2022年4月13日更新

『オッドタクシー』をネタバレ考察!ボールペンや猫の伏線は最終回で全回収されたのか?

オッドタクシー
© P.I.C.S. / 映画小戸川交通パートナーズ

『オッドタクシー』は2021年4月から6月まで放送されたテレビアニメです。登場人物は皆セイウチやゴリラ、アルパカといった動物の姿をしています。 そんなキャラクターデザインのゆるさとは対照的に、内容はバリバリの本格サスペンス。スリリングな展開と巧みな伏線回収が話題を呼びました。今回の記事では、本作の重要なポイントについてネタバレ考察していきます!

本記事ではアニメ『オッドタクシー』の重大なネタバレを含みますので注意して読み進めてください。

『オッドタクシー』ってどんな話?あらすじ紹介

個人タクシードライバーの小戸川は、天涯孤独な変わり者。不眠症を患う彼は病院通いを続けながらも、平凡でそれなりに楽しい毎日を送っていました。 小戸川のタクシーには、日々いろいろな客が乗ってきます。SNSで有名になりたい大学生・樺沢、裏社会で暗躍するチンピラ・ドブ、駆け出しのアイドルグループ・ミステリーキッス……彼らの会話は少しずつ重なり合い、やがてとある女子高生失踪事件へとつながっていくことに。 いつもの日常が少しずつ綻びはじめ、小戸川は知らず知らずのうちに大事件に巻き込まれていきます。

『オッドタクシー』は何話完結?

アニメ全13話で完結の作品です。続編の映画が2022年4月1日に公開されました。

主人公・小戸川の声優は誰?

花江夏樹です。数々のアニメで主役を演じている声優で、大人気アニメ『鬼滅の刃』では主人公の竈門炭治郎役を務めました。

『オッドタクシー』最終回のネタバレ考察

オッドタクシー
© P.I.C.S. / 小戸川交通パートナーズ

物語冒頭で小戸川は、女子高生失踪事件の犯人なのではないかと疑われます。ひとりで暮らしているはずの彼が、部屋で誰かと会話をしているという証言が出てきたからです。 しかしふたを開けてみれば、小戸川の家にいたのはただの黒猫。小戸川が事件にかかわっているように見えていたのはミスリードで、犯人は別にいました。この事件の真相については、以下の結末③の項目で解説していきます。 またクライマックスでは小戸川の障害についても判明。実は彼は高次脳機能障害による視覚失認を患っていて、人間が動物に見えていました。つまりアニメで描かれていたのは、小戸川だけの目に映っていた世界だったのです。第13話のラストでは、人間の姿に戻った各キャラクターが登場しています。 以下では事件の犯人や小戸川の障害をはじめとして、物語の結末と伏線回収について詳しく解説していきます。

結末①:小戸川の障害

小戸川は幼い頃に遭った事故の後遺症で、高次脳機能障害による視覚失認と診断されていました。これは目に見えるものが何かを認識できなくなるという障害です。小戸川の場合は、人間が動物に見えるという症状が出ていました。 これは作品そのものの世界観をひっくり返す衝撃の事実ですが、最初から見返してみるとあちこちに伏線が隠されていたことがわかります。

伏線①:剛力医師と小戸川の会話(第1話)

オッドタクシー
© P.I.C.S. / 小戸川交通パートナーズ

第1話で小戸川は友人である剛力医師に診察してもらっていました。その際、剛力に「俺は何に見える?」と聞かれて、彼は「ゴリラ」と答えています。剛力は小戸川の答えに対し、(実際の見た目もゴリラを連想させるので)「まあ合ってる」と返しているため、初回ではさらりと流されがちです。 看護師の白川も小戸川から「アルパカ」と言われた際、特にツッコミは入れず笑顔で受け流していました。 また小戸川には、1度認識した相手であればどんな人混みのなかでも一瞬で見つけられるという特技がありますが、これも人間が動物に見えていたからこそでしょう。 実は第1話の時点ですでに小戸川の視界についての伏線が仕掛けられていました。それは、樺沢との会話。樺沢の「なんでタクシードライバーになったの?」という質問に対して、昔の映像がフラッシュバックします。その中のシルエットは動物ではなく、人間で描かれていました。

