漫画『おおきく振りかぶって』最新話まで全話ネタバレあらすじ＆感想！弱気エースが主人公の異色の青春野球漫画

ひぐちアサの『おおきく振りかぶって』は、卑屈で気弱なピッチャーが新設野球部で甲子園を目指す純度100％の青春野球漫画です。丁寧な描写が魅力の反面、ペースがゆっくりなことでも有名な作品ですね。 この記事では進捗が気になる『おおきく振りかぶって』最新刊までのネタバレありのあらすじや、お得に読む方法などを紹介していきます！

びっくりするほど気弱で自信のない三橋廉(みはしれん)は中学時代のトラウマを抱え、県外の西浦高校へ進学します。そこで創立したての野球部の捕手・阿部隆也(あべたかや)に実力を見出されることに。三橋が阿部の「本当のエースにしてやる」という言葉で一歩を踏み出す展開が熱いです！ 元チームメイトとの試合を経て、三橋はトラウマを克服すると同時に西浦のエースとなる覚悟を決めます。一方で阿部も過去の出来事から三橋を思い通りに動かそうとしていたことを改め、GW合宿を機にバッテリーとしてよい関係を構築しました。 そして初めての夏。県大会で西浦は去年の優勝校・桐青(とうせい)と当たります。

引き続き埼玉大会1回戦。初参加の10人しかいない、しかも女性監督チームとあって桐青は西浦をなめてかかっている様子です。その油断も手伝って、三橋は三振を量産。序盤は西浦ペースとなります。この展開はスカッとしますね！ しかし相手は強豪校。じわじわと追いつかれ、相手にリードを許したまま勝負は9回へ。西浦は表に粘りの1点追加でついに逆転！リードを守りきり、西浦初の公式戦は白星となりました。 勝利したもののチーム随一の実力者・田島悠一郎(たじまゆういちろう)が負傷。モモカンこと百枝まりあ監督は花井梓(はないあずさ)を4番に据え、2回戦の崎玉(さきたま)高校へ挑みます。

崎玉を3回コールドで下し、西浦は4回戦の港南高校にも6対3で勝利します。無名公立校の快進撃は注目を集め、彼らを徹底的に研究するチームも……。それが5回戦の対戦相手・美丞大狭山(びじょうだいさやま)高校です。 配球を完全に読まれ5点奪取を許し、さらに阿部がクロスプレーで負傷退場。必死に食らいつく西浦ナインですが、逆転はならず5回戦敗退となります。悔しい……！でもナインの成長が感じられる試合でしたね。 試合が終わり、選手たちは必死さが足りなかった、自分たちはまだまだだと自覚。全員1年生の西浦ナインは、初の大会で足りないものを知り、さらに成長しようと動き始めます。

16巻からはプロを目指す投手・榛名元希(はるなもとき)擁する武蔵野第一高校の試合の様子が描かれていきます。榛名は阿部がシニア時代にバッテリーを組んでいた投手で、阿部が投手不信を抱く元凶となった人物です。 武蔵野第一はベスト8で敗退。観戦していた阿部と三橋は榛名のもとを訪れ、阿部と榛名は和解します。速球を投げる榛名に憧れる三橋は、榛名との会話からおおきく振りかぶって投げることを決意します。タイトル回収きました！ 西浦は夏合宿へ。県外強豪校との練習試合は西浦ナインに新たな課題を示し、三橋もおおきく振りかぶるための投球フォーム改善を続けていきます。

西浦は秋季地区大会に挑みます。1回戦の相手は武蔵野第一。三橋の“まっすぐ”が武蔵野第一打線をしっかりと抑え、同点のまま9回へ。最後は運が味方して逆転勝ちを決めます。 三橋のさらなるフォーム改善のため、甲子園経験者でもあるモモカンの父がコーチとして参加することに。西浦は秋季県大会にコマを進め、初戦の相手が強豪・千朶(せんだ)高校に決まります。 三橋は投球時の踏み込み幅の修正練習を、試合前に独断でしてしまい……。これが吉と出るか凶と出るか不安なところです。 序盤は好調だった西浦ですが、独断練習のせいで三橋の制球が不安定に。6回で同点に追いつかれます。

三橋対策を徹底された6回、同点から大量得点を許しなんと7点ビハインドに。さらに千朶のエース登板で、西浦は7回コールド負けを喫してしまいます。 西浦ナインは中間テスト勉強会と並行して、フォーム安定化やメンタル強化などに着手。モモカン父の練習理論は読んでいてためになりました。 果たして特訓の成果は出るのか。次なる公式大会は近隣22校が参加する「4市大会」です。 予選を突破した西浦は、決勝トーナメント1試合目で崎玉と当たります。夏にコールド勝ちしていたため、西浦にはどこか余裕の雰囲気が漂いますが、崎玉はリベンジに燃えていました。

1点ビハインドで迎えた7回、西浦はようやく追いつきますが、8回で2点追加を許しての9回。1点は追いつくものの最後は見逃し三振でゲームセット。西浦の年内公式戦はこれですべて終わりとなります。 試合後は両校で食事会を開き、意見交換をしていました。1年のみの西浦にとっては、上級生のいる他校から学ぶことはかなり大きな糧になりそうですね。 33巻からは部員の日常生活や練習、翌年の体制を整えるためにスカウトに向かうナインたちの様子が描かれていきます。夏のベスト16が効いているようで、来年はそれなりの選手層になりそうです。ナインは入試休みを利用して、神奈川県強豪4校の視察にも実施していました。

強豪校視察で得た情報から、ナインは成功体験によるメンタリティ強化のための往復150キロ強歩を実施することに。埼玉から群馬にある三橋の祖父母宅まで往復168kmを歩くというものです。 悪天候もあってみんなボロボロになりながらも全員が強歩を完遂しました。できっこない課題をクリアしたことが自信になったのか、ナインそれぞれに好調の兆しが見え始め、まもなく4月がやってきます。

野球漫画であると同時に良質なヒューマンドラマを描いているのがこの「おお振り」です。ナインたちの日常が丁寧に描かれている点がまず大きな特徴です。 強豪校ではない新設野球部が少しずつチームになっていく姿に、ときにほっこり、ときに涙しながら胸動かされます！ 試合描写は1球ごとの読みあいが描かれ、その心理戦が読み応え抜群。丁寧な分、進みは遅いのですが、それも気にならないくらい三橋たちのことを応援したくなります。