【ネタバレ】映画『ANORA アノーラ』は実話?アカデミー賞6部門ノミネートの現代風シンデレラストーリーのあらすじを解説

カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを獲得し、アカデミー賞でも6部門にノミネートされている『ANORA アノーラ』。現代のシンデレラストーリーのその先を描く作品として高い評価を獲得しています。 この記事では、『ANORA アノーラ』のネタバレあらすじなどを紹介します。
映画『ANORA アノーラ』作品概要・あらすじ
タイトル | 『ANORA アノーラ』 |
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公開日 | 2025年2月28日 |
上映時間 | 139分 |
監督 | ショーン・ベイカー |
キャスト | マイキー・マディソン , マーク・エイデルシュテイン , ユーリー・ボリソフ |
映画『ANORA アノーラ』のあらすじ
ニューヨークでストリップダンサーとして働くアニーことアノーラ(マイキー・マディソン)。ある日彼女は、店にやってきたロシアの大富豪の御曹司イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)と出会います。彼はアノーラを気に入り、ロシアに帰るまでの間、1万5000ドルの報酬で「契約彼女」になることに。 パーティにショッピングにと贅沢三昧の日々を過ごした2人は、その締めくくりとしてラスベガスへ。そこで衝動的に結婚してしまいます。 しあわせの絶頂にいたアノーラでしたが、ロシアにいるイヴァンの両親は息子が娼婦と結婚したと聞いて激怒してしまい……。
【ネタバレ】 映画『ANORA アノーラ』の結末までのあらすじ
【起】ロシアの御曹司と結婚!

ニューヨークのクラブでストリップダンサーとして働いているアニーことアノーラ(マイキー・マディソン)。ある日彼女はロシア語が理解できるという理由で、店を訪れたロシアの大富豪の息子イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)の相手をすることになります。 イヴァンは彼女を気に入り、それから毎日アニーを指名。その後、イヴァンはアニーにアメリカにいる間自分の「専属」になってほしいと提案します。1万5000ドルの報酬で引き受けることにしたアニーは、その日からイヴァンとともにパーティにショッピングにと贅沢三昧の日々を過ごします。 イヴァンがロシアに帰る日が近づき、2人は仲間たちとともにラスベガスへ遊びに行くことに。ロシアに帰りたくないイヴァンは、アニーと結婚すればアメリカ人になれると言い、2人は勢いで結婚しました。
【承】イヴァンの逃亡

ニューヨークに戻ってきた2人でしたが、イヴァンはどうやら家族に結婚したことを報告していないようでした。 一方、イヴァンの両親の部下たちは、イヴァンが「娼婦」と結婚したという噂を耳にします。真相を確かめるため彼らが家にやってくると、イヴァンは逃げ出し、アノーラは取り残されてしまいました。 状況を報告すると、イヴァンの両親は激怒。イヴァンの親の部下たちはアノーラにイヴァンと離婚するように迫ります。しかし彼女は激しく抵抗し、家の中をめちゃくちゃにしてしまいます。その後、一向に行方の知れないイヴァンを探すため、彼らは車に乗ってニューヨーク中を走り回ることに。
【転】ブチギレ両親が到着

ようやくイヴァンが見つかったのはアニーがかつて勤めていたクラブでした。しかし彼は泥酔状態で、自分で立って歩くことすらできません。 ほどなくしてロシアからイヴァンの両親が到着。イヴァンの母はアニーを「娼婦」呼ばわりし、離婚するなら裁判を起こして財産を半分もらうというアニーに、そんなことをすれば裁判を長引かせて一文無しにしてやると脅してきます。 そして裁判所に到着するも、2人が結婚したのはラスベガスのため、ニューヨークで婚姻無効手続きをすることはできず、一行はラスベガスへ向かうことに。
【結末】アニーよりもアノーラのほうがいい

飛行機に乗りたがらないアニーはイヴァンに詰め寄りますが、彼はすでに離婚する意志を固めていました。 そしてラスベガスで婚姻無効手続きを済ませ、イヴァンはそのまま両親とともにロシアに帰国します。アニーはその晩はイヴァンの家で過ごし、翌日自分の家に帰ることになりました。 イヴァンの両親の部下の1人であるイゴール(ユーリー・ボリソフ)がアニーに付き添います。夜、アニーがテレビを見ていると、イゴールは彼女を慰めるように話を振ってきます。 翌日。イゴールはアニーを車で彼女の家まで送りました。そこで彼は「アニーよりアノーラのほうがいい」「いい名前だ」と言います。アニーはお礼のつもりかイゴールに愛撫しはじめますが、彼の力強い手はそれを制止。そしてアノーラは彼の胸で泣き崩れるのでした。
映画『ANORA アノーラ』は実話?

『ANORA アノーラ』はフィクションで、実話ではありません。 日本版のキャッチコピーが「おとぎ話?ううん、現実(リアル)」となっているため実話ベースと勘違いしやすいかもしれませんが、本作はシンデレラストーリーのその先の過酷な現実を描いているので、このキャッチコピーになっているのでしょう。 コミカルな雰囲気のなかに、セックスワーカーが直面する困難も織り交ぜられ、綺麗事では済まされない現実を描いているのです。
映画『ANORA アノーラ』キャスト・登場人物解説
アニー(アノーラ)役/マイキー・マディソン

ストリップダンサーとして働くアニーことアノーラ。ロシア系アメリカ人で、祖母が英語をしゃべれなかったためロシア語が少し理解できます。ロシア語が通じることと、その魅力でロシアの御曹司であるイヴァンに気に入られ、「契約彼女」として1週間一緒に過ごすことに。 アノーラを演じるマイキー・マディソンは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2021年)や『スクリーム』(2022年)で注目を集めた注目の若手俳優。本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされています。
イヴァン役/マーク・エイデルシュテイン

ロシアの御曹司のイヴァンはアノーラを気に入り、アメリカに滞在する1週間「専属」になってほしいと申し出ます。パーティやショッピングなどに惜しみなく金を使う、甘やかされた子どものような男性です。 イヴァンを演じるのはマーク・エイデルシュテイン。第71回ベルリン国際映画祭でプレミア上映されたユリア・トロフィモヴァ監督の『Strada Sasha』(2022年)やロシアの人気テレビシリーズ『The Monastery』(2022年〜)などの注目作に多数出演しています。
映画『ANORA アノーラ』監督・スタッフ解説
監督・脚本:ショーン・ベイカー

画像右 『ANORA アノーラ』の監督と脚本を務めたのは、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017年)などで知られるショーン・ベイカーです。 インディーズ映画のを数多く制作しており、この20年で8本の長編映画を生み出しています。前作や『レッド・ロケット』(2021年)は第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映されるなど、注目の映像作家です。 本作ではカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得しました。
映画『ANORA アノーラ』の日本公開日は2025年2月28日!
シンデレラストーリーのその先の現実を描き、強い女性たちにエールを送る『ANORA アノーラ』。主人公アノーラの生きざまに勇気をもらえること間違いでしょう。 『ANORA アノーラ』は2025年2月28日日本公開です。