2025年7月9日更新

【ネタバレ】「20世紀少年」映画&漫画を徹底解説!「ともだち」の正体はフクベエ?

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浦沢直樹による漫画「20世紀少年」は、1999年から2006年まで『ビッグコミックスピリッツ』にて連載されており、2008年から2009年にかけては唐沢寿明主演で実写映画化もされています。 この記事では、そんな本作の映画版と原作について徹底解説!「トモダチ」の正体についても触れるので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。 ※この記事は『20世紀少年』のネタバレを含みます。

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「20世紀少年」映画と原作漫画の違いは?

「20世紀少年」は、映画と原作漫画でいくつか異なる点があります。主な違いの一つ目は、主人公の一人であるカンナの父親の正体。詳細は後ほど説明しますが、原作におけるカンナの父親はフクベエである一方、映画版ではカンナの父親はカツマタです。 そして二つ目は、ラストシーンの描かれ方。原作ではあまり救いのない後味の悪い終わり方となっていますが、映画版では「トモダチ」が救済されるような内容となっており、観ている人が少し救われるような終わり方です。

映画『20世紀少年 第1章 終わりの始まり』あらすじネタバレ

漫画が導いた“正義の味方”の正体

漫画家の角田は、拘留中に隣室の男へ自身の逮捕理由を語ります。彼が描いたのは、悪の組織に一人で立ち向かう“正義の味方”の物語。その漫画をネットに投稿したことがきっかけで、彼は逮捕されてしまいました。 しかし、話を聞いていた男は突如、「その正義の味方は実在する」と語り出します。かつて、本当にたった一人で悪に抗った男がいたと。そして物語は、1997年にさかのぼっていきます。 姉が失踪したことをきっかけに、姪を育てながら自身の親が経営するコンビニで働いていた男・ケンヂ。彼こそが、その“正義の味方”であったことが徐々に明かされていきます。

1997年、“トモダチ”計画のはじまり

ある日ケンヂのもとに、大学教授一家の失踪と奇妙な印の報せが届きます。旧友・ドンキーの死、彼が残した手紙、そしてかつて皆で作った「よげんの書」——すべてが繋がり始め、突如“トモダチ”と呼ばれる存在の陰謀が浮上することに。 同窓会でかつての仲間たちと再会したケンヂは、未来に起こるであろう破滅を阻止すべく動き出します。巨大ロボットの襲来や撒き散らされる細菌、爆弾を仕掛けるも空の操縦席。 そして最後に現れたのは、画面越しに微笑む“トモダチ”。「ケンヂくん、あそびましょ」という不気味な声とともに、ケンヂたちの戦いが始まります。

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映画『20世紀少年 第2章 最後の希望』のあらすじネタバレ

2015年、再び始まる“正義”の継承

血の大みそかから15年。世界は“トモダチ”の手によって再構築され、ケンヂらの名はテロリストとして教科書に刻まれていました。そんな中、成長したカンナはマフィアの抗争を止めるほどの胆力を備えた高校生に。 彼女は授業で語られる“ケンヂ悪玉説”に疑問を抱き、やがて不法滞在者への抗議行動で逮捕されます。釈放後、伝説の刑事・五十嵐の孫である蝶野と出会い、ケンヂが本当は“悪魔”ではないと訴えるのでした。 歌と「よげんの書」を手がかりに、カンナは“トモダチ”の真実に迫るため、「ともだちランド」へ向かう決意を固めます。

VR世界の秘密と“神”になった男

ともだちランドでは、VRを通して“トモダチ”の歴史が偽りの正義として刷り込まれていました。ケンヂたちはゲームの敵となり、子どもたちは洗脳されていきます。 VR内でカンナは「彼女は運命の子」と告げられ、お面の人物=“トモダチ”の正体に近づくことに。ヨシツネは“それ”を見せまいと、VRを強制終了。 その後、“トモダチ”が「しんよげんの書」によって世界を操作している事実が明かされ、カンナはその支配を止めることを決意。迎えたパレードの日に“トモダチ”は襲撃されるも、死後に復活を遂げ、「神」として再び世界を覆う存在となるのでした。

