続編「エスター2/ファースト・キル」結末までのネタバレ感想解説 斬新なあらすじで前作と違う裏切りが待っている!
イザベル・ファーマンが孤児“エスター”を演じた映画『エスター』(2009年)。エスターが孤児院に入るまでの前日譚を描く続編が2023年3月31日に公開されました。 この記事では、続編『エスター ファースト・キル』のあらすじをネタバレ解説・考察!どんな結末を迎えるのか、映画を紐解いていきます。
※本記事は、前作と続編に関する結末までのネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
続編「エスター2/ファースト・キル」あらすじ
裕福な家庭で育った少女エスターが行方不明になり4年の月日が流れたころ、突然彼女が見つかったという知らせが入ります。 10歳に成長した彼女と感動の再会を果たしたオルブライト一家でしたが、どこかぎこちないエスターに母親のトリシアは違和感を覚えます。娘が行方不明になってから生気を失っていた父アレンは、エスターが帰ってきた喜びで前向きになりますが……。 >結末までのネタバレ解説を読む
映画「エスター2/ファースト・キル」感想・評価
まさかあの「エスター」を再び同じ役者が再演するとは!しかも前作よりも幼い年齢の前日譚!この配役ですでに優勝ですが、いざ観てみるとそれが大正解であることがわかります。もちろん、前作を観てからの鑑賞をお勧めします。
前作『エスター』での「なぜ」が描かれていて、全体的によくできた続編/前日譚だと思う。しかも殺しまくるサイコキラーなエスターは健在な上、中盤で驚きの展開が!エスターのパワーがすごすぎて、ちょっと圧倒される。
映画「エスター2/ファースト・キル」結末までのネタバレを感想解説
解説①全然“ファースト・キル”じゃない
本作は副題が「ファースト・キル」となっていますが、実際には映画冒頭の登場時ですでに1家族を殺してサールン精神病院に入れられており、最初の殺人が描かれているわけではありません。サールンにいる「エスター」はリーナという名であり、この後サールンから逃げ出して行方不明の子エスターになりすましていきます。 サールンを逃げ出す際にも次々に人を殺めているため、前作『エスター』でお馴染みのサイコキラーなエスターは健在。人に取り入る才能を持っているエスターですが、サールンでも他の患者や看守を意のままに操っています。なぜサールンを逃げ出したのかは、彼女の自由に対する強い執着によるものと考えられます。
解説②『エスター』で描かれた彼女の背景
前作でエスターの手や首に残っていた傷跡は、収容されていたサールン精神病院で付いたもの。それを彷彿とさせる病院内の雰囲気が今作では感じられました。またこの時すでに入れ歯をしており、もしかしたらこの施設で手に入れたものなのかも?とも思えます。 前作でエスターが秘かに部屋の壁一面に描いていた「男女が愛し合う絵」。これはブラックライトを照らすと浮かび上がるインクで描かれており、その技法が誰に習ったものかが今作で登場します。エスターになりすまして入ったオルブライト家の父アレンが画家で、この技法を使って絵を描いており、絵に興味を持つエスターに教え込んでいました。 また、前作で着ていたエスターの“今時でない”服装は、母トリシアのアドバイスだったことも判明。外向けに「いい子」を印象付けるものだったのです。
解説③衝撃の真実が明らかに いびつな家族の形
物語の中盤までは、前作同様にエスターがその手管によってオルブライト家を支配していくのかと思いきや、途中で主導権を母トリシアが奪います。行方不明と思われていた本物のエスターは、実は兄ガナーとケンカになった際にトリシアによって誤って殺されていたのです。 そのことを知らないアレンは喪失感もあってエスターを本物だと思い込んでおり、どんな犠牲を払ってでも愛するアレンとガナーを守ろうとするトリシアは、なりすましだと知りながら受け入れていたのでした。エスターがドーナン刑事を襲った時、躊躇せずに彼を撃ち殺したトリシアに、その狂気の本気度が見て取れます。 それ以降、トリシアはエスターになりすましたリーナをアレンのために家に置きながら、冷戦下のように秘かに裏で2人の戦いが繰り広げられます。もちろんガナーもそれを承知の上で、エスターを冷遇し続けました。
解説④結末はどうなった?ラストの意味は?
