『だから殺せなかった』最終回の犯人ネタバレ・全話あらすじ!ドラマと原作に違いはある?
第27回鮎川哲也賞優秀賞を受賞した⼀本木透による小説『だから殺せなかった』をWOWOWが連続ドラマ化。 新聞記者との紙上討論を要求し、ルールを破れば新たな殺人を犯すと予告する凶悪犯に対して、言葉の力で立ち向かう報道記者の姿を描く本作の結末はどのようなものなのでしょうか。 この記事では、ドラマ『だから殺せなかった』の結末までのネタバレあらすじを紹介!また、タイトルの意味の考察や、原作との違いも解説します。 ※本記事にはストーリーのネタバレが含まれているため、未視聴の人は注意してください。
【ネタバレなし】『だから殺せなかった』のあらすじ
太陽新聞社会部遊軍記者・一本木透(玉木宏)のもとに届いた一通の手紙。そこには「俺の殺人を言葉で止めてみろ」という文言とともに、首都圏を震撼させている無差別連続殺人の詳細が記されていました。 犯人は一本木を指名し、新聞上で公開討論を要求。新たな殺人を予告する犯人に対し、一本木は記者として言葉の力で立ち向かいます。 やがて連続殺人犯と新聞記者の前代未聞の対話は、劇場型犯罪として世間を揺るがしていきます。
第1話のあらすじ・ネタバレ
太陽新聞の経営陣は大規模なリストラを発表し、記者がリストラ対象となることを恐れた取締役・吉村隆一(渡部篤郎)は、社会部記者の一本木透に、過去の体験を記事にしてほしいと頼みます。 一本木は20年前、自分が書いた汚職事件のスクープによって容疑者の娘だった恋人(松本若菜)と別れ、その後、容疑者も自ら命を絶ったことを記事にします。 彼の記事が大きな反響を呼ぶなか、首都圏で起きた3件の殺人事件が同一犯によるものとわかり、連続殺人事件に発展。そんななか、一本木の記事を読んだ連続殺人犯から彼に一通の手紙が届きます。 人間をウイルスに見立て、自らを「ワクチン」と名乗る犯人は、「俺の殺人を言葉で止めてみろ」と、一本木に挑んできたのです。
第2話のあらすじ・ネタバレ
「ワクチン」から届いた手紙には、声明文に対する反論を載せなければ新たな殺人を犯す、と書かれていました。一本木は反論記事を書きつつ、独自に取材をすることに。被害者3人の共通点を探ると、全員家庭に問題を抱えていたことが判明します。 新聞上での討論は話題を呼び、太陽新聞の売上はV字回復。警察は内部の自作自演を疑います。一方、捜査二課の刑事・牛島(甲本雅裕)は、犯人が20年前の事件の関係者である可能性を考えていました。 そんななか、一本木は3件目の事件現場で大学生の江原陽一郎(松田元太)を見かけます。母の死後、両親と血が繋がっていないことを知った彼は、カウンセラーの小川万里子(高岡早紀)に悩みを相談をしていました。陽一郎を怪しんだ一本木は彼の家を訪ねますが、父親の茂(萩原聖人)に追い返されてしまいます。
第3話のあらすじ・ネタバレ
陽一郎が父・茂に詰め寄ると、子どもができずに悩んでいたとき、産婦人科医の石橋(古田新太)から、病院の前に赤ん坊が捨てられていると連絡を受け、引き取ることにしたと経緯を明かします。 万里子を介して一本木と面会した陽一郎は、両親と血の繋がりがないと知ってから、新聞上で「他人の不幸」を探して自分を慰めていたこと、その過程でワクチンに共感し事件に興味を持ったと身の潔白を主張します。 一本木との対話に苛立ったワクチンは「新たに誰かを殺害する」と予告し、一本木は彼を思いとどまらせようと反論記事を出しますが、やがて4件目の殺人事件が起こります。
第4話のあらすじ・ネタバレ
