映画「ストロベリームーン」ネタバレあらすじ&キャスト相関図!13年後に知る秘密とは?原作小説も紹介
「令和イチ“泣ける”」とSNSで話題を呼んだ芥川なおによる小説を原作とした映画『ストロベリームーン』が2025年10月に公開されました。 この記事では、映画『ストロベリームーン』のあらすじやキャスト、原作のネタバレを紹介します。
映画「ストロベリームーン」作品概要・あらすじ【ネタバレなし】
| タイトル | 『ストロベリームーン 余命半年の恋』 |
|---|---|
| 公開日 | 2025年10月17日 |
| 上映時間 | 127分 |
| 脚本 | 岡田惠和 |
| 監督 | 酒井麻衣 |
| 原作 | 芥川なお『ストロベリームーン』(すばる舎) |
| 主題歌 | ORANGE RANGE「トワノヒカリ」 |
映画『ストロベリームーン』あらすじ
幼いころから病弱で、余命半年を宣告された桜井萌(當真あみ)。病気のため家で過ごしてばかりだった彼女は、余命宣告をきっかけに高校へ通うことを決意します。 萌は入学式当日、初対面にも関わらず同じクラスになった佐藤日向(齋藤潤)に告白。戸惑う日向でしたが、萌の猛アプローチを受けて、晴れて恋人同士になります。 少しずつ心を通わせていったふたりは、6月4日の萌の誕生日に、“好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれる”という満月「ストロベリームーン」を見に行きます。しかしその日から萌は学校に来なくなり、連絡も取れなくなってしまいました。 萌が消えた理由、そして13年後に届く真実とは?
映画「ストロベリームーン」ネタバレあらすじ

実家の佐藤醤油店で働きながら小学校の先生も務める佐藤日向(杉野遥亮)。交通安全教室で日向は、幼馴染で、現在は警察官の高遠麗(中条あやみ)と寸劇を行います。 日向はぼんやり交差点を渡り、車に轢かれそうになる役を演じ、麗は子どもたちに「これは本当にあった事。日向先生は2回も車に轢かれそうになり、2回とも私が助けた。だから警察官になった」と明かしました。そして、2人にとって大切な"ある少女"との思い出へを回想していきます。
萌と麗の出会い
2003年。桜井萌(當真あみ)は、「拡張型心筋症」により小学校の入学式で倒れて以来、酸素チューブが手放せない闘病生活を送っていました。学校に行けないため、映像授業を受け、母お手製の給食メニューを自宅で食べる日々を過ごしています。 萌は中学3年生になり、制服へのあこがれとともに「友達が欲しい」と願うようになりました。ある日、同い年の高遠麗(池端杏慈)が「減塩、油少な目」弁当の配達で、桜井家を訪れます。意気投合した2人は、お互いが気に入った萌の私服と麗の制服を交換しました。 萌は麗に「友達になってください」とお願いし、麗はもちろん快諾。萌にとって「親友」ができた、記念すべき日になったのです。
日向との偶然の出会い 恋をする萌
萌は、16歳の誕生日(6月4日)に見られるという「ストロベリームーン」の日まで生きたい、と夢を持つようになります。その満月は「好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれる」という言い伝えがありました。 病院の帰り、萌は車窓から、交差点で泣いている少女を助ける中学生の男の子・佐藤日向(齋藤潤)を目撃。日向の姿に一目惚れした萌は、「高校で青春がしたい」と両親に打ち明けました。その直後、日向は車に轢かれそうになり、麗に助けられていたのです。 2012年、常盤高南高校の入学式。遅刻した萌は教室で、同じく遅刻してきた日向と運命の再会を果たします。萌は「私と付き合って下さい」と、衝動的に告白してしまい……。
“青春”を過ごす2人と迫るタイムリミット
萌は、日向に告白したこと、そして病状が悪化しているため「2年生にはなれない」こと、を麗に打ち明けました。 その後、日向は「自分に自信がない」と一度は告白を断りますが、萌の必死の説得に「僕でよかったら」と交際を承諾。萌、日向、そして見守っていた麗の3人は手を繋いで喜びます。 2人は音楽を聴き、一緒に帰り、花火をし、友達の協力で「相合傘」をするなど、萌が夢見ていた“青春”を駆け抜けます。しかし、萌の心の中では「もう後がない」と焦りを募らせていました。 一方、病院で医者から「心構えをしていてください」と告げられた母と、萌が希望する墓地の抽選に当たった父は自宅で泣き崩れていました。
6月4日

