漫画『イリオス』ネタバレあらすじ＆感想！【ギリシャ神話になぞらえた現代ヤクザの抗争劇】

ギリシャ神話をモチーフに現代日本のヤクザの苛烈な抗争を描いた漫画『イリオス』。コメディチックなファンタジー要素を織り交ぜた、予測不能なストーリー展開が魅力の作品です。 この記事では『イリオス』5巻までのネタバレあらすじを紹介！作品の見どころや各電子書籍サービスでの配信状況など、気になる情報も合わせてまとめていきます。

九州の任侠組織「伊莉雄会(いりおすかい)」亀松組の若頭パリス。ある日、彼は日本最大の任侠組織「朱維屋会(あかいやかい)」のパーティーに出席します。会場に集うのはいわば日本の頂点に立つ者たち。しかし、パリスには"自分たちの腹を満たすことしか考えていない薄汚い豚"のようにしか見えません。 そんな中、パリスは朱維屋会の巨大勢力「奴狙(めねら)組」組長の若妻エレネに目をつけ、連れ去ってしまいました。激怒した朱維屋会の会長崇目(あがめ)は「半神」と呼ばれる男アキレスにパリスを追跡させます。 パリスは人間離れした身体能力で追ってくるアキレスから必死の逃避行を繰り広げるのでした。

アキレスの投げた槍が突き刺さり、ヘリコプターもろとも新宿に墜落したパリスたち。アキレスの謎ルールのおかげでからくも生き延びますが、捜査網を厳重に敷かれていよいよ追い詰められてしまいます。しかしそんな中、パリスが"兄さん"と慕う粨(へくと)トオルが駆けつけて……。 奴狙組が粨を襲ったことにより、伊莉雄会と朱維屋会の全面戦争が勃発。パリスは高速道路を使って西に逃げますが、朱維屋会の面々が執拗に追いかけてきます。 そんな中、アキレスの運転する巨大ダンプに粨の車が押しつぶされてしまうのでした。

車を潰された粨の元に武装した朱維屋会のバイク集団が襲撃。粨は手負いの仲間を抱え劣勢を強いられるも、ヒットマンのパンダロスを連れた愛寧ヤスヒロの加勢を得てクルスを撃退。崇目は愛寧たちに「名古屋の二代目」シロウをぶつけ、パリスとの合流を妨害させます。 シロウと愛寧は熾烈な戦いを繰り広げ、途中までは愛寧が一歩リード。しかし突如として馬で頭上を駆け抜けていったアキレスに気を取られ、痛恨の一撃を喰らってしまいました。あわや絶体絶命というところで瀕死のパンダロスがシロウを引きつけ……。 パンダロスの犠牲と引き換えにパリスとの合流を目指す愛寧。一方、奴狙組に追われたパリスたちは浜松インターで高速を降りて直接対決に臨もうとしていました。

奴狙に直接対決を挑むも、圧倒的な戦力差を前に劣勢を強いられるパリスたち。建物の屋上を陣取って遠距離から奴狙を狙いますが、狙撃は失敗。乗り込んできた奴狙に追い詰められて重傷を負ってしまいます。怒り狂った奴狙に片目を潰されたエレネを抱え、もはや逃げることしかできません。 しかし、高速に乗って逃げようにも進路を封鎖されてしまい……。完全に打つ手を失ったと思われたその時。ようやく愛寧が彼らに追いつき、パリスに相棒の弓矢が渡されます。 さんざん奴狙に辛酸を舐めさせられたパリスに、反撃の時が訪れたのです。

エレネと共に相棒の弓を番え、運命を変える一矢を放ったパリス。矢は見事に奴狙の頭を貫き熾烈な戦いに終止符を打ちました。奴狙を失って混乱する追っ手の半分を愛寧に引きつけてもらい、パリスたちは再び高速に乗って粨の元へ向かいます。 粨は馬で追いついてきたアキレスと直接対決に。高速を駆け抜けながら両者互角の戦いを繰り広げているところにレイアが加わり2対1になります。レイアは粨からアキレスを引き離すも、調子に乗って片腕を欠損して……。 軍神に唆されたレイアはなおも立ち向かいますが、突如乱入したテルヨシに射殺されてしまいます。

ギリシャ神話を元にしたファンタジー設定と裏の世界を牛耳るヤクザという異色の組み合わせが魅力の本作。トロイア戦争になぞらえたヤクザの熾烈な抗争の様子が描かれています。 原典に登場するパリスは「美女の女神」を選んだことで周囲を戦争に巻き込みますが、本作の主人公は3人の女神のいずれも選んでいません。国と勝利、美女を全て手中に収めようとしているのです。 貪欲な選択をした主人公は原典とは違う運命をもぎ取れるのか。予測不能な物語から目が離せません！