『夕暮れに、手をつなぐ』でヨルシカが担当した主題歌・挿入歌を後書き会員が解説してみた
1月17日にスタートした新火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』。本作の主題歌として、ヨルシカの新曲「アルジャーノン」が初披露されたこともあり話題になりました。 実は、ドラマでは主題歌だけではなく、随所にヨルシカの楽曲が使用されているのです。 この記事では、『夕暮れに、手をつなぐ』で使用されたヨルシカの全楽曲を紹介するとともに、ドラマに滲み出るヨルシカの世界観について、ヨルシカのファン(通称:個体)でファンクラブ「後書き」会員の筆者が解説していきます。
火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』のあらすじ
九州の片田舎で育った、天真爛漫な女の子・浅葱空豆(広瀬すず)。彼女は、幼馴染の婚約者を追いかけて、東京へ向かった先で、音楽家を夢見る青年・海野音(永瀬廉)と運命の出会いを果たします。 ひょんなことから出会った2人が、同じ屋根のもとで夢を追いかけ、恋に気付いていく、世界で1番美しいラブストーリーです。
『夕暮れに、手をつなぐ』の主題歌「アルジャーノン」とは?
ヨルシカとしては珍しい書き下ろし楽曲
『夕暮れに、手をつなぐ』のオープニングかつ主題歌としてドラマで初公開された新曲「アルジャーノン」。この曲はヨルシカとしては珍しい書き下ろし楽曲となっています。というのも、ヨルシカ独自の世界観を崩したくないという考えから、これまでは楽曲提供はあっても書下ろしは行っていなかったからです。 しかし、ドラマで扱われる音楽というテーマや、脚本家の北川悦吏子の「タイトルが浮かぶと同時にお願いしたい」という熱い思いもあり、書下ろしに至ったと考えられます。 新曲「アルジャーノン」はヨルシカの世界観はそのままに、ドラマにも当てはまる曲になっていますね。
n-bunaのコメント
箱の中に迷路がある。途方もなく複雑に入り組んだ道を貴方は歩いていく。壁の向こう側に何かがあると信じて止まらず、時折道に迷いながらもただ出口へと進み続ける。その姿が僕には少し眩しい。そういう曲です。
広瀬すずのコメント
繊細な声と煌びやかとした世界で、焦らず自分と向き合いながらひとつひとつ受け止めていくような、そんな気持ちになりました。 今、この瞬間無くなってほしくない。となんだか締め付けられ、空豆として生きている今とてもぽわぁと枯れてしまいそうな、なんだろうこの気持ち。役とリンクしています。最高に素敵です!!
新アルバム「幻燈」に収録される?
ドラマの主題歌である「アルジャーノン」は4月に発売される新アルバム「幻燈」の収録曲となっています。 アルバムごとにコンセプトが存在するヨルシカの新アルバム「幻燈」のコンセプトは「音で見る画集」。すでに発表された収録曲はすべて、実在の小説や詩集をオマージュした楽曲となっています。「アルジャーノン」もダニエル・キイスの小説「アルジャーノンに花束を」からタイトルを取っていると考えられ、「幻燈」にも収録予定となっています。 幻燈の発売日は、4月5日。ストリーミングサービスで配信されない曲も多数ある為、アルバムの購入をお勧めします。
『夕暮れに、手をつなぐ』のヨルシカ・n-bunaの挿入歌一覧
第2話で使用されたヨルシカの挿入歌
曲名 | 解説 |
---|---|
春泥棒 | ピアノのみのインストアレンジ。 冒頭、空豆と音の共同生活のシーンにて。 |
春泥棒 | 原曲のサビ部分。 空豆に響子が働き先を紹介するシーンにて。 |
ただ君に晴れ | ピアノとアコースティックギターのインストアレンジ。 音のバイト終わり、帰り道のシーンにて。 |
春泥棒 | アコースティック編成のインストアレンジ。 音が恋愛から遠ざかっている理由を空豆に打ち明けるシーンにて。 |
春泥棒 | ピアノのみのインストアレンジ。 雪平邸でのバーベキューのシーンにて。 |
ただ君に晴れ | 空豆の着信音として。 翔太から事情を聞いた祖母が電話をかけるシーンにて。 |