4件目の殺人が起こったことで、一本木は犯人を煽ったとマスコミから非難を浴びせられ、世間の声も厳しくなります。そんななか、ワクチンから新たな殺人予告が届きます。それは「因果応報」と書かれた殺人予告状を無作為に読者に送るというゲームでした。 その後、江原家と一本木の自宅に殺人予告が届きます。一本木は茂に呼び出され、ワクチンの正体に心当たりがあると打ち明けられます。 かつてワクチンと同じ封筒で手紙が届いたことがあり、送り主は陽一郎の実の父親で、子どもを返せと脅してきたのを無視していたとのこと。一本木は産婦人科医の石橋を訪ねますが、陽一郎の実の両親については何も話してもらえません。 そんななか、ワクチンから突然「終結宣言」が届きます。そして自分の名前は「毛賀沢達也」であり、全ては生物学的な実験で、自分が死ぬことでレジェンドになると記されていました。 やがて毛賀沢(酒向芳)の遺体が山中で発見され、警察は彼が一連の事件の犯人と断定しますが、違和感を覚えた一本木は独自に調査を続けます。
第5話のあらすじ・ネタバレ
一本木は4人目の被害者の息子が預けられている養護施設を訪ねます。父親から虐待を受けていた彼は、今もPTSDに苦しんでいるといいます。施設で見た写真から真犯人を確信した一本木は、相手を呼び出します。そこに現れたのは茂でした。 被害者4人は全員が子どもを虐待しており、子どもたちは養護施設に入っていました。茂自身もかつて父親から虐待を受け、施設で育ったため、子どもを虐待する父親たちに「因果応報」として殺人をくり返していたのです。 茂は、最後に毛賀沢を殺したのは彼が陽一郎の実の父親だからだと言います。彼は警察に逮捕され、一本木は彼との会話を記事にしました。 その記事のせいで陽一郎がマスコミに追われるようになり、一本木は責任を感じます。吉村に勧められて石橋のもとを訪れた彼は、一通の手紙を渡されます。それは茂が陽一郎に宛てた手紙でした。 そこには陽一郎の実の父親は毛賀沢ではなく一本木だと書かれていました。20年前に一本木の前から姿を消した琴美は陽一郎を出産し、石橋に彼を託して亡くなったのです。 茂は一本木が書いた記事を読んで、彼を最後の標的にしようとしていました。しかし彼を殺そうとした瞬間、陽一郎の顔が浮かんで殺せなかったのです。彼は最も憎い一本木に、最も愛する陽一郎の面影を見たのでした。 一本木は今度は陽一郎を守ると決意し、彼がボランティアをしている養護施設に向かいます。
【考察】タイトルの意味とは?
真犯人である江原茂は、陽一郎の実の父である一本木を連続殺人の最後に殺そうとしていました。 一本木は過去に汚職事件のスクープを出す際、容疑者である白石健次郎が自分の恋人・琴美の父であると知り、妊娠していた彼女に中絶を迫りました。しかし琴美はそれを拒否し、陽一郎を出産したあと、自ら命を絶っています。 茂はまだ生まれる前の陽一郎の命を奪おうとした一本木を、虐待の加害者と同じように考えていました。しかし彼を殺そうとした瞬間、その顔が陽一郎に似ていたことから「殺せなかった」のです。
ドラマと原作に違いはある?
『だから殺せなかった』のドラマと原作では、真犯人や事件の真相、陽一郎の実の父親が誰なのか、といった要素は、基本的に同じとなっています。 しかしドラマでは、松田元太演じる陽一郎は当初「怪しい人物」として登場します。殺人事件の記事をスクラップしたり、事件現場を訪れたり、そこで一本木に見つかって逃げ出したりと、怪しい行動の数々が目立ちます。 一方原作の陽一郎は、カウンセリングにも通っていませんし、事件現場にも足を運んでいません。さらに原作では、5つの章それぞれに「江原陽一郎のモノローグ」があり、そこで彼の環境や思いが綴られています。
『だから殺せなかった』最終回ネタバレ・全話あらすじを紹介
一本木透によるミステリ小説をドラマ化した『だから殺せなかった』。連続殺人犯と新聞記者の紙面上での対話は、劇場型犯罪として注目を集めていき、最後には驚きの結末を迎えます。 この記事では、ドラマ最終回までのネタバレあらすじ、タイトルの意味の考察、原作との違いを紹介しました。