6月4日、16歳の誕生日。萌は親に嘘をつき、麗の協力で日向と望月湖へ「ストロベリームーン」を見に行く計画を実行します。道中、萌は日向と「夏にヒマワリ畑を見に来よう」と指切りを交わしました。 湖は曇っていましたが、やがて満月が雲から顔を出します。しかし、部分月食で欠け始め、萌は引き寄せられるように湖の中へ入っていき、日向も追いかけます。 月に照らされた湖の中、日向がキスしようとすると、萌は手で制して「ごめんね、日向。ありがとう。幸せになって」と別れのような言葉を告げたのです。 自宅では、最初から萌の嘘を知りながらも「何時だと思っているんだ」と叱る練習をしている父親の姿がありました。すると萌が帰宅、とっさに「おかえり」と優しく声をかけてしまう両親ですが、萌の表情は曇っていました。
現代 大人になった同級生たち
現代に戻り、大人になった日向は、ヒマワリについて生徒から「枯れそう」と相談を受けます。日向は「美味しい水を毎日くれて嬉しい」と、ヒマワリの声を代弁して元気づけました。 ある夜、日向は麗や、クラスメイトだったフーヤン、カワケンら同級生たちと居酒屋に集合します。フーヤンは3つ子の父親となり、カワケンも結婚を報告するなど、それぞれが着実に人生を歩んでいました。 そんな中、麗は「いろいろ卒業する」と引っ越しを宣言。その帰り道、カワケンは麗に対して「萌に恋していると麗に気付かない」と、麗の日向への想いを察しながら、中学時代に秘めていたカワケンの麗への恋心を明かしました。
映画「ストロベリームーン」結末ネタバレ その後&13年後の手紙とは?
萌が帰った理由
6月18日。萌は学校を休んだままで、日向は振られたと思い悩みます。心配する麗が病院を訪ねると、萌は「もうすぐ死ぬ自分がキスをしたら申し訳ない」と、拒絶した理由を明かしました。 一方、日向は桜井家に向かい、萌に合わせてほしいと萌の父に直談判。一度は拒否した父でしたが、考え直し、日向に「萌の余命が残りわずか」であると、ついに真実を告げたのでした。 絶望した日向でしたが、自分にできる最大限を考え、萌の「ヒマワリ畑を見たい」という願いを叶える計画を思いつきます。日向はフーヤン、カワケンに協力してもらい、病院の庭にリヤカーで大量のヒマワリを運び込み、一夜限りの畑を作り上げました。 2人きりになり、「ごめん、好きになって」と謝る萌。その言葉に対して、日向は入学式が初対面ではなく、母が亡くなった日に日向が明るく振る舞う姿を病院で見ていたと明かします。そして「奇跡だと思った」と本当の想いを告白し、2人はキスを交わしたのです。 翌日、萌の容態が急変。自宅に帰っていた日向が駆けつけ、萌は日向の手を握り、微笑みながら静かに息を引き取りました。
現代 13年後に届く手紙
萌の死から13年。麗が萌の墓参りに行くと、すでに日向のヒマワリが供えられていました。その日、麗のもとに、萌が生前に投函していた「みらい郵便」が届きます。手紙には「一番の夢は親友を作ることだった」という感謝と、日向へのもう1通の手紙が託されていました。 麗は日向に手紙を渡します。その手紙には、交差点で恋に落ちた日のこと、彼への感謝、そして「私を忘れるくらい人生を楽しんで」という萌の願いが綴られていたのです。日向は「ありがとう」と涙を流しました。
映画「ストロベリームーン」キャスト相関図

