アニメ『全修。』元ネタ・内容を全話ネタバレ解説!原作はある?【MAPPA】

『全修。』は2025年1月クールで放送のMAPPA制作オリジナルTVアニメです。アニメーション制作の裏側を描くお仕事系アニメかと思いきや、天才アニメーターがアニメの中に転生してしまう異色の異世界転生ものとして話題を集めています。 本記事ではアニメ『全修。』のあらすじを紹介すると共に、原作や元ネタ情報、声優情報などを解説していきます!
オリジナルTVアニメ『全修。』概要

アニメ『全修。』は2025年1月5日から放送スタートのオリジナルアニメ。MAPPA制作のアニメとして注目を集めています。 TVではテレ東系列、BSテレ東、T-Xにて放送。配信サービスでは、最速配信となるPrime Videoのほか、主要の各種配信サービスにて順次配信されています。 タイトルの「全修」はアニメ制作現場で使われる業界用語。全部修正、つまりオールリテイクの意味です。主人公は新進気鋭のアニメ監督として新作に打ち込む広瀬ナツ子。 優秀なアニメーターである彼女が、かつて大好きだったアニメ映画の世界の中に入ってしまう……というアニメ業界×転生という異色の組み合わせが放送開始直後から話題となっています。
『全修。』はMAPPA制作!原作はある?

『全修。』はオリジナルアニメなので、原作はありません。原作は山﨑みつえ、うえのきみこ、MAPPAが担当。 監督も手掛ける山﨑は、これまで『ダンベル何キロ持てる?』や『魔王城でおやすみ』などで監督を担当。彼女はマッドハウスでの制作進行からキャリアをスタートさせ、キャラクター原案や演出など多岐にわたる業務に携わってきた人物です。 脚本を手掛けるうえのは、2024年放送アニメでは『ダンジョン飯』や『らんま1/2』、『アストロノオト』のシリーズ構成・脚本を担当。 キャラクター原案・世界観設定は「天外魔境」シリーズで知られる辻野芳輝、キャラクターデザイン・総作画監督は「アイカツ」シリーズで知られる石川佳代子が手掛けています。
『全修。』あらすじ内容

主人公・広瀬ナツ子はスタジオコンコンでアニメ監督・アニメーターとして働く前髪が伸び切った22歳。初監督作品が社会現象を巻き起こすほどのヒットを記録し、彼女はあっという間に世間が注目するアニメ監督に。当然、次回作となる劇場アニメ『初恋 ファーストラブ』にも注目が集まります。 ところが、彼女は初恋もまだ。ラブコメ作品の制作に行き詰まり、孤独に苦悩する彼女は、傷んでいた弁当を食べて倒れます。 ナツ子が目を覚ますと、そこは砂漠でした。見覚えのある敵やキャラクターが次々と現れ、彼女は9歳の頃から大好きだったアニメ映画『滅びゆく物語』の世界にいることに気づきます。 この先の映画の展開を知っているナツ子は、描いたものが具現化する不思議な力で、『滅びゆく物語』の“修正”に挑むことになるのでした。
『全修。』1話ネタバレ・元ネタ解説

アニメ映画『滅びゆく物語』の世界で、精鋭部隊ナインソルジャーと出会ったナツ子。映画の主人公ルーク・ブレイブハートやその仲間たちに、敵のヴォイドに襲われたところを助けられたナツ子は、この後の展開で街が無数のヴォイドに襲撃されることを思い出します。 本来のアニメでは、ルークの相棒ユニオがこの戦いで自らを犠牲にし、それをきっかけにルークは闇落ちルートへ……。 その通りになってしまうのかと思いきや、突然、ナツ子が現実世界から持ってきていたアニメタップ(セルや作画用紙を固定する道具)が、彼女に「描け」と語りかけるのでした。 混乱しながらも、ナツ子が状況を打開するための“修正案”を思いつくと作業机が出現。ナツ子が『風の谷のナウシカ』巨神兵風の巨人を描くと、それが具現化しヴォイドの一掃に成功します。
1話の元ネタは「ナウシカ」
1話の元ネタはわかりやすく、ナツ子が描いた巨人が「ナウシカ」の巨神兵そのものの姿をしています。 虫のようなヴォイドをレーザーで焼き払うシーンは、元ネタで王蟲の群れを一掃する場面そのものです。とはいえ、デザインがスタイリッシュになっていたり、火を噴く部分も変更されていたりと、変更点はいくつかあります。 また登場人物が「バル……」と呪文を言いかける場面があり、これは『天空の城ラピュタ』の「バルス」が元ネタなのではないか、と視聴者の間で推測されています。
作品の年代にあわせて作画変えてきてる!セルっぽい絵が懐かしい!
『全修。』2話ネタバレ・元ネタ解説

