漫画『ミギとダリ』最終話まで全話ネタバレあらすじ＆感想！美しい双子によるシュールで歪な復讐劇

漫画『ミギとダリ』は『坂本ですが？』で鮮烈の連載デビューを飾った佐野菜見による連載作品。双子の主人公が復讐のために1人の少年として生きていく姿を描く、シュールな笑いも楽しめるミステリー＆サイコスリラーです。 2023年にアニメ化も決まっている本作のあらすじを最終話までネタバレありで解説！見どころやアニメ化情報もまとめて紹介します。

双子のミギとダリは、神戸市オリゴン村に住む園山家の養子・秘鳥(ひとり)として引き取られます。巧妙に入れ替わりながら2人は秘鳥として振る舞っていくことに。 2人はあの手この手で園山夫妻の裏の顔を暴こうと奮闘しますが、夫妻はシロであることが判明。1巻ラスト、双子の目的はかつてこの町で母を殺した犯人を探すことだと分かります。シュールギャグ路線から急にシリアスに……！ 調査範囲を広げた双子は、家政婦のみっちゃんこと光山から、一条家に記憶に近い部屋があることを聞き出します。精神科医の父を持つ一条瑛二に接近し自宅を訪ねると、そこにはかつて母と3人で暮らした部屋が隠し部屋として存在していました。

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中学に進学した秘鳥を待ち受けるのは苦手な勉強です。とくにミギは勉強が苦手でしたが、ダリが扮した美少女サリーの口車にうまく乗せられる形で、秘鳥は普通科1位を獲得しました。 好成績のおかげで園山家は一条家に招待されます。しかしそこで瑛二は、秘鳥にボタンを盗まれたと主張。そのボタンとは、双子の母の形見の品でした。ダリを守るため盗みを認めたミギは、教育と称して一条家に監禁されてしまうことに。 ミギはオムツ姿で0才児から再教育され、一方でダリは一条家の秘密を暴いていきました。2人の母親はメトリーという名でかつて一条家の家政婦をしていたこと、どうやら当時5歳の瑛二が犯人であることが判明します。

復讐劇は一気に加速していきます。メトリーを突き落としたのはやはり瑛二で、瑛二は母親・怜子におばけだったと信じ込まされていました。さらに怜子はこの事件を隠すために村を監視していたのです。 真実を知ったミギとダリは、怜子に捕まり殺されかけます。それを助けてくれたのは家政婦のみっちゃんでした。彼女の調べにより、怜子は子供を産めない身体であることが判明します。 いったん村から逃げた2人が村に戻ると、みっちゃんの殺人犯に仕立て上げられていました。2人は双子であることを明かし、鳥好きの秋山、メカ好きの丸太、そして瑛二の妹・華怜(かれん)とともにチームを組んで一条家の闇を暴くために行動を開始します。

周囲の協力を得て一条家に戻ったミギたち。彼らはそこで衝撃の事実を知ることになります。怜子は自分が子を産めないと知ったとき、家政婦のメトリーと自身の旦那に子を作らせようと画策。そして生まれたのがミギとダリ、そして瑛二でした。なんとミギとダリは双子ではなく、3つ子の兄弟だったのです。 その後メトリーは一瞬の隙をついてミギとダリを連れて逃亡したものの、瑛二は一条家に残され怜子の息子として育てられることに。しばらくしてメトリーは瑛二を連れ帰ろうとしましたが、彼女はそこで瑛二に突き落とされてしまったのでした。

自身が突き落とした存在がおばけだと信じ込まされていた瑛二。彼は全ての真実を知り、なんと怜子を殺害。「狂った家族を終わらせる」と言い放ち、自らがいる屋敷に火をつけてしまいます。 ミギとダリは何とか屋敷から脱出したものの、ダリは取り残された瑛二を救うために再び屋敷のなかへ。ダリたちの救助により一命を取り留めることになった瑛二。しかし彼は殺人や放火の罪をかぶり、逮捕されることになってしまいます。

全ての騒動が終わり園山家へ戻ることになったミギとダリ。しかしダリは顔に火傷を負ってしまったため、ミギと入れ替わることができなくなってしまいます。ダリはもう幸せな暮らしを送れない……かと思われましたが、クリスマスになるとツリーの下には「2つ」のプレゼントが。 なんと老夫婦はともに暮らすうちに、彼らが双子だと気付いていたのです。そしてこの日をきっかけに、園山家は「4人家族」として暮らしていくことになります。 それからしばらくすると瑛二が出所。彼はミギとダリと再会し、改めてお互いの絆を確かめ合います。そんななかダリは進学のために村を出ることに。離れ離れになってしまう兄弟ですが、そこには目に見えない確かな繋がりが存在しているのでした。

『坂本ですが？』でもおなじみのスタイリッシュシュール要素が散りばめられているのですが、『ミギとダリ』はそれだけじゃない！サスペンスや家族愛、ちょっぴりホラーっぽさも詰め込まれていて、味の消えないガムを噛み続けているような不思議な感覚になります。 読み終わった後に、ミギとダリの性格の差を意識しながら読み直すとまた面白かったので、最低でも2周はしてほしい作品です。

『ミギとダリ』は2023年秋にアニメが放送スタート。ミギ役を堀江瞬、ダリ役を村瀬歩が演じるほか、一条瑛二役を河西健吾、友人の秋山役を浅沼晋太郎、丸太役を武内駿輔が演じます。 監督を務めるのは『氷属性男子とクールな同僚女子』や『お前はまだグンマを知らない』などを手掛けるまんきゅう、制作はGEEKTOYS・CompTown。佐野菜見作品は『坂本ですが？』に続くアニメ化となります。

本作のOP主題歌は歌手・作詞・作曲と幅広い分野で活躍するそらると、男性ボーカリストりぶによるユニット「そらるとりぶ」の『ユウマガドキ』に決定！公開されているメインPVのラストでは、その妖しく幻想的な曲の一部を楽しむことが可能です。

本作の主人公である弟のミギ。 感情表現豊かな彼の声を担当するのは堀江瞬です。2017年に『ナナマルサンバツ』で主役の越山識を演じ、2023年には『僕の心のヤバイやつ』で主役の市川京太郎を担当。その人気がぐんぐん上昇している、現在注目の若手声優です。

本作のもう1人の主人公である兄のダリ。 彼を演じるのはその幅広い声域で女性役までも務める、演技派声優の村瀬歩です。これまでに「ハイキュー！！」シリーズの日向翔陽や『王様ランキング』のカゲなど、その特徴的な声で様々な人気キャラを担当してきました。

アニメ化で話題になること必至の『ミギとダリ』は、美しい双子キャラが好きな人、シュールギャグが好きな人、不思議な世界観が好きな人におすすめの作品です。全7巻で完結しているので、さくっと一気読みで奇妙なオリゴン村を訪ねてみてください！