『ストロベリームーン』キャストを紹介
桜井萌役/當真あみ

幼いころから病気がちで、学校にもほとんど行けていなかった桜井萌。小学校入学時に「拡張型心筋症」という病気が発覚。成長するに連れ、徐々に病状が進行していました。 中学生で余命半年を宣告された彼女は、残された短い人生を精一杯生きようと、高校への通学を決意します。そして入学式で一目惚れした日向に告白し、恋人同士に。 自身の誕生日である6月4日に「好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれる」というストロベリームーンを見に行く約束をしますが、その日以降行方不明になってしまいました。 萌を演じるのは、當真あみ。アニメ映画『かがみの孤城』(2022年)で主人公・安西こころの声優を務めたほか数多くの映画やドラマで活躍。本作が実写映画初主演となります。
佐藤日向役/齋藤潤

萌のクラスメイトの佐藤日向。入学式当日に遅刻した萌と出会い、彼女に一目惚れされます。萌の猛アピールのすえ付き合うことになりますが、少しずつ彼女に惹かれていきます。その後、「ストロベリームーンを見たい」という彼女の夢を叶えようと、夜に一緒に出かけることに。 日向を演じるのは、映画『カラオケ行こ!』や『瞼の転校生』、『からかい上手の高木さん』(すべて2024年)での演技が評価され、第16回TAMA映画祭最優秀新進男優賞や第46回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞した齋藤潤です。當真あみとは2025年7月放送開始のドラマ『ちはやふる-めぐり-』でも共演しています。
13年後の佐藤日向役/杉野遥亮

13年後の佐藤日向は、教師でありながら家業の醤油屋を継いできます。萌が入学式の日に「どっちもできない?応援する」と言った言葉を叶えたのです。原作では、どちらでもなく総合病院に勤務する外科医となっています。 大人になった日向を演じるのは、杉野遥亮です。ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(2016年)で俳優デビューし、2023年には『ばらかもん』でゴールデンプライムタイム連続ドラマ初主演を果たしました。
13年後の高遠麗役/中条あやみ

高遠麗は日向の幼なじみ。小学校のときに日向からもらったキーホルダーを大事に持っており、彼に密かに思いを寄せていました。しかし萌の余命を知り、落ち込む日向を励まします。 大人になった高遠麗を演じるのは、中条あやみです。モデルとしての活動と並行して、ドラマ『黒の女教師』(2012年)で俳優デビュー。2014年に『劇場版 零 ゼロ』で映画初主演を務めました。
脚本は『余命10年』など純恋愛の名手・岡田惠和
脚本:岡田惠和