前回の活躍もあり、ナインソルジャーへの加入の打診を受けたナツ子。彼女はこれを一度は断るものの、この世界のご飯に胃袋を掴まれた結果、最後の街をルークたちと共に守ることを決意します。 本来の展開では、飛行型のヴォイドが襲来して壊滅的ダメージを受けることに。ナツ子の情報をもとに街が対策を講じる中、ヴォイドが襲来します。 ナツ子は前回の巨人兵を描こうとしますが、新作を描かないといけないことが判明。無数の空飛ぶヴォイドに対しナツ子はミサイルを描き、今回も街の救世主となりました。 そのミサイル演出は「板野サーカス」と呼ばれる『伝説巨神イデオン』や『超時空要塞マクロス』で知られる戦闘表現。なんと2話ではクレジットに「板野サーカスパート 絵コンテ・3DCG監修 板野一郎」の文字が!まさかの本家を召喚した演出が話題となりました。
2話の元ネタは「板野サーカス」
2話の元ネタである「板野サーカス」は、ミサイルなどの高速で動く物体を高速で動くカメラでとらえたように描く技法のことです。基本的には大量のミサイルが出てくるケースが多いですが、最大の特徴は動きのなめらかさ。「サーカス」と呼ばれているのも、空中曲芸を連想させるからです。 ナツ子が描いたミサイルがヌルヌル動いてヴォイドを殲滅していく様子は非常に迫力があります。本家である板野一郎が「板野サーカスパート」を手がけているとあって、クオリティは間違いありません。
元ネタはよくわかってないけど、レトロっぽくてエモい。ナツ子は勇者と恋するのか気になる。
『全修。』3話ネタバレ・元ネタ解説

