2025年4月23日更新

「時計じかけの摩天楼」あらすじをネタバレ!赤い糸の意味とラストシーンについても考察【名探偵コナン】

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名探偵コナン 時計じかけの摩天楼、ポスター
©1997 青山剛昌/小学館・読売テレビ・ユニバーサル ミュージック・小学館プロダクション・TMS

1997年に公開された劇場版「名探偵コナン」シリーズ第1作目となる、『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』。本作の爆弾解体シーンで描かれた、赤いコードと青いコードのどちらを切るのか、新一がに託すシーンは必見です。 この記事では、そんな本作のあらすじをネタバレありで徹底解説!数ある劇場版の中でも記念すべき第1作を、ぜひチェックしてみてくださいね。 ※この記事は「時計じかけの摩天楼」の重要なネタバレを含みます。

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『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』のあらすじ【ネタバレなし】

公開年 1997年
監督 こだま兼嗣
脚本 古内一成
興行収入 11億3,000万円

ある日、工藤新一宛に、世界的に有名な建築家である森谷教授の邸宅で開かれるパーティーの招待状が届きます。しかし新一は薬の影響でコナンになってしまっていることから毛利小五郎を代行者に立て、蘭を誘い出席することに。しかしそれが、事件の始まりでした。 パーティーから1週間が経過したある日、プラスチック爆弾用の特殊火薬が大量に盗まれ、4邸の邸宅が放火される事件が発生。新一宛に犯人を名乗る男から予告電話が入り、コナンが現場に駆けつけたものの、「なぜ工藤が来ない!」と再び犯人から電話が入ります。 犯人がどこから見ているのかわからない状況の中起こる、連続した爆破予告。恐怖が大都会をパニックに陥れ、刻々と迫るタイムリミットの中、コナンが謎を解き明かしていくのでした。

吹き出し アイコン

何回観ても、新一と蘭がコードを選択するラストシーンにグッときます!コナンが蘭にかける言葉ももちろんだけど、蘭が青いコードを選んだ理由がたまらない!

『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』のネタバレ

犯人は誰?放火と爆弾事件に潜む狂気

ある夜、黒川邸で殺人事件が発生しますが、コナンの名推理により無事に解決されます。その数日後、建築家・森谷帝二から工藤新一宛てにパーティーの招待状が届きますが、新一は体がコナンになってしまっているために出席できず、代理として毛利小五郎をたて、蘭とともに出席することに。 パーティーから一週間後、新一の誕生日前日である5月3日に、黒川邸をはじめとする4邸の邸宅への連続放火事件が発生。事件を見た直後、爆弾魔を名乗る男から新一に電話がかかり、犯行予告を受けるのでした。 その後コナンはラジコン飛行機に仕掛けられた爆弾を爆破寸前で処理するものの、それは連続事件の序章にすぎませんでした。相次ぐ犯行の中で、犯人の正体と、その異常なこだわりが徐々に明らかになっていきます。

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次々と巻き起こる爆破事件

さらに犯行予告は続き、次に爆弾が仕掛けられたのはなんと米花駅前。老婆が持つキャリーバッグに爆弾が隠されていることに気付いたコナンは、危険を顧みず追跡し、爆発の寸前に爆弾を河川敷で処理するものの、重傷を負ってしまいます。 そんな折、告げられたのは「東都鉄道の東都環状線に5つの爆弾を仕掛けた」という次なる犯行予告。列車が時速60kmを下回った場合か、日没までに取り除かなかった場合に爆発するという制限が明かされる。 警察は列車に70kmでの走行を維持するように指示し、その間にコナンとともに必死に手がかりを探ります。やがてコナンが爆弾設置場所のヒントを解き明かしたことで、すべて無事に解除されるますが、犯人の動きはまだ止まっていませんでした。

犯人の動機は「左右対称」ではないこと

調査が進む中、すべての放火対象が建築家・森谷帝二が設計した建築物であることが判明。一同が森谷邸を訪れる中、単独行動をとっていたコナンが、新一の声を使って犯人の正体を暴きます。 浮かび上がってきた犯人はなんと、「左右対称」であることに並々ならぬこだわりを持っていながら、非対称性の建物を設計することを余儀なくされたことに強い恨みを持つ、森谷本人。 彼は自らが美しいと信じる「左右対称」を守るため、過去の設計作品を爆破しようとしていたのでした。その後森谷は逮捕されますが、最後に爆弾がまだ残っていることを明かします。その場所は、新一と蘭が誕生日に行くはずだった米花シティービルの映画館でした。

