2021年10月24日更新

ノーラン新作映画「オッペンハイマー(原題)」あらすじ&キャスト!主演は常連キリアン・マーフィーに決定

クリストファー・ノーラン
©︎Lia Toby/WENN.com

2020年に新作『TENET テネット』が公開され、健在ぶりを示したクリストファー・ノーラン監督。彼の最新作が、「原爆の父」と呼ばれるオッペンハイマーの人生を描くものであることが明らかになりさらに米国公開日も2023年7月21日であることが発表されました。 この記事では、本作のあらすじ・キャストなど最新情報をお届けし、配給元がワーナーからユニバーサルに変わった裏話にも触れていきます。これを機会に、ノーラン監督についても復習しておきましょう!

【あらすじ】「原爆の父」オッペンハイマーを描く

ノーラン監督が新作で取り上げるのは、「原爆の父」と呼ばれた理論物理学者ロバート・オッペンハイマー。第二次世界大戦中、アメリカにおける原子爆弾の開発・製造を担った「マンハッタン計画」を主導した人物です。 ピュリッツァー賞を受賞したノンフィクション『オッペンハイマー「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』が原作。映画では原爆開発から、核兵器の国際管理の必要性や反「水爆」を訴えるに至るまでの数奇な人生を描く伝記×スリラーになるようです。

モデルとなるロバート・オッペンハイマーとは?

ロバート・オッペンハイマーは、ドイツ移民の子として1904年にニューヨークで生まれました。ハーバード大学やケンブリッジ留学を経て、ゲッティンゲン大学で理論物理学の博士号を取得。若くして物理学の教授となります。 1942年に「マンハッタン計画」が開始され、オッペンハイマーは「ロスアラモス国立研究所」初代所長となって原爆製造の研究チームを主導。彼らは世界で初めて原爆開発に成功したチームであり、ニューメキシコでの核実験の後、広島と長崎に原爆が落とされました。 戦後は原子力委員会のアドバイザーとなり、核兵器の国際的な管理や反「水爆」を訴えましたが、冷戦下の赤狩りによって公職から追放され、FBIの監視下に置かれるなど不遇な後世を送りました。 後に原爆開発を主導したことを後悔して「科学者は罪を知った」という言葉を残し、ヒンドゥー教の聖典の一節「我は死神なり、世界の破壊者なり」で知られる神クリシュナを自身に重ね合わせたといいます。

【キャスト】キリアン・マーフィーが主演に決定

キリアン・マーフィー
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主人公となるロバート・オッペンハイマー役に、ノーラン監督作の常連であるキリアン・マーフィーが決定しました。 キリアン・マーフィーは1976年5月25日生まれ、アイルランド出身の俳優。ダニー・ボイル監督の『28日後...』(2002年)で主演を務めた他、英BBCドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』の主人公トーマス・シェルビー役で知られています。 ノーラン監督作では「ダークナイト」3部作でヴィランのスケアクロウを演じた他、『インセプション』(2010年)と『ダンケルク』(2017年)に出演にしています

【制作・配給】ワーナーとの20年の関係の終焉 ユニバーサルと契約決定

ワーナー『TENET』配信による亀裂

テネット、tenet
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ノーラン監督の最新作は、長年彼の作品を配給してきたワーナー・ブラザースではなく、新たにユニバーサル・ピクチャーズが配給することに。 2020年のコロナ禍のうちに劇場公開された『TENET テネット』が興行的に振るわなかったため、ワーナーが「HBO Max」での配信を決定したことで、劇場公開にこだわるノーラン監督との関係に亀裂が入ったともいわれています。 2002年の『インソムニア』から、「ダークナイト」3部作、『プレステージ』(2006年)、『インターステラー』(2014年)、『ダンケルク』、そして『TENET テネット』までの9作品すべてを配給してきたワーナー。その蜜月関係が、コロナ禍で引き裂かれるとは予想だにしない出来事でした。

ユニバーサルとの契約に至る経緯

ノーラン監督は自身が手がけた最新作の脚本を、各スタジオや配信サービスに開示して出資者の選定を行っていたそう。 ノーラン監督側は契約の条件として、「ファイナルカット権の保持」や「90~120日間の独占劇場公開」、チケット売上の収入から20%の報酬を受け取る「ファースト・ドル・グロス契約」などを要求。ユニバーサルはこれらの要求に応える姿勢を示したようです。 特に今回の契約の裏側では、ユニバーサル会長のドナ・ラングレーが一役買ったとされています。両者が合意に至るまでには、数カ月にわたる交際期間やミーティングなどが設けられ、関係の構築を積極的に進めてノーラン監督の要望や意向をできる限りくみ取っていったようです。

【監督】クリストファー・ノーランについて改めて知る

21世紀最高の映画作家の1人

クリストファー・ノーラン
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クリストファー・ノーランは1998年の監督作『フォロウィング』で長編映画デビューを飾り、2000年には2作目『メメント』で注目を集めました。 2005年の『バットマン ビギンズ』からスタートした「ダークナイト」3部作で高い評価を得て、以降『インセプション』、『インターステラー』、『ダンケルク』と作家主義を重視しながら商業主義的な大作の成功も両立させ続けていますインターネットやCGが嫌いなことで有名で、映画館での上映にこだわりを持つ生粋のアナログ派。その最たるものでは、映画の撮影にはデジタルが主流な中、いまだフィルムを使用する徹底ぶり。IMAXを長編映画で使用した初めての監督でもあります。 逆行する時間を表現した『メメント』や『TENET テネット』、記憶が重要なテーマとなった『インセプション』や『インターステラー』など、時間や記憶を操る作風が特徴。弟のジョナサン・ノーランとは『プレステージ』や『インターステラー』で脚本を共作しています。

CG不使用・フィルム撮影というこだわり

徹底的にCG不使用

『インセプション』 (z)
©️Photofest/Warner Bros. Pictures/zetaimage

極力CGを使うことを避け、可能な限り「本物」の撮影を決行するノーラン監督。中でもビルの爆破解体を利用したり、18輪トレーラーを縦回転させた『ダークナイトや、戦闘機にIMAXカメラを付けたまま水没させた『ダンケルク』ジャンボジェット機を爆破させた『TENET テネット』など豪快な逸話も多数あります。 さらに、『インセプション』では無重力状態のホテルを360度回転する巨大なセットを作って表現したり、『インターステラー』ではカナダにトウモロコシ農場を実際に作ったりとそのこだわりはもはや伝説!

大手フィルム会社・コダックを救う

ノーラン監督のフィルム撮影のこだわりが、フィルムメーカーのコダック社を経営難から救ったというエピソードもあります。現在ではデジタル撮影が主流の映画界で、ノーラン監督は数少ないフィルム派の1人。 2014年にはJ・J・エイブラムスクエンティン・タランティーノらフィルムを愛する映画監督とともに映画スタジオに働きかけて、コダック社から一定量のフィルムを購入する契約を締結。コダック社のフィルム製造を継続させた話は有名です。

ノーラン監督の最新作は2023年7月全米公開!

ノーラン監督の最新作のタイトルは『オッペンハイマー(原題)/Oppenheimer』、2023年7月21日に全米公開されることが発表されました。今回もノーラン監督はIMAXフィルムで撮影するようで、「IMAX撮影の壮大なスリラー」になるとのこと! 『TENET テネット』制作チームが再集結しており、今度はどんな壮大な映像を見せてくれるのか、今から期待が高まっています。