伏線②:小戸川の両親について(第2話・第11話)

第2話では小戸川の両親が行方不明になっていたことと、彼自身も幼い頃に大変な事故から生き残ったことが明かされます。その後、11話では剛力は小戸川の過去を調べ、彼が一家無理心中事件の生き残りであることを突き止めました。 当時小学生だった小戸川は意識不明から目覚めた後、事故にまつわる記憶を失ってしまいます。と同時に、周りの人間が動物に見えるようになったのです。

伏線③:タクシーに付けられた鳥のお守り(第7話・第12話)

オッドタクシー
© P.I.C.S. / 小戸川交通パートナーズ

小戸川が運転するタクシーのバックミラーには鳥のお守りがつけられていて、第1話からたびたび画面に映ります。第12話ではお守りが交通遺児育英金の記念品で、お金の支給が終わったときにもらえるものだということが判明しました。 なお第7話では、大門兄弟も幼い頃にひき逃げで両親を亡くしていることが判明しますが、彼らも小戸川と同じお守りを持っています。第11話で大門兄が小戸川のことを「仲間だ」というシーンがありますが、これは3人が同じ人物から支援を受けていたことを指しているのです。

結末②:押入れの中身

小戸川はひとり暮らしであるにもかかわらず、時折家のなかに誰かがいるかのような素振りを見せていました。押し入れに向かい「別にいつ逃げてもいいんだぜ」などと呟いたこともあり、例の女子高生を閉じ込めているのでは?と思わせる描かれ方になっています。 しかし第13話では、彼の家にいたのはただの黒猫だということが判明。視覚失認から回復した小戸川は、黒猫も実は人間なのではと恐れているようでしたが、押し入れから出てきたのは正真正銘の黒猫でした。

伏線①:押入れを気にする小戸川

作中では、小戸川が押し入れを気にしている描写が時折登場します。実際にそこにいる「誰か」と会話することもあり、大家さんから不審に思われることもあったようです。 また第7話では、小戸川宅にやってきた大門弟が押し入れを調べようとするものの、無線が入ったせいで仕方なく中断するという場面が登場します。小戸川は大門弟が帰った後でまた押し入れに向かって話しかけていたので、怪しいと感じた視聴者も多かったのではないでしょうか。

結末③:ミステリーキッス・三矢ユキ殺害の真相

オッドタクシー
© P.I.C.S. / 小戸川交通パートナーズ

(画像左:市村しほ、中央:二階堂ルイ、右:三矢の替え玉である和田垣さくら) 失踪した女子高生の正体はミステリーキッスのメンバー・三矢ユキでした。彼女はアイドルとしての才能に恵まれていてグループのセンターに選ばれますが、デビュー前に何者かによって殺されてしまいます。 途中までは同じくミステリーキッスのメンバー・二階堂ルイがいかにも怪しい存在として描かれていました。三矢に嫉妬していた二階堂は、実際に彼女を呼び出し殺そうとしたことも認めています。しかし二階堂が手を下す前に、三矢はすでに死んでいたというのです。 実は三矢を殺した真犯人は、彼女の後釜としてミステリーキッスに加入した和田垣さくらでした。和田垣は三矢を殺した後、彼女の替え玉としてデビューしたいとマネージャーに直談判をします。 ミステリーキッスはデビュー後、センターとなった二階堂以外なぜか仮面をつけていますが、これは替え玉の件がファンにバレないようにとった苦肉の策だったのです。

伏線①:嘘か本当か

オーディオドラマ第2.5話「絶対絶対秘密だよ♥」では、ミステリーキッスのメンバー3人が秘密を分け合うためのゲームをする姿が描かれています。それぞれが大きな秘密と小さな秘密、そして嘘を1つずつ紙に書き、誰が書いたかわからないようにするというルールです。 合計9つの紙のなかには、「整形をしている」「枕営業をしている」のほか、「人を殺した」、「死体を捨てた」などの物騒な内容も含まれます。このように本編だけでなく、オーディオドラマにも作品の結末にまつわる伏線が隠されていたのです。

伏線②:ドラレコに写っていた人物(第11話)

