【ネタバレ】映画『終わりの鳥』最後ゾラは死んだのか?生と死の物語の結末を考察

「死」をテーマに、観る者の心をかつてない手法で深く揺さぶる『終わりの鳥』は、2025年4月4日に日本公開!A24が贈る本作は、死期を告げる奇妙な鳥「デス」と、余命僅かな少女の出会いから始まります。 この記事では『終わりの鳥』のネタバレあらすじを紹介・考察していきます。
映画『終わりの鳥』のあらすじ【ネタバレなし】
公開年 | 2025年4月4日(日本) |
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原題 | 『Tuesday』 |
制作会社 | Wild Swim Films/Gingerbread Pictures/Record Player Films |
監督 | ダイナ・O・プスィッチ |
キャスト | ジュリア・ルイス=ドレイファス , ローラ・ペティクルー , リア・ハーベイ , アリンゼ・ケニ |
大病を患った15歳の少女・チューズデーの前に、言葉を操り体の大きさを変幻自在に操れる、奇妙な鳥が現れます。それは生命の終焉を告げる「デス」と呼ばれる存在でした。 少女はデスと仲良くなり、母親の帰宅まで命の猶予をもらいます。帰宅した母親・ゾラはデスの存在を知り、娘から遠ざけようと臨戦態勢に。さらに驚きの行動に出てーー。 「デス」との交流を通して、死という避けられない現実を前にそれぞれの形で別れを受け入れようと葛藤する、奇想天外で心温まるヒューマンドラマです。
【ネタバレ】映画『終わりの鳥』結末までのあらすじ
チューズデー | 不治の病を抱えた少女。母が外出中に死期がやってきます。 演じたのは北アイルランド出身の女優、ローラ・ペティクルーです。 |
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ゾラ | チューズデーの母親。毎日仕事に行くふりをして、訪問看護師に娘を預けていました。 演じたのはジュリア ルイス=ドレイファス。MCU作品では、『サンダーボルツ』(2025)で活躍する謎の女・ヴァル役も演じています。 |
デス | 生命に死を与える鳥。言葉を操るだけでなく、体の大きさを自在に操れます。 声を演じたのはアリンゼ・ケニ。生まれ育ったイギリスで俳優、劇作家として活躍中です。 |
【起】終わりの鳥がやってきた

15歳のチューズデーは難病に犯され、多くの時間をベッドで過ごしています。彼女の前に命の終焉を告げる「デス」が現れました。ついに最期の時がやってきたのです。 会話ができ、伸縮自在な「デス」に戸惑うチューズデーでしたが、2人は次第に仲良くなります。チューズデーはデスと交流し、外出中の母が帰ってくる時間まで「死」を待ってもらいました。 ついに母が帰宅。チューズデーは母・ゾラに「今夜がお別れ」と真剣に伝えますが、母は相手にしません。しびれを切らしたデスが現れ、ゾラは娘の言葉が本当だと信じ始めます。
【承】「死」に打ち勝つ方法

デスはゾラに「サヨナラを言うべきだ」と伝えます。するとゾラはデスを一心不乱に追いかけまわし、娘を守ろうとしました。一方のデスも人間サイズになり対抗します。 お互いが消耗し、ゾラは事実を受け止めた様子を見せました。別れの時間がほしいと伝え、デスも了承します。 しかし、それはゾラの罠でした。ゾラは庭に出たデスを本で殴りつけ、アルコールを浴びせて火あぶりに。首だけになっても動くデスを、ゾラはあろうことか飲み込んでしまいます。 ゾラは部屋に戻り「彼はいなくなった」と、チューズデーに伝えました。
【転】デスのいない世界

デスがいなくなった世界は一変します。生物の「死」がなくなり、致命傷を負っても死ねないゾンビ状態の生物が溢れかえりました。 そんなこともつゆ知らず、ゾラとチューズデーは親子の時間を満喫しています。しかし、1人になったチューズデーは、窓を叩くデスの首なし死体を目撃。娘に問いただされ、ストレスが極限に達したゾラは巨大化しました。飲み込んだデスの能力を受け継いでいたのです。 大きさを制御できない自分にパニック状態となるゾラでしたが、訪問看護師・ビリーの助けもあり、人間サイズへ戻ることに成功しました。
【結】チューズデーの最期

さらにデスの「命の終焉を告げる」能力も引き継いでいることが発覚します。デスの代わりに「死」を与えるため、ゾラとチューズデーは各地を回り始めました。 ある日、海辺にやってきたゾラとチューズデー。ゾラは岩場に座るチューズデーの苦しそうな息遣いを感じました。娘にも終焉を告げる時がやってきたのです。すると体内で蘇生したデスが、ゾラの口から登場しました。 ゾラとデスは話し合い、チューズデーを家のベッドに連れ戻すことにします。母と娘が最後の会話をかわした後、デスが翼をかざしチューズデーは静かに息を引き取りました。
【結末】ラストの意味は?ゾラは生きてる?

娘を失ったゾラの前にデスが登場しました。「もしかして私も死ぬのか」と驚くゾラでしたが、デスがやってきたのは、ゾラが単に心配だったから。ゾラの死にたいという願いも、デスは拒否しました。 チューズデーが過ごした寝室にやってきたゾラとデス。デスは静かに「人間が想像するような神はいない。しかし来世は存在する」と、ゾラに伝えました。そして来世とはこの世にいる人間が、亡くなった人間の思い出を生かし続けることであると続けます。 そしてゾラの声真似をしながら「もう苦しまなくていい。私を心配しなくていい」と語りかけました。これは海辺で、ゾラがチューズデーに伝えた最後の約束です。 振り返るとデスは飛び立っていました。1人になったゾラは、ベッドから力強く立ち上がります。
【考察】「終わりの鳥」が描く「死」の受容プロセス

終末医療の第一人者・エリザベス・キューブラー=ロスは、死の受容の5段階として「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」を提唱しており、現在も医療現場で参考にされています。このプロセスは、ゾラが辿った行動の変遷と一致しており、意図的に当てはめたのではないでしょうか。 序盤のゾラは、娘・チューズデーと一緒にいる時間を避け、公園で過ごしていました。「弱っていく娘」という、現実を直視できなかったためです(否認)。中盤でデスと対峙したシーンでは、ゾラはデスを飲み込んでしまいました(怒り)。 海辺で娘の死が近づくと、ゾラはデスに自宅で最期を迎えさせたいと懇願します(取引)。そしてラスト、娘の死を引きずるゾラ(抑うつ)でしたが、デスの言葉を聞き「死」を受け入れました(受容)。 監督はゾラに現実のプロセスを辿らせることで、家族の死が来た時の「受容」への道標を観客に示しているのかもしれません。
映画『終わりの鳥』を結末までネタバレ解説

映画『終わりの鳥』(2025)をネタバレありで解説しました! 「死」という重いテーマをユーモラスに描き、そして最後は前向きになれるヒューマンドラマ。A24ファンの期待を裏切らない、独創性たっぷりな作品となっています。