漫画『夫婦は今日も子づくらない』最終回まで全話ネタバレあらすじ＆感想！孤独を抱えた選択子なし夫婦の物語

『夫婦は今日も子づくらない』は、“選択的子なし”を選んだ夫婦の心模様を描いた作品。孤独と闇を抱えた妻の心のうちがリアルに描かれている、とSNSを中心に話題になっています。 この記事では、そんな本作のあらすじをネタバレありで徹底解説！広告等を見てこの作品が気になっている場合は、ぜひ記事の最後まで目を通してみてくださいね！

夫の幸宏と結婚して5年目の千鶴は、夫婦仲は良好で、子どもがいないながらも幸せな日々を送っていました。基本的に休日は一緒に過ごしていることもあり、会社の同僚からは「いつまでも恋愛ができていて羨ましい」と言われながらも既婚で子どもがいないことを見下されているような気がしていました。 千鶴たちは過去に起きたある悲しい出来事がきっかけで、“選択的子なし”を選んでいたものの、千鶴自身は心のどこかでいつも孤独を感じていました。そんな彼女はある日、夫である幸宏に自身の本音を話すことを決意するのでした。

実は千鶴と幸宏の夫婦は、結婚してすぐに妊娠が発覚。あまりにも早すぎるタイミングで2人とも少し戸惑いはしたものの、今ある幸せを大切にしようと子どもと向き合うことに決めます。 しかしいざ妊娠生活が始まってみると、仕方がないとはいえ幸広はどこか他人事。ホルモンバランスのせいもあるのか、千鶴は彼にイライラしてしまうことが増えていました。 ある日健診に向かった千鶴はエコーで赤ちゃんが見られることを楽しみにしていたものの、そんな彼女に突きつけられたのは「赤ちゃんの心拍が確認できない」という医師の厳しい言葉でした。

新婚直後に妊娠したものの流産してしまうという悲しい過去を持つ千鶴は、やはり心のどこかで子どもを持つことを諦めきれずにいました。そんな彼女はついに、幸宏に自身の気持ちを伝えることを決意します。 彼女はいつしか子どもがいる周囲の人々を「羨ましい」「妬ましい」と思うようになり、その気持ちだけで子どもが欲しいと思ってしまう自分にうんざりもしていました。勇気を出して幸宏に子どもをどう思っているのか尋ねた千鶴でしたが、返ってきたのはあまりにも微妙な反応。 彼の煮え切らない態度に、千鶴はますます自分のことを責めてしまいます。

改めて「子どもが欲しい」という自分の気持ちを幸宏に伝えることができた千鶴ですが、彼からはなんと冷たい表情と態度で「そんなことを急に言われても困る」と突き放されてしまいます。千鶴は「話せばわかってくれる」と思っていたこともあり、大きなショックを受けるのでした。 その日から千鶴は子どもが生まれても完璧に家事も育児もこなせることを示すために、これまで以上に色々なことを頑張りはじめます。つけていなかった基礎体温などもつけはじめますが、その様子を見た幸宏からは「プレッシャーをかけないでほしい」と言われてしまいます。

新婚当初に子どもができた時、これまでとは違ってイライラし続けたりあまり話してくれなくなったりした千鶴に不安を覚えた幸宏。子どもができたという実感もあまり湧いていなかったこともあり、実は「流産した」と聞いたときには少しホッとしていました。 彼は“子なし”を選んだからこそいい夫婦に戻れたと思っていたため、今更「子どもが欲しい」と言い出した千鶴に戸惑いを隠しきれていなかったのでした。それでも食い下がらない千鶴のことを、幸宏は少しずつ鬱陶しく感じるように。 改めて「子どもが欲しい」と言われた時に、千鶴に対してはっきりと「子どもはいらない」と返答してしまいます。

妊娠中の上司を気遣う幸宏のことがどうしても許せず、理不尽な怒りをぶつけ家を飛び出してしまった千鶴。別居生活を続けているうちに、このまま一緒にいても意味がないのかもしれないと考え始めていました。 そんなある日のこと、疎遠になっていた母親から突然連絡が。すぐに要件を済ませてその場を離れようとした千鶴でしたが、母親のデリカシーのない言葉に激怒してしまいます。 そして掴みあいの喧嘩になりそうなところで母親から連絡をもらっていた幸宏が登場。これまで何度も自分を守ってくれた彼の優しさを思い出した千鶴は、家に戻ることにしました。 そしてお互いにとっての理想の未来は手に入らないのだと割り切り、「幸せな夫婦」として生きていく覚悟を決めたのです。

SNS等を中心に話題になった『夫婦は今日も子づくらない』ですが、本作にはさまざまな見どころが散りばめられています。あえて子どもを作らないことで最初は幸せにしていた夫婦が結婚して数年経ったある日、周囲の影響もあり心境が変化していく様子が、かなりリアルで思わず引き込まれます。 さらに、少子化が叫ばれていて選択的子なしを選ぶ夫婦が増えていることもあり、かなり今っぽいリアルなテーマに踏み込んでいるところも本作の見どころの1つとなっています。