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映画『20世紀少年 最終章 ぼくらの旗』のあらすじネタバレ

壁に囲まれた東京と変わり果てたカンナ

2017年、東京は謎の高い壁に囲まれ、外の世界から隔離されていました。侵入したオッチョと角田は、そこにかつての昭和の街並みが再現されていることに驚きます。 追われるオッチョはサナエとカツオに救われ、秘密結社の存在や“氷の女王”について知らされることに。一方、カンナは愛する人々を喪った喪失感から、別人のような無気力な状態に。次は自分の番だと覚悟を決め、武力行使を止めようとはしません。 そんなカンナに対し、オッチョはラジオから流れるケンヂの歌を聞かせ、彼が生きていることを伝えようとします

トモダチの告白と浮かび上がるフクベエの影

決戦の日である2017年8月20日が迫る中、トモダチは小学生時代を回想します。彼は万博を楽しみにしていたものの行けなくなり、自分の存在をなかったことにしようとサダキヨのお面を借りることに。 お面をかぶったことで逆にいじめの標的となり、そこから彼は疎外感と憎しみを抱くようになったのでした。やがてトモダチは、自身のこれまでのおこないをすべて明かし、殺人ウイルスを世界に撒くと宣言。 トモダチの正体は、かつてケンヂたちと遊んでいた旧友・フクベエなのではないかと疑念が浮かびます。それぞれの想いを胸に、ユキジやカンナ、オッチョらはトモダチとの最終決着に挑むのでした。

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漫画『20世紀少年』のネタバレ 原作の結末は?

少年たちの「よげんの書」と“トモダチ”の台頭

物語は、ケンヂたちが少年時代に空想で描いた「よげんの書」から始まります。それは正義の味方が悪の組織と戦うという内容でしたが、大人になったケンヂのもとで、その物語通りの事件が現実で起きはじめることに。 やがて登場した、「よげんの書」の内容を模倣しながら世界を脅かす“トモダチ”と名乗る人物。ケンヂと仲間たちは、自らの過去の空想がもとで生まれた巨大な陰謀と対峙していきます。 ついに2000年の「血の大みそか」で“トモダチ”の計画が実行され、ケンヂたちはテロの首謀者とされてしまうのでした。

トモダチの正体と異なる漫画・映画の結末

“トモダチ”の正体は当初フクベエと思われていましたが、実は別の同級生・カツマタくんでした。彼はかつて地味で目立たない存在でしたが、ケンヂらの空想世界に強い執着を持っていました。 最終的にケンヂは仲間たちと共に真相を暴き、“トモダチ”の支配を終わらせることに成功します。映画版では「カツマタくん=トモダチ」という決着が明確ですが、原作ではカツマタくんの名は出るものの、“トモダチ”の正体はあえて曖昧に描かれています。 そのため、原作は謎を残したまま余韻を持って終わる構成になっており、映画とは大きく印象が異なります。

「20世紀少年」の面白さを解説&考察

本作の面白さは、子ども時代の空想が大人になってから現実になっていく…そんなワクワクとゾッとする展開にあります。物語を引っ張っていくのは、仲間たちで作った“よげんの書”が次々と現実になり、誰が“トモダチ”なのか?という謎。 特に映画公開当初、序盤に登場する「ハットリくんのお面」がトモダチの正体を示唆する重要な手掛かりになっているのではないかと、ネット上で話題になっていました。 また、過去と現在が行き来する構成や、ちょっと懐かしい昭和の風景も本作の魅力のひとつ。小さな頃の記憶が大きな陰謀につながっていくスケールの大きさと、友情や正義、後悔といった普遍的なテーマが胸に響きます。 どの世代の人にも、「自分ならどうするだろう?」と考えさせてくれる作品になっているのではないでしょうか。

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映画と原作「20世紀少年」のネタバレを紹介しました!

この記事では、「20世紀少年」の映画と原作漫画について徹底解説しました!映画の結末が原作と異なる点については賛否あるようですが、結末が異なることで「二度楽しめる」という考え方をすることもできます。 気になる人は、ぜひ両方チェックしてみてくださいね。