「文スト」江戸川乱歩は異能力がない？過去や性格まで名探偵の全てを解説【文豪ストレイドックス】

異能力者同士の戦いを描いた『文豪ストレイドッグス』。数ある異能力のなかでも、作中屈指の頭脳で活躍を見せるのが江戸川乱歩です。 本記事では、そんな「文スト」の江戸川乱歩の能力や過去を徹底解説します！乱歩の性格から乱歩が慕う福沢との関係も解説するので、ぜひチェックしてくださいね。 ※この記事は『文豪ストレイドッグス』の重要なネタバレを含みます。

乱歩は、茶色の外套を羽織り茶色のハンチング帽を被ったいかにも探偵らしい容姿をしています。その見た目通り、異能力は「超推理」という探偵らしい能力です。わずかな手がかりで事件を解決に導くことができ、普段は警察からくる依頼を解決しています。 探偵社では設立当時からいる古株の1人です。探偵社のなかでも唯一探偵らしいことができる人物であり、その能力は探偵社全員が認めています。

乱歩の普段の振る舞いはとにかく自由人。しかも、自分が優れているのを自覚しているため、乱歩は警察のことは「自分の力がなければなにもできない無能」と言っています。良くいえば自由奔放ですが、悪くいえば傍若無人ですね。 探偵社でもその振る舞いは変わらず、「武装探偵社は自分の力あってこそなのだ」と豪語しているほど。探偵社でも自由勝手な行動は変わりません。他の探偵社のメンバーはあえて注意せず、逆に煽ててうまく乱歩を利用しています。

探偵社でも自由な振る舞いをする乱歩ですが、社長の福沢諭吉のことだけは慕っています。福沢に絶大な信頼を寄せており、福沢の言葉には逆らいません。そんな2人の関係性が分かるエピソードが、主人公の中島敦がポートマフィアに誘拐された時です。 乱歩は敦が攫われたのは個人的な問題だといい、敦の奪還にやる気を出しません。そんななか、福沢が「つつがなく新人を連れ戻せたら褒めてやる」と乱歩に声をかけます。その言葉を聞き「そ、そこまで言われちゃしょうがないなぁ！」と乱歩は敦の奪還に励むのです。 普段は自由人な乱歩が福沢の言葉で動く姿は、どれだけ福沢を慕っているのかよく分かりますね。乱歩がこんなにも福沢を慕うようになったのは、2人の過去が関係しています。

物語序盤では敦がポートマフィアに捕まった時の態度といい、乱歩は冷たい人間に見えるかもしれません。しかし、話が進むにつれ、乱歩の探偵社のメンバーへの優しさも見えてくるのです。特に、仲間への優しさを見せたのが与謝野晶子が探偵社に入るきっかけとなった話。 瀕死の状態を治す異能力を持っている晶子は、兵士を治療して戦地に送る日々に心を病みます。誰もが晶子の能力を求めるなか、乱歩は「君の異能が欲しいんじゃない。欲しいのはその優しさだ。」と晶子の能力ではなく、晶子の優しさを求めたのです。 これ以降、晶子は探偵社に加わり、乱歩を恩人と慕うようになりました。乱歩の優しさがよく分かる話ですね。また、この話はアニメで放送された当時話題になり、乱歩のファンを大きく増やしました。

乱歩の異能力「超推理」は、わずかな手がかりで事件の真相にたどり着く能力です。現場に行けばそこから事件の真相に辿り着けますし、現場に行かなくてもわずかな手掛かりから真相を突き止めます。 しかし、実はこの能力は異能力ではありません。乱歩自身の優れた頭脳で事件の真相に辿り着いていたのです。では、なぜ乱歩が自分に異能力があると思っていたのか。それは、福沢に異能力があると教えられたからです。 福沢と出会った頃の乱歩は、自身の優れた頭脳を理解しておらず苦労していました。福沢はそんな乱歩を救うため、乱歩の優れた頭脳を異能力だと嘘をついたのです。異能力があるという勘違いは、福沢の優しい嘘が始まりでした。