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赤いコードと青いコード−運命の二択に託された想い

新一の誕生日を祝うため、爆弾が仕掛けられた米花シティービルを一人で訪れていた蘭。コナンは現場に急行しますが、ロビーのドアが爆発で開かなくなっていたため、蘭に電話越しで爆弾の解体を指示します。 蘭は無事に爆弾を発見しますが、そこにあったのは設計図に記載のない“赤いコード”と“青いコード”。究極の二択を迫られたコナンは、現場にいる蘭を信じて決断を一任します。 彼女は迷いながらも青のコードを切り、無事に爆弾は解除されることに。脱出後、蘭は「赤い糸は切りたくなかった」と語り、2人の想いは静かに交差します。“赤い糸”ならぬ“赤いコード”が象徴する、見えない特別な絆がそこにはありました。

【解説】手に汗握るクライマックスの名シーン

本作には数々の見せ場が存在していますが、中でも注目すべきは新一(コナン)と蘭が繰り広げるクライマックスの名シーン。 蘭はコナンの指示で爆弾を解体することになるのですが、ここでの演出にはハラハラさせられます。というのも、蘭はコナンの指示により指定されたコードを切るのですが、何故か爆弾のタイマーが止まらないんです……! 息をのむ展開の後に写し出される、動き続けるタイマーの表示による不安感と絶望感がすごいです。その後の図面にない赤いコードと青いコードの選択シーンの、蘭と新一の絆が感じられる描写にドキドキが止まりません! 「蘭は赤を選ぶ」と思わせる演出の直後、蘭がコードを切ったシーンで、画面が白黒になる演出もニクいですね。

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【名シーン&名言】赤い糸は新一とつながってるかもしれないでしょ!

コナン 工藤新一
©︎GA/S・Y・T ©︎BUSHI・Ambition

赤と青のコードを選択するシーンで、蘭がラッキーカラーが赤だということを思い出す描写があります。先述しましたが、そのような描写が挟まれることで、誰もが「蘭は赤を選ぶ」と思ってしまいますよね。 その後、森谷の罠に気付いたコナンが「青を切れ」と叫ぶのですが、その声は蘭には届いておらず、どっちを切ったのか分からない演出にハラハラはクライマックスに! 結論から言うと、蘭はちゃんと赤いコードを切ってくれるのですが、その理由と彼女が口にした名言に思わずキュンとしてしまいます。 「赤い糸は新一とつながってるかもしれないでしょ!」という理由で青いコードを選択した彼女は、その直前に新一にハッピーバースデーを歌っています。なんだか、もうすべてに新一への愛が溢れていますよね。

【考察】さまざまな要素が散りばめられた名作

①有名映画のオマージュ

時計じかけのオレンジ
© Warner Bros. Entertainment Inc.

有名映画のオマージュと思われるシーンが、多数登場する本作。タイトルは、1972年に公開された映画『時計じかけのオレンジ』からきているのではないかと言われています。 序盤の爆弾魔に電話で指名され、次々と爆破予告と共に謎が出題されていく展開は『ダイ・ハード3』、中盤で登場する「列車の速度を落とすと爆弾が爆発する」という展開は、『新幹線大爆破』から影響を受けたものなのではないでしょうか。 そして、ラストシーンで描かれた、時限爆弾の解除シーンの「赤の線を切るか青の線を切るか?」という究極の決断は、『ジャガー・ノート』をはじめ、多くの時限爆弾もののサスペンスで流用されたアイデアとなっています。

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②父と子の関係性は何を意味する?

コナン 毛利小五郎
©︎GA/S・Y・T ©︎CYBIRD

作中で蘭を助けに行こうとする小五郎に対し、「あわれな父親の娘への愛か。建築にも愛は必要ない。人生にもな」と口にした森谷。小五郎にキッパリと言い放った彼の両親は、15年前に火災により命を落としています。 掲示板やSNSなどでは、森谷の両親は事故死ではなく、彼が何か一枚噛んでいるのではないかという考察も。実際に屋敷にあった家族写真では森谷は母とだけ手を繋いでいたところを見る限り、父親との関係はあまり良好ではなかったのかもしれません。 いずれも作中に明確な描写などはありませんが、伏線などから読み解くと、そのように考察する人が多いのもなんだか頷ける気がしますよね。

ラストシーンが魅力的な「時計じかけの摩天楼」は名作中の名作!

この記事では、「劇場版コナン」の第1作目である「時計じかけの摩天楼」について、考察なども踏まえながら徹底解説しましたが、いかがでしたでしょうか。 新一と蘭の関係性にドキドキしたい人や、手に汗握る展開が好きな人は、ぜひ本作をチェックしてみてくださいね。