夜明けと蛍 | ピアノのみのインストアレンジ。 空豆と爽介が合コンの帰り、車内で会話するシーンにて。 |
第2話でも冒頭から「春泥棒」が流れましたね。ヨルシカの楽曲ラインナップは第1話と変わりませんでした。もしかすると、ドラマで使用許可があるのは数曲のみなのかもしれません。
第1話で使用されたヨルシカの挿入歌
第1話ではヨルシカおよびn-bunaの楽曲が6回も登場し、ファンを驚かせました。 第1話のみで3回も登場した「春泥棒」はドラマの脚本家、北川悦吏子のお気に入りの曲な模様。「命を桜に喩えます」というn-bunaのコメント通り、散りゆく桜に永遠を感じるような一曲です。
『夕暮れに、手をつなぐ』のヨルシカが感じられるシーン
①主人公・音の設定がn-bunaを想起させる
このドラマの主人公の1人、音はコンポーザーを目指しながらバイトをしている青年。第1話では、人の心がわからないから良い音楽が作れないというプロデューサーの一言が胸に引っかかっているようです。 コンポーザーとは、英語で作曲家という意味で、オープニングを担当するヨルシカにもコンポーザーとしてn-bunaが参加しています。
②第1話冒頭での「ヨルシカ好きなの?」発言
第1話冒頭では音と空豆が、お互いのイヤホンを取り違え、偶然にも同じ曲「春泥棒」を聴いている事に気が付きます。このシーンでは音が空豆に「ヨルシカ好きなの?」と質問するのですが、地上波でヨルシカという言葉を聞いて、喜んだファンも多いのではないでしょうか。
ネット上ではファンから複雑な心境も
たった1話で6回も聴けるなんて生きててよかった......。ボカロ曲まで日の目を浴びていて、今後も楽しみ!
ヨルシカは世界観や背景も含めて、大好きだからこそ、ドラマで聴くともやっとしちゃう......。
ドラマの第1話のみで同じアーティストの曲が6回も流れたら、ファンならば泣いて喜びそうなところ。しかし、一部のファンは好きだからこその複雑な心境を抱えているようです。 実際、筆者も視聴中はヨルシカを聴ける喜びとフルで聴いてほしいという思いの間で葛藤していました。とはいえ、ファンとしては音楽に真摯に向かってきたヨルシカをいつも通り応援していきたいところですね。
主題歌発表前からヨルシカの起用が予想されていた?
発表前のテレビCMでヨルシカの楽曲が!
実は、ヨルシカが正式に主題歌の担当として発表される以前から、ヨルシカの起用が噂されていました。これは、発表前のテレビCMにて、n-bunaのボーカロイド曲である「夜明けと蛍」の冒頭が使用されたからです。 他にも、「花に亡霊」や「春泥棒」も使用されたことから、ヨルシカが起用される期待が高まっていました。
脚本家・北川悦吏子のツイートも話題に
主題歌、号泣。
— 北川悦吏子 (@halu1224) November 26, 2022
さらに、以前からツイッターでヨルシカ好きを公言していた脚本家の北川悦吏子が「主題歌、号泣」という意味深なツイートをしたことで、ネット上では主題歌の予想も盛り上がっていました。
エンディングはKing & Princeの新曲「Life goes on」
『夕暮れに、手をつなぐ」のエンディングには、主人公である海野音を演じる永瀬廉が所属する、King & Princeの新曲「Life goes on」が使われています。オープニングと同じく、ドラマで初披露となった楽曲で、2月22日に発売予定です。 ドラマでは、「Life goes on」に合わせて、毎話ごとにエンディングムービーが作られるとのこと。1話のエンディングでは主役の永瀬廉と広瀬すずがサビでダンスを披露し、「TikTokでバズりそう!」と話題になりました。
ヨルシカの主題歌・挿入歌から『夕暮れに、手をつなぐ』の解像度を高めよう
『夕暮れに、手をつなぐ』のオープニング曲「アルジャーノン」以外にも、第1話のみで5曲も楽曲が使われたヨルシカ。今後のドラマにおいても、ヨルシカの楽曲が物語の鍵を握ることになりそうです。 その深い世界観に少しでも惹かれたのなら、楽曲を視聴してみてはいかがでしょうか。