2025年アカデミー賞を解説！第97回でノミネートされた注目映画は？オスカーの行方を徹底予想

映画界最高の栄誉とされるアカデミー賞。もちろんノミネートされるだけでも大きな名誉ですが、世界中から選りすぐりの作品がその栄冠をめぐって、競い合います。 この記事では、2025年の第97回アカデミー賞のノミネート作を一覧で紹介します。また、特に注目の作品もチェックしていきましょう。

今年のアカデミー賞授賞式は、日本時間3月3日(月)にハリウッドのドルビー・シアターで行われます。 ホストを務めるのは、コメディアンのコナン・オブライエン。そのほかプレゼンターとして前年の受賞者たちが登壇するのが慣例です。

日本からは、映像ジャーナリストの伊藤詩織が、自身が受けた性暴力について調査に乗り出す姿を追った『Black Box Diaries』が長編ドキュメンタリー賞にノミネート。 また日本の小学校教育を題材にした山崎エマ監督の『Instruments of a Beating Heart』が短編ドキュメンタリー賞にノミネートしているほか、西尾大介監督の『あめだま』が短編アニメーション賞の候補になっています。

大人気ブロードウェイミュージカルを映画化し、本国アメリカでは2024年11月22日に封切られた『ウィキッド ふたりの魔女』。公開6週目で、世界興行収入が6億3437万ドルを突破し、ミュージカル映画の歴代記録を更新しました。 興行面でも批評面でも大好評の「ウィキッド」。前後編の前編となる本作は、作品賞のほかシンシア・エリヴォが主演女優賞、アリアナ・グランデが助演女優賞にノミネートされていることにも注目です。

『エミリア・ペレス』は、元麻薬王が女性となって新しい人生を生き直す姿を描くミュージカルです。スペイン・フランス合作で、国際長編映画賞にもノミネートされています。 主演のカルラ・スフィア・ガスコンは、トランスジェンダーとして初めて主演女優賞にノミネート。しかしその後、彼女はX(旧Twiiter)での過去のヘイト発言で炎上しており、この件が賞レースに不利に働く可能性も。 逆風のなかでの健闘に期待です。

『インディ・ジョーンズと運命のダイアル』(2023年)や『LOGAN/ローガン』(2017年)などのジェームズ・マンゴールドがメガホンをとり、ティモシー・シャラメが若き日のボブ・ディランを演じた『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』。 青春音楽劇として、伝記映画として、生ける伝説ボブ・ディランが時代の寵児になっていく過程を描く本作は、役作りのために9kg増量したというシャラメの演技にも注目です。

ローマ法王の死去に伴い、新たな教皇を決める選挙“コンクラーベ”が行われる『教皇選挙』。世界中から枢機卿が集まるなか、閉ざされたシスティーナ礼拝堂で、権力を巡る熾烈なパワーゲームがくり広げられます。 主演のレイフ・ファインズをはじめ、実力派キャストが集結した本作。メガホンをとったのは『西部戦線異状なし』(2022年)のエドワード・ベルガー。ゴールデングローブ賞では、ピーター・ストローハンが脚本賞を獲得しています。

ホロコーストを生き延び、アメリカに渡った建築家ラースロー・トートをエイドリアン・ブロディが演じた『ブルータリスト』。数々の困難に見舞われながら、アメリカンドリームを手にしていくトートの光と影を映し出します。 本作はヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映され、銀獅子賞を獲得。ゴールデングローブ賞では、作品賞(ドラマ部門)、主演男優賞(ドラマ部門)を受賞しています。 アカデミー賞では、『ウィキッド ふたりの魔女』と並び、10部門にノミネートされています。

突出した作品がなく、横並びの状態となっている第97回アカデミー賞。いったい栄冠は誰の頭上に輝くのでしょうか。日本ではまだ公開されていない作品も多いので、これから鑑賞する作品選びに役立つかもしれませんね。 アカデミー賞授賞式は、日本時間3月3日朝9時からです。