『モアナと伝説の海』のトリビア&裏話を紹介 マウイは髪の毛がない設定だった?
知ってた?『モアナと伝説の海』のトリビアを紹介
2017年に公開された『モアナと伝説の海』は、勇敢な南の島のプリンセス・モアナの冒険と成長を描く物語です。ディズニー初のポリネシア系プリンセス、同じく多くのポリネシア系のボイスキャストを迎えるなど、話題になりました。 今回は、そんな「モアナ」のトリビアを紹介します。各キャラクターに関する知られざる裏話から制作秘話、ディズニーお約束のお遊びまで、誰かに教えたくなるような豆知識を選びました。 知れば「モアナ」をもう一度観たくなること間違いなし!
『モアナと伝説の海』のあらすじ【ネタバレ注意】
自然豊かな南の島、モトゥヌイ。そこではある伝説が語り継がれていました。 「命を創り出す偉大な力を持った命の女神テ・フィティの“心”が、あるとき半神半人のマウイによって盗まれてしまった。そのとき世界には暗黒の闇が生まれた。しかし闇がすべてを覆いつくす前に、珊瑚礁を超えて旅するものがテ・フィティに“心”を返し、私たちを救ってくれる。」 この話を聞いて育ったモアナは、幼いころから海の向こうを見てみたいと願っていましたが、村には珊瑚礁の外に出てはいけないという掟があり、父である村長に何度も言い聞かされていました。しかしあるとき、島に異変が起こりはじめます。ココナッツの来が病気になり、魚も捕れなくなってしまったのです。 その原因は、伝説のとおり、暗黒の闇がモトゥヌイを飲み込もうとしていたからでした。島を救うため、モアナはたったひとりで大海原へ旅立つことを決意します。 なんとか船出したはいいものの、船の操縦の仕方を知らないモアナは四苦八苦。そんな彼女の前に現れたのは、なんと暗黒の闇を創り出す原因となったマウイ本人でした。 あることを交換条件に、2人は一緒に旅をすることに。そして、さまざまな困難を乗り越えてようやく“暗黒の闇”と対峙しますが、そこには思いも寄らない真実が隠されていました。
モアナに関するトリビア 史上最年少のディズニープリンセスが誕生
夢が叶った! 14歳の少女が大抜擢
本作でモアナの声優に抜擢されたのは、ハワイのオワフ島出身の14歳アウリ・クラヴァーリョです。彼女は幼い頃からディズニープリンセスになることが夢だったとか。まだ14歳のクラヴァーリョですが、その夢を本当に叶えてしまったのだから驚き。 彼女が本作のオーディションを受けるきっかけは、キャスティングディレクターがハワイのコンテストで彼女が歌唱する姿を偶然見たからだそうです。その後、クラヴァーリョはすぐさまオーディションを受けるためロサンゼルスへ。監督のロン・クレメンツとジョン・マスカーは、彼女を見た瞬間、モアナのイメージにピッタリだと思ったそうです。 偶然が重なって今回の大抜擢が実現しました。
史上最年少のディズニープリンセス!
モアナの声を担当したアウリィ・クラヴァーリョは製作当時14歳。最年少でディズニープリンセスの声優を務めた人物となりました。モアナの年齢設定は16歳ですので、実年齢よりも年上のキャラを演じていたのですね。 また、これまでプリンセスの声優は、歌手やミュージカル女優などある程度キャリアがある人が務めてきました。全くの新人であるクラヴァーリョが抜擢されたのは、異例の出来事だったのです。
イタリアバージョンでは名前が“ヴァイアナ”!?
“モアナ”はハワイ語やマオリ語で“海”を意味する言葉です。 しかし本作のイタリアバージョンでは、彼女の名前は“ヴァイアナ”に、映画のタイトルは“オセアニア”に変更されました。これは、80年代活躍したイタリアのポルノスター、モアナ・ポッツィと混同させないための配慮だったといわれています。
マウイに関するトリビア 髪の毛はない予定だった?
マウイは製作初期では髪の毛がなかった!?
