映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』結末をネタバレ考察!黒幕はシェリー?卵・飛行機の伏線を解説
オリヴィア・ワイルドの長編2作目『ドント・ウォーリー・ダーリン』。主演のフローレンス・ピューをはじめ、豪華キャストを迎えた本作は、少し難解な内容となっています。 この記事では、『ドント・ウォーリー・ダーリン』のネタバレあらすじから、黒幕の正体などを考察していきます。
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』作品概要・あらすじ【ネタバレなし】
| 原題 | 『Don't Worry Darling』 |
|---|---|
| 公開年 | 2022年 |
| 上映時間 | 123分 |
| キャスト | フローレンス・ピュー , ハリー・スタイルズ , クリス・パイン |
| 監督 | オリヴィア・ワイルド |
| 原作 | なし |
完璧な生活が保証された街「ビクトリー」で、夫のジャックとともにしあわせな生活を送るアリス。しかし彼女は、ある日隣人が赤い服の男たちに連れ去られるところを目撃します。 それ以降、彼女の周囲では不可解な出来事が続発。アリスは次第に精神的に不安定になっていきますが、あることをきっかけに、この街に疑問を持つようになります。
【ネタバレ】『ドント・ウォーリー・ダーリン』を起承転結で解説
【起】理想の街「ビクトリー」での生活
すべてが完璧な街「ビクトリー」。そこで暮らす家庭の夫たちは“重要な仕事”に就き、専業主婦の妻たちは、毎日美しく着飾って家事を完璧にこなし、友人たちと集って優雅な生活を満喫していました。 そんなある日、アリスは隣家に赤い服を着た男たちが入っていくのを目撃します。隣人のマーガレットは息子を失って以来、精神的に不安定になっていました。 その後、ビクトリー社のボスであるフランクの家でパーティが開かれます。みんながパーティを堪能していると、フランクのスピーチが始まります。しかしそこにマーガレットが現れ「ここにいてはいけない」と騒ぎ始めました。
【承】不可解な出来事
アリスは気分転換にバスで郊外に出かけます。そのとき赤い飛行機が山に墜落するのを目撃。飛行機が墜落したのは、近寄ってはいけないと言われている「本部」の近くでした。窓ガラスに触れると、アリスの頭の中にフランクの言葉が反響し、夢か現実かわからない光景が目の前を支配します。 気がつくと彼女は自宅のベッドに横たわっており、夫のジャックが慣れない様子で食事を用意しようとしていました。 ある日、アリスはマーガレットが屋根の上にいるのを発見、すると彼女は自ら喉を掻き切りました。アリスが駆け寄ろうとすると赤い服の男たちが現れ、自宅に連れ戻されてしまいます。帰宅したジャックにマーガレットのことを話すも、彼は信じません。 一方ジャックは昇進し、盛大なパーティが行われました。幻覚に襲われたアリスは友人のバニーに助けを求めますが、「気のせいだ」と突き放されてしまいます。
【転】「ビクトリー」に隠された秘密
アリスとジャックは、フランク夫妻を含む友人たちを招いてホームパーティを開きます。するとキッチンに立っていたアリスにフランクが「君のように私に挑戦してくる人を待っていた」と言います。 この言葉で確信を抱いたアリスは、食卓でこの世界はおかしいと切り出します。そしてそれを仕組んだのはフランクだと彼を糾弾。するとフランクの妻シェリーが激怒し、全員が帰ってしまいました。 アリスはジャックに街を出ようと懇願します。ジャックは渋々了承しますが、2人が車に乗り込むと、赤い服の男がやってきてアリスを連れ去っていきました。ジャックは本部に連絡していたのです。 病院で電気治療を受けるアリス。その最中、彼女は今とは全く違う自分たちの生活を思い出します。アリスは医師として休みなく働き、ジャックは働きも家事もせず、すれ違いが生まれていました。
【結末】アリスは現実に戻れる?
自宅に戻ったアリスでしたが、彼女は現実の世界をほとんど思い出していました。ビクトリーはフランクが作った仮想空間だったのです。将来に希望を持てなかったジャックは、アリスをつなぎとめるためにこの世界に閉じ込めたのでした。 ジャックは「君は働き詰めでしあわせじゃなかった」「ここにいるほうがしあわせだ」とアリス説得しようとします。ジャックがアリスに抱きついて引き止めると、彼女は無我夢中で彼の頭をグラスで殴り、ジャックは死んでしまいます。 そこへやってきたバニーは以前からすべてを知っていたと言い、現実世界への入口である本部に逃げるよう促します。一方フランクは事態の収拾を図りますが、シェリーは彼には任せておけないとフランクを刺します。 赤い服の男たちに追跡されながら、必死に逃げるアリスはなんとか本部にたどり着きました。
【ラスト】アリスはその後どうなる?結末・テーマを考察