乱歩は諭吉の嘘を受け入れ自身でも「異能力者」と主張します。ですが、心の底では異能力がないことに気づいていました。その事実を認めなければならなくなったのが、エドガー・アラン・ポオとの再戦です。 ポオの異能力「モルグ街の黒猫」でポオの小説の世界に乱歩と晶子は引きずり込まれます。その世界では異能力を使うことはできません。そんななか、重傷を負った晶子を救うため、乱歩は自分を一般人だと認め「超推理」を発動。小説の世界から抜け出し、晶子も助かりました。 自身が一般人だと認めた乱歩ですが、以降も自身のことを異能力者だと主張します。乱歩いわく、｢今更一般人なんて格好がつかない！｣とのことです。乱歩らしい理由ですね。

異能力なしで異能者と渡り合っていた乱歩ですが、乱歩と同じくらいの頭脳を持ったドストエフスキーが登場します。乱歩は「共食い」でドストエフスキーに乱歩の推理力まで計算され、出し抜かれてしまいました。 乱歩はこのことをきっかけに、ドストエフスキーが得意とする「操心術」を身につけます。相手の弱みを見抜き、自身が望むように人を操る操心術を身につけ、乱歩はドストエフスキーに対抗するのです。 操心術を会得した乱歩は強く、頭脳戦でだけでいえばドストエフスキーにも引けを取らないでしょう。しかし、ドストエフスキーには別に異能力があります。頭脳戦以外も考慮するならば、まだドストエフスキーの方が強いかもしれません。

乱歩の父親は、かずかずの難事件を解決に導いた超優秀な刑事でした。母親も、そんな父親を手のひらで転がせるほどの人物です。そんな天才2人に育てられた乱歩は、「大人は全員自分よりも優秀な人」と思うようになってしまいます。 乱歩はその勘違いにより、周囲の行動が理解できません。世界中の人が自分とは違う怪物に思え、孤独感に苛まれるようなるのです。

孤独に苛まれているなか、乱歩は福沢と出会います。福沢は乱歩の優れた頭脳と孤独感に気づき、乱歩の頭脳は異能力のものだと嘘をつきました。 乱歩はこの嘘を信じ、世界は乱歩にとって生きやすい世界になるのです。しかし、同時に「無知な大人たちに教えてやる」と傲慢な考えを抱くようになってしまいました。その結果、乱歩は自分の命を危険にさらしてしまうのです。 福沢はそんな乱歩を叱りつけます。乱歩は自分の身を案じ本気で叱ってくれた福沢に懐くようになりました。乱歩の保護者的存在となった福沢は、乱歩が能力を発揮できる場所をつくります。それが、「武装探偵社」なのです。 探偵社の設立は乱歩のためだったのですね。こうした経緯から、乱歩は福沢を慕うようになり全幅の信頼を寄せるようになりました。乱歩にとって福沢は世界を変えて居場所を作ってくれた恩人なのです。

乱歩といえば仕事では名探偵として大活躍、一方で仕事外ではマイペースの癒やしキャラ的存在ですよね。 特にアニメ4期の過去編では奢りで大量のぜんざいを頼み、お餅だけは「甘くないから」と残す姿や福沢の電話番号を聞いて数メートル離れてすぐ電話をかけるお茶目な場面も。 またスピンオフ作品『文豪ストレイドッグス わん！』は知育菓子を作ったり「おやつ」という言葉だけに反応したりかわいすぎる乱歩が見られるのでファン必見のコンテンツです。

モデルとなった作家・江戸川乱歩は日本の推理小説を世に広めた偉人の1人です。『怪人二十面相』や『D坂の殺人事件』など代表作と言われる作品がいくつも存在します。また松本清張や星新一など後輩の小説家も見出したと言われています。 大学卒業後は貿易会社に新卒で入社し好成績を治めながら退職。その後転々と職を変えていたり作家になっても何度も休筆していたりと、自分のペースで生きる性格が文ストの乱歩にも反映されているのかもしれません。

自由人な名探偵を演じているのは声優の神谷浩史。「物語」シリーズの阿良々木暦や「夏目友人帳」の夏目貴志などで、名前を聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。 声優のみならず、歌手やラジオなど多方面で活躍しています。

本記事では、「文スト」の江戸乱歩について徹底解説しました！ 普段の振る舞いからついついかわいく思ってしまう乱歩ですが、かわいいだけではありません。時には仲間に優しい言葉をかけ、時には仲間のために戦うこともあります。2023年7月からはアニメ5期も始まりますし、魅力にあふれる乱歩を見ることができそうですね。