが多く、ジャクリーン・ビセットはほぼ専属で務めています。 この他にも「ゴッドファーザー」シリーズなどのダイアン・キートン、キャンディス・バーゲンらも複数の作品で演じてきました。

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久米明(E・J・スミス船長)

『鶴瓶の家族に乾杯』などの番組ナレーションで知られ、独特の語り口が人気を集めた久米明。海外作品では、ハンフリー・ボガートの専属吹き替え声優を務めており、ラルフ・ベラミーなども彼の持ち役でした。 2019年に95歳を迎えても現役で活躍し、翌年4月23日に心不全で死去しています。

羽佐間道夫(ブルース・イズメイ)

イズメイ社長を演じたのは、声優、俳優、ナレーターの羽佐間道夫。彼は「特攻野郎 Aチーム」シリーズのハンニバルこと、ジョン・スミス大佐役の吹き替えで一躍有名になりました。 その他にも、シルヴェスター・スタローンやロバート・デ・ニーロなどを持ち役としています。

③2003年地上波版の日本語吹き替え声優一覧

石田彰ジャック・ドーソン/レオナルド・ディカプリオ
冬馬由美ローズ・デウィット・ブケイター/ケイト・ウィンスレット

俳優版の不評を受けてか、主役2人の声優を変更した日本テレビ版が新録されました。新たに起用されたのは、いわゆる“本職の”声優の石田彰と冬馬由美。このバージョンはファンの評判が良く、2003年の6月と2008年3月、過去2回にわたって放送されています。 2021年5月には2週連続で、3度目となる地上波放送が決定!『金曜ロードショー』の視聴者リクエスト企画第4弾に選ばれ、SNSなどで話題沸騰中です。

石田彰(ジャック・ドーソン)

石田彰は「新世紀エヴァンゲリオン」の渚カヲル役、「銀魂」の桂小太郎、「NARUTO」シリーズの我愛羅役などで有名な人気声優です。浮世離れした役柄を演じさせたら天下一品!一筋縄ではいかない、一癖も二癖もあるキャラクターの演技に定評があります。 海外作品の吹き替えでは、『麗〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』のワン・ソ役、「レッドクリフ」シリーズの献帝役などを担当しました。

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冬馬由美(ローズ・デウィット・ブケイター)

ローズの吹き替えを務めたのは、声優、ナレーターの冬馬由美。アニメでは色気のある大人のお姉さんから、『カードキャプターさくら』(1996年)のスピネルのようなマスコットキャラまで、幅広い役柄を演じてきました。 海外ドラマや映画の吹き替えも数多くこなし、韓国人女優のキム・ハヌルのほか、サラ・ウィンターらの吹き替えを担当しています。

最も好評?石田彰版の魅力は“若さゆえの勢い”

石田版『タイタニック』が愛される理由は、一体どこにあるのでしょうか? 石田は2003年当時を振り返り、「未来への希望を担保にした自信が彼を突き動かす原動力になっていると思うので『若さゆえの勢い』という部分を意識した」と、アフレコで意識したポイントを明かしています。 またお気に入りのシーンは「招かれたディナーの席でキャルやローズの母親の嫌味な口撃に負けずにジャックが堂々と言い返して、同席している人達の賛同を勝ち取るところ」とのこと。 彼としても胸のすくシーンだそうで、良い意味で“怖いもの知らず”な部分を押し出した演技がレオ様演じるジャックとマッチしたのかもしれません。

④2004年地上波版の日本語吹き替え声優一覧

内田夕夜ジャック・ドーソン/レオナルド・ディカプリオ
岡寛恵ローズ・デウィット・ブケイター/ケイト・ウィンスレット

上映時間が194分と、3時間を超える超長尺の作品として有名な『タイタニック』。本作が地上波で放送される際は、基本的に前編・後編の2回に分けられてきました。しかし実は、2004年に1度だけ全編一挙放送されたことがあったのです! 貴重すぎる一挙放送だった通称「フジテレビ新版」にて、主人公の2人を演じた声優を紹介します。

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内田夕夜(ジャック・ドーソン)

内田夕夜は主に舞台や海外作品の吹き替えで活動しており、「X-MEN」シリーズのプロフェッサーX役などでお馴染みの声優です!レオナルド・ディカプリオの代表作『インセプション』(2010年)の劇場公開版や『華麗なるギャツビー』(2013年)でも吹き替えを担当しました。

岡寛恵(ローズ・デウィット・ブケイター)

相手役となるローズの吹き替えを担当したのは、女優、声優の岡寛恵です。彼女は『愛を読むひと』(2008年)、『リトル・チルドレン』(2007年)などの映画でも、本作でローズを演じたケイト・ウィンスレットの吹き替えを務めました。 2019年2月10日以降、機能性発声障害の治療に専念するために休業しています。

⑤機内上映版の日本語吹き替え声優一覧

草尾毅ジャック・ドーソン/レオナルド・ディカプリオ
藤貴子ローズ・デウィット・ブケイター/ケイト・ウィンスレット

旅行などで飛行機を利用し、機内上映版を鑑賞したことがある人も多いかもしれません。本作もJALなど多くの航空会社が採用しており、空の上で鑑賞することができます。 それでは最後に、機内上映版『タイタニック』のジャックとローズ役の声優を紹介しましょう!

草尾毅(ジャック・ドーソン)

上映版ジャックを演じたのは、『SLAM DUNK』(1993年)の桜木花道役、「ドラゴンボール」シリーズのトランクス役で知られる草尾毅。洋画吹き替えでは『ロミオ+ジュリエット』(1996年)のソフト版をはじめ、デビュー初期のレオナルド・ディカプリオを持ち役にしていました。

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藤貴子(ローズ・デウィット・ブケイター)

Jホラーの名作「呪怨」シリーズの陰の主役・佐伯伽椰子役を演じ、一躍有名になった藤貴子。声優業では主に洋画吹き替えで活躍しており、「CSI:マイアミ」シリーズのナタリア役、「ウェントワース女子刑務所」シリーズのビー・スミス役などを担当しています。

どの吹き替えが好き?『タイタニック』の声優を比較してみよう!

米アカデミー賞で11冠に輝き、日本歴代興行収入3位となった『タイタニック』。人気作が放映される際は、吹き替えに注目が集まるのが常です。 本作も他の大ヒット映画と同じように、吹き替え慣れした実力者が多数起用されましたり、話題作りとして俳優が起用されたりしました。それぞれに賛否があり、各キャストの特徴があらわれています。バージョンを観比べて、お気に入りを見つけてみてください!