ミステリーキッスのマネージャーである山本は、なぜか小戸川が運転するタクシーのドラレコ映像を欲しがっていました。その理由については第11話で明かされます。 三矢は殺された当日、タクシーに乗った姿が目撃されていて、それが小戸川のタクシーなのではないかと考えられていました。小戸川自身もその日に若い女の子を乗せたことを覚えています。 つまり山本は事件を隠ぺいするために、三矢の足取りについての証拠を消してしまおうとしていたのです。

結末④:「ditch 11」の正体

オッドタクシー
© P.I.C.S. / 小戸川交通パートナーズ

第4話ではスマホゲーム「ズーデン」に課金しまくり廃人と化した田中のエピソードが出てきます。彼は幼少期、世界にひとつしかないという「呑楽消しゴム」を10万円で落札し、そのお金を出品者にだまし取られたという過去を持っていました。 そのときの出品者のハンドルネーム「ditch-11」は、田中の脳内に憎き相手として強く刻み込まれることになります。そもそも田中がスマホゲームにのめり込むようになったのも、たまたま見たランキングの1位に「ditch-11」の名前を見かけたからでした。

伏線①:激レア消しゴムの持ち主であり田中の因縁の相手

田中はズーデンで1番のレアキャラである「ドードー」を引くため、「ditch-11」に復讐をして過去の自分を救うために、何もかもを犠牲にしました。 そんなある日、ようやくドードーを手に入れた田中でしたが、小戸川のタクシーにぶつかりかけたせいでスマホを落とし、すべてのデータを失ってしまいます。 精神崩壊した田中は、小戸川への復讐を決意。しかしようやく小戸川と対峙したとき、彼のポケットから例の呑楽消しゴムが転がり落ちるのを目撃しました。 そのとき、小戸川と一緒に行動していたドブは、深く考えずに自分が消しゴムの元持ち主だったことを明かします。こうして「ditch-11」の正体がドブだったことが発覚してしまうのでした。憎き相手にようやく出会えた田中は、迷うことなく復讐を果たそうとします。

結末⑤:小戸川死亡?

物語は和田垣が小戸川のタクシーに乗り込んだ場面で幕を閉じます。「どちらまで?」とたずねる小戸川に対し、和田垣が無言でにっこりと笑顔を浮かべるのが不気味です。 和田垣は犯行当日に小戸川のタクシーに乗っていました。目的のためなら手段を選ばない彼女のことですから、口封じのために小戸川を殺すつもりでいたとしても不思議ではありません。 4月1日公開の劇場版では、アニメ版ラストの「その後」が描かれるとのこと。小戸川は殺されてしまうのか、それとも……?今後の展開から目が離せません!

伏線①:タクシーに乗せた女性の正体

実は三矢が殺害された日、小戸川のタクシーに乗ったのは和田垣でした。小戸川はその日女の子を乗せたことは覚えていましたが、「あの年代の子たちはみんな似てる」という発言をしている通り、それが誰だったのか気づくのに時間がかかってしまいます。 ラストで小戸川は再び和田垣を乗せますが、そのときには彼の高次脳機能障害は治り、人間を人間として認識できるようになっていました。そのため、和田垣を以前に乗せたことがあると気づいていない可能性も高いです。

オーディオドラマについて

YouTubeの『オッドタクシー』公式チャンネルでは、本編にも登場する「幸せのボールペン」をめぐるオーディオドラマが配信されています。これはアニメ放送時、各エピソードのオンエア終了後に1話ごとアップロードされていたものです。 ボールペンには盗聴器が仕掛けられていて、たまたまその電波を傍受した男子高校生・長嶋が盗聴内容をネット上にアップロードしたという設定になっています。視聴することで本編の内容をよりいっそう理解できるので、作品ファンは必見です!

