映画『ブルータリスト』のあらすじ・キャストは?タイトルの意味を解説
![『ブルータリスト』](https://images.ciatr.jp/2025/02/w_1000/NS7l4enJiI8ly8F8WbOwI536xP0fgr3yiWolJUUX.jpg)
アメリカンドリームを追うユダヤ人建築家の半生を描いたアカデミー賞10部門ノミネートの注目作『ブルータリスト』。この記事では、本作のあらすじをネタバレありで解説し、感想・考察の他、キャスト・スタッフを紹介します。
映画『ブルータリスト』の公開日はいつ?
公開年 | 2025年2月21日 |
---|---|
上映時間 | 215分 |
メインキャスト | エイドリアン・ブロディ , ガイ・ピアース , フェリシティ・ジョーンズ |
監督 | ブラディ・コーベット |
『戦場のピアニスト』(2002年)のエイドリアン・ブロディがホロコーストを生き延びたハンガリー系ユダヤ人建築家ラースロー・トートを演じ、第97回アカデミー賞で10部門にノミネートされている『ブルータリスト』。 2024年度の賞レースでは第81回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞、第82回ゴールデングローブ賞で作品・監督・主演男優賞の3冠を獲得している、アカデミー賞大本命の注目作です。
タイトル『ブルータリスト』の意味・由来
タイトルの『ブルータリスト』は、“荒々しい”という意味の「Brutal」と接尾辞の「-ist」を合わせた言葉であり、建築様式の「ブルータリズム」が元になっています。ブルータリズムは1950年代から出現した建築様式で、コンクリートを多用し装飾を排した簡素で大型の建築物がその特徴です。 まさに荒々しさがブルータリズムの代名詞であり、ここにラースローの建築への情熱が込められているよう。接尾辞のistは~主義者や専門家といった意味があります。
映画『ブルータリスト』のあらすじ
![『ブルータリスト』](https://images.ciatr.jp/2025/02/w_828/WufXG2xR6KyWHgqdqViw1JTP1nOpYoBRhycvNRSD.jpg)
第2次世界大戦のホロコーストを生き延びたものの、妻のエルジェーベト(フェリシティ・ジョーンズ)と姪のジョーフィア(ラフィー・キャシディ)と引き離されてしまった建築家ラースロー・トート(エイドリアン・ブロディ)。 家族と新しい生活を始めようとアメリカへ渡ったラースローは、そこで実業家のハリソン・ヴァン・ビューレン(ガイ・ピアース)と出会います。 ラースローのハンガリーでの実績を知ったハリソンから、長期雇用での設計・建築を依頼されますが、異文化の地アメリカでの作業は困難を極めるのでした。
映画『ブルータリスト』の海外評価・感想
![ブルータリスト](https://images.ciatr.jp/2025/02/w_1000/KqbswAYCMdPx89Z6XyosFw0ORewbJapLrMU1qSBW.jpg)
![吹き出し アイコン](https://images.ciatr.jp/2021/12/original/gWeZftxsmRdTRmTmbyUqLGifaII6kzY66blqbd8d.webp)
215分と3時間半近くもある大作で、途中15分のインターミッションもありますが、それすらも作品の一部!時間を忘れるほどの圧倒的な映像と音響、情熱たぎる建築家ラースロー・トートの半生を見せつけられます。
![吹き出し アイコン](https://images.ciatr.jp/2021/12/original/uhJforqBZWdAHH2UAakAEuvKwruwred27Mt7TXNn.webp)
ホロコーストを直接描くわけではなく、アメリカンドリームを追う移民が体験するカルチャーギャップを描きつつ、背景にホロコーストの爪痕も残している。あらゆる意味で野心的で型破りな作品です。
【実話?】ユダヤ人建築家・ラースローは実在する?