前作で父ジョンを誘惑したように、エスターの狙いはアレンに取り入ることでした。しかしトリシアも気の強い性格で、真っ向から対抗します。2人の戦いの末、キッチンから出火して家が燃え始め、争いつつも次第に2人とも屋根の上まで火に追い詰められていきました。 画商との商談を中断して家に戻ったアレンでしたが、目にしたのは燃え上がる家と屋根に取り残されたトリシアとエスター。彼は屋根に上って2人を助けようとしますが、一瞬の差でトリシアは力尽きて転落死してしまいます。 アレンはエスターを助けますが、興奮のためか彼女の顔をグイグイつかんだせいで入れ歯が出て来て「お前は誰だ!?」と驚愕。その瞬間にアレンはエスターに突き落とされてしまいました。 結局エスターだけが助かり、その後孤児院に引き取られると思われるところで終わります。つまりここから、前作のコールマン家の恐怖につながっていくのです。
キャスト一覧・登場人物解説
エスター役 | イザベル・ファーマン |
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トリシア・オルブライト役 | ジュリア・スタイルズ |
アレン・オルブライト役 | ロッシフ・サザーランド |
ガナー・オルブライト役 | マシュー・フィンラン |
シーガー医師役 | サマンサ・ウォークス |
ドーナン刑事役 | ヒロ・カナガワ |
エスター役/イザベル・ファーマン
前作『エスター』では12歳で9歳のエスター役を演じたイザベル・ファーマン。続編では25歳にして9歳以前のエスターを演じています! 劇中のエスターことリーナ・クラマーは、発育不全のため外見だけ幼い33歳の女性でした。見た目は子ども、中身は大人という難役を演じた前作。続編では外見も成長したため、遠近法やメイクアップ技術を駆使し、子役のボディダブルも使いながら再び難役に挑んでいます。
トリシア・オルブライト役/ジュリア・スタイルズ
続編でエスターと対決することになるオルブライト家の母親トリシアを演じるのは、アメリカ出身の女優ジュリア・スタイルズ。どんな犠牲を払ってでも家族を守ろうとするトリシアは、リーナの企みを阻止することができるのでしょうか? ジュリア・スタイルズは「ボーン」シリーズのニッキー・パーソンズ役や、テレビドラマ「デクスター」シリーズのルーメン・アン・ピアス役で知られています。
前作『エスター』のネタバレあらすじをおさらい
3人目の子どもを流産で失い、心の傷を負っていたケイト・コールマン。悲しみに暮れるケイトを見かね、夫ジョンは養子を迎える提案をします。 孤児院でエスターという少女に出会い、強く惹きつけられたコールマン夫婦。エスターを引き取り、一緒に暮らし始めますが、エスターの言動は日に日に不穏になり、ケイトは不安を覚え始めます。 ケイトは彼女の聖書に「サールン・インスティテュート」という文字を発見し、そこへ電話をかけてみます。すると、なんとそこはエストニアにある精神病院。エスターは実は発育不全の病を患う33歳の大人の女性だったのです。 エスターは正体がバレることを恐れ、シスターと弟ダニエルを妹マックスを共犯にして殺害。ダニエルは一命を取り留めますが、半狂乱になったケイトが鎮静剤を打たれて病院にいる間に、エスターはジョンを誘惑します。しかしジョンに拒絶されたことで、エスターは暴走! 家へ戻ったケイトは殺されたジョンの姿に動転しつつも、温室に隠れるマックスを救おうと、天井ガラスを破ってエスターを真上から攻撃。外へ逃げ出し、凍った池で再びエスターに襲われて危機に陥りますが、マックスが放った銃弾が氷を破り、2人とも池の中へ。 「助けて、ママ」と掴まれたケイトは、「あんたのママじゃない!」とエスターの首を蹴り折って池へ沈めたのでした。
『エスター』の詳しいネタバレ解説はこちら
映画「エスター2/ファースト・キル」のあらすじをネタバレ解説でおさらい
映画『エスター』で9歳の見た目、33歳の中身を見事に演じたイザベル・ファーマン。いまや中身が大人に追いついた彼女がエスター役を続投した『エスター ファースト・キル』も衝撃的な展開を迎えました。 続編は2023年3月31日から公開中です。前作を配信サービスでおさらいしてから「ファースト・キル」を楽しみましょう!