収穫祭の時期を迎え、ナインソルジャーも束の間の休暇を楽しむことに。それぞれがリフレッシュする中、ルークは町長の娘であるデステニーと出会います。 本来であればルークとデステニーは恋に落ちますが、ナツ子の存在が物語に影響を与えており、デステニーもナツ子のほうにすっかり懐いてしまうのでした。 そんな中、本編ではもう少し先に起こるはずだった「司祭に偽装したヴォイドによる襲撃」が前倒しで発生してしまいます。 今回もヴォイドを倒すため、ナツ子は「サーバルキャットマスク」という最強のプロレスラーを編み出しました。次々と繰り出される見ごたえたっぷりのプロレス技から目が離せません!
3話の元ネタは「タイガーマスク」
「サーバルキャットマスク」の元ネタは、原作・梶原一騎氏、作画・辻なおき氏による漫画『タイガーマスク』。孤児院出身の主人公が、プロレスラーとして大成していく物語です。 ローリングソバットやモンゴリアンチョップといったタイガーマスクの持ち技も、作中で見事再現されています。さらに、デステニーの孤児院創設の夢とタイガーマスクの設定も絡められていると思われます。 ちなみに「サーバルキャット」というワードから、アニメ『けものフレンズ』を連想した視聴者も少なくないようです。
肉弾戦の表現もかっこいい!デステニーがかわいすぎてドキドキしてしまう……。
『全修。』4話ネタバレ・元ネタ解説
エルフのメメルンの様子がおかしいことに気付き、動向を探っていたナツ子は、彼女が「ヴォイド教」として「超空洞ヴォイド」を復活させすべてを滅ぼそうとしていると知ってしまいます。 実はメメルンは長い寿命を持つゆえ、終わりなき戦いに疲弊しきっており、大切な仲間をこれ以上失いたくないと考えていました。だからこそ、すべてを終わらせようという考えにたどり着いたというのです。 止める間もなくヴォイド教の儀式が始まってしまいますが、ナツ子は最悪の事態を食い止めるため「超実在イグジスト」を生み出しました。 男性アイドルのようなビジュアルのイグジストは、アニメーションのため死ぬことがありません。その魅力にとらわれたメメルンたちは、彼らをずっと推し続けると誓い、改心するのでした。
4話の元ネタは「うた☆プリ」
4話で登場した超実在イグジストの元ネタは、大人気アイドルアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪』。ナツ子がかつてかかわった作品として「うた☆メン(歌うメンズアイドル)」という名前が出てきているので、まず間違いないといえるでしょう。 キラキラと笑顔を振りまきながら歌って踊る姿は、まさにアイドルそのもの。儀式の最中に現れたため若干浮いていましたが、そのシュールさもまたクセになります。ちなみにイグジストを演じているのも、「うたプリ」で一ノ瀬トキヤ役を演じていた宮野真守です。
突然始まるアイドルアニメにちょっと笑ってしまった。声優までオマージュしてるとは、すごいこだわり具合!
『全修。』5話ネタバレ・元ネタ解説
特別な能力でヴォイドを倒しまくっているナツ子は、とにかく絶好調です。今回はいきなり『セーラームーン』『グレンラガン』『ドカベン』などのオマージュを次々繰り出し、向かってくる敵を圧倒していきます。 そんな中、デステニーに頼まれて孤児たちに食事を届けることになったナインソルジャー。そこでルークはいまや落ちぶれた元ナインソルジャー・ジャスティスとの再会を果たしました。 ジャスティスはかつての自分と重ねているのか、調子に乗り始めているナツ子に忠告します。しかし彼女はまともに取り合わず、考えを改めようとはしません。 そんな中、新型のヴォイドが現れ、いつものようにキャラを生み出したナツ子ですが、その攻撃が通用せず大ピンチに陥ってしまいます……。
5話の元ネタは「セーラームーン」「グレンラガン」など多数
5話の冒頭には『スケバン魔法少女 暗黒学園』という架空のアニメが登場しますが、これは『セーラームーン』と『スケバン刑事』のパロディ。キラキラした特徴的な変身シーンや、鎖(元ネタではヨーヨー)で戦う姿がスタイリッシュに再現されています。 そのほか、『天元突破グレンラガン』を思わせるロボットアクション、『ルパン三世』の石川五ェ門を思わせる侍キャラの登場など、パロディが盛りだくさんの回でした。
いきなりパロディ盛りだくさん!スケバン魔法少女、普通に観たい。
『全修。』登場人物・声優解説
広瀬ナツ子:永瀬アンナ

本作の主人公・広瀬ナツ子。他人を信用しておらず、集中すると周りが見えなくなるタイプです。上がってきた絵コンテにも躊躇なく全修(オールリテイク)を出したうえで、自分でやった方が早いと巻き取っていました。 顔が隠れるほどの長い前髪は、劇場アニメの絵コンテが終わるまでは切らないという願掛けによるもの。食べることが大好きで、ナインソルジャーにも街の食事を守るために加入を決めています。 演じるのは永瀬アンナ。『サマータイムレンダ』の小舟潮役に抜てきされ、一躍有名に。同役で第17回声優アワード新人声優賞も受賞しました。ほかに『呪術廻戦』の天内理子役や『多数欠』の藤代紗綾役などで知られています。
ルーク・ブレイブハート:浦和希