![『ブルータリスト』](https://images.ciatr.jp/2025/02/w_828/E3f19fPKbaJonKKYNJSfL2AuXt8TYsuYLzkyzwqW.jpg)
本作の主人公ラースロー・トートは実在の人物ではなく、この物語はフィクションですが、モデルに近い人物は存在しています。それは、ブルータリズムの先駆者として知られる建築家マルセル・ブロイヤーです。 ブロイヤーはハンガリー出身のユダヤ人で、モダニズム建築を推進したドイツの美術学校「バウハウス」出身の建築家。1930年代にドイツでナチスが台頭するとイギリスに移住し、1944年にアメリカの市民権を取得しました。 代表的な建築物はパリのユネスコ本部や旧ホイットニー美術館など。ラースローとの共通点は他にも、妻との関係性やアメリカで経験した反ユダヤ主義も挙げられます。ブルータリズムは70年代のポストモダニズムの台頭で衰退しましたが、近年改めて再評価されていました。
映画『ブルータリスト』のキャスト・登場人物
ラースロー・トート役/エイドリアン・ブロディ
ユダヤ人大虐殺のホロコーストを生き延び、アメリカンドリームを追って渡米したハンガリー系ユダヤ人建築家ラースロー・トート。文化やルールの違いに直面しながらも、情熱的に家族と建築に向き合います。 演じるのは、『戦場のピアニスト』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディ。近年は『アステロイド・シティ』(2023年)などウェス・アンダーソン監督作に出演しています。
ハリソン・ヴァン・ビューレン役/ガイ・ピアース
![『ブルータリスト』](https://images.ciatr.jp/2025/02/w_828/wFh3LlilGWXRk0kpUDX00r4dmR3a55XZojiShRDV.jpg)
ラースローの輝かしい実績と才能を買って仕事を依頼するアメリカの実業家ハリソン・ヴァン・ビューレン。演じるのは、『L.A.コンフィデンシャル』(1997年)や『メメント』(2000年)で知られるガイ・ピアースです。
エルジェーベト・トート役/フェリシティ・ジョーンズ
![『ブルータリスト』](https://images.ciatr.jp/2025/02/w_828/pAMFcNHHHSVIOS8l3AkKSuZHMEOGok9BWKyD0Bkd.jpg)
ラースローの妻エルジェーベトを演じるのは、『博士と彼女のセオリー』(2014年)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズです。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)の主人公ジン・アーソ役でも知られています。
ハリー役/ジョー・アルウィン
ハリソンの息子ハリー・ヴァン・ビューレンを演じるのは、イギリス出身の俳優ジョー・アルウィンです。『女王陛下のお気に入り』(2018年)や『憐れみの3章』(2024年)などヨルゴス・ランティモス監督作に出演しています。
ジョーフィア役/ラフィー・キャシディ
![『ブルータリスト』](https://images.ciatr.jp/2025/02/w_828/5vRB9ujbRJO8q5mj0vBf1Wk3hLNEk9NhPyez4BAF.jpg)
ラースローの姪ジョーフィアを演じるのは、イギリス出身の俳優ラフィー・キャシディです。ブラディ・コーベット監督の『ポップスター』(2018年)では、ナタリー・ポートマン演じる主人公の娘役で出演しています。
映画『ブルータリスト』の監督・脚本はブラディ・コーベット
本作の監督を務めるのは、アメリカ出身のブラディ・コーベット。俳優や声優として活動した後、2016年に脚本・製作も務めた『シークレット・オブ・モンスター』で監督デビューを飾りました。 『シークレット・オブ・モンスター』では第72回ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門で監督賞・初長編作品賞を受賞。ナタリー・ポートマンを主演に迎えた『ポップスター』でも監督・脚本・原案を担当し、若くして富と名声を手にしたポップスターの数奇な半生を描きました。 コーベットは若干38歳、新進気鋭の鬼才とされ、シニカルで過激な作風が特徴。本作でその才能が開花したのは間違いなさそうです。
映画『ブルータリスト』の公開日は2025年2月21日
3時間半という長時間ながら、圧巻の構成と演技で情熱をたぎらせる話題作『ブルータリスト』。日本での劇場公開は2025年2月21日から!ぜひ劇場でラースローの半生を追いかけてみてください。