「幸せのボールペン」ネタバレ解説

オッドタクシー

幸せのボールペンはもともと、小戸川が通っている居酒屋「やまびこ」の女将であるタエ子が持っていました。その後剛力から小戸川へ、山本の手を渡りミステリーキッスのメンバーへ……というふうに、次々と持ち主が変わっていくことに。 巡り巡ったボールペンはタエ子のもとに戻ってきますが、その後彼女は突如現れた和田垣に危害を加えられてしまいます。 盗聴のせいで不都合なことを聞かれてしまった和田垣は、証拠隠滅を図ったのです。なおタエ子に危害を加えた後、彼女は盗聴内容をこっそり聞いている長嶋に向かい「次はおまえだよ」という発言もしています。 目的のためなら手段を選ばない彼女の性格からして、ボールペンにかかわった人間を片っ端から殺していったとしても不思議ではありません。タエ子も長嶋も命を奪われてしまった可能性が高いです。

題名『オッドタクシー』の意味を考察

タイトルである『オッドタクシー』という言葉の由来は、第10話で明かされます。 このエピソードでドブは小戸川を巻き込んで10億円強奪を企てるのですが、そのとき立てた作戦名が「オッドタクシー」でした。 英単語の「オッド」には「一対になっているものの片方」という意味があります。ドブはそれを踏まえ、「自分と小戸川のどちらが欠けても成功しない」ことと、作戦にタクシーを使うことを織り交ぜて作戦名を考え付きました。 また「オッド」には「奇妙な」という意味もあり、小戸川の名前と語感も似ていることから、変わり者のタクシードライバーである小戸川自身をあらわしているとも考えられます。

映画ネタバレ:小戸川の運命は一体……?

オッドタクシー
©P.I.C.S. / 映画小戸川交通パートナーズ

2022年4月1日から劇場公開された『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』はアニメの内容をインタビュー形式で進めていく総集編で、ラスト約10分程でアニメの続編が描かれました。 退院した小戸川は剛力をはじめとした周囲の援助もあり、タクシードライバーの仕事を再開しました。公園で和田垣を乗せた小戸川は「どちらまで?」と彼女に尋ねます。行く先はここで良い、と話しながらリュックに仕込んだナイフに手を掛ける和田垣……。 小戸川は、「運がいいの」と話し続ける和田垣に警戒し始めます。「俺も運は良い方だよ」と小戸川が言うと、彼女は「じゃあ、運勝負だね」と遂に小戸川に襲いかかりました。 場面が変わって、白川と小戸川は動物園デートに行きます。幸せそうに過ごす2人の様子の傍らで、和田垣が逮捕されたというニュースが流れていました。運勝負に勝った小戸川は和田垣に殺されずに済み、彼女は逮捕されたようです。 映画では、オーディオドラマで死亡したと思われたタエ子の姿も確認できました。和田垣に襲われはしましたが命は奪われずに済んだようです。

もしかして実写化!?

映画のエンドロールの後に、実写の映像が一瞬流れました。アニメ映像が2時間弱流れていたので、実写映像はとても異質に思えます。 この実写映像は、『オッドタクシー』実写化を示唆しているものかもしれません。公式からの続報を待ちましょう!

感想・評価

総合評価
4.3

吹き出し アイコン

編集者A

オンエア前から気になっていて、最初は動物ほっこり系アニメだと思ってたけど、ストーリーが進むにつれてとんでもなかったことに気づきました笑 どんどん深まる謎に沼る作品です。最後まで一気見して、オーディオドラマもチェックすることをおすすめします!

吹き出し アイコン

編集者H

普段アニメはあまり観るほうじゃないけど、オッドタクシーはかなりハマった。早く続きが観たくてたまらん!という感じ。あと、7話でヤノが登場したとき急にラップ始まって戸惑ったけどあれすごくクセになる。後半はヤノのリリックを楽しみしている自分がいました。映画も相変わらず不穏な空気でとても楽しみ!!

吹き出し アイコン

ライターS

第一印象と内容のギャップがすごいという評判を聞いて、なんとなく気になって視聴してみました。第1話を観た時点で作品の世界観に惹きこまれ、気付いたときにはもう夢中に。評判通り、予想以上に骨太なストーリーで見ごたえがあります!背筋が寒くなるような、ちょっと不穏な終わり方も好きです。

『オッドタクシー』の続編映画に期待!【2022年4月1日公開】

ゆるい見た目とシリアスな内容のギャップがたまらない『オッドタクシー』。作中にはさまざまな伏線が張り巡らされていて、ラストに明かされる衝撃の結末にはゾクゾクすること間違いなしです! 2022年4月に公開された劇場版は、総集編とその後が描かれた内容で、アニメ未視聴の人でも楽しめる構成になっていました。本作の奇妙な空気感をぜひ楽しんでみてくださいね。