本作に登場するマウイは、カールしたロングヘアーが印象的なキャラクターですが、製作初期段階では髪の毛がない設定だったそう。 しかしオセアニアの伝説を聞き育った現地の人々は、マウイは長髪だというイメージがあり、最終的にロングヘアーになったのだとか。彼のカールしたドラマチックなロングヘアーを再現するために、新たな技術が開発され、またディズニーでも珍しい上半身裸のキャラクターを描くことにも苦労したそうです。
『リトル・マーメイド』と関連がある?
タマトアはセバスチャンを意識していた
海底のそのまた奥深くにある魔物の国「ラロタイ」に住む巨大なヤシガニのタマトア。自分の甲羅にキラキラした光物を貼り付けるのが趣味で、自分をゴージャスに見せつける見栄っ張りです。テ・フィティの心を盗み出したマウイが、逃げる途中に誤って落とした神の釣り針を何らかの方法で見つけ自分の甲羅にシンボルとして飾っていました。 物語の中盤を盛り上げる印象的な悪役ですが、実は彼は、同じ甲殻類として『リトル・マーメイド』に登場する赤いカニのセバスチャンを意識している様子。 エンドロールの後には、モアナたちに倒された後のタマトアの姿が描かれています。彼はひっくり返ったままで、「もし俺の名前がセバスチャンで、ジャマイカ訛りなら助けてくれるんだろ?」とつぶやいています。
物語のキーアイテムは『リトル・マーメイド』と関係が!
物語の重要なアイテムとなっている「テ・フィティの心」ですが、この渦巻き模様にはディズニーの過去作品からヒントを得ています。 それは『リトル・マーメイド』に登場する海の魔女アースラが身に着けていたネックレス。同作では地上の王子エリックに会うため、人魚姫のアリエルは美しい声と引き換えに人間の足を手に入れました。その美声を封印していたのが、アースラのネックレスです。 どちらも奪われたものを取り返すという共通点があることから採用されたのだとか。また、この2作品の監督は、両方ともロン・クレメンツとジョン・マスカーが務めています。
マウイのソロ曲シーンにあのキャラクター!?
モアナの相棒となるマウイのソロ楽曲「俺のおかげさ」は、音楽に合わせて彼のタトゥーが動いたり、手書き風の魚が泳いだりと、楽しい映像となっています。 実はここには、あるキャラクターが隠されているのだとか。 それは、アリエルの友達の魚フランダー。ほんの一瞬ですが、青と黄色のシマ模様が確認できるので探してみてください!
『アラジン』のあのアイテムも!
空飛ぶ絨毯が登場?
島でモアナがココナッツの実を持って村人たちの前を横切るシーンがあります。そこで村人たちは、敷物らしきものを広げているのですが、その柄は『アラジン』に出てきた空飛ぶ魔法の絨毯にそっくりです。 色や敷物の材質は違うようですが、デザインは全く一緒。こんな何気ないワンシーンにも隠れた演出がされているのはすごいですね。『アラジン』もやはり、本作と同じクレメンツとマスカーが監督を務めています。
ジーニーのランプが深海に
『アラジン』からもう1つ、同作の重要アイテムがちらりと登場しています。それはジーニーが暮らしていた魔法のランプ。 このランプは、巨大なヤシガニ・タマトアの背中にある財宝の山のなかに何気なく置かれています。
ピクサーのあの作品のキャラクターが隠れている?
『ズートピア』のキャラクターが登場?
『モアナと伝説の海』には、『ズートピア』に登場するナマケモノのフラッシュがカメオ出演しています。 モアナとマウイの前に突如現れる謎の仮面のおばけ。このキャラクターは、特徴ある4本の長い指や鋭い爪などから、フラッシュが演じているのではないかといわれています。 仮面を被っているので顔はわかりませんが、本作の監督は「フラッシュがどこかにカメオ出演している」と明かしており、このキャラクターでほぼ間違いないのではないでしょうか。
『ズートピア』本編にもモアナのモチーフがあった!
