2022年7月15日更新

ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーは「ラブ&サンダー」のヴィラン!コミックと映画で設定に違いは?【MCU/マーベル】

このページにはプロモーションが含まれています

「マイティ・ソー」シリーズの最新作『ソー:ラブ&サンダー』が7月8日から公開中!本作には、注目ポイントがてんこ盛りです! そんな本作のヴィランは、ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャー。ここでは彼がヴィランになった背景やその能力など、原作コミックと映画版を比較しながら紹介していきます。 ※本記事の一部テキストにネタバレがあります。

AD

ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーのプロフィール

『ソー:ラブ&サンダー』(2022年)クリスチャン・ベール
© Walt Disney Studios Motion Pictures/Photofest/Zeta Image
名前 ゴア
出身 名もなき星
身長 201cm
能力 ネクロソードの使用、シャドウモンスターの使役
俳優 クリスチャン・ベール

ゴアの異名、「ゴッド・ブッチャー」は直訳すると「神殺し」。しかし、「ブッチャー」は食肉解体業者のことなので、殺し方はかなり残忍なものと想像できます。 ちなみに、ゴアを演じるクリスチャン・ベールは、ゴアの見た目に関して、イギリスのミュージシャンAphex Twinの「Come To Daddy」 のミュージックビデオを参考にしたとか。ソーと張り合うには無理に体を鍛えるのではなく、むしろ超自然的な雰囲気をまとわせる方が良いと考え、痩せ型のヴィランになったそう。たしかに映画版の痩せたゴアは不気味ですね。

ゴアの過去:原作コミックと映画の違い①

原作コミック

信心深かった幼年期

名もなき不毛の星で生まれたゴアは、生まれつき足が不自由。それもあり、彼は両親から神々を信じ、祈りを捧げるように言われて育ちます。しかし信心深い父が病気で帰らぬ人となったとき、ゴアは神々の存在に疑問を感じるようになりました。 その後、ゴアは母を失くしますが、数年後には結婚し子どもたちにも恵まれます。しかし妻が次の子どもを妊娠しているとき大きな地震が発生、彼女は帰らぬ人に。さらに生き残った子どもたちも、病気にかかり、次々と亡くなってしまうのでした。 ゴアは唯一生き残った息子を連れて、病気の治療法を求め豊かな星を目指すことに。ところが息子は、目的地を見つける前に死んでしまったのです。 全てを失ったゴアは完全に信仰心を捨て、神々を呪うようになりました。

「神殺し」の誕生

彼は故郷に帰り息子を埋葬しながら、神々を否定し冒涜するような言動を繰り返しました。それを見た仲間の部族は、彼を迫害し追放します。 あてもなく彷徨うゴアは、奇妙な光景を目にします。金色の甲冑を着た存在と、黒い未知の存在が空中で戦っていたのです。黒い方はヌルといい、攻撃を受けて地面に墜落した彼はゴアに助けを求めました。 彼らがおそらく神だと考えたゴアは、助けることを拒否。すると瀕死になったヌルからなにかが飛び出し、ゴアに取り付きます。それは黒い鎧とゴアの腕から生える黒い刀に変化。ゴアはその刀で金色の神を殺害すると、自分の家族を救わない神々に復讐するため、故郷を旅立つのでした。 ちなみにヌルは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017年)に登場したスターロードの父エゴと同じ、セレスティアルズと呼ばれる神の1人です。

AD

「ラブ&サンダー」でのゴアの過去は?

映画版でも、ゴアは家族を失う悲しい経験をしています。しかし最後に残ったのは息子ではなく娘でした。彼はやはり神に祈りを捧げますが、彼女は命を落とす結果に。 その直後、彼は砂漠にオアシスのような場所を見つけ、そこで自分が信仰していた神ラプーに出会います。そこでゴアは来世のしあわせを願いますが、ラプーは「来世などない」と一蹴。さらに神々にとって自分たち以外はどうでもいい存在だと言い放ちました。 これを聞いて激昂したゴアは、ラプーが倒したらしき死体が持っていたネクロソードを手にし、彼の首を切り落とします。そして神々を殲滅することを決意し、ネクロソードの呪いによってヴィランになってしまったのです。

ゴアの能力:原作コミックと映画の違い②

原作コミック

最古のシンビオート:オールブラック

ゴアの力の源は、彼の身体に取り付いたシンビオート、オールブラックです。シンビオートは宇宙の寄生生物で、「スパイダーマン」シリーズに登場するヴェノムなどが有名ですね。 オールブラックは最古のシンビオートで、最初は彼らを生み出した邪神ヌルが使用する、形のない鎧であり武器でした。シンビオートは結びついていた寄主の能力を受け継ぐので、神であるヌルと同じ能力を持っているオールブラックは、ヴェノムなどほかのシンビオートとは比べ物にならない強さです。 ゴアと結びついたオールブラックは、彼の意思を反映して鎧や刀に姿を変えたり、飛行能力を与えたりしています。またシンビオートの寄主は超人的な怪力や回復力を持ち、ほぼ不死身になります。

オールブラック・ザ・ネクロソード

オールブラックに寄生されたことで、ゴアは両腕から「オールブラック・ザ・ネクロソード」という剣を出現させることができるようになりました。 ネクロソードは通常の攻撃だけでなく、空間を切り裂くことで暗闇を発生させることもできます。さらに発生させた暗闇を操って個体にすることも可能。また暗闇からシュラウドと呼ばれる戦士を呼び出し、自分の軍隊として使うこともできます。 『ソー:ラブ&サンダー』の予告編にもネクロソードと思われる剣が映っていますが、これはゴアの腕から生えているわけではないようです。

AD

「ラブ&サンダー」でのゴアの能力は?

