漫画『戦国妖狐』最終回まで全話ネタバレあらすじ＆感想！人と闇との戦い描く和風ファンタジー

『戦国妖狐』は『惑星のさみだれ』『スピリットサークル』の水上悟志が描く和風バトルファンタジーです。2024年には全3クールでのアニメ化も決まり話題の『戦国妖狐』は全17巻で完結済み。 本記事ではそんな『戦国妖狐』のあらすじをネタバレありで最終回まで解説！感想や見どころ、アニメ化情報、無料で読めるかどうかの調査結果などをまとめて紹介します。

人ではない闇(かたわら)が存在する戦国時代。武芸者を名乗る兵頭真介(ひょうどうしんすけ)は、「世直し姉弟」として障怪(さわり)退治の旅をしている人間嫌いの山戸迅火(やまとじんか)と、人間好きな妖狐・たまと出会います。 3人は断怪衆(だんかいしゅう)が人と闇を融合した改造人間を作っていると知り、実験体だった灼岩(しゃくがん)も仲間に加え、その総本山を叩くことに。そこで迅火の目的が本物の闇になることだと発覚します。主人公の先行きが不安な1巻です。 これ以降、一行は断怪衆に追われる身となり、刺客と戦いながら旅を続けていきます。

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3巻では四獣の1人・烈深(れっしん)の罠から人々を守るため、灼岩が岩の姿に。そのまままさかの退場となってしまいます。この突然の別れは真介を豹変させ、彼の雰囲気が大きく変わりました。 3人は水と樹と土の精霊である山の神の修行を受けて、再び断怪衆壊滅のため本陣へ乗り込みます。5巻からは四獣とのバトルがスタート。 迅火たちは龍の霊力改造人間・神雲(じんうん)、虎の道錬(どうれん)、呪具からくりをまとった烈深、精霊転化の使い手である野禅(やぜん)と交戦していくことになります。

6巻で1部が完結。戦いの中、九尾に到達した迅火は暴走状態となり、そのまま闇化してしまいます。神獣「千本妖狐」と成り果てた彼はそのまま行方知れとなり、一行の旅は終わるのでした。 2部の主人公は四獣・神雲の息子・千夜(せんや)です。彼は千の闇を融合させられた魔神の器ですが、記憶をなくした状態で、先の戦いで縁のあった真介とともに人と闇が共存する村で暮らし始めます。 強大すぎる力の持つ千夜は、真介、そして村で友人となった月湖(つきこ)とともに旅に出て人として生きる道を模索していくのでした。8巻では実在した足利義輝が一行に接触します。

千夜に執着する黒龍の少年・ムドに月湖をさらわれ、千夜はムドとの対決に向けて自分の中の闇と向き合います。その結果、記憶を取り戻しムドを撃破。義輝から依頼を受けた真介は、その働きから風祭の姓をもらうのでした。 義輝の死の原因を作り、迅火消滅にも干渉した謎の存在・五人組は「無の民」という一族だと判明。千夜は彼らを退けますが、無の民は8年後の再来を予言するのでした。 10巻後半からは8年後となり、千夜も青年になっています。千夜と月湖は千夜の父救出のため、同行するたまは迅火を探すため、再び旅に出ます。

第1部から暗躍していた無の民は、千本妖狐化した迅火、龍に主導権を握られた神雲を陣営に加えた最強の布陣。相手を洗脳できる彼らは手強そうです。 対する千夜陣営にも、真介やムド、神雲のライバルだった道錬、たまなどが集結。人でも闇でもないものに変質しつつあった千夜は、その恐怖に打ち勝ち「全てを救う者」になることを決意して決戦へ挑んでいきます。 再会が叶ったかと思いきや敵同士となってしまった真介と灼岩、道錬と神雲など、因縁の対決が繰り広げられていくことに。いっときは劣勢となった千夜勢ですが、真介や道錬の活躍もあって、希望を残したまま決戦は15巻へと続いていきます。

千夜が無の民との決戦に挑むなか、以前から存在を匂わされていた迅火の双子の兄・猛が現れます。彼によって一族滅亡の原因を知った無の民は、話し合いの末、去っていきました。 千夜は最後に、仲間とともに暴走した迅火へ挑みます。総力戦の末、第1部でともに旅をしてきたたま・真介・灼岩の呼びかけが、ついに迅火を正気へと引き戻すのでした。 ラストは平和なエピローグが描かれ、迅火はたまと、真介は灼岩と結婚。迅火との戦いで覚醒し異形となった千夜は月湖と結婚し、200年後には「白神さま」と呼ばれながら旅を続けています。

序盤は闇退治の勧善懲悪っぽいストーリーかと思いきや、人と闇とその合間の存在のそれぞれの生き方や苦悩が魅力的に描かれていて、善悪の二項対立では語れない物語になっていきます。 人だけど闇になりたい迅火と、闇を抱えているけど人として生きたい千夜という2人の主人公での2部構成も見事で、その2人が対峙する最終巻はめちゃくちゃ熱かったです。 決着して終わり！じゃなく、後日談がしっかり描かれていたおかげで、それぞれの生きる道について余韻に浸ることができました。

2016年に完結した『戦国妖狐』は2024年に全3クールでのアニメ化が決定しています。原作通り「世直し姉弟編」と「千魔混沌編」の2部構成で、1クール目は2024年1月からスタート。 監督はキャラデザや作画監督としても活躍している相澤伽月(あいざわかげつ、相澤昌弘の別名義)です。脚本は『けいおん！』や『Fate/stay night』などを手掛けた 花田十輝。 迅火役を斉藤壮馬、千夜役を七海ひろき、真介役を木村良平、たま役を高田憂希、月湖役を内田真礼、灼岩役を黒沢ともよが演じます。

アニメ化で話題となっている『戦国妖狐』は、和風ファンタジーなバトルものが読みたい人、読みごたえある人間ドラマを楽しみたい人におすすめな作品です。紹介したあらすじが気になったら、完結済みなのでぜひ一気読みしてみてくださいね！