「ビクトリー」の秘密を突き止め、その中心部にたどり着いたアリス。ラストシーンでは、彼女の吐息と思われる音が聞こえ、アリスが現実世界に戻ったことが示唆されています。しかしその後の描写はなく、ジャックを殺した罪に問われるのかなど、気になる点が残されました。 「ビクトリー」からアリスが脱出したのは、男性中心社会への女性の抵抗を象徴しています。 一方で、現実世界のジャックのように、女性が活躍する世界から取り残された男性もテーマになっています。現実世界の彼は医師であるアリスと交際しながら、「男として」彼女を支えられないことに引け目を感じていたのでしょう。しかし彼が考える「しあわせ」はアリスにとってのそれとは違いました。
【考察】シェリーが黒幕だった?
「ビクトリー」の支配者はフランクと思われていました。しかしアリスが脱走し、収拾がつかなくなったとき、彼の妻シェリーがフランクを刺し「ここからは私がやる」と言います。 このことから、すべての黒幕はフランクではなくシェリーだった可能性が考えられます。この街には男性が外で働き、女性は専業主婦というのが暗黙の掟であり、女性たちは気ままな日常を送る一方で、街の外に出る自由はありません。 妻を家庭に閉じ込める「女性を支配したい男性」を描く一方で、アリス以外の妻たちのような「男性に支配されることを望む女性」も存在することが描かれています。
【解説】仮想世界を示す伏線は?卵・赤い飛行機の意味とは
伏線①:空っぽな卵
アリスが朝食を作ろうと卵を手に取ると、その中身は空っぽでした。この空っぽの卵は、仮想空間のアップデートの関係で起きたバグと考えられます。 このシーンで、アリスたちの暮らしが現実世界のものではないことが初めて示唆されました。
伏線②:地震の正体
「ビクトリー」の街ではたびたび小さな地震が起こります。これは男たちがなんらかの方法で現実世界にアクセスしたときに起こる振動と考えられます。 あるいは、実際に現実世界が揺れていることに影響を受けているのかもしれません。
伏線③:墜落した赤い飛行機
アリスは赤い飛行機が墜落するのを目撃したことをきっかけに、ビクトリーの街に疑問を持ち始めます。 赤い飛行機は、“狂ってしまった”マーガレットの息子が持っていたものと似ています。またバスの運転手には飛行機が見えていなかったことから、これはアリスの街に対する疑念が作り出した幻覚だったのかもしれません。
伏線④:アリスが見る不可解な映像
街に違和感を抱き始めたころから、アリスはときどきモノクロの幻影を見るようになります。 それはバーレスクのダンサーたちが一糸乱れず踊っている光景。バーレスクという特に身体的な女性性を強調したその映像は、女性らしさの強要と同調圧力を象徴しています。
伏線⑤:夫たちの仕事
街に住む各家庭の夫たちの仕事は「革新的な物質の開発」とされていました。しかし実際には夫たちは現実世界に戻って普通の仕事をしたり、眠りつづける妻の介抱をしたりしていました。 夫たちはビクトリーが仮想空間だと知っており、妻たちはそれを知らず閉じ込められているのです。
【キャスト】『ドント・ウォーリー・ダーリン』登場人物一覧
アリス役/フローレンス・ピュー

主人公アリスを演じるのは、『ミッドサマー』(2019年)や『ブラック・ウィドウ』(2021年)などで知られるフローレンス・ピューです。 イギリス出身の彼女は、2016年に主演を務めた映画『レディ・マクベス』で高い評価を受け、2019年の『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』ではアカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。
ジャック役/ハリー・スタイルズ

アリスの夫ジャックを演じるのはイギリスのボーイバンド「ワン・ダイレクション」の元メンバーのハリー・スタイルズです。 2016年にグループが活動休止となり、彼はクリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』(2017年)で俳優デビューしました。
【監督】「ブック・スマート」のオリビア・ワイルド

本作の監督を務めたのは、オリヴィア・ワイルドです。監督デビュー作『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(2019年)が高い評価を受け、本作が長編2作目となりました。 女優としても活躍しており、テレビシリーズ『Dr.HOUSE』の“13番”ことレミー・ハドリー役などで知られています。本作にもバニー役で出演しています。
映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』をネタバレ解説
『ドント・ウォーリー・ダーリン』のネタバレ解説・考察を紹介しました。 アーティスティックな映像に隠されたスリリングな物語と、現代に刺さるメッセージをぜひ楽しんでください。








