2023年1月11日更新

徹底考察!映画『ザ・メニュー』結末までのネタバレあらすじと感想 タイラーという存在が示すもの

『ザ・メニュー』
©2022 20th Century Studios. All rights reserved.

『クイーンズ・ギャンビット』(2020)のアニャ・テイラー=ジョイが主演を務め、社会風刺をテーマにカオスな展開が話題の『ザ・メニュー』(2022)。結末までのあらすじ、本作のテーマや考察、感想まで徹底的に紹介します。 ※ネタバレを含みますので、注意してください。

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映画『ザ・メニュー』のあらすじ

孤島に佇む高級レストラン「ホーソン」に、料理のうんちくを披露したがるタイラーと乗り気ではないマーゴ、そして富豪や投資家など12人のゲストがやってきます。 隣接した海や畑・養鶏場などの食材を活かし、スタッフも共同生活を送るなどこだわりぬいたレストラン「ホーソン」でシェフ・スローヴィクの合図とともにいよいよコース料理が始まりました。しかし独創的な料理を楽しんでいたのも束の間、徐々に不可解な内容になっていき……。

映画『ザ・メニュー』の結末までのネタバレあらすじ

【起】富裕層が集まるレストラン「ホーソン」

物語の舞台は予約の取れないレストラン「ホーソン」。ホーソンのオーナーに心酔するタイラーはマーゴと共にレストランへやってきました。ホーソンは陸の孤島にあり、船着き場にゲストが集結します。元人気俳優や有名な料理評論家、ホーソンに投資する3人組などいわゆる勝ち組の面々ばかりです。 先導する給仕のエルサがゲストの確認を取る中、マーゴの名前はなく別の女性の予約になっている事実が発覚。タイラーは連絡ミスと訂正しますが、どうやら訳ありカップルのようです。 レストランまでの道程は海だけでなく畑や養鶏場もあり、料理で振る舞われる食材の宝庫。さらにシェフは孤島で生活するなど並々ならぬこだわりがありました。

【承】ついにコース料理がスタート

シェフ・スローヴィクの合図でコースがスタートです。 1皿目からタイラーは料理を食べながらすでに涙を見せ、禁止されていた写真を撮ってしまいます。3皿目にはタコス料理。ここでスローヴィクは幼少期、母を庇って父の足にはさみを刺したと語りました。そしてその母がゲストにいると紹介しますが、スローヴィクの母は無表情です。 ゲストのトルティーヤには浮気現場や不正な請求書、タイラーが料理の写真を撮る姿などそれぞれの隠したい過去が描かれていました。 マーゴはおかしいと思い始め、トイレで煙草を吸い自らを落ち着かせます。そこへスローヴィクが来て食事をとらないマーゴに対して自分の料理を食べない理由を問いただしました。

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【転】徐々に現れる恐怖の料理たち

4皿目では、床の白い布と花の上で副シェフが銃で自殺するというとんでもない演出。老夫婦は逃げ出そうとしますが、スタッフに取り押さえられ夫は指を切り落とされてしまいました。 5皿目、紅茶のブレイクタイムではオーナーが紹介され、窓の外で海に沈められてしまいます。そしてスコーヴィクはマーゴが接客業・娼婦であると見抜き、彼は「与える側か奪う側か、決めなさい」と伝えるのです。 7皿目ではタイラーが厨房に呼ばれました。タイラーは殺戮が起こると知っていたゲストで、マーゴを雇ってまで参加したことが明かされます。お粗末な料理を作り終えたタイラーはスローヴィクから何か囁かれたのち、倉庫で首を吊って自殺してしまいました。

【結末】ラストはデザートで締めくくり

隙を見て彼女はスローヴィクの家に潜入しますが、跡を付けてきたエルサともみ合い殺してしまいます。さらに無線で保安官に助けを求めますが、保安官もスローヴィクの味方(演出)でした。 空腹のマーゴはスローヴィクの家で彼の原点がチーズバーガーだったことを知り、チーズバーガーを注文。笑みを浮かべてチーズバーガーを作ったスローヴィクは、食べきれない分を持ち帰りたいと申し出たマーゴの要望を受け入れレストランから解放しました。 ついに最後のコース料理・デザートはスモアです。ゲストは全てを受け入れ、マシュマロを着てチョコレートの帽子を被ります。そして屋敷に火が放たれ、デザートは完成しました。

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映画『ザ・メニュー』の感想・評価

ザ・メニュー
©2022 20th Century Studios. All rights reserved.
ザ・メニュー』の総合評価
4 / 2人のレビュー
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30代女性

矢継ぎ早に衝撃的な展開が待ち受けていてラストまで目が話せませんでした。一人ひとりのキャラが立っていて徐々に明かされていくバックグラウンドも「次この人かな」と考えながら見られて面白かったです。

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20代男性

ブラック・ユーモアたっぷりの復讐映画でした。社会風刺の色が濃くて、4品目からは狂っていく感じが胸糞悪いような痛快なような不思議な感覚。ラストシーンはまさかの展開で驚きと笑いが同時に出てしまいました。

【解説】与えるものと奪うもの

『ザ・メニュー』
©2022 20th Century Studios. All rights reserved.

スコーヴィクは劇中でマーゴに対して「与えるものか奪うものどちらか選べ」と伝えます。この言葉こそ本作のメインテーマを表しています。 レストランで食事をする勝ち組たちはそのステータスのために高級レストランで食事をし、料理名すら覚えていないような人間。さらには自分の評論次第でレストランの生き死にを決定できるという奢りを持った評論家など、「奪う」側の人間たちです。 一方でそういった人間に食を冒涜されていると感じていたのが、「与える」側だったシェフ・スローヴィクでした。本作のコース料理は復讐のために計画されたのです。そして偶然参加したマーゴは娼婦として働く女性で他のゲストとは違い、与える側の人間でした。

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【考察】他のゲストとは異色のタイラー

『ザ・メニュー』
©2022 20th Century Studios. All rights reserved.

最も不可解な登場人物はタイラーです。シェフに心酔し、自身は殺戮が起こることを食事前から知っていました。しかし富裕層や著名人などではありません。 彼は食事をないがしろにするような人物ではありませんが、うんちくを語り味覚に自信を持っています。写真撮影禁止のルールさえ食事に夢中で気にも止めません。そうした身勝手な行動をする彼は、他のゲストとは違うもののある種の特権意識を持った人物として描かれているのではないでしょうか。 また本作は「最後の晩餐」を隠喩しているとも言われており、ゲストは同じ12人で1人だけ運命を知っていた裏切り者タイラーは「ユダ」なのかもしれません。そしてユダと同じく自殺し生涯を終えています。

映画『ザ・メニュー』をネタバレ解説・考察でおさらい

ブラック・ユーモア満載で痛烈な現代社会への皮肉が込められた映画『ザ・メニュー』は、セリフやシーンの意味を考えながら観ていくとより楽しめる作品です。 未鑑賞の方はもちろん、劇場で観た方も配信でおさらいしてみてはいかがでしょうか。