『ストロベリームーン』の脚本を手掛けるのは、『余命10年』(2022年)などの純愛映画の名手として知られる岡田惠和です。 原作にはない13年後のストーリーを織り交ぜ、過去と現在の2つの時代が交差しながら、切なく儚いラブストーリーを紡ぎます。
監督:酒井麻衣
『ストロベリームーン』のメガホンをとるのは、ドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』(2022年)や「劇場版 美しい彼」シリーズや『恋を知らない僕たちは』(2024年)などで知られる酒井麻衣です。 彼女はこれまでにも恋愛映画を数多く手掛けており、今回もその手腕が発揮されることが期待されます。
主題歌はORENGE RANGEが担当
本作の主題歌『トワノヒカリ』は、「ORANGE RANGE」が本作のために書き下ろした、萌や日向の大切な時間を表現した1曲です。サビの「君の言葉で水面が揺れた 拡がる波紋 闇を壊してく」は、ストロベリームーンを見た湖の情景が浮かびますよね。 ザテレビジョンのインタビューにて「前半は悲しみや葛藤がある状況で、どう脱却していくか。最後の方のラップは、その後、主人公がどういう気持ちで前向きに生きていくんだろうというのをイメージした」と語っており、1曲を通してストーリーの展開が作られています。
原作小説「ストロベリームーン」をネタバレ紹介!映画との違いは?
原作と映画の違いは?
映画の原作となった小説『ストロベリームーン』は、芥川なおのデビュー作として2023年に刊行され、2024年12月時点で発行部数7万部を突破したベストセラーです。 映画との大きな違いは、主に3つあり「①13年後の描写②麗と萌の関係性③日向の職業」です。 ①小説には「13年後の描写」はなく、萌からの手紙が届く描写も映画オリジナルです。そして、②「麗と萌の関係性」ですが、小説でも幼馴染の1人で日向を想っている女性であるものの、「親友」のような近い間柄では描かれていません。 最後の③「日向の職業」ですが、原作では外科医になっていました。ただ仕事は違えど、萌の存在が日向の職業に繋がっている点は同じです。 小説タイトルの「ストロベリームーン」は、アメリカ先住民の文化から派生して、北米では6月に野イチゴが収穫されることに由来しています。「恋を叶える月」とも言われ、好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれるという言い伝えがあります。
原作小説のあらすじ【ネタバレあり】
高校の入学式に遅刻した佐藤日向は、それがきっかけでクラスメイトの桜井萌と知り合います。彼女からの積極的な告白を受け、日向は戸惑いながらも付き合うことに。 少しずつ距離を縮めていったふたりは、6月4日の萌の誕生日に「ストロベリームーン」を見に行きます。日向はストロベリームーンの伝説の実現に浮かれていましたが、帰宅すると萌の両親は激怒。 次の日から萌は学校に来なくなり、メッセージを送るものの「大丈夫」としか返ってきません。日向は担任から萌が入院していることを聞き出し、萌が隣の市の大きな総合病院に入院していることを突き止めます。 萌のところに駆けつけた日向は、彼女が余命いくばくもないことを知らされます。毎日お見舞いに通う日向でしたが、主治医からもう1、2ヶ月しかもたないと告げられ絶望します。そんななか、彼は萌の母親から彼女の日記を渡されました。 ついに今日明日が山場と知らされた日向は、萌の病室を向日葵でいっぱいにします。「変わらぬ想い」という花言葉を持つ向日葵に囲まれ、意識が遠のいていく萌に向かって日向は「僕は君のことがずっと好きだから!」と語りかけます。萌も薄れゆく意識のなかで「私もずっと変わらぬ想いだから……」と言って静かにまぶたを閉じるのでした。
コミック版も配信中!
コミック版の『ストロベリームーン』も配信されています。小説の世界が漫画ではどう描かれるのか注目できます! コミックシーモアでは2025年6月現在、3話まで配信されています。
原作小説の感想・評価
佐藤日向がすごくいい。だから萌も幼なじみの麗も彼に惹かれ、友達もいろいろ協力してくれる。個人的には最後の方に登場する向日葵畑のおじさんがツボです。
シンプルで、強いて言えば「予想通り」の展開も、人はここまで大事なかけがえのない人に献身的になれるものなのか、と感じる。一目惚れではなかったことが明かされる日記のシーンは泣ける。
映画「ストロベリームーン」ネタバレ解説!ピュアな恋愛が泣ける
泣ける純愛小説として大人気となった原作を、ヒットメーカーが映画化した『ストロベリームーン』は2025年10月17日公開です。 映画では、原作にない「13年後の萌からの手紙」が追加されており、萌の日向を想う気持ちがより一層伝わるラストとなりました。 また、役どころが変わった麗も重要な登場人物に。幼馴染・日向への恋心と、親友・萌との友情の間で迷いながらも、前を向く強い女性として描かれています。


