漫画『Artiste(アルティスト)』最新9巻までネタバレあらすじ紹介！芸術家たちの賑やかで愛おしい日々

漫画『Artiste(アルティスト)』は天才料理人である主人公をはじめ、フランスで生きる芸術家たちの鮮烈な日々を描いた作品です。この記事ではそんな本作の最新9巻までストーリーをネタバレ込みで一挙紹介していきます。 さらに作品をお得に読む方法や、見どころなども解説。本作を読んでみたいと思っている人はぜひ参考にしてみてください！

パリのレストランで働くジルベールは、天才的な料理センスを持つ気弱な青年。しかし鋭すぎる味覚と嗅覚のせいで周りから浮いてしまい、雑用をこなす日々を過ごしていました。 そんなジルの才能に気が付いた新人のマルコは、有名人気シェフのメグレーに新店舗のオープニングスタッフとしてジルを推薦します。 マルコの後押しとメグレーの強引な勧誘により、ジルは引き抜きを承諾。ソース部門のシェフ・ソーシエとして新店舗に立つことになりました。 そして転職を機に芸術家たちの集うアパルトマンへ引っ越したジルの世界は、個性豊かな住人たちによってさらに広がり始めていきます。

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引っ越し早々、画家のジャン、音楽家のヨルゴといった濃い住人たちから強烈な洗礼を受けながらも何とか新生活の準備を整えたジル。 一方仕事ではメグレーに騙され、ソーシエだけでなく副料理長まで兼任することになってしまい、これまた曲者ぞろいの同僚たちを前に完全に気圧されてしまいます。 そんな折、ジルを追いかけてシェフになった幼なじみ・エルザと再会。ほんの少し安心したジルは、メグレーから課されたレシピの完全再現もこなしオープンに向け着々と準備を進めていきます。 しかし厨房内の雰囲気は相変わらずギクシャクしたままで、ついに魚担当のシェフ・リュカと衝突してしまうのでした。

頑固すぎるリュカとの付き合い方を悩んでいた矢先、ちょっとした事故が流血沙汰に発展。ジルは腕に軽い傷を負い、厨房内の雰囲気は最悪になってしまいます。 そんな中、動いたのは前菜担当のヤンでした。かつて同僚に酷い裏切られ方をして以来、人と距離を置いていたヤンでしたが、ジルと働きだしたことで少しずつ以前の姿を取り戻しつつありました。 ヤンの仲介によってリュカがイレギュラーを嫌うこと、しっかり説明すれば歩み寄ってくれると知ったジル。これを機に一緒に働く人たちのことをもっと知ってみよう思い始めます。 こうして厨房はまとまり始め、ジルたちは初仕事であるプレオープンを迎えるのでした。

様々なトラブルに見舞われつつも無事にプレオープンを終え、ジルと厨房の仲間たちとの間には絆が芽生え始めていました。 しかし今度は厨房とホールとの間に問題が発生。給仕長の厨房を軽んじる発言がスタッフたちの反感を買ったのです。 そんな折、ホールスタッフの間であるトラブルが起こります。給仕長の物言いに流石のジルも腹を立てますが、その後彼の言葉に込められた意味や仕事への真摯な姿勢を見て考えを改めていくのでした。 一方、アパルトマンでは新たな出会いが。漫画家デビューを目指す日本人のアキオは、慣れない土地での暮らしやいい加減な担当編集に振り回され、葛藤の日々を過ごしていました。

ある日ジルがかつてお世話になった天才シェフ・ルヴェルが、突然レストランへやってきます。 彼はジルの才能を早くから見抜き、成長させるため別の店へと送り出した張本人。そしていずれジルを連れ戻すとも取れる意味深な言葉をメグレーに伝え、店を後にするのでした。 紆余曲折ありつつも、ジルは徐々に部下たちからも信頼され始め、副料理長として認められるようになっていきます。 一方、アパルトマンでは仲良しコンビのヨルゴとジャンの間に深い亀裂が。自分にも責任があると感じていたジルは、2人の仲を取り持つため奮闘するのでした。

マルコの姉が結婚することになり、パーティの依頼を受けたジル。親友の家族の大切な日を成功させたいと意気込む一方で、家族というものに対して抱えるジルの劣等感が明らかになり始めます。 場面は変わり、エルザから向けられている好意に一切気が付いていないジルは、とある事故が原因で風邪を引き寝込んでしまいます。そしてかつて好きだった女性との日々と、自分を愛してくれる人などいないという当時の葛藤を思い出すのでした。 同僚にも友人にも恵まれ充実した日々を送るジル。そんな彼が未だに人に愛される実感を持てずにいるのは、父親との関係に原因があるようで……。

ジルが結婚パーティの準備に励む一方、アパルトマンでは住民たちの一風変わった日常が繰り広げられていました。 アイディアが枯渇し悩む小説家もいれば、国境を越えた友情を結ぶオタクたちもいたり。目まぐるしくすぎていく日々に、いつの間にかジルも馴染むようになっていました。 そんな中、ジャンの彼女でありモデルのアネットと街中で遭遇したジルは、一緒にいるところをエルザに目撃されてしまいます。アネットはエルザの気持ちを察し、恋愛において大切なことを助言するのでした。 そして迎えた結婚パーティ当日、準備は完璧に進んでいたものの思わぬ事故が発生。エルザとマルコの機転によって何とか成功に終わります。

自由奔放なアパルトマンの住民たちが一丸となり、大家であるカトリーヌの誕生日パーティを開くことになりました。 パティシエのディミトリに手伝ってもらい、ジルはエルザと共にケーキ作りに挑戦。ケーキ作りを通して製菓の奥深さと、料理との根本的な違いを発見していきます。 そして誕生日当日、ケーキを振舞ったジルはカトリーヌからアパルトマンの経営を始めた経緯を聞かされます。実は以前、カトリーヌが実家からの手切れ金としてアパルトマンを貰ったと聞いていたジル。 しかし彼女の口から語られた真相はもっと愛に溢れたもので、今ではこのアパルトマンが彼女の過去であり未来、そして1つの芸術作品なのだと知るのでした。

アパルトマンの住民である漫画家のアキオは、前の担当編集とのいざこざがトラウマとなり、新たな執筆依頼を受けても前向きに考えられずにいました。 そのせいでフランス人のオタク仲間ともケンカしてしまい踏んだり蹴ったり。アキオはしつこく勧誘してくる1人の編集者に鬱憤をぶつけてしまいます。 そして本音で話すことで自分が偏見を持っていたと気が付き、今度は編集者と協力し合って漫画を作り上げていこうと決意するのでした。 一方、とある事情で帰郷したジルは久しぶりに父親と顔を合わせることに。ジルは実の父親の住む家で眠りにつきながら、「知らない家の匂いだ」とぼんやり考えるのでした。

パリのレストランを舞台に、本格的なフレンチの知識がふんだんに盛り込まれた本作。基本的な料理の情報だけでなく、営業時の戦場さながらの厨房の様子までもがリアルに描かれています。 フレンチの専門用語が飛び交うシーンはまるで呪文のようで、何を言っているのかちんぷんかんぷんなんてことも。しかし一切読み手に負担を感じさせない軽快な読み味は流石です。 気が付いたら何となく意味がわかるようになるだけでなく、奥深いフレンチの世界をもっと知りたいと思うようになっていますよ！

温もりに溢れたアパルトマンでの暮らしと、充実したレストランでの仕事を通して、確実に人として成長し始めたジル。今後も彼の成長を見守るのはもちろん、他の個性豊かなキャラクターたちが紡ぐドラマからも目が離せません！