映画『モアナと海の伝説』モデルはどこの国?マウイの伝説は本当に存在する?リアルな設定を紹介
2016年のディズニーアニメ『モアナと伝説の海』は美しい南国の海と島に伝わる伝説が魅力的な作品。この記事では、『モアナと伝説の海』の舞台のモデルやマウイや島の伝説について詳しく解説していきます。
【舞台】映画『モアナと海の伝説』モデルになったのはポリネシア

『モアナと伝説の海』の舞台は特定の一国ではなく、ハワイ・サモア・タヒチ・トンガ・フィジーなどを含む広大な「ポリネシア諸島」全体の文化や歴史をモデルにしています。劇中に登場する島「モトゥヌイ」は架空の島ですが、豊かな自然や伝統航海術は実在する島々の生活から着想を得たそう。 また劇中で畑を耕すシーンに登場する植物はタロイモで、ポリネシアの島々で主食とされる重要な作物。劇中では村の生活を支える食糧として描かれており、相棒のニワトリ「ヘイヘイ」がタロイモにつまずくコミカルなシーンでもおなじみです。 さらに島を取り囲むエメラルドグリーンの美しい海の描写は、その濃さも忠実にリアルに表現されています。
ポリネシアの問題がリアルに影響しているキャラ設定
ポリネシア諸島のような小島嶼(小さな島々で構成される地域)は砂浜が多く、大規模な穀物農業や広大な水田での稲作は地形・気候的に適さないため、タロイモやヤムイモなどの根栽農耕やココヤシやバナナなどの樹木農耕が行われてきました。 また大型の哺乳類がほとんど存在しなかったポリネシアの島々では、移住時に持ち込まれた豚と鶏が貴重な家畜だったよう。手軽なタンパク源である鶏や儀式や御馳走で使われる豚は身近な存在で、「モアナ」劇中でも豚のプアや鶏のヘイヘイが村を走り回る様子が描かれています。
タトゥーもマオリ文化の一つ?

ニュージーランドの先住民族「マオリ」に伝わる半神「マウイ」には、全身にタトゥーが入っています。タトゥーもマオリ文化の重要な一要素であり、単なるファッションではなく、その人の家系や社会的地位、功績や人生の歩みがすべてデザインに刻まれているのです。 マウイのタトゥーは彼の偉業を表す歴史書のようなもので、成し遂げる度に体に浮かび上がってきます。
【マウイ】神話が設定のモデル?見た目はドウェイン・ジョンソンの祖父がモデル?
マウイの設定はポリネシアの神話がモデル
半神「マウイ」は魔法の釣り針を持ち、島を引き上げたとされる「文化英雄」。ハワイやニュージーランドなどポリネシア全域に伝わる神話の神がモデルです。火や農耕など特定の文化要素に限定された範囲で創造行為を行うという、多神教神話の中ではよく登場する存在だそう。 マウイは劇中歌「俺のおかげさ」の中で「空を高く押し上げた」と歌っていますが、これは「天地開闢」(世界の始まりの神話)を意味しており、ハワイ神話が元になっているようです。
見た目はドウェイン・ジョンソンの祖父がモデル
マウイのキャラクターデザインは、「ハイ・チーフ」のリングネームで活躍したピーター・メイビアからインスパイアされていることが、マウイの声優を務めたドウェイン自身の口から明らかに!メイビアは伝説のサモア人プロレスラーで、ドウェイン・ジョンソンの祖父です。 2026年7月公開の実写版『モアナと伝説の海』でドウェイン・ジョンソンは再びマウイを演じており、サモアの血を引く彼はその深い縁に「先祖の文化を背負う」気概を持って臨んでいることも語っていました。
【ラストシーン】テ・フィティも神話がモデル
女神「テ・フィティ」と溶岩の悪魔「テ・カァ」という神そのものはディズニーの創作ですが、複数のポリネシア神話に登場する女神たちがモデルになっています。火山の女神「ペレ」(ハワイ神話)はその二面性が、大地の女神「パパ」(ポリネシア全域)は横たわった巨大な島そのものが女神の姿をしているビジュアルが反映されているようです。 ラストシーンでテ・フィティが島そのものになっていく描写がありますが、これは「世界巨人型神話」の典型。この大地や人間は、巨神や巨人の遺体から生まれたものであるという創世神話の1パターンであり、テ・フィティにそのイメージが重ねられています。
【名前】モアナはマオリ語で「海」!ヘイヘイにも意味が?

マオリ語で「モアナ(moana)」は「海」、あるいは「大洋(オーシャン)」を意味します。この言葉はニュージーランドのマオリ語だけでなく、ハワイ語、サモア語、タヒチ語、トンガ語など、ポリネシア諸語の多くに共通する言葉です。 実は豚の「プア」と鶏の「ヘイヘイ」は、ポリネシア諸語でそのまま「豚」と「鶏」を意味する単語!プアは主にハワイ・タヒチ・サモア語の「プアア」から、ヘイヘイはマオリ語から取られているようです。また、モアナの父「トゥイ」は、ニュージーランド固有に棲息する鳥の名前です。
【モトゥヌイ】モアナの出身地も存在する?
ニュージーランドに、映画の舞台とまったく同じ「モアナたちが暮らす緑豊かな南国の有人島」としてのモトゥヌイ島はありませんが、「モトゥヌイ(Motunui)」という名前の島や地域は実在します。 「モトゥヌイ」はマオリ語およびポリネシア諸語で「大きな島」(Motu=島、Nui=大きい)を意味する一般的な名詞のため、複数の場所にこの名前が残っているようです。 ニュージーランド最南端の「スチュアート島」の北東沖にモトゥヌイ島という無人島が実在し、ニュージーランド北島のタラナキ地方には、モトゥヌイという地区があります。
【船】本当に存在する信仰がモデルになっている
モアナが洞窟で先祖の舟を見つけるシーンは、「失われた優れた舟や過去の栄光が戻ってくる(見つかる)」というシチュエーション。メラネシアの「カーゴ・カルト」の信仰とどこか似ており、モデルでは?と指摘されています。 「カーゴ・カルト」は「神や先祖が素晴らしい物資(カーゴ)を積んだ船でやってきて自分たちを救ってくれる」という信仰。島が危機に陥った時に主人公が隠されていた進んだテクノロジー(大きな航海カヌー)を発見して世界を救う旅に出るという劇的な構図が、この信仰の「救済」のイメージと重ね合わされ、ファンの間で興味深い学術的考察として語られるようになったと考えられます。
『モアナと海の伝説』モデルの地域に忠実でリアルな映画
ディズニーアニメ『モアナと伝説の海』は、モデル地域の緻密な調査とポリネシア文化への敬意によって素晴らしい作品となり、大ヒットを記録しました。2026年7月31日からは実写版も公開!この機会にぜひアニメと実写版の両方を楽しんでみてください。
