2025年7月5日更新

アニメ『はだしのゲン』はトラウマになるほどグロい?作者が伝える原爆の恐ろしさとは

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戦争の悲惨さを伝える作品として、未だに語り継がれている名作アニメ『はだしのゲン』。その内容は非常に衝撃的で、なかには「トラウマになるレベル」「予想以上にグロくてびっくりした」という声をあげる人も……。 この記事ではそんなアニメ『はだしのゲン』について徹底解説!トラウマシーンの詳細やそこに込められたメッセージなど、気になるポイントをしっかり紹介&考察していきます。 ※この記事は『はだしのゲン』の重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

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アニメ『はだしのゲン』のあらすじ

公開日 1983年7月21日
上映時間 85分
原作(原作者) 漫画『はだしのゲン』(中沢啓治)

1983年に公開されたアニメ映画『はだしのゲン』。同名の漫画を原作としていますが、上映時間のなかに話を収めるため設定や物語の構成などが変更されています。 本作の舞台となるのは1945年の日本。主人公の中岡元は国民学校初等科の2年生で、父・母・兄弟らと共に広島市で暮らしていました。戦時下で苦しい生活を強いられながら、ゲンたちは必死に生き続けます。しかし同年の8月6日、広島に恐ろしい兵器・原子爆弾が投下されてしまうのでした……。

アニメ『はだしのゲン』はトラウマになるほどグロい?

アニメ『はだしのゲン』は原作に比べるとかなりシンプルになっており、絵柄なども洗練され見やすい作品になっています。しかし、そのなかには視聴者に衝撃を与えるトラウマシーンが存在。それが原爆投下からその被害を受けた人々の様子が描かれる一連の場面です。 原爆の恐ろしさを伝えるために作られたシーンはかなりグロテスク。本作は教育の一環として小学校で鑑賞されることもあったようですが、SNSには「当時怖すぎて泣いた」「周りが悲鳴をあげていた」という声も集まっています。 未だに語り継がれるほどのトラウマシーン。ここからはその詳細について解説していきます。

アニメ『はだしのゲン』のトラウマ級シーンを解説

「ギギギ」と叫ぶ被爆者たちの声

『はだしのゲン』におけるトラウマシーンのなかでも、特に衝撃的なのが原子爆弾の被害を描いた場面です。原爆が炸裂した後、破壊された町には死体が散乱。生き延びた人々もボロボロの状態で、まるでゾンビのようでした。 言葉にならない声をあげる被爆者たちの姿に、衝撃を受けた人が多かったようです。

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戦争で負った傷口から湧き出るウジ虫やハエ

戦争で傷を負ってもまともに治療できない人々。そんな人たちの傷口には、もぞもぞと動くウジ虫などが発生……。自らそれを取り除こうとする者もいれば、作中には「これをとれ!」と迫ってくる者もいました。 戦争が終わった後の時代にはまず見ることのない衝撃的な光景。このシーンが脳裏に焼き付いて離れない、そんな人も多いようです。

原作者・中沢啓治が伝える原爆や被爆の恐ろしさ

原作者の中沢啓治は原爆の恐ろしさを伝えるため、借金を背負ってまで『はだしのゲン』の長編アニメ化に挑戦したと言います。 中沢は著書『「ヒロシマ」の空白 中沢家始末記』のなかで、「『ゲン』のアニメを観て、怖い!と泣き叫んでくれた大勢の女の子、ありがとう!君らは本当に素直に戦争と原爆の怖さが判ってくれたのだ!」と語っていました。 彼にとって本作が「トラウマ」と語り継がれることはむしろ本望。「原爆は怖い」「こんな光景もう見たくない」、そう思わせることこそが原作者の狙いだったのです。

『はだしのゲン』が閲覧禁止?

アニメ・漫画ともにグロテスクなシーンが多い『はだしのゲン』。実は2023年に広島市の平和教材から外されたほか、2012年には描写の過激さを理由に松江市教育委員会が市立の小中学校に漫画版の閲覧制限要請を出すなど、その扱いがたびたび話題になっています。 しかし、『はだしのゲン』が「閲覧禁止になっている」という事実は現状確認できません。本作は「原爆の悲惨さを伝える教材」として、非常に価値が高い作品です。閲覧制限騒動が起きた松江市でも反対意見があがり、最終的にその制限要請は撤回されています。

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アニメ『はだしのゲン』トラウマ級の描写から感じる戦争の怖さ

その衝撃的な内容で多くの人にショックを与えた『はだしのゲン』。確かに本作にはトラウマ級の恐ろしいシーンが盛り込まれていますが、それを理由に鑑賞を避けるのはとても残念なことです。 『はだしのゲン』が伝えたいのは、「戦場のグロテスクさ」ではなく「戦争の恐ろしさ」。「グロい」や「気持ち悪い」という感想で止まってしまうのではなく、「こんな恐ろしいことを2度と繰り返してはいけない」というメッセージを汲み取ることが大切なのです。