2016年に公開された『ズートピア』には、すでにモアナが登場していました。 イタチのデューク・ウィーゼルトンが道端で売っていた海賊版DVDのなかには、当時公開前の作品のものもあり、『MEOWANA』というタイトルのDVDも。パッケージは猫の女の子が帆を張り海に出ているもので、まさにモアナそのもの。 Meow(ミャウ)とはネコの鳴き声で、これにMOANAを足して「MEOWANA」。日本語版では『モアニャ〜』となっています。
楽曲に関するトリビアや制作秘話
楽曲はそれぞれ個性的な作曲家がコラボ!
『モアナと伝説の海』の楽曲は、それぞれ違った経歴を持つ3人のアーティストが担当しています。 主にスコアを担当したマーク・マンシーナは、『ライオン・キング』や『ターザン』などの楽曲でグラミー賞を3度受賞しているディズニー音楽を知り尽くした巨匠。オペタイア・フォイは、南太平洋の音楽と現代音楽を融合させた独特な音楽で「モアナ」の世界観に合った楽曲の製作しました。そして、ミュージカル『ハミルトン』がトニー賞を受賞した新鋭リン・マニュエル=ミランダも、タマトアの「シャイニー」など印象的な曲を作り上げています。 それぞれの個性が融合しあい、主題歌「どこまでも~How Far I’ll Go〜」をはじめとする素晴らしい曲の数々が誕生しました。
「シャイニー」はデヴィッド・ボウイを意識して作られた曲?
海底のモンスター“タマトア”は艶やか(=グラム)で煌びやかなロックスタイルの“カニ”!
— ディズニー・スタジオ (@disneystudiojp) February 24, 2017
ディズニー史上初となる“グラムロック”を取り入れた魅力的な曲調がクセになる!? https://t.co/yBR6Pc17zG #モアナと伝説の海 #モアナの歌 pic.twitter.com/rq6RqeNWtS
自分の甲羅を金銀財宝で飾り立てた巨大なカニのタマトアは、その楽曲「シャイニー」の曲調も相まって、グラムロックの雰囲気を感じさせます。 実は「シャイニー」は、実際に映画公開の前年に亡くなったデヴィッド・ボウイを意識して作られたのだとか。日本語吹替版でタマトア役を演じたミュージシャンのROLLYは、楽曲について「高音と低音が混じり合ってデヴィッド・ボウイっぽいと感じた」と本作のヒット感謝イベントで語りました。 ちなみにタマトアの目は、ボウイと同じく左右違う色になっています。
ポリネシア地域の文化を徹底的にリサーチ!
本作は、舞台となるポリネシアの文化を徹底的にリサーチしたうえで製作されました。 マウイはハワイ、トンガ、サモアなど複数の島に存在する神話を元にしたキャラクターですし、モアナが赤ちゃんのころから海と親しむ描写も、現地での取材を重ねるなかでポリネシアの人々と海のつながりの深さに感銘を受けて、意図的に多く製作されたものだとか。 近年、新たなプリンセスの姿を追求しているディズニーは、多様な文化を正しく描くことも重要視しているようです。
意外な作品へのオマージュ
『マッドマックス 怒りのデスロード』のオマージュシーンが!?
『#モアナと伝説の海』の意外な真実!?
— ディズニー・スタジオ (@disneystudiojp) March 9, 2017
「ディズニーと『マッド・マックス』が合体したみたいなシーンだね。このシーンを担当したストーリーアーティスト、ジョン・ライパはジョージ・ミラーからちょっとしたインスピレーションを受けてるよ」ジョン・マスカー監督 pic.twitter.com/h7RRrcQl6U
製作陣がマッドマックスの監督を務めたジョージ・ミラーのファンだったこともあり、船で戦う場面では、『マッドマックス 怒りのデスロード』がオマージュされています。かなり激しいシーンになっているので、注目ですね!
トリビアを知っていると「モアナ」がさらに楽しくなる!
各キャラクターの細かな設定や別作品からのカメオ出演、製作秘話まで紹介しました。興味深いものはあったでしょうか? これらのトリビアを知ってから『モアナと伝説の海』を観てみると、それ以上の発見があるかも知れませんね!ぜひこの機会に観てみてください。