原作のシンビオートの設定は、権利関係の問題でMCUでは使用できなかったようです。そのかわり映画版のゴアには、新たな能力が与えられました。 彼は神をも殺すことができるネクロソードを使うのはもちろん、その力で影からシャドウモンスターを召喚したり、影のなかを移動したりすることができます。さらに影から黒いツタのようなものを伸ばして、ソーたちを縛ったり攻撃したりする能力も。 色のない影の星では、ゴアのこの能力が最大限に発揮され、ソーたちは苦戦を強いられることになりました。

ゴアとソーの闘い:原作コミックと映画の違い③

原作コミック

全ての神々を殺すことを誓ったゴアが、ソーと出会ったのは必然といえるでしょう。 原作コミックにおいて、2人は約1000年前に初めて戦い、ソーがなんとか勝利を収めました。そしてソーは危険な思想を持つゴアの命を奪います。しかしゴアはシンビオートの力で長い時間をかけて再生し、復活を遂げました。 その後ゴアは数多くの神々を手に掛け、さらには殺害した神々の血で時空間を移動できるようになります。彼はさまざまな世界や時間の神々を屈服させ、奴隷のように扱い、彼らに全ての時系列の神々を殺害できる兵器「ゴッドボム」を作らせていました。 ゴッドボムの存在に気づいたソーは、起爆されるのを止めるためゴアと戦います。すると驚いたことに、ゴアに奴隷にされていた神々のなかには、過去や未来の自分の姿も。ソーはゴアに挑みますが、以前に戦ったときとは比べ物にならないほど、彼は力を増していました。 劣勢に追い込まれるソー。しかしそれを察知したさまざまな世界、時系列の神々が祈りを捧げ、ゴアのパワーとゴッドボムの爆風を吸収しました。ソーは吸収した爆風でゴアを倒すことに成功します。

AD

「ラブ&サンダー」での結末【ネタバレ】

カギとなった「永久の扉」

原作コミックのゴアは、「ゴッドボム」を使って神々を滅ぼそうとしていましたが、映画版では違う手段を考えていました。そのカギとなるのは「永久の扉」という場所です。 宇宙の中心にあるという永久の扉は、それを最初に開いた者の願いをなんでも叶えてくれる場所だとか。そこで彼は神々の殲滅を願おうとしていたのです。しかし扉を開けるには、特別な鍵が必要でした。

闘いの意外な結末

ソーとマイティ・ソーの共闘によってネクロソードは破壊されますが、ゴアは扉を開け、彼らよりも先にそのなかへ入っていきます。 いよいよゴアが「全ての神を殺す」ことを願おうとしたとき、ソーは彼を阻止しようとはしませんでした。彼はそれよりも、ジェーンの最期の瞬間に1秒でも長く一緒にいることを選んだのです。そんなソーの姿を見たゴアは、自分の本当の願いに気づきます。 彼は神々を殺すことよりも、「娘が生き返る」ことを願っていたのでした。しかしネクロソードの呪いで自らの命も尽きようとしていることを知っていた彼は、復活しても娘はひとりぼっちになってしまうと躊躇います。 ジェーンとソーの言葉を聞いたゴアは、自分の本当の願いを叶えます。そしてソーに娘を託して息絶えました。

ゴアの娘、ラブ

復活したゴアの娘ラブは、スーパーパワーを得ていました。彼女はソーが持っていたフライパンに穴をあけるほどの強力なビームを発したり、ストームブレイカーを操ったりすることができます。 彼女は「永久の扉」のなかで復活したために、力を与えられたのかもしれません。もしくは影の星でソーがアスガルドの子どもたちにしたように、彼の力を分け与えている可能性もあるでしょう。

「ラブ&サンダー」のヴィラン、ゴアを演じる俳優は?

クリスチャン・ベール
©WENN.com/WENN/ZetaImage

『ソー:ラブ&サンダー』でゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーを演じるのは、クリスチャン・ベールです。 「ダークナイト」シリーズのブルース・ウェイン/バットマン役で有名な彼。そのほかの代表作には、アカデミー賞助演男優賞を受賞した『ザ・ファイター』(2010年)や、元アメリカ副大統領ディック・チェイニーを演じた『バイス』(2018年)などがあります。 役作りのために過酷な肉体改造をすることでも知られるベール。「ラブ&サンダー」の予告編では、彼が演じるゴアはかなり痩せているように見えますね。 本作の監督を務めるタイカ・ワイティティは、「ゴアはマーベル史上最高のヴィラン」と彼の演技を絶賛しています。

AD

ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーは悲しきヴィランだった

これまでMCUに登場したヴィランのなかにも、キルモンガーやサノスのように悲しい過去を持つ者はいました。ゴアもまた、全てを失ったつらい経験から絶望し、神々への恨みを晴らすためにヴィランになったキャラクターです。 そんな彼は、『ソー:ラブ&サンダー』では、ヴィランとして意外な結末を迎えました。彼の生い立ちを知ることで、「ラブ&サンダー」をより楽しめるのではないでしょうか。