ルーク・ブレイブハートは映画『滅びゆく物語』の主人公です。この世界を成す9つの世界のうち、光の国出身の18歳。 代々勇者の家系の生まれで、作中では伝説の勇者として登場。各国の精鋭を集めたナインソルジャーのリーダー的存在で、代々受け継いできたキングブレイブソードを武器に戦います。初恋は未経験で、趣味は料理。力を使って倒れたナツ子に、毎回手料理を振る舞っています。 ルーク役を演じるのは浦和希(うらかずき)。初主演の『ブルーロック』潔世一役が当たり役となり、第18回声優アワードで主演声優賞を受賞しました。2025年夏アニメ『桃源暗鬼』の主人公・一ノ瀬四季役も決定しています。
ユニオ:釘宮理恵

ユニオはユニコーンのような姿をしたナインソルジャーの一員。獣の国出身で、ルークの守護獣として生まれたときから彼を守り続けています。ルークにとっては相棒であり親友。仲間を背中に乗せるときは、デフォルメされた3頭身の姿から、リアルなユニコーンの姿になります。 ナンパが趣味で、仲間のエルフにもしょっちゅう声をかけていますが相手にしてもらえていません。それでもめげない、ナインソルジャーのムードメーカー的な存在です。 ユニオ役を演じるのは釘宮理恵(くぎみやりえ)。『銀魂』の神楽役や『ハヤテのごとく!』の三千院ナギ役などが有名。ユニオ役では『FAIRY TAIL』のハッピーのようなマスコットくぎゅボイスを楽しめます。
メメルン:鈴木みのり

メメルンはナインソルジャーの一員のエルフ。数百年を生きており、緑の髪が印象的なクール系美女です。魔法を得意としており、戦闘時は魔法の弓での後方支援を担当。 彼女はクールな見た目通り口数が少なく、常に冷静沈着です。感情が表に出てこないので、いまいち何を考えているかわかりません。初恋ははるか昔に忘れており、趣味はなし。街では聖歌隊にも参加しています。序盤では描写が少なく、謎の多いキャラクター。 そんなメメルン役を演じるのは鈴木みのりです。オーディションで射止めた『マクロスΔ』のフレイア・ヴィオン役でデビューを果たしました。2023年の『ポケットモンスター』では主人公の1人・リコ役も演じています。
QJ:陶山章央

QJは機械仕掛けの国出身のナインソルジャーメンバー。情報収集の分析が主な役割で、ヴォイドが来ることを察知する能力があります。しかし、肝心なヴォイド襲来時はスリープモードになっていることが多く、ユニオからはポンコツ扱いされています。 特技は天気予報で、趣味は畑での野菜作り。自称ブレインですが、切れ者というよりもどちらかというと仲間を気遣い優しく見守るナビゲーターキャラ。土偶っぽいビジュアルに、キャラクター原案・ 辻野芳輝を感じるファンも多いのでは。 QJ役を演じるのは陶山章央(すやまあきお)です。渋いハスキーボイスが持ち味で、『サクラ大戦』の大神一郎役や『超者ライディーン』の鷹城電光役などが有名。
『全修。』の評価・感想
1話はお仕事アニメじゃないんだと思って、気づいたら終わっていました。2話は御本人登場の板野サーカスでテンション上がり、3話はタイガーマスク。世代ではないけど、元ネタ知りたいから古き良きアニメをもっと観ようかなと思っています。今どきのおしゃれアニメを期待して観るとがっかりするかも?
(20代男性)
毎話、後半でゴリゴリの戦闘シーンきて、MAPPAの戦闘シーン大好きオタクとして大歓喜。ちょっと古くさい映画の中の設定や展開も、子供の頃みた再放送アニメ感があっておもしろい。最終的にどこに着地するのか、全修したら映画の住人たちはどうなっちゃうのか、このあたりを期待して観ていきたい!
(30代女性)
1月期の覇権候補?アニメ『全修。』の今後の展開に注目!
アニメ『全修。』について紹介しました。今後も往年の名作アニメを元にしたおもしろいネタが待っていそうな『全修。』。今後どんな展開や作画で楽しませてくれるのか注目です!